JPS6114745B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、容易正確に製作することができる無
刷子電動機の構成に関する。

無刷子電動機は、回転子の位置を検出するため
にホール素子等の位置検出器を固定子に取付ける
必要があり、これが複数個であり、しかも小形の
部品で精密に位置決めして取付けなければならず
組立上考慮しなければならなかつた。

従来、この位置検出器をプリント基盤に予め取
付けておき、このプリント基盤を固定子に取付け
る等の方法が試みられており、小さい位置検出器
を別の工程で取付けることができるといつた効果
が認められた。

しかしながら、固定子が樹脂モールドされるも
のでは、プリント基盤の内径部のみ治具や成形型
で支持してもモールド時の樹脂の流動によつて偏
在する恐れがあつた。

このような偏在を防止するには、複雑な構造の
樹脂モールド型を用いるか、樹脂モールドした固
定子の外側からプリント基盤を取付けるかいずれ
かの方法を構じる必要があつた。

本発明は、このような事情から容易正確に位置
検出器を取付け安価精密に組立てられる無刷子電
動機の構成を提供することを目的としている。

以下、本発明を図面に示された一実施例にもと
づいて説明すると、第１図は本発明の一実施例に
よる無刷子電動機の構成を示す内部露出の図であ
り、第２図はその要部縦断面図であり、第３図は
スプールに設けられる小さい突起の一実施例を示
す斜視図である。

第１図において、無刷子電動機の構成は、樹脂
の成形品等で形成されたスプール１に巻線２が施
されており、このスプール１が鉄心３に納められ
固定子が形成されている。

そして、固定子は、同軸的にドーナツ状のプリ
ント基盤４が取付けられており、プリント基盤４
の内径側には位置検出器としてのホール素子５が
配設されている。

さらにプリント基盤４には、小さい透孔６が配
設されており、この透孔６に一致する部分のスプ
ール１に突起７が形成され透孔６に嵌合するよう
構成されている。

また、プリント基盤４は、スプール１のツバ８
に当接し、透孔６が突起７に嵌合することにより
正確に位置決めされている。

そして、外側は樹脂モールド体９で被われてお
り、強固な固定子が形成されている。

プリント基盤４は、固定子の軸方向の端部に位
置しており、ホール素子５の外に巻線２の端部間
を接続すること等のために配線ができるように構
成されている。

第２図において、プリント基盤４は、スプール
１のツバ８に載置される如く配設され、透孔６に
突起７が嵌合されて支持されている。

第３図において、突起７は、２本のカギ１０，
１１で形成されたプリント基盤４の透孔６に嵌合
すると容易に外れないよう構成されている。

このような構成において、無刷子電動機の構成
は、ツバ８が設けられたスプール１に巻線を所定
量施し、このスプール１を鉄心３に納めて組立固
定子を形成する。

そして、予め別工程で組立られたプリント基盤
４をスプール１の突起７とプリント基盤４の透孔
７とを利用して配設する。

必要に応じて巻線２の端部をもこのプリント基
盤４に配線して組立、さらに鉄心３とプリント基
盤４とを同軸的に支持して樹脂モールドを施し樹
脂モールド体９で外装する。

この樹脂モールドに際し、固定子の内径部分等
を治具で支えて樹脂成形型によつて成形すると、
樹脂が高圧力で充填されるため、その流動によつ
てプリント基盤４やスプール１に不要な外力が加
わる。

しかしながら、プリント基盤４は、スプール１
のツバ８に設けられた突起７に透孔６が嵌合して
おり、このスプール１は鉄心３に固定されている
ことから外力に対し大きな抗力を示し高圧力で流
動する樹脂に容易に耐えて所定の位置に納まる。

このような構成は、スプール１には夫々２個の
ツバ８が設けられることおよびスプール１がたい
てい複数設けられることから、突起７を多数配設
することができ、突起７を小さくすることができ
る。

このため、プリント基盤４に透孔６を設けて突
起７を形成してもプリント基盤に支障を生じるこ
となく、また強個にプリント基盤４を保持するこ
とができる。

特に、スプール１のツバ８に突起７を設けるこ
とにより、プリント基盤４が巻線２に触れること
なくツバ８に当接して保持され、しかもツバ８に
当接することから鉄心３に容易確実に平行して保
持され都合がよい。

突起８は、小さいものでよく、できれば第３図
に示される如くカギ１０，１１で形成してプリン
ト基盤４の透孔６に嵌合すると容易に外れないよ
う構成すれば組立容易であり、また後工程に都合
がよい。

そして、突起７によるプリント基盤４の位置決
めは、鉄心３に対する平行度の他回転方向に対し
ても有効な行えるため、ホール素子５を所定の位
置に正確に配設することができ電動機効率を悪化
させるような組立不良を発生することがない。

特に、樹脂モールド体９で外装するためにホー
ル素子５を正確に位置付けできることは、製作上
きわめて有効である。

以上説明の通り、本発明は巻線を施すスプール
にツバを設けると共に突起を設け、この突起に位
置検出器用のプリント基盤を嵌合して固定したた
め樹脂モールドで外装するにきわめて都合よく製
作面において容易正確に組立てることができ、そ
の効果は産業上大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による無刷子電動機
の構成を示す内部露出の図であり、第２図はその
要部縦断面図であり、第３図はスプールに設けら
れる小さい突起の一実施例を示す斜視図である。 １……スプール、３……鉄心、４……プリント
基盤、６……透孔、７……突起、８……ツバ、９
……樹脂モールド体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一方へ突出する小さい突起を備えたツバを設
   けてスプールを形成し、このスプールに巻線を施
   すと共に前記突起が軸方向に突出するようにして
   鉄心に納めて固定子を形成し、ドーナツ状の配線
   および位置検出器用プリント基盤を形成し、この
   プリント基盤に前記突起に嵌合する透孔を形成
   し、この透孔に前記突起を嵌合させて所定の位置
   とし固定子と共に一体となるよう樹脂モールドし
   たことを特徴とする無刷子電動機の構成。