JPS6114727Y2

JPS6114727Y2 -

Info

Publication number: JPS6114727Y2
Application number: JP1981194028U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-28
Filing date: 1981-12-28
Publication date: 1986-05-08
Also published as: JPS5899503U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は摺動軸上を移動する摺動ユニツトを該
摺動軸に締め付け固定する摺動クランプ装置に関
する。

従来、例えば工作物のテーブルが取り付けられ
て、摺動ガイド軸上を移動する摺動体を該摺動ガ
イド軸に締め付け固定する摺動クランプ装置に
は、第１図あるいは第２図に示すようなものがあ
つた。すなわち、第１図に示されている摺動クラ
ンプ装置では、摺動体のリング１がほぼ円柱状の
摺動ガイド軸２に外嵌され、リング１の円周上か
らリング１を貫通して設けられているネジ穴に螺
合するクランプネジ３を緩めたり、締め付けたり
することによつて、摺動ユニツトのリング１を摺
動ガイド軸に対して移動可能あるいは摺動ガイド
軸に締め付け固定を行なつていた。この場合には
摺動ガイド軸の表面を直接小さな面積しか有さな
いクランプネジで締め付けて止めることとなり、
摺動ガイド軸の表面を傷付ける場合や摺動ユニツ
トのリング１が回転する場合があつた。極端な場
合には、クランプネジ３の締め付けによつて摺動
ガイド軸の表面が損傷され、使用に耐えられなく
なる事もあつた。又、第２図（第１図と同一部分
には同一の参照番号が付されている。）に示され
ている摺動クランプ装置では、ほぼ円柱状の摺動
ガイド軸２に形成されているキー溝にキー５を嵌
合し、このキー５と嵌合する溝６を割部７がある
摺動ユニツトのリング１に形成して、このリンク
１を摺動ガイド軸２に外嵌し、リング１の割部７
を連結するように設けられているクランプネジ３
のクランプレバー８を緩めたり、締め付けたりす
ることによつて、リング１の径を変え、摺動ユニ
ツトのリング１を摺動ガイド軸２に対して回転さ
せずに移動可能あるいは締め付け固定を行なつて
いた。この場合には、上記のような回転防止用の
キー５を設ける必要があつた。

本考案は上記のかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするとこのは、摺動ユニツトが摺
動ガイド軸上の長い距離を移動する時に、簡単な
構成で摺動ユニツトを回転させずに移動させて摺
動ガイド軸に締め付け固定することのできる摺動
クランプ装置を提供することにある。

本考案の摺動クランプ装置は、柱状の摺動ガイ
ド軸を囲繞する複数個の側片部材のうちの少くと
も１個は弾性材料からなり、この弾性側片部材は
その一端付近において隣接する両側片部材により
挾持固定され、他端付近には隣接両側片部材と共
に貫通された異形断面をもつ貫通孔を有し、この
弾性側片部材と摺動ガイド軸の間には弾性側片部
材が弾性変形してガイド軸をクランプするための
隙間を有し、貫通孔には回転によつて弾性側片部
材をガイド軸に対し圧接、分離させる偏心カムを
有するカム軸を備えている。

したがつて、カム軸を回転させカムがガイド軸
側に偏心すると弾性側片部材のカム軸に近い端部
は、弾性変形してガイド軸を圧接固定し、カムが
ガイド軸と反対方向に偏心すると弾性側片部材は
分離する。

以下、本考案に基づく一実施例を添付図面を参
照して説明する。

第３図は本考案によるクランプ装置の一実施例
の斜視図であり、第４図は第３図のＡ−Ａ線に沿
つた断面図である。

図において、１０は金属からなる長手の四角柱
状の摺動ガイド軸で、この摺動ガイド軸の形状は
例えば１字状、コ字状の柱状の軸等、少くとも１
個の長手方向に延びる角稜を有する柱状の摺動ガ
イド軸であればよい。１２はこの摺動ガイド軸１
０に嵌合されて、摺動ガイド軸１０上を摺動する
箱体のスライドユニツトである。このスライドユ
ニツト１２は、金属のサブベース板１３に金属の
側板１４，１５が摺動ガイド軸１０をはさむ様に
してネジ止めされている。そして側板１４と側板
１５との間には、弾力のある合成樹脂、例えばテ
フロン、デルリン（登録商標）からなるクランプ
板１６が、その下方部分でネジ３０によつて適宜
に側板１４、側板１５にネジ止めされている。こ
のクランプ板１６の下方部分が側板１４、側板１
５間に嵌合されてネジ止めされた時には、クラン
プ板１６の上方側面は側板１４、側板１５とわず
かな隙間１７を有するような形状に、成形されて
いる。この結果、クランプ板１６の下方部分は摺
動ガイド軸１０に対し軸受機能を有し、その上方
部分はクランプ機能を有することになる。１８は
例えば金属からなる偏心のクランプシヤフトすな
わち偏心カムで、このクランプシヤフト１８はク
ランプ板１６を貫通するほぼだ円形の孔２０に嵌
入される断面が円形の中央部のカム２１と、この
カム２１の両長手方向に、このカム２１の中心に
対し距離ｅ偏心してカム２１と一体的に設けられ
る断面が円形の段付の軸２２とで構成されてい
る。そして、軸２２は側板１４、側板１５にそれ
ぞれ設けられた貫通孔２３，２４に回転自在に嵌
入される。従つて、第４図に明確に見られるよう
に、カム２１は軸２２に対して距離ｅ偏心してい
る。クランプシヤフト１８の一端側の軸２２に
は、クランプシヤフト１８の回動と連動するよう
に設けられるレバー２５が固設され、他端側の軸
２２には孔２３からクランプシヤフト１８が抜け
落ちないようにしてスナツプリング２６が取り付
けられている。尚、ここで孔２０をほぼだ円形と
したのは、クランプシヤフト１８のカム２１が軸
２２に対し距離ｅ偏心しているので、レバー２５
を回動する時、軸２２を介してレバー２５と連動
するクランプシヤフト１８のカム２１の回動を孔
２０内で妨げないようにするためである。上記の
ように、摺動ガイド軸１０とスライドユニツト１
２とで本考案の一実施例の摺動クランプ装置を構
成している。

