JPS6116026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプリント基板加工機における加工品押
え装置に関するものである。

第１図に示す如く、平板状にした加工材料１の
両端部を２個のピン２にてテーブル（図示せず）
上に固定して、ドリル等により４角形状の加工品
３を装置刳り貫く場合、加工完了寸前になつて、
加工品３と加工材料１との連結部分が残り少なく
なると、加工品３が加工材料１との間の加工代に
相当する間隙４内を移動して正しい形状に加工さ
れないことがある。

プリント基板加工機においても、一般にその加
工材料が平板状であるため、加工品を加工する場
合、上記のような問題がある。

そこで、これを防止するため加工完了寸前にな
つて、加工品が移動しないように固定する加工品
押え装置が使用されている。

この加工品押え装置の構成は、加工中は工具を
保持するスピンドルを支持するハウジングと共に
接触しない状態で移動し、加工完了寸前になつた
とき、引続きハウジングが水平移動するのに対し
て加工品押えを停止させて加工品を固定するもの
が使用されている。

然るに上記の構成では、加工完了して加工品押
え工具と同一中心位置に復元させてつぎの加工に
備える場合、加工品押えとこれを支持する部材と
の間の摩擦力により加工品押えが復元しないこと
があり、その度毎に手作業にて加工品押えを復元
させていた。

そのため、操作が面倒であるのみでなく、プリ
ント基板加工機の性能低下の因をなしていた。

本考案は上記の欠点を除去し、加工品押えの求
芯性を向上してプリント基板加工機の性能低下の
防止を可能にした加工品押え装置を提供すること
にある。

本考案は上記の目的を達成するため、工具を保
持するスピンドルを支持するハウジングを設け、
このハウジングの端面に固定されたシリンダ内に
挿入されたピストンを設け、このピストンの先端
面に固定されたピースに摺動自在に支持された加
工品押えピースを設け、この加工品押えピースの
外周部と、上記ピースの周辺部との間に複数個の
スプリングを設け、かつ上記加工品押えピース
と、ピースとの接合面に加工完了寸前時加工品押
えピースをピースから離間させて加工品押えピー
スを加工品に押付けるための圧縮空気を吹出す空
気穴を設けたものである。

以下本考案の実施例を示す第２図および第３図
につき説明する。

先づ第２図において、５はハウジングにして、
工具７を回転自在に保持するスピンドル６を摺動
自在に支持している。

８は空気シリンダにして、上記ハウジング５の
下端部に固定され、スプリング９を介してピスト
ン１０を摺動自在に挿入し、ハウジング５に形成
された空気通路１１より該空気シリンダ８内に圧
縮空気を給入したとき、その空気圧力によつてピ
ストン１０の下方壁面１２に当るまで押下げるよ
うにしている。

１３はピースにして、上記ピストン１０の下端
面に固定され、中心部に上記工具７を挿入する穴
１３ａを設け、下面周辺部に円周方向に複数個の
凸部１４を固定している。１５は加工品押えピー
スにして、上記ピース１３の下端面に摺動自在に
支持され、中心部には上記工具７を挿入する穴１
５ａを設け、下端面にはワーク押えリング１６を
一部突出する如く挿入している。

１７は同一押圧力に形成された複数個のスプリ
ングにして、一端部を上記加工品押えピース１５
にボルト１８にて固定され、他端部を上記凸部１
４に形成された貫通穴１９内に挿入してボルト２
０にて固定されている。

なお、図示していないが、上記ピース１３の下
端面凸部間にはブラシを固定している、このブラ
シは上記加工品押えピース１５の高さＨよりも大
きく形成され、加工中、上記ピストン１０にスプ
リング９のみ作動したとき、ブラシが加工品を摺
動して加工品押えピース１５が加工品に接触しな
いようにしている。

そのため、このときのピストン１０は空気シリ
ンダ８内の途中で停止している。

つぎに第３図においては、第２図における上記
ピース１３内に空気源（図示せず）に連結し、加
工品押えピース１５の接合面に開口する空気穴２
１を設けた場合を示す。

上記の構成であるから、加工中は、スプリング
９の押圧力にてブラシが加工品を押圧し、加工品
押えピース１５が加工品に接触しない状態になつ
ているので、複数個のスプリング１７の押圧力に
より加工品押えピース１５がピース１３の中心位
置即ち工具７の中心位置に保持され、ハウジング
５およびピース１３と共に水平移動しながら、工
具７によつて加工品を加工する。

然る後加工完了寸前に達すると、空気通路１１
より空気シリンダ８内に圧縮空気が給入して、そ
の圧力によりピストン１０が空気シリンダ８の下
方壁面１２に当るまで押下げられるので、ブラシ
の圧力に打ちかつて加工品押えピース１５の下端
面が加工品を押圧し、その押圧力により、ハウジ
ング５およびピース１３が水平移動しても停止し
ている。

ついで、加工完了して空気通路１１より空気シ
リンダ８内の圧縮空気を排出すると、ピストン１
０はスプリング９の押圧力のみ受けることになる
ので、加工品押えピース１５の下端面と加工品と
の間の接触圧力は低下する。

同時に第３図に示す如く空気穴２１より加工品
押えピース１５に向つて圧縮空気を噴出して加工
品押えピース１５をピース１３より離間させる。

さらに複数個のスプリング１７相互の復元力に
よつて、直ちにピース１３の中心位置即ち工具７
の中心位置に復元する。

なお、上記実施例においては空気シリンダ８内
にスプリング９を用いているが、これに限定され
るものでなくたとえば、空気通路１１よりの圧縮
空気の圧力を加工中と、加工完了寸前とで変化さ
せることも考えられる。

したがつて本考案においては、加工品押えピー
ス１５とこれに接触する部分１３を離間させ同時
にスプリング１７の復元力との相乗作用によつて
加工品押えピース１５の求芯性を向上することが
でき、かつスプリング１７の押圧力の調整が容易
であり、かつ加工品押えピース１５，スプリング
１７，空気穴２１が外から見られるので、交換お
よび保守が容易であるので、プリント基板加工機
の保守、性能を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は平板状の加工材料に４角形状の加工品
を刳り貫く場合を示す説明図、第２図は本考案に
よるプリント基板加工機における加工品押え装置
を示す断面図、第３図はピースの加工品押えピー
スの対向部分に空気穴を設けた場合を示す断面図
である。 ５…ハウジング，６…スピンドル，７…工具，
８…空気シリンダ，９…スプリング，１０…ピス
トン，１１…空気通路，１３…ピース，１５…加
工品押えピース，１７…スプリング，２１…空気
穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板加工機における加工品押え装置に
   おいて、上記加工機本体を形成し、工具を保持す
   るスピンドルを支持するハウジングを設け、この
   ハウジングの端面に固定され、上記ピストンとの
   間に環状の空間を形成する環状のシリンダを設
   け、上記空間に摺動可能に嵌合する環状のピスト
   ンを設け、このピストン先端面に固定された環状
   のピースを設け、このピースの下面に配置された
   環状のの加工品押えピースを設け、この加工品押
   えピースの外周部と上記ピースの周辺部との間を
   結び加工品押えピースを保持する複数個のスプリ
   ングを設け、上記ピースに、加工品押えピースと
   の対向面に開口する空気穴を形成したことを特徴
   とするプリント基板加工機における加工品押え装
   置。