JP2514448Y2

JP2514448Y2 - ステッピングモ―タ

Info

Publication number: JP2514448Y2
Application number: JP1990056049U
Authority: JP
Inventors: 靖久山崎
Original assignee: Tec Corp
Current assignee: Tec Corp
Priority date: 1990-05-29
Filing date: 1990-05-29
Publication date: 1996-10-16
Anticipated expiration: 2005-05-29
Also published as: JPH0414476U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案はリード線引出し構造を改良したステッピング
モータに関する。

［従来の技術］ PM（パーマネントマグネット）形ステッピングモータ
のステータが有する巻線と、モータ駆動回路との電気的
な接続は、端子台、端子ピン、プリント配線基板、およ
びリード線を介してなされている。

つまり、ステータが備える一対のボビンにはこれらを
繋ぐ一つの端子台が一体に設けられ、この台はステータ
を収納したモータフレームの切欠溝を通って、このフレ
ーム外に突出されている。端子台に突設された端子ピン
には上記巻線の端末部が絡げられて半田付されている。
上記端子台には端子ピンが挿通するプリント配線基板が
支持され、この基板の配線パターンに対して上記端子ピ
ンは、上記半田とは別の半田により接続されている。ま
た、配線パターンにはリード線の芯線が半田付されてい
る。

以上のようなリード線引出し構造では、モータの取扱
い時においてリード線に加えられる外力により、このリ
ード線の半田付け部分が切れる恐れがある。

このような断線の恐れを防止するために、従来におい
ては、リード線の半田付け部を軟質のモールド樹脂内に
埋め込んだり、或いは接着剤を塗布して、半田付け部を
固めるとともに、リード線の半田付け部近傍部分をモー
タフレームに接着固定する対策が講じられている。

［考案が解決しようとする課題］しかし、以上のようにモールド樹脂を用いてリード線
半田付け部を保護する従来の技術では、保護用の部材と
してモールド樹脂が必要であるとともに、その成形が必
要で製造が面倒であるから、コスト高であるという問題
があった。

同様に、接着剤を用いてリード線半田付け部を保護す
る従来の技術でも、保護用の部材として接着剤が必要で
あるとともに、その塗布の手間が必要であるから、コス
ト高であるという問題があった。

本考案の目的は、特別な保護用部材を必要とすること
なく、リード線半田付け部での断線を防止できる安価な
ステッピングモータを得ることにある。

［課題を解決するための手段］上記目的を達成するために、本考案のステッピングモ
ータにおいては、一対のステータ要素からなり、これら
要素のボビンと一体の相対向する一対の端子台を有して
いるとともに、各端子台を互いに離して設けたステータ
と、このステータが収納されるとともに、上記一対の端
子台が突出する切欠溝を有したモータフレームと、上記
一対の端子台に夫々複数突設され上記ボビンに巻かれた
巻線の端末部が半田付けされる端子ピンと、上記両端子
台との間に通路を形成してこれら端子台にわたって取付
けられ、上記各端子ピンが夫々挿通されるとともにこれ
ら端子ピンと半田付けされる配線パターンを有したプリ
ント配線基板と、一端部側が上記通路内に通されるとと
もに、この一端が上記プリント配線基板の配線パターン
に半田付けされるリード線とを具備したものである。

［作用］本考案の構成によれば、プリント配線基板に半田付け
されたリード線は、一対の端子台とこれら両台にわたっ
て配置された上記プリント配線基板との間に形成された
通路を通って引き出されているから、上記各端子台、プ
リント配線基板、およびモータフレームによりリード線
の自由な動きを抑制できる。そのため、リード線の動き
に基づいて、このリード線の半田付け部に外力が加わる
ことを少なくできる。しかも、上記通路を形成する各部
材は、モータとして必要なモータフレームの他、ステー
タの巻線をリード線に電気的に接続するために必要不可
欠な部材である。したがって、リード線の半田付け部で
の断線防止用として、特別な部材を必要とすることがな
いとともに、組立ての手間を少なくできる。

［実施例］以下本考案の一実施例を第１図から第４図を参照して
説明する。

このPM形ステッピングモータは、第１図に示すように
一対のステータ要素1,2を備えており、これらステータ
要素1,2は軸方向に重ね合わされてステータ３を構成し
ている。

ステータ要素1,2は、円筒状の胴部4aを有する合成樹
脂製のボビン４と、このボビン４の一端に位置する板金
製の端部ヨーク５と、同じくボビン４の他端側に位置す
る板金製の中間ヨーク６とで構成され、その胴部4aの外
周面には巻線７が巻回されている。以上の構成のステー
タ３はその中央部に軸方向に貫通するロータ収納孔3aを
有している。

