JPS61143572A - ジルコニウム基合金管の製造法 - Google Patents
ジルコニウム基合金管の製造法Info
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- JPS61143572A JPS61143572A JP26118885A JP26118885A JPS61143572A JP S61143572 A JPS61143572 A JP S61143572A JP 26118885 A JP26118885 A JP 26118885A JP 26118885 A JP26118885 A JP 26118885A JP S61143572 A JPS61143572 A JP S61143572A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は新規なジルコニウム基合金の製造方法に関する
。
。
ジルコニウム基台金は、その優れた耐食性と非常に小さ
い中性子吸収断面積により原子カプラントの燃料被覆管
や燃料チャンネルボックス等に使用されている。これら
の構造物は長期間使用されているため、特にその耐食性
が重要である。ジルコニウム基合金の代表的なものとし
て「ジルコニウム−2」 (ジルコニウムにスズを約1
.5 %、鉄を約0.1 %、クロムを0.1 %、ニ
ッケルを約0.05 %添加したもの)及び「ジルカロ
イ−4」 (ジルコニウムにスズを約1.5 %、鉄を
約0.2 %、クロムを約0.1 %添加したもの
)が知られている。 ′″ ジルコニウムは低温(862℃以下)において安定なα
相(稠密六方格子)及び高温(960℃以上)において
安定なβ相(体心立方格子)を有する。また合金元素を
添加することにより、α相からβ相に変態を開始する温
度(以下、α+β遷移温度と略記する。)は約30℃低
下することが知られている。
い中性子吸収断面積により原子カプラントの燃料被覆管
や燃料チャンネルボックス等に使用されている。これら
の構造物は長期間使用されているため、特にその耐食性
が重要である。ジルコニウム基合金の代表的なものとし
て「ジルコニウム−2」 (ジルコニウムにスズを約1
.5 %、鉄を約0.1 %、クロムを0.1 %、ニ
ッケルを約0.05 %添加したもの)及び「ジルカロ
イ−4」 (ジルコニウムにスズを約1.5 %、鉄を
約0.2 %、クロムを約0.1 %添加したもの
)が知られている。 ′″ ジルコニウムは低温(862℃以下)において安定なα
相(稠密六方格子)及び高温(960℃以上)において
安定なβ相(体心立方格子)を有する。また合金元素を
添加することにより、α相からβ相に変態を開始する温
度(以下、α+β遷移温度と略記する。)は約30℃低
下することが知られている。
ジルコニウム基合金からなる燃料被覆管の従来の製造方
法を第2図に示す。
法を第2図に示す。
この製造工程の特徴は、高純度化、均一化のための熱間
押出しまでの工程と、良好な寸法と強度しん性を得るた
めの冷間加工工程にある。
押出しまでの工程と、良好な寸法と強度しん性を得るた
めの冷間加工工程にある。
(1)溶解=M料のジルコニウムスポンジに所定の合金
元素(Sn、Fe、Cr、Niなど)を配合して、プレ
スにより圧縮成形して円柱状フリケラトを作る。これを
不活性雰囲気下で溶接し電極に仕上げ、これを消耗電極
式アーク溶解炉で2回くりかえし真空溶解してインゴッ
トとする。
元素(Sn、Fe、Cr、Niなど)を配合して、プレ
スにより圧縮成形して円柱状フリケラトを作る。これを
不活性雰囲気下で溶接し電極に仕上げ、これを消耗電極
式アーク溶解炉で2回くりかえし真空溶解してインゴッ
トとする。
(2)β鍛造:インゴットをβ領域温度まで予備加熱(
通常約1000℃)し、成形のために鍛造を行う。
通常約1000℃)し、成形のために鍛造を行う。
(3)溶体化処理:β鍛造後のブルームをジルコニウム
合金のβ領域温度まで予備加熱(通常1000℃以上で
数時間保持)後急冷(通常水冷)する、この溶体化処理
により、偏在していた合金元素が均一化され、金属組織
