JPS6110540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、受付用カウンターに吊設されたキヤ
ビネツトの移動案内構造に関するものである。

天板下方にキヤビネツトを吊設する受付用カウ
ンターとして、出願人は既に特開昭54−第117274
号等に開示されているものを提供している。斯る
カウンターは、一定間隔をおいて床面に立設され
る縦骨材同士を上部横骨材と下部横骨材とで順次
連続してカウンター自体の骨組構造を構成すると
共に、上記上部横骨材の下部全域に該横骨材と平
行する吊設用レールを固設し、他方キヤビネツト
又は該キヤビネツトを支持する支持体の背面側上
端に上記吊設用レールと係合する係合レールをキ
ヤビネツトの横巾に亘り設け、両レールの係合を
得てキヤビネツトを吊設用レールに対し移動案内
する構成である。斯る移動案内は、極めて簡単な
構成でキヤビネツトの左右移動を可能とする反
面、上記各吊設用レールが縦骨材毎にその横巾分
だけ分断されることとなるので、キヤビネツトを
各縦骨材を越えて左右に移動案内することは甚だ
困難であつた。この為、該各縦骨材に左右に位置
する吊設用レールの端部を連結する別のレール部
材を付設することも考えられるが、斯るカウンタ
ーはその骨組構造上天板を各縦骨材の側面に穿設
した複数の高低調整用穴に係合する支持アーム上
に張設せざるをえないものであるから、特に該穴
が上下に亘り穿設されている側面に別のレール部
材を付設することは物理的に不可能である。又、
仮に付設設するとしても該別のレール部材と左右
の各吊設用レールの端部とを同一線上に精度をも
つて連結することは、手数がかかりカウンターの
組立作業の効率を著しく低下させることになるこ
とは明らかである。

依つて、上記構成の受付用カウンターにあつて
は、吊設用レールが多連に亘り配されているにも
拘らず縦骨材の存在を理由に、やむなく縦骨材間
においてのみキヤビネツトを移動案内する利用に
留まらざるをえなかつた。

而して、本考案は斯る従来の不利不便に鑑み案
出されたもので、縦骨材の存在を認めた上で該縦
骨材を越えてキヤビネツトを左右に移動案内する
ことのできる新規構造を提供せんとするものであ
る。

以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳
述すれば、本考案に係る移動案内構造を備える受
付用カウンターは前記従来カウンターと同様、縦
骨材１を一定間隔をおいて床面に立設し、該各縦
骨材１同士を上部横骨材２と下部横骨材３とで順
次連結してカウンター自体の骨組構造を構成し、
各縦骨材１の上端面にサービスカウンター天板４
を張設すると共に、該各縦骨材１の側面に図示す
る如く高低調整用穴７を複数穿設し、該各穴７に
支持アーム６の基部を係合して該支持アーム６上
にワークカウンター天板５を張設する構成であ
る。又、上記各上部横骨材２の下部全域に該横骨
材２と平行するＬ字形の吊設用レール８を夫々固
設し、他方キヤビネツト１０自体の背面側上端又
は第２図に示す如く該キヤビネツト１０をレール
機構１２を介して前後動可能に支持する支持体１
１の上端に上記吊設用レール８と係合する逆Ｌ字
形の係合レール９を少なくともキヤビネツト１０
の略横巾に亘り設け、両レール８，９の係合を得
てキヤビネツト１０を該吊設用レール８に沿つて
移動案内する構成成である。

以上の構成のカウンターにあつて、本考案は上
記各上部横骨材２の下部に固設される各吊設用レ
ール８の両端部８ａを該レール８の他所よりも少
なくとも下方向と横方向に対して拡径する構成と
すると共に、該拡径両端部８ａを有する吊設用レ
ール８と係合する上記係合レール９の両側夫々に
第２図に示す如く、２個の合成樹脂製移動案内部
材１３ａ，１３ｂを縦骨材１の横巾Ａと上記拡径
両端部８ａの巾2Bの和よりも長寸の間隔巾Ｃ
（Ａ＋2B＋α）をおいて装着し、該間隔巾Ｃをお
いて装着される左右両側の２個の移動案内部材１
３ａ，１３ｂを介して吊設用レール８にキヤビネ
ツト１０又はキヤビネツト支持体１１を吊設する
構成とする。

