JPS6112000B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、トイレ及び小便所清掃用のブロツク
又はタブレツトとその製造法とに関する。より詳
しくは、本発明は腰掛便器又は小便所の水洗用水
槽中に浸漬させ、水槽の水に徐々に溶解させるこ
とによつてブロツクに含まれている活性成分を水
中に遊離させ、水槽から腰掛便器又は小便所に水
が流される時に腰掛便器又は小便所が該活性成分
の力で清掃されるような清掃用のブロツクに関す
るものである。所望によつては、ブロツクから水
洗用の水に１種又はそれ以上の着色剤、硬水軟化
剤、香料及び（又は）殺菌剤を供給するようにし
てもよい。 この種の清掃用ブロツクの一つのタイプにあつ
ては、該ブロツクを例えば水不透過性材料のよう
な容器内につめることにより、ブロツクが余り急
速に水食作用を受けないようにすると共に一定処
方量の溶剤及び（又は）他の成分が水洗用の水に
放出されるようにしている。 本発明は、特にいわゆる「むき出し
（naked）」型のブロツク、すなわち、前記のよう
な溶器を用いないで、水槽内の水中に直接浸漬さ
せる清掃用のブロツク又はタブレツトに関するも
のである。この種の清掃用ブロツクは、一般に固
形キヤリヤ−ベースとして界面活性剤又は界面活
性剤の混合物を含む。 「むき出し」型のトイレ清掃用ブロツクにおけ
る重要な要件は、それらの有する溶解特性が、水
槽中の水にブロツクが徐々に溶解するにすぎない
ものであつて、そのため活性成分が水槽の水に漸
次放出されるような状態でなくてはならないとい
うことである。溶解速度を包含する溶解特性によ
り、清掃用ブロツクの寿命及び有効度がきまる。
従つて、このタイプに属するブロツクは一定の最
低寿命を有することが必要であり、もしそうでな
ければ、需要者は頻繁にブロツクを取替えなくて
はならないことになる。 例えば英国特許第1543730号及び同第1364459号
各明細書に開示されているように、実質的な量の
疎水性物質をブロツクの組成に組入れることによ
り、この種のブロツクの溶解速度を低下させるこ
とが提案された。 また英国特許第1418830号明細書に開示されて
いるように、固体キヤリヤ−ベースとして、大割
合の比較的水に不溶性の界面活性剤、例えば長鎖
脂肪酸のアルカノールアミド又は最高６モルまで
のアルコキシドを含むポリアルコキシル化された
長鎖の脂肪アルコールと、小割合の比較的水に可
溶性の界面活性剤との混合物を用いることも提案
された。 しかしながら、溶解速度を低下させることが公
知の疎水性の物質又は他の薬剤は、水槽及び水洗
用の水の中に見た目の悪い凝集塊を生じ、腰掛便
器の側壁にそれが付着する恐れがある。しかもこ
れらの薬剤は、比較的大量の割合で用いないと、
ブロツクの溶解特性を改善する効果がない。 これらの欠点はさておき、トイレの水槽に用い
る「むき出し」型の清掃用ブロツクを配合するに
当り、ブロツクの密度及び膨潤／ゲル化性につい
て関心が払われたことはほとんどなかつた。その
ため、従来のむき出し型のトイレ清掃用ブロツク
は、いくつかの面で欠点を有することもあつて商
用的に成効するに到らなかつたのである。 水中に浸漬させた際、ブロツクが沈み、かつ、
水槽の底に留まるためには適当な密度を有するこ
とが必要である。水槽の底にブロツクがくつつ
き、水槽から水洗用の水を流し、また水を補充す
るたびの水の動きによつてブロツクがその位置を
変えないですむようにするには、良好な膨潤／ゲ
ル化性が必要である。 今回、固形キヤリヤ−ベースとして、大割合の
非イオン性界面活性化合物及び小割合のビニルメ
チルエーテルと無水マレイン酸との一部エステル
化されたコポリマーからなる混合物を用いること
により、改善された溶解特性を有するトイレ清掃
用ブロツクを製造できることが発見された。 本発明の実施に用いうる非イオン性の界面活性
化合物は、比較的水溶性のアルキレンオキシド縮
合生成物であつて、室温で固体のものである。こ
