JPH0321476B2

JPH0321476B2 -

Info

Publication number: JPH0321476B2
Application number: JP6261381A
Authority: JP
Inventors: Chuichi Saito
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1981-04-27
Filing date: 1981-04-27
Publication date: 1991-03-22
Also published as: JPS57180583A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はエスカレーターあるいは電動道路等の
乗客コンベアの欄干に係り、特に構造の単純化を
図つた乗客コンベアの欄干構成に関する。

〔従来の技術〕

乗客コンベアは、建屋内における必要不可欠な
輸送設備として重用され、広く普及してきたが、
最近では輸送設備に関して省エネルギー、安全性
及び意匠の軽快感など実に多様なニーズがある。

従来の乗客コンベアの構成は、第１図に示した
通り、無端状に配列されて回動するステツプ１及
びハンドレール２で成る回転体と、欄干３及び本
体枠部４等の静止体から成り、これら全ての部品
が建屋床Ｆに支えられるものである。

なお、欄干３の詳細は、第１図以下第３図に示
した通り、本体枠部４に支持されたガラスパネル
５、内デツキ６、外デツキ７及びスカートガード
８のような欄干下辺材、さらにガラスパネル５の
上辺にはハンドレール２を案内するガイド９、ハ
ンドレールフレーム１０、照明器具１１等の欄干
上辺材が配設されている。そして、ハンドレール
フレーム（一般にはステンレス鋼製）１０の内方
には、ガラスパネル５を保護するパツキン１２
と、このガラスパネル５を把持する支持体１５、
さらにこの支持体１５にボルト１６で締結されて
最終的にガラスパネル５を固定するための押板１
７が設けられている。そして、前記支持体１５の
下部に前記照明器具１１のランプ１３とこれを被
うカバー１４とが支持されている。

ここで、欄干上辺材の寸法関係について説明す
る。上辺のガイド９は、化粧ゴム部２ａと綿キヤ
ンバス部２ｂから成り断面Ｃ字状に形成したハン
ドレール２の内周に係合する寸法であり、ボルト
（図示省略）によつてハンドレールフレーム１０
に固定されている。次に、ハンドレールフレーム
１０は、ハンドレール２の高さh_aに対して２〜３
倍の寸法比である高さｈを有し、かつ巾方向は、
ハンドレール２の側端から外側へl_a寸法、内側へ
l_b寸法（一般にl_a，l_bとも10〜50ミリメートル）
突出しているのが普通であり、l_a寸法側は照明器
具１１の収納に、またl_b寸法側はガラスパネル５
の把持に利用されている。

このような従来の欄干構成において、最近では
照明器具１１を除外した軽快な意匠で、かつ省エ
ネルギー指向のニーズが高まつている。

一般的に、第３図に示した照明器具１１を除外
する場合には、想像線Ｚで示した位置に塞ぎ板を
設けてハンドレールフレーム１０の内部を破覆
し、欄干本体の部材（ハンドレールフレーム１０
など）を改変しないのが普通である。このような
照明器具１１を用いない乗客コンベアでは、天井
照明Ｘ及びＹ（第１図）の照度を上げて乗客に対
するサービス（特に足元は十分に明るくして安全
な利用に供する）を行うことになるが、従来のハ
ンドレールフレーム１０の寸法構成では採光上極
めて不都合である。

すなわち、第２図のように天井照明Ｘの明るさ
を矢印Ｍの如くガラスパネル５を通してステツプ
１側に導く場合、ハンドレールフレーム１０の突
出寸法l_a及び高さｈが光線の入射角θ₁を規制する
ことになる。この状態は、乗客コンベアの周囲が
スクリーンＳ等で被われた場合に特に深刻であ
り、時に乗客の安全な利用に不可欠な照度を確保
できない事態も生じる。

一方、従来の乗客コンベアの欄干においては安
全及び意匠性の面で解決されるべき課題もある。

安全面では、幼児童がハンドレール２を確実に
掴めない事態が想定される。すなわち、欄干は第
３図に示したようにステツプ１からの高さＨが乗
客の転落を防止する観点から650〜750ミリメート
ルに設定され、就学児以上の乗客に対して好適な
高さになつている。しかしながら、幼児童の場合
には、高さＨの問題以外に第３図の如く手Ｑの一
部がハンドレールフレーム１０の角に接触（点
Ｐ）してハンドレール２を掴みづらい状態とな
る。