は改善される。
合金のβ領域温度まで予備加熱(通常1000℃以上で
数時間保持)後急冷(通常水冷)する、この溶体化処理
により、偏在していた合金元素が均一化され、金属組織
は改善される。
(4)α鍛造:溶体化処理によって生じた表面酸化膜の
除去及び寸法調整のために、700℃前後のα領域温度
範囲内で予備加熱後鍛造を行う。
除去及び寸法調整のために、700℃前後のα領域温度
範囲内で予備加熱後鍛造を行う。
(5)機械加工、銅被覆:α鍛造後のブルームは機械切
削および孔あけ加工して中空ビレットにされ、これに酸
化、ガス吸収防止及び潤滑向上のために銅被覆をほどこ
す。
削および孔あけ加工して中空ビレットにされ、これに酸
化、ガス吸収防止及び潤滑向上のために銅被覆をほどこ
す。
(6)熱間押出し、ニア00℃近辺のα領域温度の銅被
覆ビレットをプレスによりダイスを通して押出し、押出
し素管を作る。
覆ビレットをプレスによりダイスを通して押出し、押出
し素管を作る。
(7)中間焼鈍:焼鈍は加工による歪を除去させるため
に、通常10−4〜10−IsTorrの高真空下65
0℃前後で実施される。
に、通常10−4〜10−IsTorrの高真空下65
0℃前後で実施される。
(8)中間圧延:室温における圧延加工により、外径を
絞り肉厚を薄くする。所定の寸法に達するまで中間に焼
鈍をはさみ数回圧延を繰返す。
絞り肉厚を薄くする。所定の寸法に達するまで中間に焼
鈍をはさみ数回圧延を繰返す。
(9)最終焼鈍:通常10一番〜10−’Torrの高
真空下で、580℃前後の再結晶化焼鈍を行う。
真空下で、580℃前後の再結晶化焼鈍を行う。
ジルコニウム基合金より成る燃料チャンネルボックス、
燃料スペーサ等は、形状が異なるが基本的には同様の加
工方法、つまり溶解・β鍛造・溶体化処理を行った後、
熱間塑性加工そして中間焼なましをはさみ室温での塑性
加工、最終の塑性加工の後最終焼なましが行なわれる。
燃料スペーサ等は、形状が異なるが基本的には同様の加
工方法、つまり溶解・β鍛造・溶体化処理を行った後、
熱間塑性加工そして中間焼なましをはさみ室温での塑性
加工、最終の塑性加工の後最終焼なましが行なわれる。
従来、熱間塑性加工温度及び焼なまし温度は、α+β遷
移温度約830℃を越えないよう制限されている。この
根拠は、熱間塑性加工や焼なましを行っているときにそ
の温度がα+β遷移温度を超えると、溶体化処理によっ
て均一化した合金元素が熱間塑性加工や焼なまし後のゆ
っくりとした温度降下によって粗大化した析出物を作り
、溶体化処理の効果を消滅させてしまうことにある。
移温度約830℃を越えないよう制限されている。この
根拠は、熱間塑性加工や焼なましを行っているときにそ
の温度がα+β遷移温度を超えると、溶体化処理によっ
て均一化した合金元素が熱間塑性加工や焼なまし後のゆ
っくりとした温度降下によって粗大化した析出物を作り
、溶体化処理の効果を消滅させてしまうことにある。
実際の適用温度は、前述の温度制限の範囲内で塑性加工
効率の向上、焼なまし時間の短縮など加工作業の効率に
重点が置かれて設定されている。
効率の向上、焼なまし時間の短縮など加工作業の効率に
重点が置かれて設定されている。
設定温度は、従来プロセスの記述に示したとおり、燃料
被覆管に対する再結晶化のための最終焼なましを除き、
はぼ650〜800℃の温度領域にある。
被覆管に対する再結晶化のための最終焼なましを除き、
はぼ650〜800℃の温度領域にある。
炉内で長期間中性子を照射され、同時に高温高圧の水あ
るいは水蒸気にさらされているため、上記のジルコニウ
ム基合金においても酸化が進み、時にはプラントの運転
に重大な影響を及ぼすことがある。それゆえ、ジルコニ
ウム基合金の耐食性向上の対策が8栗である。すなわち
、これはプラント運転の稼動低下のみならず、信頼性の
低下にもつながるからである。さらに近年、燃料棒の使
用期間延長の傾向(高燃焼度化)にともない、燃料被覆
管の耐食性に対する要求は厳しくなりつつある。
るいは水蒸気にさらされているため、上記のジルコニウ
