JPH026B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はクランクシヤフトが縦置垂直であるエ
ンジンを搭載した動力式芝刈機の改良に関するも
のである。

エンジンを搭載し、これを動力源としてカツタ
ーブレードを水平面内で回転させ、動力によつ
て、或は手押しで走行する動力式芝刈機が実用に
供されている。

以上の動力式芝刈機のエンジンとしては、クラ
ンクシヤフトが横置水平の場合、水平面内で回転
するカツターブレードとの間で回転方向が異るた
め、カツターブレードとクランクシヤフトとの間
に方向変換伝動機構を必要とし、構造の複雑化、
部品点数の増加、大型化を招き好ましくない。

従つてクランクシヤフト縦置垂直の所調バーチ
カルエンジンを用いれば、クランクシヤフトが垂
直であるためこれの下端にカツターブレードを直
接的に連結することができ、方向変換、伝動機構
を必要とせず、上記不都合を解消することができ
る。

ところで従来のこの種芝刈機は、車輪を備え、
芝収納バツグを付設し、操作用ハンドルを備える
カツターブレードハウジングに対してエンジンを
剛に搭載連結しているため、エンジン振動がハウ
ジングを介してハンドルに伝わり、操作感覚上好
ましくなかつた。特にバーチカルエンジンではシ
リンダが前後、或は左右を向いて水平に設けら
れ、クランクシヤフトの水平面内における回転で
エンジンの一次慣性力が前後、或は左右方向に発
生し、これが振動としてハウジングを介してハン
ドルに伝わり、操作感覚を損ね、改善が望まれ
た。

本発明は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、エンジン振動をハウジングと
の間で可及的に遮断し、ハウジング、ハンドルへ
の振動伝達を可及的に抑制し、操作感覚に優れ、
又騒音防止上も有利であり、以上を簡素な構成で
企図し得る如くした動力式芝刈機を提供するにあ
る。

以上の目的を達成するため本発明はシリンダが
水平でクランクシヤフトが縦置垂直なバーチカル
エンジンの下端部に水平面内で回転するカツター
ブレードを直接的に連結し、該カツターブレード
を覆い、車輪、ハンドル等を備えるハウジング上
にエンジンを臨ませてエンジンをハウジング上に
クランクシヤフトの円周方向外方に配設した弾性
体を介して搭載支持するとともに、ハウジングと
エンジンとをクランクシヤフト軸線に対して直交
する如く配設した支軸で該支軸廻りに相対回動可
能に結合するようにしたことを要旨とする。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は動力式芝刈機１の側面図で、２は機体
を兼ねるハウジングを示し、これの四隅には車輪
３……を備え、車輪３……はエンジン動力で駆動
しても、手押操作で走行すべく転輪で構成しても
良い。ハウジング２の後部上には後上方に延出さ
れたハンドル４を備え、実施例ではハンドル４の
一側部に芝収納バツグ５を配設し、バツグは後端
上部をハンドル一側部上部に係出し、前端をハウ
ジング２の周辺寄り部上方に突設した刈り取つた
芝の排出部２０１に連結する。

ハウジング２上にはパワーユニツト６を配設
し、図はこれの外側をカバー６０１で覆い、パワ
ーユニツト後部には燃料タンク６０２を備える。

第２図はパワーユニツト６の本体をなすエンジ
ン７とハウジング２との取付構造を示す要部破断
縦断面図で、エンジン７は前後、或は左右方向に
シリンダ部７０１の軸線が向く如くシリンダ部７
０１は水平に配設され、シリンダ部７０１の基部
に下方に向くようにクランクケース７０２が連設
され、図では片持クランクシヤフトタイプを示す
ためクランクケース７０２の上端部は接合部が斜
めのカバー７０３で覆われ、クランクケース７０
２は下方に突出する垂下した延出ケース部７０４
を備え、ケース部７０４の下端部には大径の取付
フランジ部７０５が形成されている。かかるケー
ス部７０４をハウジング２上の中央部上に臨ま
せ、ハウジング２の中央部には通孔２０２が縦設
され、上壁２０３の周辺部にはスカート部２０４
が垂下され、これの内側には二重の隔壁２０５，
２０６を設けて刈り取つた芝の排出部２０１への
ガイドダクト２０７を設ける如く構成されてい
る。