このような無理な状態でハンドレール２を掴も
うとした場合には、足元スカートガード８に接近
してステツプ１まわりでの引込まれ事故を誘発す
るため極めて危険である。

さらに、意匠面では、ハンドレール２の摩耗粉
Ｒがハンドレールフレーム１０の上面に堆積する
問題がある。この摩耗粉Ｒは、ハンドレール２の
駆動系に用いられる鉄材やゴム材、それに綿キヤ
ンバス部２ｂの混合粉であり、公共設備としてこ
の摩耗粉Ｒがもたらす不潔感と乗客の衣服を汚す
欠点は無視できない。また、ハンドレール２とガ
ラスパネル５との間に（ｈ−h_a）寸法のガイドフ
レーム１０が存在することになるので、ガラスパ
ネル５の透明度を阻害することになり、この点に
おいても意匠性を低下させていた。

上記問題をなくすものとして、例えば米国特許
No.3989133に示す乗客コンベアの欄干がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記米国特許に示された欄干構成は、
ガイドフレームのガラスパネルへの固定が、ガイ
ドフレームに設けた溝内にパツキングを介して前
記ガラスを圧入する構成であるために、ガイドフ
レームを強固に形成しなければならず、その結果
前記ガイドフレームが大形となつて約半分がハン
ドレール外に露出する構造となり、前記ガラスパ
ネルの透明度を阻害する問題があつた。

本発明の目的は、ガイドフレームを小形にして
ハンドレール内からの出張りを少なくした乗客コ
ンベアの欄干を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、ガイドフ
レームにハンドレールを支持する支持部と透明パ
ネルの板面に沿つて延在された被支持部とを設
け、また、前記ガイドフレームに前記ハンドレー
ルの内周面と摺動し低摩擦材で形成されたガイド
を装着し、かつ、前記ガイドフレームの前記被支
持部を前記ハンドレールの内周内において前記透
明パネルの上端部に固着手段を介して固着したの
である。

〔実施例〕

以上、本発明の一実施例を第４〜５図にもとづ
き説明する。

第４図及び第５図において図示していないが、
回動するステツプ１の駆動メカニズムや本体枠部
４の構成、それに内デツキ６、外デツキ７及びス
カートガード８等の欄干下辺材は第１〜２図と同
様であるので説明は省略するが、本発明実施例で
はガラスパネル１８（従来のガラスパネル５に相
当）の周縁部に装着されてハンドレール２を案内
するガイドフレーム１９（一般にはアルミニウム
押出材）と、このガイドフレーム１９の外周に沿
つて配設されたガイド２４とで欄干の上辺を構成
し、これをハンドレール２の内周内に配置し得る
ように構成したことが従来の欄干と大きく変るの
である。

ここで、この欄干上辺部の構造を具体的に説明
する。まず、ガイドフレーム１９は欄干の全長に
亘つて連続的に設けられるもので、断面形状を見
ると水平に延在する支持部２０と、この支持部２
０から垂直に下方に延在する被支持部２１とを有
し、これらは上述のようにアルミニウムのような
固い材料で一体に成形されている。このガイドフ
レーム１９の支持部上面２０F_aの対称位置には
長手方向に沿つて２条の係合溝２２ａ，２２ｂが
平行に設けられており、また支持部下面２０F_b
の前記係合溝２２ａ，２２ｂとほぼ対向する位置
には２つの平行な垂直壁２１ａ，２１ｂからなる
被支持部２１が形成されている。そして、前記垂
直壁２１ａ，２１ｂもガイドフレーム１９の長手
方向の全長に亘つて形成されており、前記支持部
下面２０F_bとの間で、逆Ｕ字状の嵌着溝２３を
形成し、また前記両垂直壁２１ａ，２１ｂの間隔
は前記ガラスパネル１８の板厚より僅かに大きく
してある。

一方、前記ガイド２４は摩擦係数の低いナイロ
ンのプラスチツク材で形成された二つのガイド部
材２４Ａ，２４Ｂからなり、夫々上端２４ａは前
記ガイドフレーム１９の支持部上面２０F_aの係
合溝２２ａ，２２ｂに係合し、下端２４ｂは前記
二つの垂直壁２１ａ，２１ｂの下端に当接するよ
うに形成されている。そして、各ガイド部材２４
ａ，２４ｂは夫々案内支持すべき断面Ｃ字状のハ
ンドレール２の内周曲面と対応する湾曲部２５
と、前記ハンドレール２の開口端２Ｅとガイドフ
レーム１９との隙間を塞ぐ閉塞部２６とを有す
る。

