JPS6116717B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はエスカレーターあるいは電動道路の欄
干に係り、特に構造の単純化を図つた欄干構成に
関する。

〔発明の背景〕

エスカレーターあるいは電動道路は、建屋内に
おける必要不可欠な輸送設備として重用され、広
く普及してきたが、最近では本設備に関して省エ
ネルギー、安全性及び意匠の軽快感など実に多様
なニーズがある。

従来のエスカレーターあるいは電動道路（以下
単にエスカレーターと云う）の構成は、第１図に
示した通り、無端状に配列されて回動するステツ
プ１及び移動てすり２で成る回動体と、欄干３及
び本体枠部４等の静止体から成り立ち、これら全
ての部品が建屋床Ｆに支えられるものである。

なお、欄干３の詳細は、第１図以下第３図に示
した通り、本体枠部４に支持されたガラスパネル
５、内デツキ６、外デツキ７及びスカートガード
８のような欄干下辺材、さらにガラスパネル５の
上辺には移動てすり２を案内するガイド９、移動
てすり用フレーム１０、照明器具１１等の欄干上
辺材が配設されている。そして、移動てすり用フ
レーム（一般にはステンレス鋼製）１０の内方に
は、ガラスパネル５を保護するパツキン１２と、
このガラスパネルを把持し、かつ照明器具１１を
構成するランプ１３とカバー１４を支持する支持
体１５、さらにこの支持体１５にボルト１６で締
結されて最終的にガラスパネル５を固定するため
の押板１７が設けられている。

ここで、欄干上辺材の寸法関係について説明す
る。上辺のガイド９は、化粧ゴム部２ａと綿キヤ
ンバス２ｂから成る移動てすり２の内周に係合す
る寸法であり、ボルト（図示省略）によつて移動
てすり用フレーム１０に固定されている。次に、
移動てすり用フレーム１０は、移動てすり２の高
さｈ_aに対して２〜３倍の寸法比である高さｈを
有し、かつ横方向は、移動てすり２の側端から外
側へ_a、内側へ_b（一般に_a，_bとも10〜50
ミリメートル）突出しているのが普通であり、
_a側は照明器具１１の収納に、または_b側はガラ
スパネル５の把持に利用されている。

このような従来の欄干構成において、最近では
照明器具１１を除外した軽快な意匠で、かつ省エ
ネルギー指向のニーズが高まつている。

一般に、第３図に示した照明器具１１を除外す
る場合には、想像線Ｚで示した塞ぎ板を設けて移
動てすり用フレーム１０の内部を被覆し、欄干本
体の部材（移動てすり用フレーム１０など）を改
変しないのが普通である。このような照明器具１
１を用いないエスカレーターでは、天井照明Ｘ及
びＹの照度を上げて乗客に対するサービス（特に
足元は十分に明るくして安全な利用に供する）を
行うことになるが、従来の移動てすり用フレーム
１０の寸法構成では採光上極めて不都合である。

すなわち、第２図のように天井照明Ｘの明るさ
を矢印Ｍの如くガラスパネル５を通してステツプ
１側に導く場合、移動てすり用フレーム１０の突
出寸法_a及び高さｈが光線の入射角θ_１を規制
することになる。この状態は、エスカレーターの
周囲がスクリーンＳ等で被われた場合に特に深刻
であり、特に乗客の安全な利用に不可欠な照度を
確保できない事態も生じる。

一方、従来のエスカレーターにおいては安全及
び意匠性の面で解決されるべき課題もある。

安全面では、幼児等が移動てすり２を確実に掴
めない事態が想定される。すなわち、欄干は第３
図に示したようにステツプ１からの高さＨが乗客
の転落を防止する観点から650〜750ミリメートル
に設定さら、就学児以上の乗客に対して好適な高
さになつている。しかしながら、幼児童の場合に
は、高さＨの問題以外に第３図の如く手Ｑの一部
が移動てすり用フレーム１０の角に接触（点Ｐ）
して移動てすり２を掴みずらい状態となる。

このように無理な状態で移動てすりを掴もうと
した場合には、足元がスカートガード８に接近し
てステツプ１まわりでの引込まれ事故を誘発する
ため極めて危険である。

さらに、意匠面では、移動てすり２の摩耗粉Ｒ
が移動てすり用フレーム１０の上面に堆積する問
題がある。この摩耗粉Ｒは、移動てすり２の駆動
系に用いられる鉄材やゴム材、それに綿キヤンバ
ス部２ｂの混合粉であり、公共設備としてこの摩
耗粉Ｒがもたらす不潔感と乗客の衣服を汚す欠点
は無視できない。

