JPS6114190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はテレビ信号を分配するアンテナ用分配
器に係り、特に分配回路を収納するケース構造の
改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、地中に埋設された配線ボツクス内部や、
湿度の多い地下等に設置する分配器は、例えば第
１図に示すような形で知られている。

この種の分配器１は、金属ケース２内に分配回
路を収納し、この分配回路に接続された複数個の
入出力用接栓座３を前記金属ケース２の上面と下
面の外壁に突設させて構成される。この金属ケー
ス２は、前面に開口部を有するケース本体２ａ
と、その開口部に嵌着した製品の銘板をかねたシ
ールド用金属蓋体２ｂと、前記ケース本体２ａの
両側面壁に突設した取付孔を有する取付部２ｃと
で構成される。また、この取付部２ｃの背面はケ
ース本体２ａの背面と同一面になるように形成さ
れている。

この種の分配器１を、例えば壁面１０に設置す
るには、同軸ケーブル１１に取付けた接栓１２を
その付属のナツト１２ａを介して接栓座３に螺着
した後、取付部２ｃの取付孔にネジ１３を挿入し
て壁面に固定する。

このように壁面１０に分配器１を設置した場
合、取付部２ｃの背面とケース本体２ａの背面と
が同一平面内に位置するので、ケース本体２ａの
背面が壁面１０と密着する。そのため、壁面１０
に発生した露等の水滴Ｈが接栓座３と接栓１２の
接続箇所に流れてさびを発生させたり、接触不良
の原因となつていた。

また、金属ケース２の厚みを薄くして分配器自
体を小型にすると、接栓座３の中心から壁面１０
までの間隔Ｌが小さくなる。そのため分配器１を
壁面１０に設置する場合には、前記のように、予
めスパナー等の締付け工具でナツト１２ａを回転
させて接栓１２を接栓座３に接続した後、ネジ１
３で金属ケース２を壁面１０に固定しなければな
らず、取付工事が繁雑であつた。即ち取付工事面
からみれば、まず金属ケース２を壁面１０に固定
した後、締付け工具でナツト１２ａを回転させて
接栓１２を接栓座３に接続する方法を採用したほ
うが作業が容易となる。ところが、前記のように
接栓座３の中心から壁面１０までの間隔Ｌが小さ
いと締付け工具が使用できなくなる。このため、
このような工具を使用するためには、前記間隔Ｌ
を大きくする、即ち金属ケース自体の厚みを大き
くすることが必要となり、分配器１の小型化が困
難となる。

〔考案の目的〕

本考案は以上のような従来技術の欠点に鑑みな
されたものであつて、接栓部のさびが防止でき、
小型で、アース接地を含めた取付工事の容易なア
ンテナ用分配器を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案では、断面Ｌ
字状の取付板を金属ケースの両側端背面部に突設
し、かつこの取付板にアースケーブル接続用の取
付ネジを設けるようにしている。

以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例を
説明する。

〔考案の実施例〕

第２図は本考案の一実施例に係る分配器の斜視
図であり、第３図はこの第２図の各面の図であ
る。なお、第１図と同一要素は同一符号を付して
その説明を省略する。

この分配器１−１が第１図の分配器１と異なる
点は、金属ケース２を壁面等に取付けるためにそ
の金属ケース２の両側端背面部に断面Ｌ字状の取
付板２０を突設したことと、この取付板２０にア
ースケーブ接続用の取付ネジ２１を設けた点であ
る。

即ち、取付板２０，２０は金属ケース２の両側
端背面部から突出する支持部２０ａ，２０ａと、
この支持部２０ａ，２０ａから外方に向つて折曲
げられた取付部２０ｂ，２０ｂとで構成される。
この取付部２０ｂ，２０ｂにはそれぞれ円形状の
ネジ孔２０ｃかまたは長溝状のネジ孔２０ｄが穿
設されている。長溝状のネジ孔２０ｄを設けるこ
とにより、金属ケース２を壁面等に取付ける際に
その取付位置の調整が可能とな。

また、取付板２０，２０の一方にはアースケー
ブル接続用ブロツク２２が設けられ、このブロツ
ク２２には上下に貫通するケーブル挿入用孔２２
ａと、このケーブル挿入孔２２ａと直交したこの
ケーブル挿入用孔２２ａに達するネジ穴とがそれ
ぞれ穿設されている。このネジ穴に前記取付ネジ
２１を螺入して前記ケーブル挿入用孔２２ａに挿
入されるアースケーブルを押圧すれば、アースケ
ーブルを簡単に固定できる。

