JPS6116631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インキ壺内に配置されたインキ仕切
り部材によつて印刷機のインキ壺におけるインキ
着け範囲を仕切るための装置であつて、前記イン
キ仕切り部材がインキ出しローラに合わせられる
形式のものに関する。

このような装置の目的は、例えば、いわゆるイ
リス印刷におけるような互いに種種異なるインキ
を使用する際に、インキ着け範囲を互いに仕切る
ことである。このようにインキ着け範囲を互いに
仕切ることは、機械の規定紙判よりも小さい紙判
にインキ着け範囲を制限する場合においても必要
である。インキ仕切り部材はインキ壺の製造許容
誤差とは無関係にインキを確実に仕切らなければ
ならない。

先行の技術 フレキシブルなインキ仕切り部材を用いてイン
キ壺においてインキをシールする形式の装置は公
知である（ドイツ連邦共和国実用新案第1855128
号明細書参照）。同様に、インキ仕切り部材の本
体に保持されたねじによつて厚いシール層を圧着
するような形式の装置も公知である（アメリカ合
衆国特許第2301535号明細書参照）。しかしなが
ら、以上２つの公知の装置は、インキ壺製造許容
誤差を補償することができず、インキ壺の横断面
形状に合致させることが困難であるという欠点を
有している。

インキ壺に対してインキ仕切り部材を運動させ
ることができる形式の別の装置も公知である（ア
メリカ合衆国特許第3339485号明細書参照）。この
装置においては、インキ仕切り部材が剛性であつ
て、製造許容誤差に基づいて必要とされるよう
な、インキ壺とインキ出しローラとの接触面を合
致させることはやはり困難である。

本発明の解決しようとする問題点 本発明の課題は、特別な処置を講ずる必要なし
に、インキ壺を製造する際に生じる製造許容誤差
を、調節可能な均一構造のインキ仕切り部材を用
いて補償することができ、しかもあらゆるインキ
壺におけるインキ範囲を確実に仕切ることができ
るような装置を提供することである。

問題点を解決するための手段 この課題を解決した本発明は、インキ仕切り部
材が、インキ壺の横断面形状に合致した形状部分
を有する基礎部と、インキ出しローラの曲率に合
致した凹面状の曲面を有する旋回部とから構成さ
れており、前記基礎部の、前記旋回部に当接する
端面側が円弧状に形成されていて、これに対して
基礎部に当接する前記旋回部の端面側が直線状に
形成されている。

インキ仕切り部材の２つの部分、すなわち基礎
部と旋回部とは互いに可動に連結されており、イ
ンキ仕切り部材がインキ出しローラに対して位置
決めされる時に、旋回部が基礎部に対して移動せ
しめられ、これによつてこの旋回部がインキ出し
ローラに合致するようになつている。

作 用 さて、製造許容誤差によつてインキ壺の底面の
傾斜角が狂うか、又は底面全体が高すぎたりある
いは低すぎたりすると、インキ仕切り部材は、そ
の２つの部分つまり、基礎部と旋回部とが互いに
角度変化することによつて又は容易に移動し合う
ことによつて、インキ壺の新たな横断面形状に合
致せられる。

実施例 次に図面に示した実施例について本発明の構成
を具体的に説明する。

第１図ではインキ壺１の横断面図が示されてい
る。インキ出しローラ２は矢印方向で回転してイ
ンキ壺１からインキを連行し、印刷機のインキ機
構に引き渡す。インキの量はインキスライダ３の
位置によつて調節される。インキ仕切り部材４
は、仕切られたインキがシール部材縁部に接触し
ないように、インキ壺１とインキ出しローラ２と
インキスライダ３とによつて形成される、インキ
壺の横断面形状に合致させなければならない。こ
のために、インキ仕切り部材４の２つの部分は保
持ねじ５を介して互いに可動に連結されており、
このインキ仕切り部材４の、インキ壺１とインキ
出しローラ２との接触側にはシール部材６が設け
られている。それ故、製造許容誤差が存在するに
も拘らず、インキ出しローラ２に接するインキ壺
１の全内側横断面形状部分は完全にシールされ
る。インキ仕切り部材４は保持装置７によつて位
置固定される。この保持装置７はインキ壺１の後
縁部に固定されていて、インキ壺１に沿つて調節
させられる。分割されたインキ仕切り部材の構造
は第２図及び第３図に示されている。インキ壺１
の横断面形状に合致した形状部分を有する基礎部
８の、インキ出しローラ側の端面側にスリツトが
形成されていて、このスリツトの範囲でこのスリ
ツトに対して直交するねじ山付き孔を備えてい
る。また、このインキ出しローラ側の端面は円弧
状に形成されている。