ここで、従来知られている例としては米国特許
No.3989133などもあるが、本文に例示した従来の
欄干構成と大同小異であり改善の余地がある。

以上説明した通り、従来の欄干３の構成では省
エネルギー指向への対応、安全性及び意匠性の面
での改善を要することが判る。

〔発明の目的〕

本発明は、上記の不具合を改善するために、ラ
ンプやカバー等で成る照明器具を装備しない欄干
構成において、透明面積を最大としてステツプ上
に効率よく採光し、あわせて軽快な意匠感覚のも
とに安全性が高く清潔なエスカレーターあるいは
電動道路の欄干を提供することを目的とするもの
である。

〔発明の概要〕

本発明は上記目的を達成するために、無端状に
設置されて回動するステツプと同期的に回動する
移動てすりと、この移動てすりの内側に収納配置
され該移動てすりの移動を案内するガイドフレー
ムと、このガイドフレームに前記移動てすりの内
側において下向きに一対の垂直壁を延設して形成
した下向きに開口する支持溝と、この支持溝内に
上端を嵌着され該嵌着される上端に切込みを形成
したガラスパネルと、前記移動てすりの内側にお
いて、このガラスパネルの切込みを通して前記ガ
イドフレームの一対に垂直壁に貫通し該垂直壁と
前記ガラスパネルの切込みを共締する締結ビス
と、この締結ビスの締付け位置において前記ガイ
ドフレームにその長手方向に沿つて設けられ前記
締結ビスを直交する溝とを備えた欄干として、特
にガラスパネル上端の連結強度を増す欄干構成と
し、これにより移動てすりの内側に前記ガイドフ
レームとガラスパネル上端との収納を実現させた
のである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第４図乃至第７図の
エスカレーターにもとづき説明する。

第４図以下第７図において、回動するステツプ
１の駆動メカニズムや本体部４の構成、それに内
デツキ６、外デツキ７及びスカートガード８等の
欄干下辺材は従来と同様であるが、本発明ではガ
ラスパネル１８（従来のガラスパネル５に相当）
の上端を把持し、かつ移動てすり２を案内するガ
イドフレーム１９を、前記ガラスパネルの上端把
持部を含めて前記移動てすり２の内側に配設した
ことに特徴がある。

ここで、欄干上辺部の構造を詳述すれば、ガイ
ドフレーム１９は移動てすり２の内側に位置し、
該移動てすり２の移動を案内するために欄干の全
長にわたつて連続的に設けられている。そして、
ガイドフレーム１９は移動てすり２内において下
向きに一対の垂直壁１９Ａ，１９Ｂを連設して下
向きに開口する支持溝１９ａを形成している。そ
して、ガラスパネル１８の上端を被うべく設けら
れたパツキン２１を介して、前記支持溝１９ａが
ガラスパネル１８の上端に嵌入される。さらに、
ガイドフレーム１９を締付ける部分の詳細は第６
図及び第７図のようになつている。締結用のビス
２２は、前記ガラスパネル１８の前記支持溝１９
ａ内に嵌入する位置でエスカレーターの長手方向
に適宜設けた切込み１８ａ（幅J₁、深さJ₂）部分
で、該切込み１８ａを通し前記両垂直壁１９Ａ，
１９Ｂを貫通され、このビス２２の頭部とナツト
２３の間で支持溝１９ａとガラスパネルの上端を
共締めするように配置される。そして、この支持
溝１９ａ（幅W₁）には、ビス２２が貫通し、かつ
幅W₂（W₁＞W₂）の間隔片２４が配置され、さら
にこの間隔片２４の上方即ちビス２２の締付け位
置該当部のガイドフレーム１９の中央部には幅
δ、長さＮの溝１９ｂがその長手方向に沿い、か
つビス２２と直交するように設けられている。そ
して、このビス２２の締付けにともなうガイドフ
レーム１９の両垂直壁１９Ａ，１９Ｂの間隔を第
７図の想像線の如く収縮させ、この収縮した分で
ガラスパネル１８の上端とパツキン２１を締上
げ、ガラスパネル１８の上端とガイドフレーム１
９の連結を強固とする構成となつている。なお、
この溝１９ｂは、ビス２２の締付け力がガイドフ
レーム１９の上辺部を変形させるために浪費する
のを防止し、ビス２２の締付け力をガラスパネル
１８の挾持に有効に作用させるために設けたもの
であり、これによつて安定した締付け力が伝達さ
れる。一方、前記間隔片２４は、溝１９ａ（幅
W₁）が過大に収縮しないようにするために設けた
ものであり、溝１９ａがこの間隔片２４に接触し
た時点でそれ以上の締付けを防止し、ガラスパネ
ル１８に対しる過大な締付けを制限するものであ
る。

