JPS6112108B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関に燃料を供給するための燃料
噴射圧送装置に関するものである。

特許第1245265号（特公昭59−18546号公報）の
明細書には、シリンダ内に位置する排出ピストン
と、シリンダの一端からの出口と、前記排出ピス
トンを作動して前記出口より燃料を送出するため
他のシリンダ内に取り付けられた流体圧力で作動
し得る部材と、前記排出ピストンによつて前記出
口を経て燃料を送出する間に排出ピストンが前記
シリンダ内の所定の位置に動く際、前記出口を経
ての燃料の送出を停止するよう作動する弁手段
と、前記他のシリンダに対する流体の流入および
流出を制御する他の弁手段とを具え、前記他のシ
リンダへの流体の流入を加圧燃料源から生ずるよ
う構成した燃料噴射圧送装置において、 前記排出ピストンが前記シリンダの一端に向う
移動中に、前記シリンダの一端の燃料を逃がして
燃料送出を停止するよう前記弁手段及び前記シリ
ンダ間に設けた溢流通路手段と、前記排出ピスト
ンの位置を検出する位置検出手段と、前記他の弁
手段の作動を制御する制御手段とを設け、前記他
の弁手段により前記他のシリンダから流出する流
体流を制御して前記シリンダの一端から離れる方
向への排出ピストンの移動を制御するようにした
燃料噴射圧送装置が記載されている。

本発明の目的はかかる装置を、最初の燃料噴射
時パイロツト噴射が行なわれるようにするにあ
る。

本発明によれば、この目的のため前記他の弁手
段および前記他のシリンダ間における流体通路中
に配置して調節自在の孔を設け、この孔の調節に
より前記他のシリンダへの流体の少なくとも最初
の流れを制して前記出口を経ての燃料送出量を制
御するようにし、また前記孔と並列に配置して非
復帰弁を設け、この非復帰弁を前記他のシリンダ
から流体が実質上抑制されることなく流出され得
るよう配置する。

本発明を図面につき説明する。

図示のように、本発明による燃料噴射圧送装置
はシリンダ１０を具え、シリンダ１０内には弁素
子１３を設け、この弁素子は閉止位置にばね付勢
するも、後述するように機械的にまたは入口１２
を経て供給される加圧燃料によつて開放されるよ
うにする。シリンダ１０内には排出ピストン１５
を設ける。他のシリンダ１９をシリンダ１０と同
軸的に配置して設け、このシリンダ１９内にピス
トン２０の形状の流体圧力で作動する部材を収納
する。シリンダ１９の直径はシリンダ１０の直径
より大きく、シリンダ１９内に位置する排出ピス
トン１５の部分の周囲の空間をドレンにベントす
る。

他のシリンダ１９の他端を通路２２に接続し、
この通路は第１弁２３を経て液体、好ましくは高
圧の燃料の入つたアキユームレータ２４に接続す
ることができる。アキユームレータ２４は関連す
るエンジンによつて駆動される高圧ポンプ１６に
よつてチヤージする。他の方法として、通路２２
は弁２４ａを経てドレン通路２５に接続しても良
い。

弁２３は一体のヘツド２７を有する圧力作動弁
部材２６を具える。ヘツド２７はコイル状圧縮ば
ね２８によつて座と接触するよう押圧し、この位
置ではアキユームレータ２４から通路２２への液
体の供給は遮断される。更に、弁部材２６には圧
力平衡素子２９を設け、弁部材をこの素子に細い
軸によつて連結する。

第２弁２４ａはヘツド３１を有する摺動自在の
弁素子３０を具え、ヘツドは座と協働して通路２
２からドレン通路２５への流体の流れを遮断する
ことができる。弁素子３０はばね１７によつて弁
を開く方向にばね付勢され、弁作動ピストン３２
によつて閉止位置に動かされる。ピストン３２は
圧電結晶層３４によつて作動されるピストン３３
により発生される流体圧力を受ける。更に、ピス
トン３３によつて発生される圧力は弁部材２６に
も加えられる。ピストン３３は結晶層の付勢によ
つて圧力を発生するよう動き、弁２４ａを閉止す
るとともに弁２３を開放する作用をする。ピスト
ン３３によつて占められるシリンダはこれと連通
する室とともに燃料源１４に接続された非復帰弁
３５により液体この場合には燃料の充満状態に維
持される。