ム基合金においても酸化が進み、時にはプラントの運転
に重大な影響を及ぼすことがある。それゆえ、ジルコニ
ウム基合金の耐食性向上の対策が8栗である。すなわち
、これはプラント運転の稼動低下のみならず、信頼性の
低下にもつながるからである。さらに近年、燃料棒の使
用期間延長の傾向(高燃焼度化)にともない、燃料被覆
管の耐食性に対する要求は厳しくなりつつある。
ジルコニウム基合金の熱処理法として次のようなものが
ある。(1)ジルコニウム製品を(α+β)二相領域又
はβ相領域へ急速加熱し、短時間保持後急速冷却する特
殊熱処理法(特開昭51−110411、110412
.特開昭55−100947.100967) 。
ある。(1)ジルコニウム製品を(α+β)二相領域又
はβ相領域へ急速加熱し、短時間保持後急速冷却する特
殊熱処理法(特開昭51−110411、110412
.特開昭55−100947.100967) 。
(2)ジルカロイ−4板を表面部分のみβ−焼入する方
法(特開昭5l−116106) 。
法(特開昭5l−116106) 。
これらはいずれもジルコニウム合金の最終素材又は製品
状態で、高周波加熱装置又はレーザービーム加熱装置等
を使用して、表面部分のみβ−焼入れ処理を施すもので
ある。ジルコニウム合金、特にジルカロイ合金は溶体化
処理を行うことによりその耐食性が向上することが知ら
れている。これらの熱処理は板材や製品の最終形状の状
態で行い、表面部分のみ焼入れ処理を行うため高周波加
熱装置で行われている。しかし、これらの最終形状での
加熱、冷却工程の制御が困難な外に、表面部分の酸化現
象や熱応力による変形及び残留応力の問題が生じる。こ
れらの問題のために、β−焼入れ後酸化皮膜の除去や変
形の矯正等をしなければならない。
状態で、高周波加熱装置又はレーザービーム加熱装置等
を使用して、表面部分のみβ−焼入れ処理を施すもので
ある。ジルコニウム合金、特にジルカロイ合金は溶体化
処理を行うことによりその耐食性が向上することが知ら
れている。これらの熱処理は板材や製品の最終形状の状
態で行い、表面部分のみ焼入れ処理を行うため高周波加
熱装置で行われている。しかし、これらの最終形状での
加熱、冷却工程の制御が困難な外に、表面部分の酸化現
象や熱応力による変形及び残留応力の問題が生じる。こ
れらの問題のために、β−焼入れ後酸化皮膜の除去や変
形の矯正等をしなければならない。
本発明の目的は、上記の事情に鑑みて、後述する新しい
知見にもとづき、耐食性が著しく優れ、かつ熱処理によ
る変形の少ないジルコニウム基合金の製造法を提供する
にある。
知見にもとづき、耐食性が著しく優れ、かつ熱処理によ
る変形の少ないジルコニウム基合金の製造法を提供する
にある。
本発明は、ジルコニウム基合金を熱間塑性加工後、冷間
塑性加工し次いで焼なまし処理する方法において、最後
の熱間塑性加工後で最後の冷間塑性加工前に前記合金の
α相とβ相を含む温度領域又はβ相の温度領域に高周波
誘導コイルで加熱し前記コイルが通過した直後に冷媒で
強制的に急冷する第1の溶体化処理を施すことを特徴と
するジルコニウム基合金の製造法にある。
塑性加工し次いで焼なまし処理する方法において、最後
の熱間塑性加工後で最後の冷間塑性加工前に前記合金の
α相とβ相を含む温度領域又はβ相の温度領域に高周波
誘導コイルで加熱し前記コイルが通過した直後に冷媒で
強制的に急冷する第1の溶体化処理を施すことを特徴と
するジルコニウム基合金の製造法にある。
従来の製造工程は第2図に示すようにインゴットを熱間
加工した後に溶体化処理が行われている。
加工した後に溶体化処理が行われている。
この溶体化処理によりマトリックスに固溶した金属間化
合物(例えば、ZrCrzやZrxFesCrzなど)
は、その後の熱間加工又は温間加工により析出が促進さ
れる。析出して、粗大化した金属間化合物は耐食性を劣
化させる。
合物(例えば、ZrCrzやZrxFesCrzなど)
は、その後の熱間加工又は温間加工により析出が促進さ
れる。析出して、粗大化した金属間化合物は耐食性を劣
化させる。
本発明法では溶体化処理の効果を最終の素材まで失なわ