各ヨーク5,6は、リング状部と、この内周部から直角
に折り曲げられボビン４の胴部4aの内面に露出する複数
の櫛歯状の突極5a,6aとを有している。突極5a,6aは胴部
4aの内面において互い違いに入り込んでおり、したがっ
て周方向に間隔を存して交互に位置されている。

各ステータ要素1,2の中間ヨーク６のリング状部は互
いに重ね合わされているとともに、これリング状部は、
上記ボビン４の胴部4aに連なる上記リング状部側のフラ
ンジ部4cによって覆われている。これらのフランジ部4c
の一部には、径方向外側に突出する端子台９が一体に設
けられている。端子台９は各ボビン４のフランジ部4cの
間に跨がって、これらボビン４を一体に連結している。
この端子台９はステータ３の軸方向中央部に位置されて
いる。

ステータ要素２の端部ヨーク５のリング状部は、上記
ボビン４の胴部4aに連なる上記リング状部側のフランジ
部4dによって覆われている。これらのフランジ部4dの一
部には、径方向外側に突出する端子台10が一体に設けら
れている。したがって、この端子台10はステータ３のス
テータ要素２側端部に位置されている。

これらの端子台9,10は、ステータ３の軸方向に互いに
離間し、かつ、相対向して設けられているとともに、い
ずれもステータ３の周方向に延びて形成されている。各
端子台9,10の先端面には、第２図に示すように位置決め
用の突起11が夫々一体に突設されている。しかも、端子
台9,10の先端には夫々金属製の端子ピン12が複数本突設
されている。これらのピン12には夫々上記巻線７の端末
部7aが絡げられて半田付けされている。

上記ステータ３はそのステータ要素１側の端面に端板
13を有している。この端板13はステータ要素１のボビン
４と一体に成形されており、ステータ３の一端開口を閉
鎖している。端板13の中央部には軸受14が取付けられて
いる。また、ステータ３はそのステータ要素２側の端面
にリング状突部15を有している。この突部15はステータ
要素２のボビン４と一体に成形されており、その内周面
はボビン４の胴部4aの内周面と面一になっている。

このような構成のステータ３において、端部ヨーク５
および中間ヨーク６は、ボビン４を射出成形する際に、
その成形金型の内部に収められて、ボビン４に一体にモ
ールドされている。

上記構成のステータ３はモータフレーム16の内部に収
められている。モータフレーム16は、両端が開口された
金属製の円筒体17と、この円筒体17の一端開口を閉塞す
る金属製のモータ取付け板18とで構成されている。

円筒体17はバックヨークとして利用されるもので、そ
の内周面には上記各ヨーク5,6のリング状部が接触され
ている。この円筒体17の他端開口部には径方向内側に突
出する開口縁部19が折り曲げられており、この開口縁部
19にはステータ３のステータ要素１の端部ヨーク５が当
接されている。したがって、ステータ３の端板13は上記
他端開口部に配置されている。

円筒体17の周面には、その一端開口から他端開口方向
に向かって切り込まれた切欠溝20が形成されている。上
記一対の端子台9,10は切欠溝20を通してモータフレーム
16の径方向外側に突出されている。

上記モータ取付け板18は、第４図に示すように円筒体
17の径方向外側に突出する一対の取付け部18aを有して
おり、これら取付け部18aを通る図示しないねじを介し
てモータ支持部材に固定されるようになっている。この
モータ取付け板18は、その内面を上記リング状突部15の
先端面に支持され、上記円筒体17の一端開口部の数箇所
を内側に変形させることによって、かしめ止めされてい
る。このかしめ止めによりステータ３はモータ取付け板
18と上記開口縁部19との間に挟着されている。

モータ取付け板18の中央部には、軸受21が取付けられ
ているとともに、この軸受21を中心とする同一半径で描
かれる線上に位置して複数の嵌合突部22が内面に向けて
突設されている。これらの突部22は上記リング状突部15
の内周面に嵌合され、それによりステータ３に対する上
記軸受21の芯出しがなされている。

上記ステータ３の内側、つまり上記ロータ収納孔3a内
にはロータ23が後述のようにして挿通配置されている。
ロータ23は、回転軸24と、この外周に装着された円筒状
のロータマグネット25とを有して形成されている。回転
軸24はその一端部を上記軸受14に支持されるとともに、
他端部を上記軸受21に支持して回転自在に設けられてい
る。上記ロータマグネット25の外周部には、その軸方向
に延びる多数のＳ極とＮ極が、周方向に交互に着磁され
ている。

上記モータフレーム16の外部に配置される硬質なプリ
ント配線基板26は、上記両端子台9,10にわたって取付け
られている。この配線基板26は上記端子ピン12に対応し
た数の配線パターン27を有している。これらパターン27
の一端部に位置して上記端子ピン12は夫々プリント配線
基板26を挿通している。さらに、各配線パターン27の他
端部には夫々芯線通孔28が設けられているとともに、こ
の他端部はプリント配線基板26の一端部に形成した凹み
29に夫々臨んでいる。