以上のように構成される取付板２０，２０とブ
ロツク２２とは、例えばダイカスト等により金属
ケース本体２ａと一体的に成形されている。

なお、第３図ｇは第３図ａのＡ−Ａ線断面図で
あるが、ケース本体２ａの内部に収納される分配
回路は省略されている。またこの図で、３０は同
軸ケーブルの中心導体と接触させるためのコンタ
クトピンであり、コンタクトピン３０は前記接栓
座３内に絶縁部材３１を介して固定され、しかも
分配回路と電気的に接続されている。そのため、
第１図に示すようにナツト１２ａを介して接栓座
３に接栓１２を螺着すれば、同軸ケーブル１１の
中心導体とコンタクトピン３０とが接触し、同軸
ケーブル１１と分配回路とが電気的に接続され
る。

第４図は以上のように構成される分配器１−１
を壁面１０に取付けた状態を示している。分配器
１−１を壁面１０に取付けるには、取付板２０の
ネジ孔２０ｃ，２０ｄにネジ１３を挿入して固定
する。なお、図中３２はケーブル挿入用孔２２ａ
に固定されたアースケーブルである。

第５図は壁面１０に取付けられた分配器１−１
の一部を省略した平面図である。この図から明ら
かなように、取付板２０の支持部２０ａ，２０ａ
を金属ケース２の背面から突出させているので、
分配器１−１の背面と壁面１０との間には間隙Ｇ
が形成される。そのため壁面１０に発生した露等
の水滴（第４図参照）Ｈが上方から流下してきて
もこの間隙Ｇを通つて下方へ流れ落ち、分配器１
−１の上面へは流れないので、接栓部のさび等が
防止できる。さらに、取付板２０を設けているの
で、接栓座３の中心と壁面１０との間隙L′を金属
ケース自体の厚みを増すことなく大きくすること
ができ、そのため、分配器１−１の取付工具の際
にも、金属ケース２を壁面１０等に固着した後
に、締付工具を使用して接栓座３に接栓１２を接
続することが容易に行なえる。また、前記のよう
に壁面１０との間に間隙Ｇが形成されることによ
り、壁面１０等の面が平らでない場合でも、分配
器１−１をそれらの壁面１０等に固定することが
可能となる。

〔考案の効果〕

本考案による分配器によれば、金属ケースの両
側端背面部に断面Ｌ字状の取付板を突設したの
で、金属ケースを壁面等に取付けた際に金属ケー
ス背面と壁面等との間に間隙が形成され、そのた
め壁面等に沿つて流下する水滴はこの間隙を通つ
て流れ落ち、分配器上面への水滴の流れが防止さ
れ、接栓部のさび、絶縁不良等が防止できる。さ
らに、前記取付板を突設することにより、接栓座
の中心と取付壁面等との間隙を金属ケース自体の
厚みを増すことなく大きくすることができ、その
ため金属ケースを壁面等に取付けた後で、接栓座
と接栓との接続作業が容易に行なえ、分配器取付
作業の簡略化が図れる。しかも分配器自体の小型
化により、金属ケース材料の節約と分配器自体の
軽量化、さらに取付スペースの有効利用が図れ
る。さらにまた、取付板にケーブ接続用の取付ネ
ジを設けたので、アースケーブルの接続も容易に
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の分配器の説明図、第２図は本考
案の一実施例に係る分配器の斜視図、第３図は第
２図の各面の図であり、図ａは正面図、ｂは背面
図、図ｃは平面図、図ｄは底面図、図ｅは左側面
図、図ｆは右側面図、図ｇは図ａのＡ−Ａ線断面
図、第４図は第２図の分配器を壁面に取付けた状
態を示す図、第５図は第４図を一部省略した平面
図である。 １，１−１……分配器、２……金属ケース、２
ａ……ケース本体、２ｂ……蓋体、３……接栓
座、１２……接栓、１２ａ……ナツト、２０……
取付板、２０ａ……支持部、２０ｂ……取付部、
２０ｃ，２０ｄ……取付用のネジ孔、２１……取
付ネジ、２２……アースケーブル接続用ブロツ
ク、２２ａ……ケーブル挿入用孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 金属ケース内にアンテナ用分配回路を収納し、
   この分配回路に接続された複数個の入出力接栓座
   を前記金属ケースの上面と下面の外壁に突設した
   アンテナ用分配器において、 前記金属ケースの両側端背面部から突出する支
   持部と、この支持部から外方向に向つて折曲げら
   れその折曲箇所に取付用孔を設けた取付部とを有
   する断面Ｌ字状の取付板を、前記金属ケースに一
   体的に形成し、かつこの取付板にアースケーブル
   接続用の取付ネジを設けたことを特徴とするアン
   テナ用分配器。