れないようにするため、最終の熱間加工又は温間加工の
後で、最後の冷間塑性加工前、特に最初の冷間型性加工
の前に第1の溶体化処理を ・施すものである。熱間
加工や温間加工による析出の促進を防止する。第1図及
び第3図に本発明法による製造工程を示す、β−鍛造後
のα−鍛造は場合によっては省略しても良い、α鍛造は
単なる寸法整形のための工程である。
れないようにするため、最終の熱間加工又は温間加工の
後で、最後の冷間塑性加工前、特に最初の冷間型性加工
の前に第1の溶体化処理を ・施すものである。熱間
加工や温間加工による析出の促進を防止する。第1図及
び第3図に本発明法による製造工程を示す、β−鍛造後
のα−鍛造は場合によっては省略しても良い、α鍛造は
単なる寸法整形のための工程である。
第1の溶体化処理は最終熱間加工後、その温度からβ相
又はα+β相へ加熱して(室温まで冷却せずに)実施す
ることも効果がある。更に、このような溶体化処理後に
更に(α+β)相へ加熱して急冷するという不完全溶体
化処理を実施することも効果がある。すなわち、β相加
熱によって結品位が粗大した場合などはその後(α+β
)相へ加熱し冷却することによって、更に組織の改善が
行なわれる。
又はα+β相へ加熱して(室温まで冷却せずに)実施す
ることも効果がある。更に、このような溶体化処理後に
更に(α+β)相へ加熱して急冷するという不完全溶体
化処理を実施することも効果がある。すなわち、β相加
熱によって結品位が粗大した場合などはその後(α+β
)相へ加熱し冷却することによって、更に組織の改善が
行なわれる。
第2の溶体化処理を施さずに第1の溶体化処理としてβ
相の温度領域で行う方が耐食性が向上し好ましい。
相の温度領域で行う方が耐食性が向上し好ましい。
第2の溶体化処理を施す場合には、第1の溶体 −化処
理はα相とβ相の混合温度領域で行うのが好ましい。
理はα相とβ相の混合温度領域で行うのが好ましい。
本発明によって製造されたジルコニウム基合金のミクロ
組織は従来のものより改善され、その結果耐食性が著し
く向上した。
組織は従来のものより改善され、その結果耐食性が著し
く向上した。
実施例1
素材はジルカロイ−2合金である。その主な化学成分は
1.5vt%S n −0,136w t%Fe−0,
097wt%Cr −0,056w t%Ni−1残Z
rである。第2図に示す製造工程において、熱間加工後
の材料の一部を再び溶体化処理を施した。その後の製造
工程は両者とも同じである。
1.5vt%S n −0,136w t%Fe−0,
097wt%Cr −0,056w t%Ni−1残Z
rである。第2図に示す製造工程において、熱間加工後
の材料の一部を再び溶体化処理を施した。その後の製造
工程は両者とも同じである。
これら両者のジルカロイ管を用いて腐食試験を行った。
腐食試験は500℃、105 kg/a#高温高圧水蒸
気中で50h保持し、試験終了後、試験片の外観観察に
より両者の状態を比較した。七の結果を第1表にポす。
気中で50h保持し、試験終了後、試験片の外観観察に
より両者の状態を比較した。七の結果を第1表にポす。
第 1 表
第1表にあるノジュラー腐食とは、ジルカロイ合金は酸
化が進行する過程で局部的に異常に酸化反応が進んだ結
果、白色の斑点が生じる現象である。黒色の酸化皮膜は
保護性を有するが、この白色の酸化物は保護性を持たず
、耐食性の点では不適である0本発明による製造工程に
より製造された試験片は従来のものより耐食性が優れて
いる。
化が進行する過程で局部的に異常に酸化反応が進んだ結
果、白色の斑点が生じる現象である。黒色の酸化皮膜は
保護性を有するが、この白色の酸化物は保護性を持たず
、耐食性の点では不適である0本発明による製造工程に
より製造された試験片は従来のものより耐食性が優れて
いる。
ジルカロイ−4から成る板状試験片を作製し様様な熱処
理を加えた後、高温水蒸気中で腐食試験を行い、腐食増
量(単位表面積あたりの腐食による重量増加)と熱処理
条件の関係を求めた。
理を加えた後、高温水蒸気中で腐食試験を行い、腐食増
量(単位表面積あたりの腐食による重量増加)と熱処理
