JPS6111583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、家庭排水等の一般排水用として、ま
たは、暗渠排水用として使用されるコルゲート管
に関するものである。

屈曲した排水路を施工する場合、合成樹脂製の
コルゲート管が汎用されているが、従来のコルゲ
ート管は、その外周面と内周面とがいずれも真円
状に形成されており、流速がゆるやかであるため
排水とともに流出してくる異物がその内部通路内
に溜まりやすいという問題点があつた。この問題
点を解決したものに所謂卵形管と呼ばれるものが
あるが、この管は、逆に外観が真円状でないため
設置時の安定性が頗る悪いという問題点があつ
た。本考案は、これらの二律背反する問題を一挙
に解決したものである。

即ち、本考案は、設置時の安定性が良く、内部
通路に異物が溜まりにくいコルゲート管を提供す
ることを目的としてなされたもので、コルゲート
管の山部外周面が断面視真円状に形成され、谷部
内周面が断面視卵形状に形成されている点に特徴
を有する。

以下、図示した実施例に従つて、本考案を詳細
に説明する。

第１図に例示されているように、コルゲート管
１は山部２と谷部３とを交互に有し、たとえば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル
等の熱可塑性合成樹脂により製造されている。こ
のようなコルゲート管１において、第２図及び第
３図から明らかなように、その山部２の外周面は
断面視真円状に形成され、また、その谷部３の内
周面は断面視卵形状に形成されている。即ち、谷
部３の内周面にあつては、第３図と示される仮想
真円Ｘに対し、その左右両側の下半部３ａ，３ａ
がやや絞られた構成になつている。

このようなコルゲート管１の内部通路４に排水
が流されると、上記仮想真円で囲まれた内部通路
に排水が流される場合に比べて、同一の排水量で
は、流速が速くなり、それだけ、排水とともに流
れてくる異物が内部通路４に溜まりにくくなる。
この場合、第４図のように、谷部３の内周面の下
半部に、コルゲート管１と同じ材料で製造された
フイルムまたはシート５を、該コルゲート管１の
全長に亘つて固着（たとえば接着、熱融着）して
おけば、内部通路４の壁面が、少くともその下半
部では平担となるので、排水流速がさらに速ま
り、異物が一層溜まりにくくなる。

また、コルゲート管１を暗渠排水用として使用
する場合のように、地中に埋設して使用する場
合、第２図、第３図及び第４図のように、谷部３
の外周面を断面視真円状にしておけば、外からの
圧力はこの部分にかかるので内周面が断面視卵形
状であつても耐土圧強度は優れたものとなる。ま
た、山部２の外周面が断面視真円状に形成されて
いるので、地中埋設施工等の設置時に該コルゲー
ト管１を土溝中へ埋める際の作業が容易である。
即ち、山部２の外周面が断面真円状でなく、たと
えば卵形状に形成されている場合には、土溝中に
載置したときの安定性が悪くなるが、上記のよう
に、真円状に形成した場合には、このような不都
合がなく、従来と同程度の作業性が保たれる。

一方、第５図のように、山部２の外周頂部に、
所定の表示６を施しておけば、この表示６を上位
にしてコルゲート管１を配置するだけで、その谷
部３の絞り部分、つまり、谷部３における内周面
の左右両側の下半部３ａ，３ａが仮想鉛直線に対
して左右対象となる姿勢に設定できる利点があ
る。

なお、上記実施例では、谷部３の内周面のみが
卵形状に形成されている場合を説明したが、この
点は、谷部３の内周面と山部２の内周面がいずれ
も卵形状に形成されていても良いことは勿論であ
る。

以上詳述したように、本考案によれば、極めて
簡単な構成によつて、耐土圧強度が優れ、施工性
は通常の真円状の管と略同様であつてしかも水の
流れが良く異物が溜まりにくいコルゲート管の提
供が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例によるコルゲート管の部
分側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面
矢視図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線に沿う断面矢
視図、第４図は変形例の断面図、第５図は他の変
形例の断面図である。 １……コルゲート管、２……山部、３……谷
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 山部と谷部とを交互に有するコルゲート管であ
   つて、山部外周面が断面視真円状に形成され、谷
   部内周面が断面視卵形状に形成されていることを
   特徴とするコルゲート管。