JPS6113365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等の車輌に用いられる車輌用
懸架装置に係り、更に詳細には車高調整機構を有
する車輌用懸架装置に係る。

空気室を有し該空気室に供給される空気圧に応
じて車高を調整する車高調整機能を備えたシヨツ
クアブソーバを含み、車高が所定値より低いとき
にはエアコンプレツサの如き空気圧発生装置が発
生する空気圧を前記空気室へ供給し、シヨツクア
ブソーバの通常実効長を長くして車高を修正する
よう構成された車輌用懸架装置が従来から提案さ
れている。

上述の如きシヨツクアブソーバに於ける空気室
は、空気ばねとしても作用し、このため特に車高
が低くなつて空気室に供給されている空気圧が高
いときにはこの空気ばね定数が大きくなり、車輌
の乗心地性が悪くなることがある。このためシヨ
ツクアブソーバとは別に空気室を設け、この空気
室をシヨツクアブソーバの空気室に連通接続し、
これによつて全体の空気室の容積を拡大し、空気
ばね定数を小さくして乗心地性が悪化しないよう
にすることが従来から考えられている。

しかし、上述の如き別の空気室が設けられる
と、車高調整の際に、特に車高が低くなつて空気
室の空気圧を高くする場合、前記別の空気室の容
積分だけそれがないときに比して空気を余分に供
給しなければならず、車高調整時間を長くする原
因になる。

本考案は車輌の乗心地性の改善のために別の空
気室が設けられても車高調整時間を増大すること
がない改良された車輌用懸架装置を提供すること
を目的としている。

かかる目的は、主空気室を有し該主空気室に供
給される空気圧に応じて車高を調整する車高調整
機構を備えたシヨツクアブソーバと、前記主空気
室に連通し前記シヨツクアブソーバの空気ばね特
性を調整する副空気室と、前記主空気室の空気圧
を測定する空気圧測定手段と、前記空気圧測定手
段により測定された空気圧が所定値以下のとき前
記主空気室と前記副空気室との連通を遮断する弁
と、前記主空気室へ空気圧を選択的に供給する空
気圧供給手段とを有していることを特徴とする車
輌用懸架装置によつて達成される。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

添付の図は本考案による車輌用懸架装置の一つ
の実施例を示す概略構成図である。図に於て、１
及び２は各々図には示されていない左右の車輪の
ためのシヨツクアブソーバを示している。シヨツ
クアブソーバ１及び２は、各々ピストンロツド
３，４に固定されシヨツクアブソーバ５，６の外
周に入筒式に遊嵌合する筒状のアウタカバーシエ
ル７，８と、該アウタカバーシエルの内側に密閉
構造の主空気室９，１０を郭定すべく一端にて前
記アウタカバーシエルの内周部に他端にて前記ア
ブソーバシリンダの外周部に各々密閉接続されほ
ぼＵ字型断面を有するローリングシール型のダイ
ヤフラム１１，１２とを備えている。シヨツクア
ブソーバ１及び２は各々主空気室９，１０に空気
圧が供給されることにより通常実効長を変化し、
これにより車高を調整するようになつている。

１３はエアコンプレツを示しており、該エアコ
ンプレツサ１３は導管１４、エアドライヤ１５、
導管１６、導管１７、開閉弁１８及び導管１９を
経てリザーブタンク（蓄圧器）２０に接続され、
また導管１６と１７は導管２１、開閉弁２２、導
管２３、継手２４及び導管２５，２６を経て主空
気室９及び１０に各々接続されている。

主空気室９及び１０は導管２５，２６、継手２
４、導管２７、開閉弁２８及び導管２９を経て副
空気室３０に接続されている。また導管１４は導
管３４、開閉弁３５を経てドレン管３６に接続さ
れている。

開閉弁１８，２２，２８及び３５は各々電磁式
の開閉弁として構成され、制御装置３７によつて
その作動を個別に制御されるようになつている。
制御装置３７は、車高センサ３８によつて測定さ
れた車高と、圧力センサ３９によつて測定された
リザーブタンク２０の空気圧と、圧力センサ４０
によつて測定された主空気室９及び１０の空気圧
とに応じてエアコンプレツサ１３の作動及び開閉
弁１８，２２，２８，３５の開閉を制御するよう
になつている。開閉弁１８，２２，３５は車高調
整に際し開閉され、開閉弁２８は圧力センサ４０
により測定される空気圧が所定値以下の時のみ閉
弁される。