他方、前記ガイドフレーム１９の二つの垂直壁
２１，２１ｂが形成する嵌着溝２３内に逆Ｕ字状
に形成されたパツキング２９を介してガラスパネ
ル１８の上端部を挿入する。この後、前記垂直壁
にビス２７を貫通しナツト２８をねじ込んで、両
垂直壁２１ａ，２１ｂにより前記ガラスパネル１
８を挾圧し、これによりガイドフレーム１９をガ
ラスパネル１８の周縁部に固定している。

以上のように、前記ガイドフレーム１９の被支
持部２１を、前記ガラスパネル１８に対してビス
２７とナツト２８によつて締結する構成としたの
で、前記被支持部２１自身に締結力を負担させる
必要はなく、前記ハンドレール２の移動中に作用
する力は前記被支持部２１から前記ビス２７とナ
ツト２８を介して前記ガラスパネル１８に伝達さ
れ、また、前記ガイドフレーム１９の前記ガラス
パネル１８への締結力も前記被支持部２１に作用
する。そのため、前記被支持部２１を小形にで
き、前記ガイドフレーム１９の水平に延在する支
持部２０の前記嵌着溝２３の底部に対向する肉厚
を薄くすることができる。その結果、前記ビス２
７とナツト２８との締結位置を前記ハンドレール
２の内周内に位置することができ、前記被支持部
２１の前記ハンドレール２外への張出しを少なく
することができるのである。

ところで、前記ガラスパネル１８の上端部とそ
こに装着されるパツキング２８に、夫々切欠部１
８Ｋ，２９Ｋを形成している。これらの切欠部１
８Ｋ，２９Ｋの大きさは、前記ビス２７のねじ径
よりも大きい巾J₁を有し、しかも、前記ガラスパ
ネル１８の上端が隙間なく嵌着溝２３の底に挿入
される際に前記ビス２７が障害とならないような
深さJ₂を有している。

以上のようにガラスパネル１８の上端部に、ガ
イド２４を装着したガイドフレーム１９が取付け
られたなら、ハンドレール２を装着するのである
が、これらガイドフレーム１９やガイド２４は、
巾及び高さともハンドレール２の内周スペース内
に収納される。そして、前記ビス２７の頭部及び
ナツト２８はガイドフレーム１９とガイド部材２
４Ａ，２４Ｂとが作る空間部Ａ内に位置するの
で、ハンドレール２の摺動の障害となることはな
い。

このように、ガラスパネル１８の上端とガイド
フレーム１９との連結部及びガイドフレームやガ
イドなどの部品をハンドレール２の内周内に位置
せしめることができるので、従来懸念されていた
ハンドレール２の開口外へのガイドフレーム１９
の突出はなくなつて、ガラスパネル１８の透明面
積を最大とすることができ、このため、第２図で
説明した入射角が拡大（本発明によればθ₂となり
θ₂＞θ₁）し、省エネルギー指向の欄干（照明器具
１１がない）でも効率よく採光できて乗客に対す
る快適な利用環境をサービスできる。

一方、従来安全面と意匠面で問題となつていた
突出部θ_a，θ_bが消滅し、この面での効果も大きい
と言える。

さらに、ハンドレール２を握つた場合、ハンド
レール開口部付近に突出物がないので、親指が突
出物に接することはなく、またハンドレール２の
開口端２Ｅとガイドフレーム１９との隙間も下向
きとなるので指向の挾まれる危険性も少なくな
り、この点においても安全性は向上する。

