JPS6112179Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、背負い式刈払機において、原動機が
回転自在に搭載される背負い枠の構造に関するも
のである。

〔従来の技術〕

かかる背負い式刈払機においては、原動機が背
負い枠により作業者の背中に背負われる関係で、
原動機が背負い枠に対して回転自在に搭載され、
この原動機からクラツチハウジングが背負い枠の
側方に突出してこのハウジング内部に遠心クラツ
チが収容されていると共に、ハウジングには操作
杆を構成するフレキシブル杆が接続されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そのため、背負い枠に対してクラツチハウジン
グの位置する側が重い偏荷重になつており、地上
に降したような場合に倒れることになり、これを
倒れなくするためには背負い枠の水平部を大きく
する必要があり、水平部を大きくすると重量が重
くなる等の不具合があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、このような不具合を除去すべくなさ
れたもので、背負い枠に対して原動機が回転自在
に搭載されているものの、クラツチハウジングお
よ操作杆の、背負い枠から突出する方向は、背負
い枠水平部の一側に大旨決まつて選定され、例え
ば右利きの作業者は、その右側から操作杆を引き
出していることに着目して、背負い枠の水平部を
必要最小限の大きさで軽く構成しながらも、水平
部を地上に置いた場合の倒れを防止し、また、背
負つたときは重心が背負い枠の左右ほぼ中央にく
るようにして安定性を向上するようにした背負い
式刈払機の背負い枠構造を提供するものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の一実施例につい
て具体的に説明する。

まず第１図ないし第３図において、本考案によ
る背負い式刈払機の全体の概略を説明すると、符
号１は背負い枠であり、側面視ほぼＬ字形を成す
フレーム２の起立部２ａに背当て３やバンド４が
取付けられて背負うようになつており、水平部２
ｂに原動機５が搭載され、この原動機５から遠心
クラツチを内装するクラツチハウジング６が背負
い枠１の側方に突出している。

符号７は長尺の操作杆であり、金属製の剛性杆
部７ａにホルダ８によりフレキシブル杆部７ｂが
連結されて成り、このフレキシブル杆部７ｂの基
端側がクラツチハウジング６の部分に結合され
る。剛体杆部７ａの先端にはギヤケース９と共に
刈刃１０が、所定個所にはハンドル１１とグリツ
プ１１′とが、そのグリツプ１１′の直前にはスロ
ツトルレバー１２がそれぞれ取付けられ、刈刃１
０はギヤケース９、操作杆７内の伝動系、クラツ
チハウジング６内の遠心クラツチを介して原動機
５に連結構成され、スロツトルレバー１２もワイ
ヤ等より原動機５にその回転数を変化するように
接続してある。

第４図と第５図において、背負い枠１の原動機
５搭載部について詳記すると、背負い枠フレーム
２の水平部２ｂが平面視ほぼＵ字形に形成され、
この水平部２ｂの後端部において、その一側、例
えば背負つた状態での右側（第５図における右
側）に支持板１３ａが内側に水平に突出して取付
けられ、この支持板１３ａと対向する側にも他の
支持板１３ｂが、また後端にも支持板１３ｃがそ
れぞれ同様に取付けられる。そして、各支持板１
３ａないし１３ｃには防振用のゴムクツシヨン１
４ａないし１４ｃが載置され、このゴムクツシヨ
ン１４ａないし１４ｃ上に三角形の取付け台１５
がボルト、ナツトの締結具１６ａないし１６ｃで
固着される。取付け台１５のほぼ中心にはボス部
１５ａが上方に突出形成されて、このボス部１５
ｃ内に軸受１８が収容され、一方、原動機５は、
三角形の固定板１７に３ケ所でねじ止めして載置
され、この固定板１７のほぼ中心に回転軸１７ａ
が垂設され、この回転軸１７ａが上記軸受１８に
回転自在に組付けられる。