次にその作動について説明する。

車高センサ３８により測定される車高が設定値
であるときには、開閉弁２２及び３５は閉じてい
る。このときリザーブタンク２０の空気圧が所定
値以下であることが圧力センサ３９によつて検出
されていれば、開閉弁１８が開いており、またエ
アコンプレツサ１３が作動してこれが発生する空
気圧がリザーブタンク２０に蓄圧される。圧力セ
ンサ３９によりリザーブタンク２０の空気圧が所
定値に達したことが検出されると、開閉弁１８が
閉じ、またエアコンプレツサ１３の作動が停止す
る。またこのとき圧力センサ４０により測定され
る主空気室９及び１０の空気圧が所定値以下で、
それが比較的低い時には開閉弁２８は閉弁し、副
空気室３０は主空気室９及び１０より切り離され
る。このためこの時には、副空気室３０には前記
所定値の空気圧が封入されることになる。尚、こ
の時には副空気室３０はシヨツクアブソーバ１及
び２の空気ばね定数を小さくすべく作用しない
が、この時にはその主空気室９及び１０の空気圧
が比較的低いことからシヨツクアブソーバの空気
ばね定数は比較的小さく、車輌の乗心地性を満足
するものにある。

乗員の増大等により車載荷重が増大して車高が
設定値以下に低下し、これが車高センサ３８によ
つて検出されると、開閉弁１８と２２が開弁す
る。これによりリザーブタンク２０から主空気室
９及び１０へ空気圧が供給される。これによりリ
ザーブタンク２０の空気圧が所定値以下にまで低
下するとエアコンプレツサ１３が作動し、このエ
アコンプレツサよりも主空気室９及び１０へ空気
圧が供給されるようになる。主空気室９及び１０
に空気圧が供給され、これに伴いシヨツクアブソ
ーバ１及び２の通常実効長が増大して車高が設定
値まで上昇すると、開閉弁２２が閉じる。

主空気室９及び１０に空気圧が供給されたこと
により、その空気圧が前記所定値を越えると、開
閉弁２８が開弁し、これにより副空気室３０が主
空気室９及び１０に連通し、副空気室３０はシヨ
ツクアブソーバ１及び２の空気ばね定数を低くす
べく作用するようになる。この時、副空気室３０
の空気圧は主空気室９及び１０の空気圧の上昇に
伴い上昇するが、その圧力上昇は前記所定値より
始まるから、それが無制限に低下されている場合
に比して主及び副空気室の圧力上昇が速く、車高
調整が迅速に行われるようになる。

尚、上述の如き車高調整時にはエアコンプレツ
サ１３の作動と開閉弁１８の開閉により再びリザ
ーブタンク２０に空気圧が蓄圧される。

乗員の低下等により車載荷重が低下して車高が
設定値より高くなつた時には、開閉弁２２，３５
が開かれ、主空気室９，１０及び副空気室３０の
空気圧がドレン管３６より排出され、それら空気
室の空気圧が低下することにより車高が低下す
る。このように主空気室の空気圧が低下しそれが
前記所定値を越えて低下すると、開閉弁２８は再
び閉弁する。これにより副空気室３０には今まで
主空気室に供給されていた所定値の空気圧が封入
され、副空気室３０はそれを次に主空気室の空気
圧が高められるまで保持する。

以上に於ては本考案を特定の実施例について詳
細に説明したが、本考案はこれに限定されるもの
ではなく本考案の範囲内にて種々の実施例が可能
であることは当業者にとつて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

添付の図は本考案により車輌用懸架装置の一つ
の実施例を示す概略構成図である。 １，２……シヨツクアブソーバ、３，４……ピ
ストンロツド、５，６……アブソーバシリンダ、
７，８……アウタカバーシエル、９，１０……主
空気室、１１，１２……ダイヤフラム、１３……
エアコンプレツサ、１４……導管、１５……エア
ドライヤ、１６，１７……導管、１８……開閉
弁、１９……導管、２０……リザーブタンク、２
１……導管、２２……開閉弁、２３……導管、２
４……継手、２５，２６，２７……導管、２８…
…開閉弁、２９……導管、３０……副空気室、３
４……導管、３５……開閉弁、３６……ドレン
管、３７……制御装置、３８……車高センサ、３
９，４０……圧力センサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主空気室を有し該主空気室に供給される空気圧
   に応じて車高を調整する車高調整機構を備えたシ
   ヨツクアブソーバと、前記主空気室に連通し前記
   シヨツクアブソーバの空気ばね特性を調整する副
   空気室と、前記主空気室の空気圧を測定する空気
   圧測定手段と、前記空気圧測定手段により測定さ
   れた空気圧が所定値以下のとき前記主空気室と前
   記副空気室との連通を遮断する弁と、前記主空気
   室へ空気圧を選択的に供給する空気圧供給手段と
   を有していることを特徴とする車輌用懸架装置。