JPS6113648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビル等の建物のバルコニー開口部に
おいて、手摺の取替工事等、開口部端面近くで行
なわなければならない工事に用いる養生装置に関
するものである。

バルコニー開口部に取付けた手摺を新規なもの
に取替える工事では、工事作業員や居住者の墜落
防止、部品及び工具等の落下防止、コンクリート
への〓り作業時の塵介飛散防止、及び既設手摺撤
去作業時の騒音防止のために養生を行なう必要が
ある。

ところが、手摺に関する工事は主としてバルコ
ニーの最先端で行うものであり、上記要請を満た
すような養生を設けるには、場所の確保が困難な
ことが多い。

従つて、従来はゴンドラを用いたり、ローリン
グタワーや枠組足場を躯体外側に組立てたりして
いた。

しかし、ゴンドラを使用するには、まず、屋上
等にゴンドラの吊下げ設備があることが前提とな
り、またゴンドラ内での作業は非常に不安定で、
かつ養生としても作業員の墜落防止以外は期待で
きない。

一方、ローリングタワーは高さに制限があるた
め低層階のバルコニー工事でしか用いることがで
きない。

枠組足場を躯体外側に立て、これにネツトやシ
ート等を張りめぐらせれば、上記の種々の要請を
満たすことができるが、足場の組立作業にかなり
の時間と労力を要し、また高く組む場合には建物
躯体壁から振れ止めを取らねばならず、さらに地
上には足場の設置場所を必要とするので花壇等が
バルコニー真下にある場合や場所が狭い場合には
用いることができなくなる。

本考案の目的は上記のごとき不都合を解消し、
場所を取らず、また組立ても容易なバルコニー開
口部の養生装置を提供するものである。

しかして、この目的は本考案によれば、バルコ
ニー先端の立上り部外側長手方向に沿つて締付金
具を用いて受け皿を取付け、養生パネルの下端を
この受け皿で支承し、またバルコニー袖部に取付
けた突出ブラケツトに固定したバーで、上記養生
パネルの上部を支持することにより達成される。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の実施例を示す斜視図で、図中
１はマンシヨン等のバルコニーを示し、２はこの
バルコニー１の先端開口部に形成されるコンクリ
ートの立上り部で、手摺は通常この立上り部２の
上面に設置される。

まず、かかる立上り部２の外側長手方向に沿つ
て金属性の受け皿３を取付ける。

第３図についてその詳細を更に説明すると、第
３図は上記受け皿３の取付状態を示す断面図で、
受け皿３は断面Ｃ字形のチヤンネル部材で形成
し、その開口面を上に向け、側面をコンクリート
立上り部２の外側に当接する。

この状態で、締付ネジ４ａを有し、コンクリー
トの立上り部２を上部両側から締付けるＣ字形の
締付金具４を用いて受け皿３を立上り部２に固定
する。

なお図中５はバルコニー１に設けた排水用の側
溝である。

一方、第１図中６はバルコニー１の袖部で、こ
の袖部６に第２図に示すような締付ネジ７ａを有
するＣ字形の締付金具７を用いて、横長孔８を有
する突出ブラケツト９を適宜な高さに固定し、固
定バー１０の端部をこの横長孔８に貫通させ支持
する。

次いで、養生パネル１１の下端を受け皿３に挿
入して支承し、上部は固定バー１０に立掛けるよ
うにして、複数の養生パネル１１を横方向に並
べ、隣同志の養生パネル１１相互は、その側部フ
ランジ１１ａを突合せてボルト及びナツト１３で
貫通固定する。

またパネル１１の最終端には、養生パネル１１
に直角に連結する袖パネル１４を取付けるが、こ
の袖パネル１４は袖部６の延長として位置させ、
突出ブラケツト９の横長孔８に合致する個所には
同形の横長孔を形成している。

このようにして複数の養成パネル１１及び袖パ
ネル１４を立てた後に、二本目の固定バー１５を
養生パネル１１の裏面に置き、固定バー１０と１
５で養生パネル１１の上部を挾み込み、固定バー
１５の端部はバー１０と同じく突出ブラケツト９
の横長孔８から突出し、横長孔８の残部にライナ
ー１６をかませて、バー１０，１５の端部を突出
ブラケツト９に固定する。

本考案のバルコニー開口部の養生装置は、手摺
の取付工事等を行なうに際し、以上の構成で養生
をなすので下記の効果を発揮することができるも
のである。

(1) 各対象バルコニーごとに養生をなすことがで
きるので、敷地の状況への配慮が不要で、かつ
大掛りになる恐れがない。

(2) バルコニー袖部を利用し、立上り部外側に養
生装置全体を配置したので、バルコニー最先端
での作業の邪魔になることはない。

(3) 養生装置を構成する各部材が、軽量で、かつ
組立も容易であり、少人数、短時間で組立て作
業を行なうことができる。

また、組立は締付金具やライナーを用いるの
で、振れ止め等をとる場合と異なり建物躯体に
傷をつけることがない。

(4) 養生は、主としてパネルを並べて行ない、か
つ、バルコニー先端には全く開口がないように
したので、作業員や居住者の墜落防止、及び部
品及び工具等の落下防止のみならず、コンクリ
ート斫り作業等で出る塵介の飛散防止や既設手
摺撤去作業時に使用するカツター等の騒音防止
にも役立つものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバルコニー開口部養生装置の
実施例を示す斜視図、第２図は締付金具の斜視
図、第３図は受け皿の取付状態を示す断面図であ
る。 １……バルコニー、２……立上り部、３……受
け皿、４……締付金具、４ａ……締付ネジ、５…
…排水用側溝、６……袖部、７……締付金具、７
ａ……締付ネジ、８……横長孔、９……突出ブラ
ケツト、１０……固定バー、１１……養生パネ
ル、１１ａ……フランジ、１２……ボルト、１３
……ナツト、１４……袖パネル、１５……固定バ
ー、１６……ライナー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルコニー先端の立上り部外側長手方向に沿つ
   て締付金具を用いて受け皿を取付け養生パネルの
   下端をこの受け皿で支承し、また、バルコニー袖
   部に取付けた突出ブラケツトに固定したバーで上
   記養生パネルの上部を支持することを特徴とした
   バルコニー開口部の養生装置。