JPS6115348B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は生鮮野菜や果物などの品物を予冷庫又
は冷凍庫内で冷却する際に、差圧を利用して冷風
を通風せしめて品物を冷却する差圧通風装置に関
するものである。

従来生鮮野菜や果物などを一時貯蔵する場合、
第１図に示す如く野菜又は果物などの品物を詰め
たダンボールの収容箱１を予冷庫２の中に段積み
して配備し、冷凍機３により冷却された冷風をダ
クト４から再び予冷庫２内に吹き込み収容箱１内
の品物を２〜３℃程度に冷却し、必要に応じて冷
凍車に積み込んで出荷を行なつている。

しかしこの方法では、品物を規定温度にまで冷
却するのに時間がかかり、能率が悪く、また冷風
がよく当たる部分の品物は温度が下がり、凍る部
分も生じるのに対し、冷風がよく当たらぬ部分は
冷却は十分行なわれず、冷凍むらを生ずる欠点が
あつた。

これを改良するために第２図の如く予冷庫２の
中に吸込室５を設けてフアン６により冷風を循環
せしめ、予冷庫２内の圧力と吸込室５内の圧力と
の差圧により冷風を品物の間を通して冷却を行な
う方法がある。収容箱１には通風用の小孔が多数
設けられている。また第３図の如く冷凍機を吸込
室５の上に設けて同様に差圧通風による冷却も行
なわれている。

しかしこれらの方法においては予冷庫２の中に
特に吸込室５を設ける必要があり、予冷室の構造
が複雑となり、また冷凍庫の如く大型のスペース
の冷却室の場合などには、壁部から離れた位置で
は有効な冷却が行ないにくく、また吸込室５が固
定位置であるために、重い品物を動かして吸込室
５に合わせねばならず作業が困難であつた。

この方式の改良として、機動性を持たせるため
第４図ないし堂６図の如く中央に送風機７を備え
脚８を設けた特殊なパレツト９の上に、収容箱１
を四角柱状に積み上げ、その上部をふた１０でふ
さぎ、内部に形成される空気室１１に送風機７に
より空気を押し込むようにした通風ユニツトを複
数個予冷庫の中に配備する方法が見られる。送風
機７を運転すれば、予冷庫の中の冷風を空気室１
１内に押し込み、収容箱１の内側と外側の側面に
設けられた小孔１２を通じて冷風の通風が行なわ
れ、品物が冷却される。

しかしこの方法においては収容箱１の積み付け
数が制限されて一つのパレツト９毎に収容される
収容箱１の数が少なく積み付け効率が悪い。しか
しパレツト９が特殊な構造、寸法を有する特殊な
ものであり、これを全ユニツトに対して多数用い
るのでパレツト９の設備費も大となり、また、車
輪付きであるため積み重ね作業がやりにくく、重
ねたとしても送風機７を取り付けるためにパレツ
ト９がかなりの高さとなり、高さのスペースをか
なり必要とする。また、送風機７は全部のパレツ
ト９に設けると設備費が莫大となるので、一部の
パレツト９に設けて必要に応じて取り付け換えを
行なうが、送風機７が下側に設けられているので
着脱が容易でない。その上、既設の予冷庫に適用
する場合には、全パレツトをこの特殊なパレツト
９に交換せねばならず、費用及び手間が大とな
る、などの欠点を有するものであつた。

本発明は、従来のものの上記の如き欠点を除
き、構造が極めて簡単であり、小形軽量となり、
冷却を短時間でむらなくかつ積み付け効率のよい
状態で行うことができ、予冷庫など自体に特別な
構造を必要とせず、またパレツトも特殊なもので
なく通常のものが用いられ、設備費が縮減され、
既設の予冷庫などに用いてもパレツトを交換する
要もなく、段積み通風も可能であり、送風機を取
り付け換えするも極めて容易である差圧通風装置
を提供することを目的とするものである。