図示のように、出口１１を通常の形式の差動弁
３７を具える噴射ノズル３６に連結する。この弁
はアキユームレータ２４からの流体圧力により座
と接触するように押圧されて燃料が孔３８を経て
関連するエンジンの燃焼空間内に流入するのを防
止する。

弁２３および２４ａの図示の位置は排出ピスト
ン１５およびピストン２０の復帰運動中にとる位
置であり、この復帰運動は弁１３を経て室１０内
への燃料の流入によるもので、弁１３はこの時間
中ばね荷重に抗して動かされて燃料をシリンダ内
に流入させる。後述する所定の運動後に、結晶層
３４が部分的に付勢され、ピストン３３が弁２４
ａの位置を逆転させるに十分な流体圧力を発生さ
せる。弁２３はばね２８により加えられる力がば
ね１７により加えられる力より大きいから影響を
受けない。これらの弁は結晶層が完全に付勢され
て圧力が大きくなつて弁２３を開放する所定の噴
射時間までこの位置のままである。この状態で
は、アキユームレータ２４からの圧力はピストン
２０の端部に供給され、これにより排出ピストン
１５が動かされて出口１１内の燃料を加圧する。
ピストン１５および２０の面積差によりアキユー
ムレータの圧力より高い所定の圧力に達すると、
ノズル３６の弁部材が持ち上げられて出口１１お
よび孔３８を経て関連するエンジンの燃焼空間に
流れる。

孔３８を経ての流れは排出ピストン１５が弁素
子１３に接触する時間まで続く。接触すると弁素
子が座から離れて出口１１内の圧力が源１４の出
口圧力に降下する。この結果ノズルの弁３７が迅
速に閉止する。更に、シリンダ１０内に残つてい
る燃料は源１４に排出される。

結晶層３４は十分に長い時間完全付勢状態に維
持され、この後に通路１１内の圧力は源１４の供
給圧力に降下される。この時間が経過すると結晶
は減勢され、弁２３および２４ａは図示の位置に
復帰する。今度は排出ピストン１５およびピスト
ン２０は源１４により入口１２を経て供給される
燃料の作用により動く、上述した復帰運動に要す
る時間によりエンジンに供給される燃料の量が決
定され、これは４０で示す電子制御回路によつて
注意深く制御され、この回路は結晶層３４に電力
を供給する。機関により多くの燃料を送り込む必
要がある場合には排出ピストン１５および２０の
復帰運動に要する時間を長くする。ピストン２０
のストロークを検出コイル３９によつて検出して
このコイルにより発生される信号を電子制御回路
に供給する。電子制御回路はまた例えばエンジン
速度の要求値および実際のエンジン速度のような
実際のエンジン作動パラメータを表わす信号並び
にエンジン部分の位置を表わす信号を受けて噴射
が適切な時間に行われるようにする。これらの信
号はそれぞれトランスジユーサ４５，４６，４７
によつて供給される。

最初にエンジンに供給する燃料の量を制御する
ために、調節可能な孔を弁２３および２４ａとシ
リンダ１９の端部との間で通路２２内に設ける。
図示のように、この孔をシリンダ４２の壁に形成
したポート４１により限定する。このポート４１
を燃料がシリンダ１９に供給される際ピストン素
子４３によつて徐々に開かれるよう位置させる。
アキユームレータからの燃料圧力をピストン素子
４３の一端に供給し、シリンダ４２の他端から逃
げる燃料の量を鋭い孔４４によつて決定する。孔
４４を経て逃れる燃料は燃料源１４に戻し、ポー
ト４１の形状は孔３８からの最初の流量が所望量
となるようにする。ピストン素子４３の所定運動
後、ポート４１は燃料の流れに実質上抵抗を与え
ず、孔３８を経ての最初の燃料の流れだけが絞ら
れた割合で行われるだけである。弁２３が閉止す
るとピストン素子４３は源１４からの加圧燃料の
作用により戻り、更にポート４１は徐々に閉止す
る。ピストン１５および２０を源１４からシリン
ダ１０に流れる燃料の作用により復帰させるため
に、非復帰弁４５を設け、この弁の開放によりピ
ストン１５および２０は実質的に抑止力を受ける
ことなく動くことができる。

