JPS6110067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可撓ホースやその他の長尺な管状物
（以下単に被固定物という。）を締め付け固定する
ためのクランプ金具に係り、特にワイヤーなどか
ら成る金属バンド線を自由に屈曲させて、これを
被固定物の途中からでも容易に取り付けられるよ
うにすると共に、ハンドルの円滑な回動操作で、
そのバンド線を切り離し両端部から絞り上げる如
く収縮させることにより、耐久力に富む安定な締
め付け固定状態を得られるように企図したもので
ある。

以下、図示の実施態様に基いて本考案の具体的
構成を説明すると、その分解状態を表わした第１
図において、１は一定長さのワイヤーやその他の
条線から成る屈曲自由な金属バンド線であり、そ
の切り離し両端部にはほぐれ防止や、組立状態下
における抜け止めのために、径大な丸棒型のスト
ツパー突子２が固着一体化されている。３は上記
バンド線１をその切り離し両端部から受け入れ貫
通させる中空スライドホルダーであり、径小なネ
ジ筒部４と径大な張り出し鍔部５とを一体に具備
して成る。この鍔部５は被固定物Ｈに密着フイツ
トするものとして、その下端面が円弧面とされて
いると共に、ここにはバンド線１の途中を受け入
れ係止する一対の規制凹溝６が形成されている。

７は上記ホルダー３のネジ筒部４内に上方から
挿脱自在に挿入セツトされる抜け止めキヤツプで
あり、径小な挿入脚部８と施蓋用の張り出し鍔部
９とを備えるものとして、倒立ハツト型に作成さ
れている。１０はその脚部８と鍔部９との全体に
亘り、向かい合う一対として切り欠かれたバンド
線挿通用の条溝であり、その開口幅はバンド線１
の上記ストツパー突子２より径小化されていて、
これによりリング状に屈曲されたバンド線１がそ
の切り離し両端部の抜け止め状態に保持されるよ
うになつている。

１１は上記ホルダー３のネジ筒部４へ着脱自在
に螺合締結されるナツトなどの回動操作ハンドル
であり、その外周面には回動時の滑り止め用凹凸
条１２が列設されている。この凹凸条１２は操作
手の指先を当てがうものであるが、これに代えて
工具類で回動操作するための係止段部を、上記外
周面などに設けても良い。

上記の構成部品から成る本考案のクランプ金具
は、第２〜４図のように組み立てられて使用に供
される。即ち、その使用に当つてはバンド線１を
被固定物Ｈに捲き付ける如く、その切り離し両端
部を揃えてスライドホルダー３内に下方から貫通
させ、且つこれを抜け止めキヤツプ７で抜け止め
状態に正しく保持して後、そのホルダー３に螺合
されているハンドル１１を回動操作すれば良い。

そうすれば、バンド線１の切り離し両端部は抜
け止め状態に拘束保持されているため、スライド
ホルダー３と操作ハンドル１１とが互いに離れる
如く相対移動することになり、従いバンド線１は
そのホルダー３により引き絞られ、そのリング口
径Ｄが収縮変形されることとなつて、ここに被固
定物Ｈが絞め付け固定されるのである。この場
合、被固定物Ｈの外径寸法を見越して、上記螺合
によるスライドストロークを適当に定めておくこ
と、言うまでもない。被固定物Ｈの締め付け完了
状態では、バンド線１の屈曲途中がホルダー３の
上記規制凹溝６内に埋没する如く、安定に受け入
れ係止される。尚、本考案を分解するに当つて
は、抜け止めキヤツプ７をスライドホルダー３内
から上方へ離脱させて、そのキヤツプ７の条溝１
０から横方向へバンド線１を取り出し、その後該
バンド線１をホルダー３から下方へ引き抜けば良
い。