れらは低級アルキレンオキシド、特にエチレンオ
キシドと、少なくとも１個の反応性の水素を有す
る疎水性化合物との相互反応によつて得られる生
成物である。例をあげると、高級アルキルフエノ
ール、高級脂肪アルコール、高級アルキルメルカ
プタン、高級脂肪族アミド、脂肪酸アルカノール
アミド、ポリプロピレンオキシド又はポリブチレ
ンオキシドとエチレンオキシドとの縮合生成物
で、１分子当り20個以上のエチレンオキシド単位
を有するものである。本発明に特に有用であると
認められた非イオン性の界面活性化合物は、約50
個のエチンオキシド単位と縮合させたC₁₆〜C₁₈脂
肪アルコール（「C₁₆〜C₁₈脂肪アルコール／
50EO」）である。 一部エステル化されたコポリマーは、ビニルメ
チルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー又
はインターポリマー（PVM／MA）から誘導さ
れ、下記の一般式で表わされる： 該コポリマーの分子量範囲は約400から2000000
以上までに及ぶ。ポリマー組成物の平均分子量の
指標として普通粘度の測定が用いられる。好まし
いコポリマーは、0.1ないし2.0、特に0.1ないし
1.0の比粘度を有する。比粘度は、キヤノン−フ
エンスケ（Cannon−Fenske）粘度計を用い、25
℃において100mlのメチルエチルケトンにコポリ
マー１ｇを溶解させた溶液について測定される。 これらのコポリマー（PVM／MA）は、ゼネラ
ル・アニリン・アンド・フイルム社（General
Aniline＆Film Corp.）からガントレツツ
（Gantretz）の商標で市販されており、これに
は種々のグレードのものがある。下記に例示のも
のは、下方に行くほど分子量が高くなる：

【表】 グレード。
本発明に用いられる部分エステルは、少なくと
も１個の反応性ヒドロキシルを分子内に含む化合
物、好ましくは界面活性剤を用いてPVM／MAを
一部エステル化することによつて得られる。アニ
オン性又は非イオン性の反応性界面活性剤を用い
てもよいが、PVM／MAの一部エステル化には非
イオン性の反応性界面活性剤を用いるのが望まし
い。 従つて、固形キヤリヤ−ベースとして、大割合
の非イオン性界面活性化合物及び小割合のビニル
メチルエーテルと無水マレイン酸との一部エステ
ル化されたコポリマーからなる混合物を含むこと
を特徴とする、改善された溶解特性を有するトイ
レ清掃用ブロツクが本発明によつて提供される。 同じ非イオン性界面活性ベース化合物を用いて
コポリマーの一部エステル化を行うのが望まし
い。 C₁₆〜C₁₈脂肪アルコール／50EOで一部エステ
ル化されたPVM／MAを本発明に用いると、特に
好適であることが見いだされた。 従つて、本発明の好ましい態様においては、固
形キヤリヤ−ベースは、C₁₆〜C₁₈脂肪アルコー
ル／50EOと、PVM／MA及びC₁₆〜C₁₈脂肪アル
コール／50EOの部分エステルとの混合物からな
る。 PVM／MAをヒドロキシ化合物で一部エステル
化する方法は文献に記載されている。 もし、非イオン性の界面活性ベース化合物で一
部エステル化されたPVM／MAを用いるならば、
トイレ清掃ブロツク組成物を製造する過程におい
て、その場でそれを好都合に調整できる。好まし
い部分エステルは、100mlのメチルエチルケトン
中１ｇのPVM／MAについて25℃で測定した比粘
度が約0.1〜2.0である低分子量ないし中間分子量
のPVM／MAから誘導されたものである。 前記の固形キヤリヤベースのほかに、本発明の
トイレ清掃用ブロツクには、腰掛便器又は小便所
の壁面に蓄積する硬水スケールを最低に抑えるた
めのビルダー又は硬水軟化剤を含ませ、さらにま
た着色剤、特に青色色素を含ませることにより、
腰掛便器内の水に爽快で清浄な外観を付与すると
共に、清掃用ブロツクが使い果たされたことを示
す指示薬として機能させるのが望ましい。さらに
また、所望によつては、本発明の清掃用ブロツク
