JPS604667Y2 - クランプ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工作物を切削加工等する際に使用するクラン
プ機構に関し、特に予め位置決めされた工作物の固定位
置をずらすことなく挟着固定することができるクランプ
機構に関する。

従来のこの種のクランプ機構は、相対向して平行に設け
られた一対のクランプ片の上端挟持部で工作物を挟着固
定するようにされ、上記クランプ片の間隔は締付具で調
節できるがその取付角度は変化しなかった。

この場合、上記一対のクランプ片による挟着中心はその
クランプにおいて一定位置とされて変化せず、もしクラ
ンプ自体の設定位置がずれていたり、工作物が部分的に
変形していたり或は肉厚が一定でなかったりすると、上
記クランプ片で挟着固定することにより工作物の位置を
ずらすこととなる。

従って、切削加工等に際し予め基準に対し正しく位置決
めされた工作物をそのまま挟着固定すると、上記工作物
を正しい位置からずらしてしまうことがあった。

このような状態で工作物を切削加工等すると、該工作物
の位置が規定通りとはならず、その加工精度を低下させ
るものであった。

本考案は、上記欠点を除去するためになされたもので、
予め位置決めされた工作物の固定位置をずらすことなく
挟着固定することができるクランプ機構を提供すること
を目的とする。

以下、本考案の実施例を添付図面に基いて詳細に説明す
る。

本考案によるクランプ機構は、第１図に示すように、本
体１と、一対のクランプ片２ａ、２ｂと、この一対のク
ランプ片２ａｙ２ｂの離反付勢手段たる圧縮スプリング
３と、締付具４と、固定具５とからなる。

上記本体１は、第３図に示すように、フランジ部６から
一定の間隔を有して上向きに直立する一対のガイド板７
ａ、７ｂを有している。

このガイド板７ａｙ７ｂは、後述のクランプ片２ａ、２
ｂの回動動作を案内するものである。

上記一対のガイド板７ａ、７ｂの間には、第２図に示す
ように、その間隔内の両側方に偏して一対のクランプ片
２ａ、２ｂが相対向して設けられている。

このクランプ片２ａ、２ｂは、工作物８をその先端で挟
着するもので、その基端部がピン９ａｖ９ｂに回動自在
に軸着されて上端挾持部１０ａ、１０ｂが矢印で示すよ
うに回動可動とされている。

上記一方のクランプ片２ａの長手方向の略中央部には長
径が上記長手方向と同一とされた長円穴１１が水平方向
に穿設され、他方のクランプ片２ｂの上記長円穴１１と
同一軸線上にはねじ穴１２が貫設されており、上記長円
穴１１を挿通してねじ穴１２に締付具４の先端部が螺合
されている。

この締付具４は、第２図に示すように、軸部１３の先端
部にねじが切られたねじ部１４と、上記軸部１３の基端
部に設けられ上記長円穴１１の長径よりも大径とされた
ストッパ１５と、このストッパ１５に隣接して設けられ
たハンドル１６とからなる。

上記締付具４の取付けにあたっては、一対のクランプ片
２ａ、２ｂのそれぞれの長円穴１１とねじ穴１２との間
にコイルスプリング等の圧縮スプリング３を介在させて
、ねじ部１４をクランプ片２ａの長円穴１１側から挿通
して該ねじ部１４をクランプ片２ｂのねじ穴１２へ螺合
して取付ける。

このとき、それぞれのクランプ片２ａ、２ｂは、その間
に介在された圧縮スプリング３によって互いに外向きに
離反するように付勢される一方、締付具４のストッパ１
５との当接及びねじ部１４との螺合により上記付勢方向
の動きが制限されて結合されている。

上記一方のガイド板７ａの側面には、第１図及び第３図
に示すように、固定具５が設けられている。

この固定具５は、クランプ片の回動動作を固定するもの
で、軸部１７先端のねじ部を上記ガイド板７ａのクラン
プ片２ｂの回動動作の中心部付近に貫設されたねじ穴に
螺合して設けられている。

クランプ片を固定するには、ハンドル１８を回転操作し
て緊締すると、軸部１７の先端が上記ねじ穴を突き抜け
てクランプ片２ｂの側面に当接して押圧し固定する。

次に、本考案によるクランプ機構の使用について説明す
る。

まず、締付具４を弛めて圧縮スプリング３によってクラ
ンプ片２ａ、２ｂの上端挾持部１０ａと１０ｂとの間を
できるだけ開いた状態にしておき、第３図に示すように
、工作物８が位置する下方の治具ベース１９等に取付ネ
ジ２０で固定する。

