JPH078817Y2 - バーチカルクランク軸エンジンの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、例えば芝刈機等の作業機に搭載されるバーチ
カルクランク軸エンジンの取付構造に関する。

＜従来の技術＞ 従来から、例えば芝刈機等の作業機器に於てクランク軸
が垂直配置されたバーチカルクランク軸エンジンが用い
られており、その作業機器への取付は、エンジンのシリ
ンダブロック及びクランクケースの各々に設けられた取
付けボスを作業機器のケーング等に締着することにより
行っていた（例えば実開昭63-78532号公報参照）。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかるに、このようなエンジンに於てシリンダブロック
及びクランクケース成型時の型抜きを容易にするべくそ
の形状を可及的に単純化することが望ましいが、上記し
たように各々取付けボスを設けると両部分の形状が共に
複雑化し易い問題があった。

また、従来から作業機器全体を可及的に軽量化するべく
上記ケーシング等に樹脂材を用いることがあるが、エン
ジンを支持する場合に回転反力に対する強度を確保する
ために補強したり厚肉にすることで、作業機器全体が大
型化しがちになる問題もあった。

このような従来技術の問題点に鑑み、本考案の主な目的
は、作業機器全体を可及的に小型化及び軽量化し得るバ
ーチカルクランク軸エンジンの取付構造を提供すること
にある。

［考案の構成］ ＜課題を解決するための手段＞ このような目的は、本考案によれば、シリンダブロック
とクランクケースとの間に枢支されると共に垂直配置さ
れたクランク軸を有するバーチカルクランク軸エンジン
を芝刈り機等の機器に取付けるための構造であって、前
記シリンダブロックに前記機器フレームへの取付手段を
設け、当該エンジンを前記機器フレームに対して前記取
付手段でのみ支持したことを特徴とするバーチカルクラ
ンク軸エンジンの取付構造を提供することにより達成さ
れる。

＜作用＞ このようにすれば、エンジンのクランクケース側の形状
が単純化される。また、シリンダブロックに取付手段を
設けることで、クランク軸から離間した位置にてエンジ
ンを支持でき、安定性が向上する。更にシリンダブロッ
ク全体がフレームの強度メンバとなる。

＜実施例＞ 以下に添付の図面を参照して本考案を特定の実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図に芝刈機１の全体を示す。

芝刈機１は、下面を開口した偏平な椀型をなすカッタハ
ウジング２の内部に後記するカッタブレード16が受容さ
れ、その上面部2aにカッタブレード16を駆動するための
駆動ユニット３が搭載されている。

カッタハウジング２はフレームを兼ねており、前後左右
の四隅に走行車輪４が配設されると共に後部にハンドル
５が設けられている。

駆動ユニット３は、その下部にてカッタハウジング２上
に固定されており、また該ユニットの上面はカバー６に
より覆われている。そして、カバー６の上面には、ガソ
リンを注入するべくフィラーキャップを有する注入口７
が設けられている。

第２図に良く示すように、駆動ユニット３は、クランク
ケース９と、該ケースの横方向（第２図に於ける左方
向）に延設されたシリンダブロック10と、シリンダヘッ
ド11と、垂直方向上下に両端が突出するクランク軸12と
を具備するエンジン本体８と、エンジン本体８を始動す
るべくクランク軸12の上側端に設けられたリコイルスタ
ータ13と、該スタータとエンジン本体８との間に設けら
れたフライホイール14とを有している。フライホイール
14の上側には遠心ファンからなる冷却ファン15が一体的
に形成されている。

第３図に良く示すように、エンジン本体８のシリンダブ
ロック10には、該エンジンをカッタハウジング２の上面
部2aに固着するための４つの取付ボス16が形成されてい
る。これら取付ボス16にカッタハウジング２の下側から
上面部2aを介してボルトを締結することにより、エンジ
ン本体８がカッタハウジング２に取付けられている。こ
こで、取付ボス16がクランク軸12近傍と、該軸から比較
的離間した位置に設けられていることから、エンジン本
体８からカッタハウジング２に及ぼされる回転反力をも
容易に受けることができるため、カッタハウジング２を
薄肉化軽量化できる。また、シリンダブロック10がその
ままカッタハウジング２の特に上面部2aの強度メンバと
して機能することからこの上面部2aの肉厚を薄くするこ
とができる。

一方、クランク軸12の下側端にはカッタブレード18が設
けられている。このカッタブレード18はカッタハウジン
グ２の内部に受容されている。また、カッタハウジング
２内部に於けるカッタブレード18の上部には通路19が郭
成されている。この通路19はカッタハウジング２後部に
形成された排出口20に連通しており、カッタブレード18
により刈取った芝を通路19から排出口20に導き外部に排
出するようになっている。

このような芝刈機１のエンジン本体８をリコイルスター
タ13をもって始動すると、クランク軸12の回転に伴いカ
ッタブレード18を回転し好適に芝を刈り、通路19、排出
口20を介して外部に刈取った芝が排出される。

［考案の効果］ このように、本考案によれば、バーチカルクランク軸エ
ンジンをそのシリンダブロックに設けられた取付け手段
により搭載される側に支持することにより、クランクケ
ースの形状が単純化され、成型が容易になる。また、エ
ンジンを回転中心から離間した位置にて支持できること
から安定性が向上し、機器フレームを小型化及び軽量化
できる。更に、シリンダブロック全体が搭載される側の
強度メンバとして機能することから、機器フレームを別
途に補強する等の必要がなく一層の軽量化が可能とな
る。以上のことから本考案の効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用された芝刈機の構成を示す斜視
図である。 第２図は、本考案に基づく実施例の構成を示す模式的な
断面図である。 第３図は、第２図のIII-III線について見た矢視図であ
る。 １……芝刈り機、２……カッタハウジング 2a……上面部、３……駆動ユニット ４……車輪、５……ハンドル ６……カバー、７……注入口 ８……エンジン本体、９……クランクケース 10……シリンダブロック 11……シリンダヘッド、12……クランク軸 13……リコイルスタータ 14……フライホイール、15……冷却ファン 16……取付けボス、18……カッタブレード 19……通路、20……排出口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダブロックとクランクケースとの間
   に枢支されると共に垂直配置されたクランク軸を有する
   バーチカルクランク軸エンジンを芝刈り機等の機器に取
   付けるための構造であって、 前記シリンダブロックに前記機器フレームへの取付手段
   を設け、当該エンジンを前記機器フレームに対して前記
   取付手段でのみ支持したことを特徴とするバーチカルク
   ランク軸エンジンの取付構造。