ところで、原動機５にクラツチハウジング６が
付設され、その部分に操作杆７が接続されている
ので、背負い枠１を構成するフレーム２の水平部
２ｂに装備された取付け台１５におけるボス部１
５ａの軸受１８は、フレーム２全体の水平中心線
Ｘ、即ち第３図に示すように、側面視ほぼＬ字形
に形成されたフレーム２を構成するその起立部２
ａと水平部２ｂの左右両側屈曲部における左右幅
間の中心点を通り、かつ上記左右両側屈曲部を結
ぶ仮想左右線Ｙと直交して前後方向に延びる水平
中心線Ｘ上に設けられ、そして、この軸受１８は
３ケ所の締結具１６ａないし１６ｃと等距離に位
置せずに、ハウジング６が位置する側、例えば背
負つた状態での右側（第５図における右側）の締
結具１６ａが遠く、他の締結具１６ｂが近くなる
ように、水平部２ｂの締結具１６ａ側の辺を、他
の締結具１６ｂ側の辺よりも側方へ位置させて、
フレーム２の水平部２ｂは、上記水平中心線Ｘに
対して左右いずれか側の一側、例えば背負つた状
態での右側を、この一側と対向する他側に比して
側方へ幅広形となる非対称形に形成している。

本考案はこのような構成であるから、刈払い作
業時には予め始動した原動機５を背負い枠より背
負い、操作杆７のハンドル１１を握つてスロツト
ルレバー１２の操作を行うことで、クラツチハウ
ジング６内の遠心クラツチが入つて刈刃１０が回
転する。そこで、フレキシブル杆部７ｂを屈曲さ
せながら操作杆７で刈刃１０を左右に振ることに
より刈払いが行われるのであり、このときクラツ
チハウジング６は、通常第３図のような状態から
左右のある角度範囲内を左右に揺動しているが、
原動機５が水平中心線Ｘ上に取付けられているの
で、原動機５が操作杆７の作業範囲で回動しても
機体重心は水平中心線Ｘからほとんど移動せず、
安定した作業が行われる。

作業終了時等において背い枠１を地上に降すよ
うな場合は、クラツチハウジング６が上記作業時
同様に背負い枠側方に突出した状態になつてい
る。一方、背負い枠１の水平部は、クラツチハウ
ジング６が背負い枠１の側方に突出位置する場合
の偏荷重に対処するよう必要最小限の大きさに構
成してあり、このため、背負い枠１の重量が軽く
なると共に原動機５はハウジング突出側に倒れる
ことなく起立保持される。

〔考案の効果〕

このように本考案によると、背負い枠１の水平
部２ｂがフレーム２全体の前後方向の水平中心線
Ｘに対して、左右いずれか側の一側を、この一側
と対向する他側に比して側方へ幅広形となる非対
称形に形成したフレーム構造で、かつ原動機５の
回転中心を上記水平中心線Ｘ上に設け、原動機５
から突出するクラツチハウジング６の位置が水平
部２ｂの幅広側に決まつていて、このハウジング
偏荷重に対処するようになつているので、背負い
枠１により原動機５を地上に置いた場合の倒れが
なくて安定性が良い。また、背負つたときは、原
動機が回動してもその重心が背負い枠１の左右の
中央位置からほとんど移動することがなく、安定
した作業が行える。さらに、上述のように背負い
枠１自体の構造を簡単化することができて、軽量
化し、作業性を向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す背負い式刈払
機全体の側面図、第２図は背負い枠及び原動機の
部分の他方の側面図、第３図は背負い枠の平面
図、第４図は背負い枠の原動機搭載部を拡大して
示す平面図、第５図は第４図の−断面図であ
る。 １……背負い枠、２……フレーム、２ａ……起
立部、２ｂ……水平部、５……原動機、６……ク
ラツチハウジング、７……操作杆、７ｂ……フレ
キシブル杆部、１０……刈刃、１４ａないし１４
ｃ……ゴムクツシヨン、１５……取付け台、１６
ａないし１６ｃ……締結具、１７……固定板、１
７ａ……回転軸、１８……軸受、Ｘ……水平中心
線、Ｙ……仮想左右線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背負い枠に原動機を回転自在に搭載し、該原動
   機からクラツチハウジングを突出装備して、この
   クラツチハウジングにフレキシブル杆の一端を連
   結した背負い式刈払機において、上記背負い枠の
   フレームを、その起立部と水平部とで側面視ほぼ
   Ｌ字形に形成し、該水平部は、起立部と水平部と
   の左右両側屈曲部における左右幅間の中心点を通
   り、かつ上記左右両側屈曲部を結ぶ仮想左右線と
   直交して前後方向に延びる水平中心線に対し、左
   右いずれか側の一側を、この一側と対向する他側
   に比して側方へ幅広形となる非対称形に形成する
   と共に、上記フレームの水平部に原動機がその回
   転中心を該水平中心線上に位置させて取付けられ
   ることを特徴とする背負い式刈払機の背負い枠構
   造。