以上のように、本考案のクランプ金具はその構
成上、長尺な管状の被固定物Ｈに捲き付けられる
ものとして、切り離し両端部に各々径大なストツ
パー突子２が固着された一定長さの屈曲自由な金
属バンド線１と；そのバンド線１を切り離し両端
部から受け入れ貫通させるべく、径小なネジ筒部
４と径大な張り出し鍔部５とを一体に具備した中
空スライドホルダー３と；そのホルダー３の中空
内部へ挿脱自在に挿入セツトされるものとして、
径小な挿入脚部８とホルダー施蓋用の張り出し鍔
部９とから、全体的な倒立ハツト型に形成された
抜け止めキヤツプ７と；上記ホルダー３のネジ筒
部４へ着脱自在に螺合被着される回動操作ハンド
ル１１とから成り、上記キヤツプ７の全体に亘つ
て、バンド線１の切り離し両端部に対応する向か
い合う一対のバンド線挿通用条溝１０を切り欠く
と共に、その各条溝１０の開口幅をバンド線１の
ストツパー突子２よりも径小寸法に定め、 上記バンド線１を被固定物Ｈに捲き付ける如く
リング状に屈曲させつつ、その切り離し両端部か
らスライドホルダー３の中空内部を経て、そのホ
ルダー３を施蓋するキヤツプ７に貫通させて、そ
の両条溝１０へストツパー突子２を抜け止め状態
に係止保持した上、そのホルダー３に螺合された
ハンドル１１を回動操作することにより、そのホ
ルダー３をハンドル１１との相対的にスライドさ
せて、バンド線１のリング口径Ｄを引き絞り収縮
させるように設定してあるため、ハンドル１１を
円滑に回動操作するだけで、その金属バンド線１
により安定・堅牢な被固定物Ｈの締め付け固定状
態を得られる。

又、その金属バンド線１はスライドホルダー３
や抜け止めキヤツプ７へ組み入れられて、始めて
リング状に屈曲保持されるものであるから、長尺
な被固定物Ｈに対してその途中へ容易に捲き付け
セツトできるのであり、その操作ハンドル１１も
含む部品の全体が分解できるようにもなつている
ので、その不使用中の格納や梱包・輸送上の小型
コンパクト化を図ることができる。

更に、屈曲自由な金属バンド線１をそのリング
口径Ｄの中心線上において、その切り離し両端部
から引き絞るようになつており、その作用がハン
ドル１１とホルダー３との螺合回動によつて達成
されるものであるため、被固定物Ｈに喰い付き密
着したバンド線１は、その締め付け固定力が不慮
に弛緩するおそれなく、その耐久性にも優れるの
であり、それにもまして量産効果を期待できるの
で、実用向きな考案と言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の分解状態を示す半欠截の断面
図、第２図は同じく組立使用状態を示す半欠截の
断面正面図、第３図は第２図の外観側面図、第４
図は第３図のＡ−Ａ線断面図である。 １……バンド線、３……スライドホルダー、６
……規制凹溝、７……キヤツプ、１０……条溝、
１１……ハンドル、Ｈ……被固定物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 長尺な管状の被固定物Ｈに捲き付けられるも
   のとして、切り離し両端部に各々径大なストツ
   パー突子２が固着された一定長さの屈曲自由な
   金属バンド線１と、 そのバンド線１を切り離し両端部から受け入
   れ貫通させるべく、径小なネジ筒部４と径大な
   張り出し鍔部５とを一体に具備した中空スライ
   ドホルダー３と、 そのホルダー３の中空内部へ挿脱自在に挿入
   セツトされるのとして、径小な挿入脚部８とホ
   ルダー施蓋用の張り出し鍔部９とから、全体的
   な倒立ナツト型に形成された抜け止めキヤツプ
   ７と、 上記ホルダー３のネジ筒部４へ着脱自在に螺
   合被着される回動操作ハンドル１１とから成
   り、 上記キヤツプ７の全体に亘つて、バンド線１
   の切り離し両端部に対応する向かい合う一対の
   バンド線挿通用条溝１０を切り欠くと共に、そ
   の各条溝１０の開口幅をバンド線１のストツパ
   ー突子２よりも径小寸法に定め、 上記バンド線１を被固定物Ｈに捲き付ける如
   くリング状に屈曲させつつ、その切り離し両端
   部からスライドホルダー３の中空内部を経て、
   そのホルダー３を施蓋するキヤツプ７に貫通さ
   せて、その両条溝１０へストツパー突子２を抜
   け止め状態に係止保持した上、そのホルダー３
   に螺合されたハンドル１１を回動操作すること
   により、そのホルダー３をハンドル１１との相
   対的にスライドさせて、バンド線１のリング口
   径Ｄを引き絞り収縮させるように設定したこと
   を特徴とするクランプ金具。 ２ スライドホルダー３の張り出し鍔部５を、被
   固定物Ｈの表面に密着フイツトし得る円弧面を
   備えた形態とすると共に、その鍔部５にバンド
   線１の途中受け入れ係止用規制凹溝６を設けた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲・第
   １項記載のクランプ金具。