以上のようになる本考案の一実施例の作用につ
いて説明する。

始めに、スライドユニツト１２を摺動ガイド軸
１０に締め付け固定する場合について述べる。こ
のときは、第３図に示す矢印B′の方向にレバー２
５を回転すると、このレバー２５の回転と連動す
る軸２２が貫通穴２３，２４で回転し、それと共
に軸２２に対し偏心しているカム２１も回転す
る。この回転の時、軸２２に対し偏心しているカ
ム２１が孔２０内で回転することにより、その偏
心量が大きくなるように設定されているので、カ
ム２１が孔２０内でクランプ板１６を押圧する。
その結果、弾性力を有するクランプ板１６は、そ
の弾性力に抗して、クランプシヤフト１８の偏心
量だけ摺動ガイド軸１０に対して近づくように移
動し、スライドユニツト１２を摺動ガイド軸１０
に締め付け固定する。この状態は本実施例の摺動
クランプ装置が閉で、クランプ板１６は第４図の
２点鎖線で示される位置を占める。

次にスライドユニツト１２を摺動ガイド軸上で
移動させるには、上記したと反対の操作すなて
ち、レバー２５を第３図に示す矢印Ｂの方向に回
転すると、上記したと逆の作用、つまりカム２１
の回転の時、その偏心量は小さくなるように設定
されているので、カム２１と回転と共に、軸２１
が孔２０内でクランプ板１６の押圧を解放する。
その結果、弾性力のあるクランプ板１６のスプリ
ングバツク作用で、クランプ板１６の上方部分は
摺動ガイド軸１０から離れて締め付け固定を解除
し、スライドユニツト１２は四角柱状の摺動ガイ
ド軸１０上で回転することなく移動が可能とな
る。この状態は本実施例の摺動クランプ装置が開
で、クランプ板１６は第４図の実線で示される位
置を占める。

尚、クランプ板１６を側板１４、側板１５間に
ネジによつて取り付けるかわりに、側板１４、側
板１５、クランプ板１６に共通の貫通孔を適宜設
け、この貫通孔に軸を回転自在に嵌入して取り付
ける等の手段を用いても良い事は勿論である。

また、クランプシヤフト１８すなわち偏心カム
について述べると軸２２に対してカム２１が偏心
するものであれば、カム２１の形状は断面が円形
でない多角形状のものでも良いことは言うまでも
ない。尚、この時は孔２０の形状を偏心量あるい
は、軸２２を回転中心として偏心したカム２１が
回転したときに描く形状に応じて適宜変えればよ
い。

以上説明してきたように本考案によれば、従来
のような回転防止キーを不要として、スライドユ
ニツトを摺動ガイド軸上に、回転させることな
く、移動して締め付け固定することができるとい
う利点がある。また、クランプ板の面で、スライ
ドユニツトを摺動ガイド軸に締め付け固定するの
で、摺動ガイド軸の表面を損傷することもなくな
り、クランプ装置の寿命が長くなるという利点も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の摺動クランプ装置の説
明図、第３図は本考案よる摺動クランプ装置の一
実施例の斜視図、第４図は第３図のＡ−Ａ線に沿
つた断面図である。１０……摺動ガイド軸、１２……スライドユニ
ツト、１３，１４，１５，１６……側板、１８…
…クランプシヤフト（偏心カム）、２０，２３，
２４……貫通孔、２１……カム、２２……端部
軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】少くとも１個の長手方向に延びる角稜を有する
柱状の摺動ガイド軸と、該ガイド軸を囲繞する複
数個の側片部材を備えた摺動クランプ装置におい
て、前記側片部材のうちの少くとも１個は弾性材料
からなり、該弾性側片部材はその一端付近におい
て隣接する両側片部材により挾持固定され、他端
付近には前記隣接両側片部材と共に貫通された異
形断面をもつ貫通孔を有し、前記弾性側片部材と
前記ガイド軸の間には弾性側片部材が弾性変形し
てガイド軸をクランプするための隙間を有し、前
記貫通孔には回転によつて前記弾性側片部材を前
記ガイド軸に対し圧接、分離させる偏心カムを有
するカム軸を備えたことを特徴とする摺動クラン
プ装置