さらに、第６図はガイド１０３のハンドレール
開口部付近の形状を変えたもので、ハンドレール
２の開口部から僅かに突出する案内片１０３ａを
ガラスパネル１００と反対方向に延在せしめたの
である。このように構成することにより、次のよ
うに利点がある。即ち、ハンドレール２の内周面
とガイド１０３の外周面とは、ハンドレール２が
摺動するための摺動抵抗を増加させないようにす
るため、両者間に隙間がないようにすることは不
可能であり、どうしてもある程度の隙間が必要に
なる。そのため利用者がハンドレール２を握つて
ハンドレール２を左右いずれかの方向に押すと、
その結果押された反対側となるハンドレール内周
面とガイド外周面間の隙間は広くなる。そのよう
に隙間が広くなつたとき、通常では発生し難い
が、いたずらなど故意に指などを隙間に当てがう
と挟まれることも考えられる。そのため第６図に
示すような案内片１０３ａを設けると、ハンドレ
ール２の左右への移動に伴う隙間の変化があつた
としても、ハンドレール２の上下の移動がない限
り、案内片１０３ａとハンドレール２間の隙間に
は変化がなくなり、隙間変化による指などの挾込
みを防止できるのである。

以上のように、本発明をベースにした種々の応
用例が考えられるが、ハンドレールを案内するた
めの構成部品及び透明パネルとガイドフレームと
の連結部がハンドレールの内周にあり、かつこの
高さと近似したものであれば全て本発明の範囲に
属するものである。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、照明器具
を装備していない欄干構成において、ステツプ上
への採光を効率よくすると共に、あわせて透明パ
ネルの透明面積を最大として軽快な意匠感覚のも
とに安全性が高く清潔な乗客コンベアの欄干を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の乗客コンベアの上部付近の側面
図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、第
３図は第１図の−線に沿う断面図、第４図以
下は本発明の一実施例を示すもので、第４図は従
来の第３図に相当する断面図、第５図は第４図の
構造を説明する斜視図、第６図は本発明の他の実
施例を説明する断面図である。１…ステツプ、２…ハンドレール、３…欄干、
５，１８，１００…ガラスパネル、１２，２９…
パツキング、１８Ｋ，２９Ｋ…切欠部、１９…ガ
イドフレーム、９，２４，１０３…ガイド、２７
…ビス、２８…ナツト、１０３ａ…案内片、２３
…嵌着溝。

Claims

【特許請求の範囲】１透明パネルの周縁部に固着したガイドフレー
ムを介して移動する断面Ｃ字状のハンドレールを
支持してなる乗客コンベアの欄干において、前記
ガイドフレームは前記ハンドレールを支持する支
持部と前記透明パネルの板面に沿つて延在された
被支持部とを有し、この被支持部を前記ハンドレ
ールの内周内において前記透明パネルの周縁部の
板面に圧着する圧着手段を設けたことを特徴とす
る乗客コンベアの欄干。２特許請求の範囲第１項記載において、前記ガ
イドフレームは前記ハンドレールの内周面と摺動
する低摩擦材で形成されたガイドを備えているこ
とを特とする乗客コンベアの欄干。３特許請求の範囲第１項記載において、前記ハ
ンドレールの開口部は前記透明パネルとの間に隙
間を有し、この隙間は前記ハンドレールの内周内
に位置する部材で塞がれていることを特徴とする
乗客コンベアの欄干。４特許請求の範囲第１項記載において、前記ガ
イドフレームの被支持部に前記透明パネルの上端
が嵌着する嵌着溝を形成したことを特徴とする乗
客コンベアの欄干。５特許請求の範囲第１項記載において、前記ガ
イドフレームは略Ｔ字状をなし、Ｔ字状水平辺を
支持部に、Ｔ字状垂直辺を被支持部としたことを
特徴とする乗客コンベアの欄干。６透明パネルの周縁部に固着したガイドフレー
ムを介して移動する断面Ｃ字状のハンドレールを
支持してなる乗客コンベアの欄干において、前記
ガイドフレームは水平に配置された支持部と該支
持部と一体に形成され間隔をもつて垂直に延在さ
れた２つの被支持部とを有して固い材料で形成さ
れ、この２つの被支持部を逆Ｕ字状パツキングを
介して前記透明パネルの周縁部に装着し、かつ前
記透明パネルには該透明パネル板厚方向にＵ字状
の切欠いた切込部を有し、該切込部を通してビス
とナツトにより前記２つの被支持部を前記透明パ
ネルの両側に締付けると共に、前記ガイドフレー
ムと前記ハンドレールとの間に低摩擦材料のプラ
スチツクで形成されて一端が前記ガイドフレーム
の前記支持部に装着され他端が前記被支持部の下
端部に当接するガイドを介在し、また、このガイ
ドに前記ハンドレール内側曲面に対応する曲面部
を形成したことを特徴とする乗客コンベアの欄
干。