本発明は、平面板より成る遮蔽板と、該遮蔽板
に吸込口又は吐出口を開口する送風機と、前記遮
蔽板の少なくとも一個所の端縁を越えてほぼ直角
方向に遮蔽用のシートを伸長、巻取せしめる遮蔽
シート巻取機とを備え、前記遮蔽板は移動機構に
より移動可能に支えられていることを特徴とする
差圧通風装置である。

本発明を実施例につき図面を用いて説明すれ
ば、第７図ないし第９図において１３は収容箱群
ユニツトであり、一つの収容箱群ユニツト１３
は、通常のパレツト１４の上に収容箱を例えば５
段積みで40箱を積み付けてある。本実施例の場合
にはこのような収容箱群ユニツト１３を二個並べ
二段積みにしたブロツクを間隔１５を隔てて並べ
て配備してある。この間隔により間隙部２７が形
成され、上面と正面と背面とに開口部を形成す
る。

一方差圧通風装置は、幅１６、高さ１７を有す
る平面板より成る遮蔽板１８が、移動機構として
の床上走行台車である車輪付きのフレーム１９に
保持されている。フレーム１９上には送風機２０
が備えられ、その吸込口２１は遮蔽板１８に開口
している。２２は送風機２０の駆動用の電動機、
２３は吐出口である。２４は幅２５を有するビニ
ールなどで作られた遮蔽シート２６を巻き取り収
容する巻取機である。

使用に当たつては、第７図ないし第９図の如く
差圧通風装置を車輪を利用して移動せしめて遮蔽
板１８にて間隙部２７の開口部のうち正面の垂直
の開口部をふさぐ。この時吸込口２１は間隙部に
面するようにする。差圧通風装置をほぼ一定の位
置に置き、品物を動かしてこれに合わせるように
してもよい。

次に巻取機２４から遮蔽シート２６を引き出し
て遮蔽板１８の上端縁を越えてほぼ直角方向に延
長し、上面の開口部と、背面の垂直の開口部とを
おおい、吸込口２１を残して開口部をおおい密閉
する。しかして送風機２０を運転すれば間隙部２
７内は負圧となり、収容箱群ユニツト１３の外界
（即ち予冷庫内）との間の差圧により、外界の冷
気が冷風となつて収容箱を通過し、品物を冷却す
る。

送風機２０は上例の如く吸い出し用として用い
てもよいし、押し込み用として用いてもよい。押
し込み用として用いる場合は遮蔽シート２６と収
容箱との間に隙間が生ずるのを防ぐため剛性のあ
る縁材や板で抑える必要があるが、吸い出し用と
して用いればその必要はなくなる。

本実施例は以上の如く構成され作用するので、
短時間で冷却を行なうことができ、冷却むらがな
く効率的な冷却を行なうことができ、また積み付
け効率も高く多くの収容箱を配置することがで
き、さらに予冷庫もパレツトも特別な構造を必要
とせず設備費の低減をはかることができ、既設の
予冷庫への適用も容易にかつ設備費の大幅な追加
なしに行なうことができ、ユニツトの段積み通風
が可能であり、また、ある収容箱群ユニツトの組
から他の組への装置に移送及び適用が極めて容易
で機動性に富み取り付け換えが短時間で行なわれ
て作業能率を向上せしめることができる。予冷庫
又は冷凍庫などの中でもこの機動性により設置位
置が自由に選らべ庫内のスペースを最良の条件で
利用することができ、また遮蔽板１８を正確に収
容箱群ユニツト１３に押し付けるのが容易とな
る。

第１０図は別の実施例の平面図であり、一つの
遮蔽板１８に対し巻取機２４が二組備えられ、二
枚の遮蔽シート２６が反対向きに延長されるよう
になつているもので、この差圧通風装置を移送す
る手段、例えば天井クレーン、天井ホイスト、フ
オクリフトなどが利用できるならば差圧通風装置
自体は可搬通風ユニツトとして非常に簡単な構造
のものとなる。