次に、第２図に示すように、一対のクランプ２ａ、２ｂ
の挾持部ｔｅａ、１０ｂの間に位置するように、工作物
８を基準に対して正しく位置決めする。

次に、締付具４のハンドル１６を回転操作してねじ部１
４をクランプ片２ｂのねじ穴１２に螺合緊締すると、上
記クランプ片２ａ。

２ｂの挾持部１０ａ、１０ｂの間隔が挟まり、上記工作
物８を挟着する。

このとき、クランプ機構自体の治具ベース１９への設定
位置がずれていたり、工作物８の側面が部分的に変形し
ていたり或いは加工中心に対し一方側の肉厚が過大、過
小であると、上記クランプ片２ａ、２ｂの挾持部１０ａ
、１０ｂは、それぞれ基端部のピン９ａ、９ｂを回動中
心として適宜回動しながら上記工作物８の側面に追従移
動して挟着することとなる。

このようにして、工作物８に追従してクランプ片２ａｔ
２ｂの挾持部１０ａ、１０ｂの挟着が終ったら、固定具
５のハンドル１８を回転操作して緊締すると、軸部１７
の先端が一方のクランプ片２ｂの側面に当接して押圧し
、上記クランプ片２ｂの動きを固定する。

一対のクランプ片２ａ、２ｂは締付具４でねじ結合され
ているので、この結果両クランプ片２ａ、２ｂは工作物
８をその位置で挟着固定することができる。

なお、第１図及び第２図においては、一対のクランプ片
２ａｙ２ｂの離反付勢手段として上記両者の間に介在さ
れた圧縮スプリング３を示したが、本考案はこれに限ら
れず、例えばそれぞれの基端部のピン９ａ、９ｂにうず
巻ばね等を設けてもよい。

本考案は以上のように構成されたので、一対のクランプ
片２ａ、２ｂの基端部を軸着して上端挾持部１０ａ、１
０ｂを回動可能としたことにより、クランプ機構自体の
設定位置がずれていたり、工作物８が変形していたり或
は肉厚が一定でなかったりしても、上記クランプ片２ａ
、２ｂの挾持部１０ａ、１０ｂは、それぞれ基端部のピ
ン９ａ、９ｂを回動中心として適宜回動しながら上記工
作物８に追従移動して挟着固定することができる。

従って、予め基準に対して正しく位置決めされた工作物
８の位置をずらすことなく固定することができ、その加
工精度を高くすることができる。

また、クランプ機構自体の設定位置を変えたり、工作物
８を整形する等の手間を要さないので、工作物８の固定
がスムーズに行われ、作業能率を高めることができる。

さらに、上記クランプ機構自体の位置ずれや工作物８の
変形等があっても、正しく工作物８を固定することがで
きるので、切削加工等における工作物８の振動防止用と
して優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるクランプ機構を示す平面図、第２
図は第３図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図の右側面
図である。 １・・・・・・本体、２ａ、２ｂ・・・・・・クランプ
片、３・・・・・・圧縮スプリング、４・・・・・・締
付具、５・・・・・・固定具、６・・・・・・フランジ
部、？ａ、７ｂ・・・・・・ガイド板、９ａ、９ｂ・・
・・・ピン、１０ａ、１０ｂ・・・・・・挾持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フランジ部から一定の間隔を有して直立する一対のガイ
   ド板を有する本体と、上記一対のガイド板に対して相対
   向するように設けられ、基端部が前記本体に対して軸着
   され上端挾持部が回動可能とされた一対のクランプ片と
   、この一対のクランプ片の上記上端挾持部を互いに離反
   させる付勢手段と、上記一対のクランプ片の長手方向に
   略直交するように設けられ、一端が一方のクランプ片に
   螺子結合し、他端が長円穴を介して他方のクランプ片に
   係合し、前記付勢手段に抗して前記上端挾持部の間隔を
   縮小する締付具と、上記ガイド板の一方に設けられ、上
   記クランプ片の側面に先端が当接押圧することにより本
   体に対する一対のクランプ片の回動を阻止する固定具と
   からなることを特徴とするクランプ機構。