に他の有用活性成分、例えば香料、殺菌剤、充填
剤、漂白剤等を含ませることができる。 トリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウムのよ
うなポリ燐酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩といつた任
意の普通のビルダー、それに公知の有機の金属イ
オン封鎖剤、例えばナトリウムエチレンジアミン
テトラアセテート（EDTA）及びニトリロトリ酢
酸又はそのアルカリ金属塩（NTA）を用いるこ
ともできる。また所望により、スレスホルド剤
（threshold agent）、例えばアミノトリメチレン
ホスホン酸及びエチレンジアミンテトラ（メチレ
ンホスホン酸）のような種々の公知の有機ホスホ
ネートを金属イオン封鎖剤の一部又は全部に代用
することもできる。 もし、ビルダーが含まれるならばそれを含めて
固形キヤリヤ−ベースが、本発明の清掃用ブロツ
クの重量の大半を占めるのが有利である。 本発明のブロツクは、下記の成分で構成するこ
とができる： 非イオン性界面活性化合物約50〜99重量％； 一部エステル化されたPVM／MA約１〜25重量
％； ビルダー約０〜45重量％；ならびに 着色剤、香料及び（又は）他の小割合成分約０
〜25重量％。 本発明の清掃用ブロツク組成物は、非イオン性
の界面活性化合物と一部エステル化された
PVM／MAとの溶融混合物をつくり、絶えず撹拌
しながら、所望に従つて所要量のビルダー、着色
剤、香料及び（又は）他の成分を該混合物に加
え、この液体組成物を金型内に流しこみ、冷却さ
せて１個当り好適には20〜150ｇ、好ましくは30
〜70ｇの重量を有するタブレツト又はブロツクに
成形する方法で製造することができる。 しかしながら、本発明のトイレ清掃用ブロツク
は、非イオン性の界面活性ベース化合物による
PVM／MAのその場でのエステル化反応を経て製
造するのが望ましい。 従つて、本発明により、PVM／MAコポリマー
１〜25重量部と非イオン性の界面活性化合物50〜
99重量部との混合物を溶融し、この溶融物をさら
に加熱して温度を約125〜140℃に上げ、この温度
に溶融物を維持してエステル化を行つた後、液体
生成物を冷却して型枠内に流しこみ、この型枠内
でさらに冷却して固化させることにより、約20〜
150ｇのブロツク又はタブレツトを形成する諸工
程を含むことを特徴とする、トイレ清掃用ブロツ
クの製造方法も提供される。 エステル化反応は一般に40〜50分で完了し、そ
の段階で生成物の外観は濃赤色の透明液体とな
る。 他の成分又は補助剤を必要とする場合には、エ
ステル化反応の前でもよいが、なるべくはその後
の型に流しこむ前の冷却工程の間にそれらを組成
物に加えるのがよい。例えば、温度が約90℃に低
下したときにトリ燐ナトリウム又はその他のビル
ダーを加え、その後で色素、そして最後に温度が
充分低くなつた時点、例えば60℃になつた時に香
料その他の熱で分解しやすい成分を加える。 エステル化の温度を125℃以下に下げると、凝
集を起こしやすいブロツクが生じ、一方エステル
化温度を約135℃以上に上げると、ブロツクの溶
解度が上昇してその使用寿命が短くなる。 好ましいエステル化温度は128〜130℃であつ
て、その温度の場合には、凝集を起こす傾向のな
い最適の使用特性を有するブロツクが生成され
る。 本発明の方法に従つて製造される清掃用ブロツ
クは、約１を優に上まわる良好な比重を有し、そ
れにより、水中に浸漬した際に直ちに沈んで、水
槽の底に留まると共に、良好なゲル化／膨潤性を
有して水槽の底に固定される。なかんずく、これ
らのブロツクは良好な溶解特性を有する。換言す
れば、長期の寿命と有効な洗浄力とを保持してい
る。 実施例 下記の成分を用いて配合物をつくり上げた： C₁₆〜C₁₈脂肪アルコール／50EO 79.5重量％； 比粘度0.1〜0.5のPVM／MA 5.0重量％； トリ燐酸ナトリウム 10.0重量％； 商標アミドブラウ（Amidoblau）Ａ［ヘキスト