上記のように、ビス２２によるガラスパネル１
８の上端とガイドフレーム１９の固定は、締付け
力に過少がなく確実に締結されるので、前記ガラ
スパネル１８の上端との固定部を含むガイドフレ
ーム１９を移動てすり２の内側に配置することが
できるのである。

一方、両側ガイド２０は、移動てすり２の内周
に係合し、かつその一端はガイドフレーム１９の
溝１９ｃに嵌入され、さらに他端はガラスパネル
１８と移動てすり２の間の開口端部を被う形状で
あり、材質的には摩擦係数の低いナイロン等のプ
ラスチツク製品で構成されるものである。

この場合、ガイドフレーム１９及びガイド２０
の上辺部材は、上述のように横及び縦寸法とも移
動てすり２の内側スペース内によく収納されるも
ので、最も重要なガラスパネル１８との締結は、
ビス２２と、前記の溝１９ｂによつて確実に行わ
れる。なお、ガイド２０はビス２２の締結後に溝
１９ｃへの嵌合とガイドフレーム１９の下端部と
の接触によつて脱落することなく簡単に装着され
るものである。

このように、移動てすり２の内側の範囲内に、
溝１９ｂを有するガイドフレーム１９、ガイド２
０等の欄干上辺材を配置し、かつガイドフレーム
１９の支持溝１９ａ内に嵌着したガラスパネル上
端をビス２２により共締めしたことにより、従来
懸念された移動てすり２の下方への延出と左右
（_a及び_b）への出張りは完全に消滅する。

このため、第２図で説明した入射角が拡大（本
発明によればθ_２となりθ_２＞θ_１）と、省エネ
ルギー指向の欄干（照明器具１１がない）でも透
明面積を最大として、効率よく採光でき、乗客に
対する快適な利用環境をサービスすることができ
る。

一方、従来安全面と意匠面で問題となつていた
突出寸法_a，_bが消滅し、この面での効果も大
きいと言える。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によれば、透明面積を最大
として明るく軽快で、かつ意匠性と安全性の高い
エスカレーターあるいは電動道路の欄干を提供で
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエスカレーターの上部付近の側
面図、第２図は第１図の―線に沿う断面図、
第３図は第１図の―線に沿う断面図、第４図
以下は本発明の一実施例を示すもので第４図は従
来の第３図に相当する断面図、第５図は第４図の
構造を説明する斜視図、第６図は第４図相当の断
面図、第７図は第６図の―線に沿う平面図で
ある。 １…ステツプ、２…移動てすり、３…欄干、
５，１８…ガラスパネル、１２，２１…パツキ
ン、１８ａ…切込み、１９…ガイドフレーム、
９，２０…ガイド、２２…ビス、２３…ナツト、
２４…間隔片、１９ａ，１９ｂ…溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無端状に配設されて回動するステツプと同期
   的に回動する移動てすりと、この移動てすりの内
   側に収納配置され該移動てすりの移動を案内する
   ガイドフレームと、このガイドフレームに前記移
   動てすりの内側において下向きに一対の垂直壁を
   延設して形成した下向きに開口する支持溝と、こ
   の支持溝内に上端を嵌着され該嵌着される上端に
   切込みを形成したガラスパネルと、前記移動てす
   りの内側において、このガラスパネルの切込みを
   通して前記ガイドフレームの一対の垂直壁に貫通
   し該垂直壁と前記ガラスパネルとを共締する締結
   ビスと、この締結ビスの締付け位置において前記
   ガイドフレームにその長手方向に沿つて設けら
   れ、前記締結ビスと直交する溝とを備えたことを
   特徴とするエスカレータあるいは電動道路の欄
   干。