図示の構成例では、ポート４１が開放し始める
前にピストン素子４３が僅かな運動を行うようポ
ート４１を位置させてある。ポート４１の開放前
にこの僅かな運動をさせることにより装置を燃料
のパイロツト噴射を行うよう作動させることがで
きる。パイロツト噴射とは燃料が送出されない期
間後燃料の最初の主噴射に先立ち僅かな体積の燃
料が孔３８を経て送出されることを意味するもの
である。燃料のパイロツト噴射を行わせるために
は、燃料の噴射を行う必要がある場合には結晶層
３４を瞬間的に完全に付勢して次いで滅勢し、こ
れにより弁２３が開放されて次いで迅速に閉止す
るよう制御回路４０を僅かに変える必要がある。
弁２３を迅速に開放してこれを再び閉止するとい
うことは弁２３および２４ａの一部並びにシリン
ダ４２の上流の通路２２の部分内に含まれる体積
の燃料を加圧することであり、この加圧により空
間内の燃料が圧縮され、これによりこの燃料は燃
料のリザーバとして作用する。弁２３が開放して
いる時間は極めて短く、この時間中に弁素子４３
が相当の運動をすることはない。しかし、これら
の空間はリザーバとして作用しているために、弁
２３が閉止している場合でもピストン４３は動き
続けてポート４１が開放する地点に達する。この
際貯蔵された燃料がピストン２０を動かし、これ
により燃料が孔３８を経て排出される。上述の空
間の体積を制御することによつて、パイロツト噴
射を行う燃料の量を制御することができる。

本発明は上述した処に限定されることなく、本
発明の範囲内で種々の変更を加えることができ
る。

追加の関係 本願の発明は原発明である特許第1245265号
（特公昭59−18546号公報）に記載の燃料噴射圧送
装置に更に、最初の噴射の際に主噴射よりは量の
少ないパイロツト噴射を行わせる手段を加えて原
発明を改良したものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による燃料噴射圧送装置の線図で
ある。 １０，１９……シリンダ、１１……出口、１２
……入口、１３……弁素子、１４……燃料源、１
５……排出ピストン、１７……ばね、２０……ピ
ストン、２２……通路、２３……第１弁、２４ａ
……第２弁、２５……ドレン通路、２６……圧力
作動弁部材、２７，３１……ヘツド、２８……圧
縮ばね、２９……圧力平衡素子、３０……弁素
子、３２，３３……ピストン、３４……圧電結晶
層、３５……非復帰弁、４０……電子制御回路、
４１……ポート、４２……シリンダ、４３……ピ
ストン素子、４４……孔、４５，４６，４７……
トランスジユーサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダ１０内に位置する排出ピストン１５
   と、シリンダ１０の一端からの出口１１と、前記
   排出ピストン１５を作動して前記出口１１より燃
   料を送出するため他のシリンダ１９内に取り付け
   られた流体圧力で作動し得る部材２０と、前記排
   出ピストン１５によつて前記出口１１を経て燃料
   を送出す間に排出ピストン１５が前記シリンダ１
   ０内の所定の位置に動く際、前記出口１１を経て
   の燃料の送出を停止するよう作動する弁手段１３
   と、前記他のシリンダ１９に対する流体の流入お
   よび流出を制御する他の弁手段２３，２４ａとを
   具え、前記他のシリンダへの流体の流入を加圧燃
   料源から生ずるよう構成した燃料噴射圧送装置に
   おいて、 前記排出ピストン１５が前記シリンダ１０の一
   端に向う移動中に、前記シリンダ１０の一端の燃
   料を逃がして燃料送出を停止するよう前記弁手段
   １３及び前記シリンダ１０間に設けた溢流通路手
   段と、前記排出ピストン１５の位置を検出する位
   置検出手段１９と、前記他の弁手段２３，２４ａ
   の作動を制御する制御手段３３，３４，１４０と
   を設け、前記他の弁手段２３，２４ａにより前記
   他のシリンダ１９から流出する流体流を制御して
   前記シリンダ１０の一端から離れる方向への排出
   ピストン１５の移動を制御するようにし、前記他
   の弁手段２３，２４ａ及び前記他のシリンダ１９
   間の流体通路２２中に配置して調節自在の孔４１
   を設け、この孔の調節により前記他のシリンダ１
   ９への流体の少なくとも最初の流れを制御して前
   記出口１１を経ての燃料送出量を制御するように
   し、また前記孔４１と並列に配置して非復帰弁４
   ５を設け、この非復帰弁を前記他のシリンダ１９
   から流体が実質上抑制されることなく流出され得
   るよう配置したことを特徴とする燃料噴射圧送装
   置。