そして、上記一対の端子台9,10とプリント配線基板26
との間には通路30が形成されている。通路30はモータフ
レーム16の径方向に延びており、その両端は開口されて
いる。この通路30内には複数本のリード線31が配線され
ている。リード線31の先端部に露出された芯線31aは、
上記芯線通孔28を上記配線パターン27が設けられた表面
側に向けて通路30内から挿通され、しかも上記表面側に
おいて曲げられて上記凹み29に引っ掛かるように折り曲
げられている。リード線31の反対側端部には図示しない
コネクタなどが接続されている。

芯線31aと配線パターン27とは半田付けされている。
この半田付けは、以上のようにプリント配線基板26を端
子台9,10にわたって架設した状態で、フロー半田を施す
ことにより実施される。それにより、上記配線パターン
27と芯線31aとが半田付けされると同時に、配線パター
ン27と端子ピン12とが半田付けされる。このことは、芯
線通孔28および凹み29への既述のような芯線31aの係合
により、リード線31がプリント配線基板26に仮保持され
ることにより可能である。したがって、製造を容易化で
きる。

また、プリント配線基板26の他端部には、上記位置決
め用の突起11に嵌合する一対の孔33が設けられている。
これら突起11と孔33との嵌合により、端子台9,10に対す
るプリント配線基板26の位置決めがなされる。つまり、
以上のような簡単な構造により、結果的にプリント配線
基板26の配置のばらつきを防止して、この基板26の取付
け位置の精度を向上できる。

上記構成のステッピングモータにおいて、モータ駆動
回路に繋がるリード線31は、モータフレーム16の外部に
形成された通路30内に通されて、プリント配線基板26に
半田付けされている。そのため、モータの取扱いにおい
てリード線31に引っ張り力が作用した場合に、このリー
ド線31の動きを、モータフレーム16の円筒体17と、上記
通路30を構成する部材、つまり一対の端子台9,10、およ
びプリント配線基板26とで抑制できる。したがって、第
３図中Ｅ部に繰り返し外力が作用することが防止され、
上記Ｅ部でのリード線31の切断の恐れを防止できる。

そして、既述のように通路30を構成する部材には、上
記巻線７をモータ駆動回路に接続するために必要な端子
台9,10、および中継部材としてのプリント配線基板26が
利用されているから、上記通路30を作るために新たな部
材を必要としない。換言すれば、リード線31の断線を防
止するために特別の部材を必要としない。したがって、
部品点数を削減できて組み立てを容易化できるととも
に、安価に製造できるものである。

［考案の効果］以上詳述した本考案は、プリント配線基板に半田付け
されたリード線を、一対の端子台とこれら両台にわたっ
て配置された上記プリント配線基板との間に形成された
通路を通って引き出すようにした構成により、リード線
の自由な動きを抑制して、このリード線の半田付け部に
外力が加わることを少なくでき、したがって、リード線
半田付け部での断線を防止できる。しかも、リード線の
半田付け部での断線防止するための上記通路を、モータ
として必要なモータフレームの他、ステータの巻線をリ
ード線に接続するために必要不可欠な部材である端子
台、およびプリント配線基板を利用して形成したから、
特別な保護用部材を必要とすることがなく、構成および
組立てを簡単化できて安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は第２図中Ａ−Ａ線に沿うステッピンッグモータ
全体の断面図、第２図はステッピンッグモータ全体の平面図、第３図は第２図中Ｂ−Ｂ線に沿う部分断面図、第４図はプリント配線基板を取付ける状態を示す斜視図
である。 1,2……ステータ要素、３……ステータ、４……ボビ
ン、７……巻線、7a……端末部、9,10……端子台、12…
…端子ピン、20……切欠溝、26……プリント配線基板、
27……配線パターン、30……通路、31……リード線。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一対のステータ要素からなり、これら要素
のボビンと一体の相対向する一対の端子台を有している
とともに、各端子台を互いに離して設けたステータと、このステータが収納されるとともに、上記一対の端子台
が突出する切欠溝を有したモータフレームと、上記一対の端子台に夫々複数突設され上記ボビンに巻か
れた巻線の端末部が半田付けされる端子ピンと、上記一対の端子台との間に通路を形成してこれら端子台
にわたって取付けられ、上記各端子ピンが夫々挿通され
るとともにこれら端子ピンと半田付けされる配線パター
ンを有したプリント配線基板と、一端部側が上記通路内に通されるとともに、この一端が
上記プリント配線基板の配線パターンに半田付けされる
リード線とを具備したステッピングモータ。