即ち、斯る移動案内構造は、係合レール９に装
着される左右４個の移動案内部材１３ａ，１３ｂ
のみを吊設用レール８に直接係合して、吊設用レ
ール８に対する吊設キヤビネツト１０の移動を、
軽い力でスムーズに行なえる構成となすと共に、
縦骨材１を越えて一の吊設用レール８から他の吊
設用レール８に対して移動する場合には、仮に縦
骨材１を挾んで左右に連続する吊設用レール８同
士の位置関係に、上下方向及び横方向のズレが生
じていても、各上部横骨材２毎に固設される吊設
用レール８の拡径両端部８ａで、該ズレを効果的
に吸収して、上記各移動案内部材１３ａ，１３ｂ
が、既述の装着間隔巾Ｃによりキヤビネツト１０
の安定した吊設状態を維持して、一の吊設用レー
ル８から他のレール８に円滑に移動できるように
構成したものである。

従つて、本考案に係る移動案内構造にあつて
も、従来と同様に各縦骨材１毎にその横巾Ａ分だ
け、吊設用レール８が分断されることとなるが、
キヤビネツト１０自体は各縦骨材１を越えて自由
に連続して移動できることとなる。

これを具体的に説明すると、第３図Ａ、第４図
Ａに示す如く、手前の吊設用レール８に対する左
右４個の移動案内部材１３ａ，１３ｂの係合を得
て、吊設されているキヤビネツト１０を例えば図
中左方向に押進させると、同各図Ｂに示す如く、
係合レール９の最左側の移動案内部材１３ａは、
手前の吊設用レール８の拡径端部８ａから係合を
解除して、縦骨材１を越えながら先方の吊設用レ
ール８側に移動するが、斯る移動に際しては、例
え手前と先方の各レール８，８間の位置関係にズ
レが生じていても、先方の吊設用レール８の拡径
端部８ａが該ズレを吸収するので、移動案内部材
１３ａは円滑に先方のレール８側に移動して、同
各図Ｃに示す如く、該拡径端部８ａの先の個所で
レール８と係合する。

尚、上記最左側の移動案内部材１３ａが、手前
のレール８から離れて先方のレール８に係合する
までは、キヤビネツト１０自体は残りの移動案内
部材で手前のレール８に吊設されることとなる
が、該最左側の移動案内部材１３ａと対となる他
の移動案内部材１３ｂが、間隔巾Ｃにより手前の
レール８の拡径端部８ａ以外の個所と確実に係合
しているので、該移動案内部材１３ｂと右側の２
個の同部材１３ａ，１３ｂにより、キヤビネツト
１０は３点の安定した吊設状態に維持されてい
る。

同各図Ｃに示す状態から押進を続けると、手前
のレール８と係合している他の移動案内部材１３
ｂが、上記と同様に拡径端部８ａの存在で、先方
の吊設用レール８側に縦骨材１を越えて円滑に移
動して、同各図Ｄ・Ｅに示す如く、該先方のレー
ル８と同様に係合する。次いで、更に押進を続け
ると今度は右側の移動案内部材１３ｂが同各図
Ｆ・Ｇに示す如く手前の吊設用レール８との係合
を解除して先方のレール８と同様に係合する。斯
る状態にあつては、最右側の移動案内部材１３ａ
は今まだ手前の吊設用レール８と拡径端部８ａ以
外の個所で係合しているが、押進を続けると同各
図Ｈ，Ｉに示す如く先方の吊設用レール８と係合
する。斯る動作により、キヤビネツト１０が直接
又は支持体１１を介して縦骨材１を越えて左方向
に連続して移動案内されることとなる。尚、右方
向へ連続移動案内する場合にも全く同様である。