第１１図は別の実施例の平面図で、片側四個
（二段積しなら八個）の収容箱群ユニツト１３に
対して適用したものである。このように数が多く
なつても送風機２０を長手方向の真中に置くこと
ができるので、均一通風が行ない易い。

第１２図は別の実施例で、一個の遮蔽板１８に
四個の巻取機２４を設け、四枚の遮蔽シートを互
に直角に四方に延長できるようにしたものでさら
に多くの収容箱群ユニツト１３をまかなうことが
できる。

第１０図ないし第１２図の例に示すものは、第
１３図の如く予冷庫２や冷凍庫の天井の適当な位
置に取り付け、手動又は電動の昇降機構でワイヤ
ロープ２８などで水平に保持された遮蔽板１８を
昇降せしめるようにすれば床面に品物のみを置く
ことができ庫内を効率よく利用することができ
る。また、送風機２０用の給電ケーブルも天井に
配備できるので床面をケーブルを引張るわずらわ
しさがなくなる。

第７図ないし第９図に示す例において、送風機
２０を両吸込型として、両方の吸込口にそれぞれ
遮蔽板１８を設け、遮蔽シート２６も二組用いれ
ば装置の両側に収容箱群ユニツト１３を置いて冷
却することができる。

本発明により、短時間で冷却を行なうことがで
き、冷却むらもなく、積み付け効率も大で多くの
収容箱を配置することができ、予冷庫もパレツト
も特殊な構造を必要とせず設備費の低減がはか
れ、既設の予冷庫への適用も容易であり、ユニツ
トの段積み通風が可能であり差圧通風装置の機動
性が大であつて装置の移送、移設が極めて容易で
あり、品物の収容条件に応じて最も適した位置に
配備できて庫内のスペースを有効に用いることが
でき、また品物に正確に密着することができ、構
造が簡単で性能のよい差圧通風装置を提供するこ
とができ、実用上極めて大なる効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は従来のそれぞれ異な
る例の説明図、第４図は別の従来例の正面図、第
５図はその−線断面図、第６図は平面図、第
７図ないし第１２図は本発明の実施例を示し、第
７図は側面図、第８図はその−線断面図、第
９図は第７図の平面図、第１０図、第１１図、第
１２図はそれぞれ別の実施例の平面図、第１３図
は天井に取り付けた例を示す説明図である。 １……収容箱、２……予冷庫、３……冷凍機、
４……ダクト、５……吸込室、６……フアン、７
……送風機、８……脚、９……パレツト、１０…
…ふた、１１……空気室、１２……小孔、１３…
…収容箱群ユニツト、１４……パレツト、１５…
…間隔、１６……幅、１７……高さ、１８……遮
蔽板、１９……フレーム、２０……送風機、２１
……吸込口、２２……電動機、２３……吐出口、
２４……巻取機、２５……幅、２６……遮蔽シー
ト、２７……間隙部、２８……ワイヤロープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 平面板より成る遮蔽板と、該遮蔽板に吸込口
   又は吐出口を開口する送風機と、前記遮蔽板の少
   なくとも一個所の端縁を越えてほぼ直角方向に遮
   蔽用のシートを伸長、巻取せしめる遮蔽シート巻
   取機とを備え、前記遮蔽板は移動機構により移動
   可能に支えられていることを特徴とする差圧通風
   装置。 ２ 前記移動機構が床上走行台車であり、前記遮
   蔽板が該台車にほぼ垂直に支持されている特許請
   求の範囲第１項記載の差圧通風装置。 ３ 前記移動機構が天井に設けられた昇降機構で
   あり、前記遮蔽板が該昇降機構によりほぼ水平か
   つ昇降可能に支えられている特許請求の範囲第１
   項記載の差圧通風装置。 ４ 前記送風機が両吸込式送風機であり、前記遮
   蔽板が二つの吸込口にそれぞれ一個ずつ備えられ
   ている特許請求の範囲第１項記載の差圧通風装
   置。