基礎部４の下縁部にはシール部材６を受容する
ための溝１０が形成されている。施回部９はイン
キ出しローラ２の曲率に合致した凹面状の曲面を
有していて、この凹面状の曲面部分には同様にシ
ール部材６を受容するための溝１０が形成されて
いる。この旋回部９の基礎部８側は両面が削られ
ていてこの削られた部分に孔１１が形成されてい
る。旋回部９と基礎部８とを接続するために、旋
回部９の前記削られた部分は基礎部８の前記スリ
ツトに差し込まれていて、基礎部８のねじ山付孔
と旋回部９の孔１１とを貫通する保持ねじ５によ
つて接続され緊締される。孔１１の直径がねじ５
の直径よりも大きいので、インキ仕切り部材４
の、基礎部８と旋回部９とは互いにねじ５と孔１
１との直径に応じて運動せしめられる。

この運動の可能性は旋回部９が基礎部８に当接
していることによつて及び旋回部９の孔１１の直
径によつて規定される。しかしながら、基礎部８
の、旋回部の端面が円弧状に形成されているの
で、この円弧状端面に当接する対抗面が偏平であ
る旋回部９は、インキ仕切り部材４をインキ出し
ローラ２に対して位置決めさせる時に旋回部９が
インキ出しローラ２に完全に合致して当接するま
で基礎部８の前記円弧状端面で転動運動を行な
い、これによつて自動的に整列せしめられる。こ
の整列位置において、基礎部８と旋回部９とは保
持ねじ５によつて互いに緊締される。この場合、
シール部材６は基礎部８から及び旋回部９からイ
ンキスライダ３にまで十分延びているので、これ
によつてインキがこのインキスライダ箇所で漏れ
出ることはない。

効 果 本発明による装置の利点は、製造技術的な変更
を行なうことなしに、所定の横断面形状を有する
すべてのインキ壺に取りつけることができしか
も、インキ壺の所望の横断面形状に対する可能な
すべての誤差を容易にかつ迅速に補償することが
できるという点にある。

【図面の簡単な説明】

第１図はインキ壺の部分的な横断面図、第２図
は本発明によるインキ仕切り部材の１実施例の側
面図、第３図は第２図のＡ−Ｂ線に沿つた断面図
である。 １……インキ壺、２……インキ出しローラ、３
……インキスライダ、４……インキ仕切り部材、
５……保持ねじ、６……シール部材、７……保持
装置、８……基礎部、９……旋回部、１０……
溝、１１……孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ インキ壺内に配置されたインキ仕切り部材に
   よつて印刷機のインキ壺におけるインキ着け範囲
   を仕切るための装置であつて、前記インキ仕切り
   部材がインキ出しローラに合わせられる形式のも
   のにおいて、インキ仕切り部材４が、インキ壺１
   の横断面形状に合致した形状部分を有する基礎部
   ８と、インキ出しローラ２の曲率に合致した凹面
   状の曲面を有する旋回部９とから構成されてお
   り、前記基礎部８の、前記旋回部９に当接する端
   面側が円弧状に形成されていて、これに対して基
   礎部８に当接する前記旋回部９の端面側が直線状
   に形成されていることを特徴とする、印刷機のイ
   ンキ壺におけるインキ着け範囲を仕切るための装
   置。