JPH0231666B2

JPH0231666B2 -

Info

Publication number: JPH0231666B2
Application number: JP56034302A
Authority: JP
Inventors: Hideaki Toyoda
Original assignee: Komori Corp
Current assignee: Komori Corp
Priority date: 1981-03-10
Filing date: 1981-03-10
Publication date: 1990-07-16
Also published as: GB2095179B; JPS57148653A; US4413561A; GB2095179A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は印刷機においてインキ壷内のインキを
所定量ずつ連続して流出させるインキ壷装置に関
するものである。

輪転印刷機の版胴に装着された版に印刷用のイ
ンキを供給するインキ装置は、インキ壷に蓄えら
れたインキを所定量ずつ流出させるインキ壷装置
と、流出されたインキを各方向にならしながら転
移させて版面へ供給する多数のローラ群とを備え
ており、このうちのインキ壷装置は、両側のフレ
ーム間に軸架されて回転するインキ壷ローラと、
薄鋼板で形成され先端をインキ壷ローラの周面に
臨ませてブレード台上に固定されたインキブレー
ドとを備えている。そして、インキ壷ローラの周
面とインキブレードおよびインキブレード両端部
のインキせきとで囲まれて形成されたインキ壷内
に蓄えられたインキは、インキ壷ローラの回転に
よりその周面とインキブレードとのすき間から流
出してインキ壷ローラの周面にインキ皮膜を形成
する。そして、ブレード台には、その長手方向に
20〜50mm間隔で多数の調節ねじが先端をインキブ
レードに対接させて螺入されており、これを個々
に進退させてインキブレードとインキ壷ローラ周
面とのすき間を変化させることにより、インキの
流出量がインキ壷ローラの軸方向すなわち版胴の
軸方向に分割された各セクシヨンごとに調節さ
れ、これによつて版の絵柄の濃淡に対応したイン
キ量の調節が行なわれる。

ところが、このように構成されたインキ壷装置
においては、インキブレードが一枚板で形成され
ているために、例えば、隣接する３個の調節ねじ
のうちの両側の調節ねじに対応する箇所のインキ
量を少なくし、中央の調節ねじに対応する箇所の
インキ量を多くしたい場合には、両側の調節ねじ
を押した状態で中央の調節ねじを引いても、イン
キブレードが両側の調節ねじによつて形成された
まゝであつて中央の調節ねじの調節に応答しな
い。そこで止むを得ず両側の調節ねじを少し引い
て調節することになり、全体としては大まかな調
節しかできないという不具合があつた。また、１
個の調節ねじを押すとその両側に影響が出るの
で、正確な調節を期待することがでかなかつた。

そこで、このような不具合を除去するために、
インキブレードをインキ壷ローラの軸方向に対し
て複数個に分割し、個々のブレードごとに調節で
きるようにした分割ブレード式のインキ壷装置が
開発され、従来から種々の装置が提案されてき
た。しかしながら、この種のインキ壷装置におい
ては、ブレードを分割したゝために隣接する分割
ブレードの間からブレード台とのスライド面やす
き間調節部材等へインキが侵入し、このインキや
インキかすの付着によつて微調節ができなくなつ
たり分割ブレードが動かなくなつたりすることが
多く、また色替えのときに前の色が残ることが多
いので、インキかすなどを除去するためにしばし
ば面倒な保守作業を必要とするという不具合があ
り実用化の障害となつていた。

本発明は以上のような点に鑑みなされたもの
で、ブレード台上に複数個の分割ブレードを並列
してその上面を押え板で覆い、分割ブレードにマ
グネツトを埋設して押え板を分割ブレードに密着
させるとともに、押え板の先端をインキ壷ローラ
の周面から３mm以上離間させてこの先端部を鋭角
状に面取りすることにより、隣接する分割ブレー
ド間へのインキの侵入を防止し、特にインキの流
出時に押え板の先端部をめくり上げようとするイ
ンキを面取部に沿わせ、押え板を押え付けるよう
に作用させることにより先端部から押え板・分割
ブレード間へのインキの侵入を防止するように構
成し、分割ブレード本来の目的を果すことはもと
より、分割ブレードの進退動を円滑にしかつこれ
を洗浄するための労力の軽減を計つた印刷機のイ
ンキ壷装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細
に説明する。