条件の関係を求めた。
試験片は、石英ガラス管中に真空封止され熱処理に供さ
れた。熱処理には電気炉を使用し真空封止した試験片は
β領域温度に約5分間保持された後、水中に投入され急
冷された。冷却速度は200℃/秒以上であった。急冷
された試験片は様々な温度で2時間の焼なましが施され
た。焼なまし後の冷却は、徐冷による金属間化合物の析
出、成長による耐食性の変化を避けるため、急冷を採用
した。その後試験片は高温水蒸気による腐食試験に供し
た。
れた。熱処理には電気炉を使用し真空封止した試験片は
β領域温度に約5分間保持された後、水中に投入され急
冷された。冷却速度は200℃/秒以上であった。急冷
された試験片は様々な温度で2時間の焼なましが施され
た。焼なまし後の冷却は、徐冷による金属間化合物の析
出、成長による耐食性の変化を避けるため、急冷を採用
した。その後試験片は高温水蒸気による腐食試験に供し
た。
第4図に、温度500℃圧力10.3MPaの高温高圧
水蒸気中に60時間保持された後の腐食増量と急冷後の
焼なまし温度との関係を示す。腐食増量の傾向より、焼
なまし温度は次の3領域に分類することができる。
水蒸気中に60時間保持された後の腐食増量と急冷後の
焼なまし温度との関係を示す。腐食増量の傾向より、焼
なまし温度は次の3領域に分類することができる。
温度領域1:640℃以下
焼なましを施しても耐食性の劣化が見られない、特に6
20℃以下が好ましい、最も600℃以下がよい。
20℃以下が好ましい、最も600℃以下がよい。
温度領域n : 640℃〜830℃
焼なまし温度の上昇にともない腐食増量が増加(耐食性
が劣化)する、この温度範囲では合金元素の拡散が可能
になり、それにより金属間化合物の析出が促進され耐食
性の劣化をもたらすものと考えられる。
が劣化)する、この温度範囲では合金元素の拡散が可能
になり、それにより金属間化合物の析出が促進され耐食
性の劣化をもたらすものと考えられる。
温度領域m:830℃以上
焼なまし温度によらず耐食性が向上する。この温度範囲
内ではα相からβ相への変態が開始し、830〜960
℃の範囲では部分的に、960”C以上では完全にβ相
に変態するため。
内ではα相からβ相への変態が開始し、830〜960
℃の範囲では部分的に、960”C以上では完全にβ相
に変態するため。
その後に急冷を加えることでいわゆる溶体化処理を行っ
たことになり耐食性が向上する。ただし通常の加工工程
においては、焼なまし後あるいは熱間圧延後の冷却は徐
冷であるため、この温度領域での耐食性の向上は望めな
い。
たことになり耐食性が向上する。ただし通常の加工工程
においては、焼なまし後あるいは熱間圧延後の冷却は徐
冷であるため、この温度領域での耐食性の向上は望めな
い。
一方、金属間化合物(Zr(Cr、Fe)zなど)の析
出状態、特に析出物の粒径と耐食性に強い相関がある。
出状態、特に析出物の粒径と耐食性に強い相関がある。
焼なまし温度が620℃以下の耐食性が良好なジルコニ
ウム基合金は、析出物平均粒径0.2 μm以下であり
、焼なまし温度が高くなり耐食性が劣化するにしたがい
析出物の平均粒径は0.2 μmを越えて大きくなる。
ウム基合金は、析出物平均粒径0.2 μm以下であり
、焼なまし温度が高くなり耐食性が劣化するにしたがい
析出物の平均粒径は0.2 μmを越えて大きくなる。
第 2 表
第2表はジルカロイ−4合金に対して本発明の製造法を
適用した製造工程である。
適用した製造工程である。
熱間押出しまでは従来の工程と同様である。方法lによ
れば、熱間押出し後の焼なましのかわりにα+βクエン
チを実施する。加熱は高周波加熱法により熱間押出し素
管を高周波誘導コイルの間を通過させながら行う、冷却
は、上記押出素管が高周波誘導コイルを通過した直後に
温水あるいは冷水を内・外表面に吹きつけることで行う
、その後、室温での圧延と600℃での焼なましを繰り
返し、最後に580℃の最終焼なましを行う。方法■に
よれば、α+βクエンチを第1回の圧延の後に焼なまし
のかわりに行い、その後の工程は方法Iと同じ、方法■