社（Hoechst）製］の青色色素 2.5重量％； 香料 3.0重量％。 C₆〜C₁₈脂肪アルコール／50EOとPVM／MAコ
ポリマーとを充分に混合し、徐々に加熱して溶融
させて懸濁液を得た。慎重に撹拌しながら加熱を
続け、塊状物を約40〜50分間約130〜135℃の温度
に保ち、その間に部分エステル化反応を起こさせ
た。加熱を停止し、溶融塊状物を徐々に冷却し
た。約90℃になつた時に、慎重に撹拌しながらト
リ燐酸ナトリウムを加え、その後約60℃において
青色色素と香料とを加えた。 50℃において液体組成物を型枠内に注ぎこみ、
その中で冷却して固化させて各50ｇのタブレツト
にした。 このようにして得られた50ｇのタブレツトを用
いて水槽内浸漬試験を行つたところ、15日間の寿
命を示した。この寿命は家庭用の条件下における
約１ケ月の寿命に相当するきわめて良好な性能で
ある。 128〜130℃のエステル化温度を用いて同じ配合
のものを製造したところ、得られたタブレツトに
よる水槽内浸漬試験による寿命は20日であつた。
この寿命は家庭用の条件下における40日の寿命に
相当するものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 分子中に少なくとも一個の反応性ヒドロキシ
   ル基を有する非イオン性界面活性化合物50〜99重
   量％、 ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸との共
   重合体（PVM／MA）１〜25重量％、 ビルダー０〜45重量％、及び 着色剤、香料及び少量成分０〜25重量％ から成る混合物であつて、前記共重合体が前記非
   イオン性界面活性化合物で部分的にエステル化さ
   れている混合物を固形キヤリヤーベースとして含
   んでいることを特徴とする、改良された溶解特性
   を有するトレイ清掃用ブロツク。 ２ 非イオン界面活性化合物が、約50個のエチレ
   ンオキシド単位と縮合したC₁₆〜C₁₈脂肪アルコー
   ル（C₁₆〜C₁₈脂肪アルコール／50EO）であるこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲１に記載の清掃
   用ブロツク。 ３ PVM／MAが0.1と2.0との間の比粘度を有す
   ることを特徴とする、特許請求の範囲１に記載の
   清掃用ブロツク。 ４ PVM／MAが0.1と1.0との間の比粘度を有す
   ることを特徴とする、特許請求の範囲３に記載の
   清掃用ブロツク。 ５ PVM／MAがC₁₆〜C₁₈脂肪アルコール／
   50EOで一部エステル化されていることを特徴と
   する、特許請求の範囲３に記載の清掃用ブロツ
   ク。 ６ (i) ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸
   との共重合体１〜25重量部と、分子中に少なく
   とも一個の反応性ヒドロキシル基を有する非イ
   オン性界面活性化合物50〜99重量部との混合物
   を溶融し、 (ii) 前記溶融物を更に加熱してその温度を約125
   〜140℃迄上昇させ、 (iii) 前記溶融物をこの温度に保つてエステル化
   し、 (iv) 前記溶融物を冷却し、充分低い温度で45重量
   部迄のビルダー及び25重量部迄の着色剤、香料
   及び少量成分を添加し、そして (v) 該液体生成物を注型し、そこで更に冷却する
   ことによつて固化し、約20〜150ｇのブロツク
   又はタブレツトを形成する、 諸工程からなることを特徴とする、改良された溶
   解特性を有するトイレ清掃用ブロツクの製造方
   法。 ７ エステル化温度が128〜130℃であることを特
   徴とする、特許請求の範囲６に記載の方法。 ８ 溶融物をエステル化温度に約40〜50分維持す
   ることを特徴とする、特許請求の範囲６に記載の
   方法。