第１図ないし第第５図は本発明に係るインキ壷
装置を示し、第１図はその平面図、第２図は第１
図のAA断面図、第３図は第１図のBB拡大断面
図、第４図は第１図のCC拡大断面図、第５図は
分割ブレード先端部周辺の断面図である。これら
の図において、両側の機台フレーム１間には、図
に矢印Ｄで示す方向に回転するインキ壷ローラ２
が軸架されており、その後方には、インキ壷ロー
ラ２とほゞ同長に形成され図にEEで示すインキ
壷ローラ下方の支軸（図示せず）を中心にして図
の矢印Ｆ方向へ回動回能なブレード台３が設けら
れている。そして、両側のフレーム１から内方へ
突設された固定ブラケツト４には、ハンドル５と
ボルト６とが互に反対側から螺入されており、ハ
ンドル５をブレード台３のＵ字溝７と係合させて
締めることにより、ブレード台３を図の位置に固
定でき、また、ハンドル５を弛めることにより、
ブレード台３を洗浄などのために矢印Ｆ方向へ回
動できるように構成されている。

そして、インキ壷ローラ２へ向つて低くなるよ
うに傾斜されたブレード台３の上面上には、短柵
状に形成された複数個の分割ブレード８が、側面
を互に密着させインキ壷ローラ２に対する遠近方
向へ進退自在に形成されてインキ壷ローラ２の軸
方向に並列されており、このうちの両端部の分割
ブレードは、図に符号８Ａおよび８Ｂで示すよう
にブレード台３の幅とほゞ同長に長く形成されて
いる。また、分割ブレード８全部と両端の分割ブ
レード８Ａ，８Ｂのほゞ半分とは、磁性材である
薄鋼板で形成された押え板９によつて全面的に覆
われており、この押え板の後端部には、これと同
長の角材１０が一体的に設けられている。そし
て、ブレード台３の上方後端部に設けられた同長
の角ステー１１の両端部には、圧縮コイルばね１
２で角ステー１１から遠ざかる方向に付勢された
止め金具１３が、固定ボルト１４によつて取付け
られており、前記押え板９は、この止め金具１３
で角材１０の両端部を押えることによつて固定さ
れている。

そして、各々の分割ブレード８，８Ａ，８Ｂに
は、押え板９を分割ブレード８，８Ａ，８Ｂに密
着させかつ分割ブレード８，８Ａ，８Ｂをブレー
ド台３に密着させるように磁気吸着する複数個の
マグネツト１５が埋設されており、また、両端部
の分割ブレード８Ａ，８Ｂ上には、断面形状をＬ
字状に形成され側面視を三角形状に形成されたイ
ンキせき１６が、ボルト１７によつて固定されて
いる。そして、このインキせき１６と押え板９、
分割ブレード８，８Ａ，８Ｂおよびインキ壷ロー
ラ２の周面とで囲まれて形成されたインキ壷１８
内にはインキ１９が蓄えられている。

さらに、両端部のもの以外の分割ブレード８に
は、透孔２０が穿設されており、この透孔２０に
は、ブレード台３に嵌入された偏心ピン２１の頭
部が係入されている。そして、偏心ピン２１の偏
心部位に穿設されたばね受２２と、分割ブレード
８に設けたばね溝の後壁との間には、圧縮コイル
ばね２３が介装されていて、分割ブレード８をブ
レード台３に対しインキ壷ローラ２から離間させ
る方向に付勢してこれを弾持しているとともに、
偏心ピン２１をドライバで180゜回動させることに
よりばね受け２２が変位して圧縮コイルばね２３
による弾持を解放し、分割ブレード８をブレード
台３に対して着脱し得るように構成されている。
また、角ステー１１の前面には、Ｕ字状に形成さ
れたブラケツト２４がボルト２５によつて取付け
られており、このブラケツト２４に回動自在に軸
支された偏心ピン２６の軸支部との同心部には、
調整レバー２７が上端部を固定されている。ま
た、偏心ピン２６の偏心部には、ころ２８が周面
を分割ブレード８の後端面に対接させて嵌装され
ている。そして、図示しない駆動機構によつて調
整レバー２７を揺動させることにより、これと一
体の偏心ピン２１が回動し、その偏心作用でころ
２８が分割ブレード８を進退させてインキ壷ロー
ラ２の周面と分割ブレード８の先端とのすき間ｔ
を調節するように構成されている。なお、２９
は、偏心ピン２１の回動を、圧縮コイルばね２３
による弾持、解放両位置で規制するクリツク機構
である。