によれば、α+βクエンチを第2回の圧延の後に焼なま
しのかわりに行い、その後の工程は方法Iと同じ。
れば、熱間押出し後の焼なましのかわりにα+βクエン
チを実施する。加熱は高周波加熱法により熱間押出し素
管を高周波誘導コイルの間を通過させながら行う、冷却
は、上記押出素管が高周波誘導コイルを通過した直後に
温水あるいは冷水を内・外表面に吹きつけることで行う
、その後、室温での圧延と600℃での焼なましを繰り
返し、最後に580℃の最終焼なましを行う。方法■に
よれば、α+βクエンチを第1回の圧延の後に焼なまし
のかわりに行い、その後の工程は方法Iと同じ、方法■
によれば、α+βクエンチを第2回の圧延の後に焼なま
しのかわりに行い、その後の工程は方法Iと同じ。
以上の方法によれば、最終焼なまし後の機械的性質は従
来の被覆管とほとんど変わらず、耐食性が向上する。
来の被覆管とほとんど変わらず、耐食性が向上する。
上記α+βクエンチ後の焼なまし温度は、ジルカロイ−
2の温度が550〜620℃の範囲内であれば特に問題
はない、ただし550℃以下であると、焼なましによる
軟化効果が見られず好ましくない。
2の温度が550〜620℃の範囲内であれば特に問題
はない、ただし550℃以下であると、焼なましによる
軟化効果が見られず好ましくない。
実施例2
ジルカロイ−4より成る加圧木型原子炉用燃料被覆管の
製造工程に本発明を適用した場合、最終この方法によっ
ても耐食性の向上を図ることができる。
製造工程に本発明を適用した場合、最終この方法によっ
ても耐食性の向上を図ることができる。
実施例3
前述した工程においてα+βクエンチ後に550〜62
0℃での焼なましを追加する。これによりα+βクエン
チによる若干の硬化を緩和することができ、圧延も容易
にすることができる。この方法によっても耐食性の向上
を図ることができることは言うまセもない。
0℃での焼なましを追加する。これによりα+βクエン
チによる若干の硬化を緩和することができ、圧延も容易
にすることができる。この方法によっても耐食性の向上
を図ることができることは言うまセもない。
以上本発明によればジルコニウム基合金、特にジルカロ
イ合金の耐食性を向上できるので、ジルカロイ基合金か
らなる原子炉用機器、特に燃料棒被覆管、チャンネルボ
ックス、燃料スペーサ、燃料バンドルの寿命が顕著に向
上する。
イ合金の耐食性を向上できるので、ジルカロイ基合金か
らなる原子炉用機器、特に燃料棒被覆管、チャンネルボ
ックス、燃料スペーサ、燃料バンドルの寿命が顕著に向
上する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、ジルコニウム基合金を熱間塑性加工後、冷間塑性加
工し次いで焼なまし処理する方法において、最終熱間塑
性加工後で最後の冷間塑性加工前に、前記合金のα相お
よびβ相を含む温度領域又はβ相の温度領域に高周波誘
導コイルによつて加熱し、前記コイルが通過直後に縮媒
で急冷する第1の溶体化処理を施すことを特徴とするジ
ルコニウム基合金の製造法。 2、前記冷間塑性加工及び前記焼なまし処理を2回以上
施す特許請求の範囲第1項に記載のジルコニウム基合金
の製造法。 3、前記焼なまし処理を640℃以下の温度で行う特許
請求の範囲第1項又は第2項に記載のジルコニウム基合
金の製造法。 4、前記合金のβ相の温度領域で加熱し急冷する第2の
溶体化処理後、前記最終熱間塑性加工を施し、次いで前
記合金のβ相又はα相とβ相を含む温度領域で加熱し急
冷する第1の溶体化処理を施す特許請求の範囲第1項〜
第3項のいずれかに記載のジルコニウム基合金の製造法
。 5、前記第2の溶体化処理を施すことなく前記最終熱間
塑性加工を施し、次いで前記β相の温度領域で加熱し急
冷する前記第1の溶体化処理を施す特許請求の範囲第1
項〜第3項のいずれかに記載のジルコニウム基合金の製
造法。 6、前記最終熱間塑性加工後、その温度より前記第1の
溶体化処理を施す特許請求の範囲第1項〜第5項のいず
れかに記載のジルコニウム基合金の製造法。 7、前記第1の溶体化処理後、前記α相とβ相の温度領
