JPS6112943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はミシンの布送り方向変換装置に関す
る。

従来よりミシンの布送り方向の変換を電磁ソレ
ノイドで行い、送り量の変換を送りレバーで行う
ものが知られている。

しかしながら、これらのものは第１図に示すよ
うに、電磁ソレノイド１のプランジヤー１ａが送
り量調節リング２にネジ３等で直結しているため
送りレバー４を反時計方向に回動して送り量を変
えると、送りレバー４の操作時に電磁ソレノイド
１の負荷に抗して回動しなければならないという
欠点があつた。

この考案はこのように欠点に着目してなされた
もので、送りレバーの操作時の作動力を軽減する
ことのできるミシンの布送り方向変換装置を提供
するにある。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第２図において、５は送り歯で、左端には二又
部５ａが形成され右端には腕６が回動可能に支持
してある。７は基端を機枠に回動可能に支持した
第１軸８に固定支持した腕で、腕７の先端には前
記二又部５ａと係合する角駒９が回動可能に支持
してある。１０は主軸１１に連動して送り歯５を
上下方向に揺動する上下ロツドで、上端は主軸１
１と連結され下端は第１軸８に固定したリンク１
２に回動可能に支持してある。１３は主軸１１に
連動して送り歯５を水平方向に揺動するロツド
で、上端は二又部１３ａが形成され、偏心カム１
４を介して主軸１１と連結され、下端は機枠に回
動可能に支持した第２軸１５に固定したリンク１
６に回動可能に支持してある。そして、この第２
軸１５にはさらに前記腕６の先端が固定支持して
ある。１７は送り歯の水平動の方向を正逆に変換
する変換機構で、第４図に示すようにロツド１３
にピン１８により回動可能に支持した変換リンク
１９と上端を支軸２０により機枠に回動可能に支
持すると共に中間部を連結ピン２１により変換リ
ンク１９と回動可能に支持した変換腕２２とより
構成される。尚２３は変換腕２２の上縁に形成し
たチヨウ形カム、２４は変換腕２２の下部に形成
した係合片である。２５は変換腕２２と機枠との
間に介在したスプリングで常には変換腕２２及び
変換リンク１９を第２図に示すように送り歯５を
正送り方向にする位置に偏奇するよう作用してい
る。２６は機枠に回動可能に支持した回動軸、２
７は回動軸２６に回動可能に支持したＬ字状の送
りレバーで先端に対向部２７ａを形成し変換腕２
２の係合片２４と対向してある。２８は回動軸２
６に固定支持したＬ字状の駆動腕で、先端に押圧
部２８ａを形成した変換腕２２の係合片２４に対
向してある。２９は駆動腕２８の基端にプランジ
ヤ２９Ａを回動可能に支持したシリンダとしての
電磁ソレノイドである。

尚、駆動腕２８に代えて変換腕２２の上部に切
り欠きを設けこの切り欠きにプランジヤー２９Ａ
の先端を折曲して押圧部を形成しこの押圧部を係
合させた構成としてもよい。

次にこの考案の作用を説明する。

第２図は送り歯５が正送りの状態を示すもので
あり変換機構１７はピン１８及び支軸２０を中心
に反時計方向に回動し連結ピン２１は最も反時計
方向に回動した位置にある。

この状態においてミシンを駆動すると主軸１１
が回転し上下ロツド１０が揺動して角駒が上下が
揺動すると共にロツド１３が連結ピン２１を回動
支点とする変換リンク１９の回動範囲内で揺動し
これによつてリンク１６、第２軸１５及び腕６を
介して送り歯５が矢印方向に正送り駆動する。

次に、第３図に示すように送りレバー２７を反
時計方向に回動すると送りレバー２７の先端が変
換腕２２の係止片２４を押圧して変換腕２２を支
軸２０を中心に反時計方向に回動しこれによつて
変換リンク１９もピン１８を中心に反時計方向に
回動して連結ピン２１の位置が偏奇する。

すると、ロツド１３は偏奇した連結ピン２１を
回動支点とする変換リンク１９の回動範囲内で揺
動し、これによつて送り歯５が矢印方向に逆送り
駆動する。

次に、電磁ソレノイド２９を励磁すると駆動腕
２８のみが反時計方向に回動して駆動腕２８の先
端が変換腕２２の係止片２４を押圧して前述のよ
うに変換腕２２を支軸２０を中心に反時計方向に
回動し、これによつて変換リンク１９もピン１８
を中心に反時計方向に回動して連結ピン２１の位
置が偏奇する。

するとロツド１３は偏奇した連結ピン２１を回
動支点にする変換リンク１９の回動範囲内で揺動
しこれによつて送り歯５が第３図矢印方向に逆送
り駆動する。

以上述べたように、この考案によれば、従来の
ように送りレバーを操作しても電磁ソレノイドの
負荷が加わらずに送りレバーを操作することがで
き送りレバーの操作力が著しく軽減することがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の布送り方向変換装置の要部斜視
図、第２図、第３図はこの考案の布送り方向変換
装置の正面図、第４図は第２図の要部斜視図であ
る。 １３……ロツド、１７……変換機構、２７……
送りレバー、２８……駆動腕、２９……電磁ソレ
ノイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端を主軸に連動し他端を送り歯に連結して送
   り歯を水平動するロツドと、 送り歯の水平動の方向を正逆に変えるように一
   端をロツドに回動可能に支持すると共に他端を機
   枠に回動可能に支持し常には一方向への作用力に
   より正送り方向に偏奇したした変換機構と、 機枠に回動可能に支持した先端に変換機構と対
   向した対向部を有する送りレバーと、 変換機構に対向する押圧部を有するシリンダー
   とを備え、 送りレバーを正送り方向に作動するときには変
   換機構が押圧部から離れ、シリンダーを正送り方
   向に作動するときには変換機構が対向部から離れ
   るようにしたことを特徴とするミシンの布送り方
   向変換装置。