さらに、一方の端の分割ブレード８Ａの側方に
は、これを前後２箇所で位置決めする調整ボルト
３０が、ボルト受３１に進退自在に螺入されて設
けられているとともに、分割ブレード８Ａには、
これを位置決め後にブレード台３へ固定するボル
ト３２が設けられている。また他方の端の分割ブ
レード８Ｂの側方には、コ字状に形成されたボル
ト受３３がブレード台３に固定されて設けられて
おり、このボルト受３３には、分割ブレード８Ａ
の側面中央部に螺入された押しボルト３４の頭部
を三方から押し引きする調節ボルト３５，３６，
３７が螺入されている。さらにブレード台３に
は、インキせき１６を最終的に固定する固定金具
３８が設けられている。

そして、第５図に示すように、前記押え板９
は、その先端をインキ壷ローラ２の周面から少な
くとも３mm以上離間させるようにその長さが設定
されており、この先端部は、傾斜状に面取りされ
ている。そして、この面取り角度である傾斜面と
分割ブレード８との上面となす角度θは、分割ブ
レード８との対向点を通るインキ壷ローラ２の接
線Ｓと分割ブレード８の上面とのなす角度θ₁より
も小さく設定されている。そして、前記マグネツ
ト１５のうちの１個は、押え板９の先端部に対応
する箇所に埋設されている。

以上のように構成されたインキ壷装置を組立て
るには、先ず一方の端の分割ブレード８Ａを、そ
の先端面がインキ壷ローラの周面に対して正しく
平行して圧接されるように調節ボルト３０を調節
することによつて位置決めする。次いで、他の分
割ブレード８，８Ｂを、側面が互に密着するよう
にブレード台３上に並列させたのち、他方の調整
ボルト３７を締めて各分割ブレード８Ａ，８，８
Ｂを適度の圧で密着させる。そして、両端部の分
割ブレード８Ａ，８Ｂを軽くインキ壷ローラ２の
周面へ押し付けて最小インキ出し量を設定したの
ち、分割ブレード８Ａはボルト３２でブレード台
３に固定する。また他方の分割ブレード８Ｂは調
整ボルト３５，３６で保持する。こうして分割ブ
レード８Ａ，８，８Ｂをセツトしたのち、インキ
せき１６と押え板９とを取付け、インキ１９を入
れる。そして、各分割ブレード８ごとに設けられ
た図示しない調整機構を操作して調整レバー２７
を揺動させ、これと同軸上のころ２８を回動させ
ると、その偏心作用により分割ブレード８が進退
し、すき間ｔをすなわちインキ出し量が、分割さ
れた各セクシヨンごとに調整される。

そして、印刷作業が開始されてインキ壷ローラ
２が矢印Ｄ方向に回転すると、これと押え板９な
らびに分割ブレード８とのくさび作用でインキ１
９がすき間ｔから押し出され、このインキは多数
のローラ群でならされたのち版胴上の版へ供給さ
れる。この場合、分割ブレード８Ａ，８，８Ｂが
その全面を押え板９で覆われており、しかも押え
板９はマグネツト１５で磁気吸着されて分割ブレ
ード８Ａ，８，８Ｂに圧着されているので、隣接
する分割ブレード８Ａ，８，８Ｂ間ならびにそれ
よりも下方のブレード台３へインキ１９が侵入す
ることがない。さらに、第５図に示すように、イ
ンキ壷ローラ２の回転とともにすき間ｔから出よ
うとするインキ１９の一部は、図に小さな矢印で
示すように、分割ブレード８Ａ，８，８Ｂに沿つ
て逆行し、20mm〓程度の円筒を転がすような動き
となる。しかも、この箇所のインキ１９は、イン
キ壷ローラ２の周面と分割ブレード８Ａ，８，８
Ｂとのくさび作用によつて内圧が高められている
ので、押え板９が分割ブレード８Ａ，８，８Ｂの
先端まで延びているとこれをめくり上げるような
力が作用する。しかしながら、この押え板９は、
その先端をインキ壷ローラ２の周面から３mm以上
離間されており、しかも鋭角状に面取りされてい
るので、インキ１９は面取り部に沿つて押え板９
を分割ブレード８Ａ，８，８Ｂへ押え付けながら
回転するので、押え板９がめくり上がることがな
い。したがつて、この箇所から押え板９の下へイ
ンキ１９が侵入するのを防止することができる。
なお、前記インキ壷ローラ２の周面から押え板９
の先端までの寸法を３mm以上としたのは、実験の
結果少くとも３mm以上離れてないと押え板９の先
端からインキが侵入するからであり、これを例え
ば10〜20mmとしても特に問題はない。ただし、こ
の寸法をあまり長くすると、分割ブレード８，８
同士が接触している部分のうち押え板９によつて
覆われてない部分が長くなるため、それだけ分割
ブレード８，８相互間からインキが侵入する量が
増加することになる。