域で加熱し急冷する特許請求の範囲第5項又は第6項に
記載のジルコニウム基合金の製造法。 8、最終の冷間塑性加工後の焼なまし処理を400〜5
50℃以下の温度で行う特許請求の範囲第1項〜第7項
のいずれかに記載のジルコニウム基合金の製造法。 9、前記合金によつて原子炉用部材を構成した特許請求
の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載のジルコニウム
基合金の製造法。 10、前記合金によつて原子炉用燃料棒被覆管、燃料チ
ャンネルボックス、燃料スペーサ、燃料バンドルの少な
くとも1つを構成した特許請求の範囲第1項〜第9項の
いずれかに記載のジルコニウム基合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26118885A JPS61143572A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | ジルコニウム基合金管の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26118885A JPS61143572A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | ジルコニウム基合金管の製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11973981A Division JPS5822364A (ja) | 1981-07-29 | 1981-07-29 | ジルコニウム基合金の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS61143572A true JPS61143572A (ja) | 1986-07-01 |
JPS6331544B2 JPS6331544B2 (ja) | 1988-06-24 |
Family
ID=17358357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26118885A Granted JPS61143572A (ja) | 1985-11-22 | 1985-11-22 | ジルコニウム基合金管の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61143572A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56119739A (en) * | 1980-02-28 | 1981-09-19 | Nisshin Steel Co Ltd | Manufacture of high-strength steel strip |
JPS59226158A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-12-19 | Hitachi Ltd | 高耐食燃料構造部材の製造法 |
-
1985
- 1985-11-22 JP JP26118885A patent/JPS61143572A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56119739A (en) * | 1980-02-28 | 1981-09-19 | Nisshin Steel Co Ltd | Manufacture of high-strength steel strip |
JPS59226158A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-12-19 | Hitachi Ltd | 高耐食燃料構造部材の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6331544B2 (ja) | 1988-06-24 |
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