シリンダ部７０１内には既知の如く不図示のピ
ストンが水平方向に摺動自在に嵌装され、一方、
クランクシヤフト７０６はクランクケース７０
２、ケース７０４内を縦置垂直となるように収納
配設され、クランクシヤフト７０６は片持式で上
端のウエブ７０７の半径方向外端寄り部に設けた
ピン部をコンロツド７０８を介してピストンと連
結し、ウエブ７０７から垂直に垂下されたクラン
クシヤフト軸部７０９を上下に離間する如く設け
た軸受７１０，７１０で支持する。

クランクシヤフト７０６の軸部７０９の下端部
７１１をケース７０５のフランジ部７０５下方に
垂下し、下端部をハウジングの縦通孔２０２に縦
通する如く垂下したジヨイント軸７１２を介して
ハウジング２の下部内に収納されたカツターブレ
ード８のホルダ８０１に連結し、これによりブレ
ード８は水平面内でエンジン動力により回転し、
芝刈作業を行うこととなる。

以上において、ハウジング２の上壁２０３の中
央部とフランジ部７０５との間に弾性体、具体的
にはマウントラバー９を介設し、該ラバー９を介
してハウジングの上壁２０３上に臨むエンジン７
の取付ベースをなすフランジ部７０５とを連結す
る。ラバー９は例えばエンジン７のフランジ部７
０５の周辺寄り部下面に上端を焼付等して結着
し、下端に設けた座板をハウジング２の上壁上に
結合しても、或はこの逆でも、更にはラバーの上
下に座板を設けて夫々をフランジ部７０５、ハウ
ジング上壁２０３に結合し、エンジン７をハウジ
ング２上に弾性体９を介して取付支持する。以上
のラバー９はクランクシヤフト軸部７０９を中心
にして放射状に複数個設けても、或は該軸部７０
９を中心にして同心円状にリング状のものを用い
ても良い。

フランジ部７０５の円周上の対称位置には取付
ブラケツト部７１３を垂下突設し、一方、ハウジ
ング２の上壁２０３の対応する部分には該ブラケ
ツト部７１３と内・外にラツプするブラケツト部
２０５を起設し、ブラケツト部７１３，２０５間
にピン１０を通し、双方を軸支する。かかるピン
１０はクランクシヤフト軸部７０９の軸線と直交
する如く水平に設けられる。

次にその作用効果を詳述する。

第２図の如く構成されたエンジン７はハウジン
グ２にクランクシヤフト軸線と直交する方向に設
けるピン１０で軸支されている。

そこでエンジンから発生する一次慣性力の方向
をピン１０の廻りに作用させる如く発生させしか
もそのピン１０をエンジン７の瞬間中心或いは瞬
間中心の近傍になる様に設定することで振動遮断
を効果的に発揮させることができる。

尚ラバー９はエンジン７の必要以上の振動を防
止するためのものでエンジン７から発生する振動
数に対し振動系として共振現象等が発生しない様
回避させておく必要がある。

ピン１０の位置Ｂはエンジン系の重心Ｇ、重心
廻りの慣性モーメントI_G、エンジン系の質量Ｍ、
重心Ｇから起振源であるコンロツド７０８迄の距
離Ａとの関係から Ｂ＝I_G／Ｍ×Ａ により求めることができる。

以上詳述せる如く本発明に従えば、バーチカル
エンジンを搭載した動力式芝刈機において、エン
ジン振動のハウジングへの伝達を可及的に防止
し、操作感覚に優れ、騒音の少ないこの種芝刈機
が得られ、以上を弾性体によるエンジンとハウジ
ングの結合、クランクシヤフトと直交するピンと
の結合という簡単な構成で企図することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は芝刈機の一例を示す側面図、第２図は
エンジン、ハウジングの要部破断縦断面図、第３
図はピン結合部の斜視図である。 尚図面中１は芝刈機、２はハウジング、７はエ
ンジン、７０６はクランクシヤフト、８はカツタ
ーブレード、９は弾性体、１０は支軸である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ａ ハウジングに収納された水平面内で回転
   するカツターブレードをハウジング上に配設し
   たバーチカルエンジンの略垂直なクランクシヤ
   フトで回転駆動する、 ｂ 前記ハウジングとこの上に配設されたエンジ
   ンとは前記クランクシヤフト廻り外方に配置さ
   れた弾性体を介して連結されている、 ｃ 前記ハウジングとエンジンとは前記略垂直な
   クランクシヤフトに対し直交する方向に設けら
   れた支軸で該支軸廻りに相対回動可能に結合さ
   れている、 以上の構成から成る動力式芝刈機。