そして、分割ブレード８を洗浄する場合には、
押え板９を介して調整ボルト３７を弛め、分割ブ
レード８を弾持する偏心ピン２１をドライバで
180゜回動させることにより分割ブレード８は弾持
から解放されるので、これを容易に取外すことが
できる。そして、洗浄後はこれを従前通りセツト
して調整ボルト３７を締めれば、分割ブレード８
Ａが元の位置に固定されたまゝであるから、正確
な調整状態が再現される。

以上の説明により明らかなように、本発明によ
れば、ブレード台上に複数個の分割ブレードを並
列してその上面を押え板で覆い、分割ブレードに
マグネツトを埋設して押え板を分割ブレードに密
着させるとともに、押え板の先端をインキ壷ロー
ラの周面から３mm以上離間させてこの先端部を鋭
角状に面取りすることにより、インキ出し量が分
割された各セクシヨンごとに正確に調整されて絵
柄の微妙な濃淡に対応できることはもとより、隣
接する分割ブレード間にインキが侵入することが
なく、さらにインキ壷ローラの周面と分割ブレー
ド先端とのすき間から流出しようとするインキの
一部が、押え板先端の面取り部に沿つて押え板を
分割ブレードの上面へ押え付けながら流れ、押え
板の下へインキが侵入することがないので、イン
キやインキかすが分割ブレードやブレード台なら
び調整部材などに付着するのを防止することがで
き、分割ブレードのインキ出し量調整のための進
退動をきわめて円滑にすることができるととも
に、インキかすなどの除去作業の必要がなく労力
が著しく軽減される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明に係る印刷機のイ
ンキ壷装置を示し、第１図はその平面図、第２図
は第１図のAA断面図、第３図は第１図のBB拡
大断面図、第４図は第１図のCC拡大断面図、第
５図は分割ブレード先端部周辺の断面図である。２……インキ壷ローラ、３……ブレード台、
８，８Ａ，８Ｂ……分割ブレード、９……押え
板、１５……マグネツト、Ｓ……分割ブレード先
端との対向点を通るインキ壷ローラの接線、θ…
…押え板先端傾斜面とブレード台上面とのなす角
度、θ₁……接線Ｓとブレード台上面とのなす角
度。

Claims

【特許請求の範囲】

１先端をインキ壷ローラ２の周面に接近させ側
面を互いに密着させてブレード台３上に前記ロー
ラ２の軸線方向に並設されその先端と前記ローラ
２の周面との間隙ｔを個別に進退調節自在に設け
た複数個の分割ブレード８と、これら全分割ブレ
ード８，８間の前記密着部を覆うようにローラ長
とほぼ同長の幅を有し前記ブレード台３側に着脱
自在に取付けられかつ分割ブレード８上に重ね合
わせられた磁性材よりなる押え板９と、この押え
板９を磁気吸着するように前記各分割ブレード８
に埋設されたマグネツト１５とを備え、前記押え
板９の先端と前記インキ壷ローラ２の周面との間
を３mm以上離すとともに、押え板９の先端部を面
取りしてなり、この面取りする傾斜面と前記ブレ
ード台の上面とのなす角度θを、分割ブレード８
の先端との対向点を通る前記インキ壷ローラ２の
接線Ｓとブレード台３の上面とのなす角度θ₁より
も小さくしたことを特徴とする印刷機のインキ壷
装置。