而して、本考案にあつては係合レールの左右両
側に夫々２個の移動案内部材を縦骨材の横巾と吊
設用レールの拡径両端部の巾の和よりも長寸の間
隔巾をおいて装着することを特徴とするものであ
るから、例え吊設用レールが各縦骨材毎にその横
巾分だけ分断されていても、斯る４個の移動部材
中少なくとも３個が該縦骨材を挾んで左右に位置
する両吊設用レールの夫々に対し又は両吊設用レ
ールに亘つて係合する状態が保障されるので、極
めて簡単な構造をもつて各縦骨材を越えてキヤビ
ネツトを左右に移動案内することが可能となる。
しかも、本考案は、上部横骨材毎に固設される吊
設用レールの両端部を、該レールの他所よりも下
方向と横方向に拡径したことを特徴とするもので
あるから、該拡径両端部の存在により、上記各移
動案内部材が一の吊設用レールから縦骨材を越え
て他の吊設用レールに移動する際には、極めて円
滑な移動が保障されることとなる。即ち、吊設用
レールは各縦骨材を挾んで左右に配されるもので
あるから、上部横骨材毎に溶接等で固設される左
右の吊設用レールは、位置精度をもつて固設され
且つ左右で連続しなければならないが、位置精度
をもつて固設し且つ連続させることは、実際問題
としては殆ど不可能に近く、左右の位置関係に多
少なりともズレが生じることは絶対に否めない。
斯る実情の下で、吊設用レールの両端部を拡径す
ることは、上記ズレを効果的に吸収して、移動案
内部材の移動に支障を来すことが全くなくなるの
で、キヤビネツトの縦骨材を越えた円滑移動に
は、大いに貢献できるものである。

尚、上記間隔Ｃをもつて装着される２個の移動
案内部材１３ａ，１３ｂを、別体に構成せずＣ巾
をもつ長寸の一体ものとして構成することも可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動案内構造を備える受
付用カウンターを示す斜視図、第２図は同移動案
内構造を示す要部斜視図、第３図Ａ乃至Ｉは縦骨
材を越えてキヤビネツトの移動を許容する状態を
示す要部正面図、第４図Ａ乃至Ｉは同要部平面図
である。 １……縦骨材、２……上部横骨材、５……ワー
クカウンター天板、６……支持アーム、７……高
低調整用穴、８……吊設用レール、８ａ……拡径
端部、９……係合レール、１０……キヤビネツ
ト、１１……キヤビネツト支持体、１３ａ，１３
ｂ……合成樹脂製移動案内部材、Ａ……縦骨材の
横巾、Ｂ……拡径端部の巾、Ｃ……２個の移動案
内部材の間隔巾。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定間隔をおいて床面に立設される縦骨材同士
   を上部横骨材と下部横骨材とで順次連結して、骨
   組構造を構成すると共に、該各縦骨材の側面に穿
   設された高低調整用穴に支持アームを係合して、
   該支持アーム上に天板を張設し、且つ上記各上部
   横骨材の全域に吊設用レールを該横骨材と平行に
   固設し、該吊設用レールにキヤビネツト又は該キ
   ヤビネツトの支持体に設けられた係合レールを係
   合して、キヤビネツト自体を移動案内する構成の
   受付用カウンターに於いて、上記各上部横骨材毎
   に固設される吊設用レールの両端部を、該レール
   の他所よりも下方向と横方向に拡径すると共に、
   該吊設用レールと係合する上記係合レールの両側
   夫々に、２個の合成樹脂製移動案内部材を上記縦
   骨材の横巾と吊設用レールの拡径両端部巾の和よ
   りも長寸の間隔巾をおいて装着し、該各移動案内
   部材を介してキヤビネツトを各縦骨材を越えて、
   連続して移動案内できるように構成したことを特
   徴とする受付用カウンターに於ける吊設キヤビネ
   ツトの移動案内構造。