JPS609899Y2 - 傾斜円盤型コイン送出機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は傾斜円盤型コイン送出機の改良に関する。

従来より傾斜円盤型コイン送出機としては、表面にコイ
ン送出爪を設けた傾斜円盤と、この円盤を内装支持する
椀状のホッパーフレームと、該円盤を回転駆動するモー
タとを具備して成ることが公知である。

而して前記円盤は、単に円盤の後面中央部に突設したボ
スをベアリングを介してホッパーフレーム底板に回転自
在に支持されているに過ぎず、次の如き問題点がある。

即ちホッパーより投入されたコイン群は、前記傾斜円盤
の下部表面に滞留し、従ってこれらコイン群の自重によ
る荷重を主として円盤下部が支承し、前記ベアリングの
みを以てほこの荷重を充分に支承し得ない。

その結果、円盤を回転したとき、該円盤の周部が軸方向
に揺動し、コインの好適な送出しを不能とする致命的欠
点がある。

また前記コイン群の荷重と相俟って、円盤を所定の傾斜
角度に正確に設定することが困難であり、この傾斜角度
に狂いを生じる場合は、円盤の送出爪にコインが好適に
係止し得す、矢張りコイン送出しを不能とし所謂空送り
を生じる致命的欠点がある。

本考案は上記問題点乃至欠点を悉く解消し、傾斜円盤が
コイン群による荷重を堅固に支承して常に好適に回転し
、しかも適宜に円盤を所定傾斜角度に容易且つ正確に調
整設定することができ、以て常に良好なコイン送出しを
可能とした傾斜円盤型コイン送出機を提供することが目
的である。

以下図示する実施例に基き本考案を詳述すれば、図面に
おいて、Ａは作動ユニット、Ｂは動カニニットであり、
作動ユニットＡは傾斜円盤１とホッパーフレーム２を１
つにまとめてユニット化したもので、円形状でかつ中央
に開口部３を有する底板４と、この全周に形成した周側
板５により全体を椀状に構成したホッパーフレーム２の
中に、後面の中央部にボス６を突設した傾斜円盤１を内
装すると共に、そのボス６を前記底板４の開口部３にボ
ールベアリング７を介在して組付けである。

ベアリング７はボス６と開口部３の間に、底板４側に固
着したベアリング押え８およびボス６側に固着したベア
リング受け９によって保持固定しである。

ホッパーフレーム２の周側板５には、上方に開口した受
口を有するホッパー１０が、ホッパーフレーム２の椀状
開口部の下部を施蓋するようビス１１を以て取外自在に
取付けられる。

また、同周側板５の上部の一部に切欠窓が設けられてコ
イン送出口１２が形成され、該コイン送出口１２の外側
に送出シュート１３がビス１４によって取外し可能に取
付られている。

なお、傾斜円盤１の前面周辺部にはコイン整列溝１５を
形成し、かつ該コイン整列溝１５にコイン送出爪１６を
一定間隔おきに列設しであることは、従前のものと全く
同様である。

動カニニットＢはメインベース１７とモータ１８を１つ
にまとめてユニット化したもので、自動販売機、両替機
等に取付けられる水平部１９と、該水平部１９と成る角
度傾斜すべく連成した傾斜部２０によりメインベース１
７を構成し、かつ傾斜部２０の前面２０ａは上記ホッパ
ーフレーム２の底板４と十分に重合しうる広さに形成さ
れ、後面２０ｂにはモータ１８をビス２１を以て係合し
てモータ軸２２を傾斜部２０の中央に開口や開口部２３
より前面へ突出させである。

モータ１８の軸２２は傾斜円盤１のボス６に抜差しでき
る結合手段を採るもので、この手段としては図例で示す
ように、軸２２の端部に回正ピン２４を直交状に挿通固
定し、ボス６の端面には該回正ピン２４に対応すべき径
方向の割溝２５を形成しておけばよい。

また、メインベース１７の傾斜部２０の前面２０ａに対
してはホッパーフレーム２の底板４を脱着自在に重合固
定できる接合手段を採るのであるが、この手段しては図
例で示すように、傾斜部２０の数個所にビス２６を通す
ことのできる孔２７を設け、底板４上の該孔２７に対応
する位置にはビス２６のねじと螺合するねじ孔２８を設
けることによるねじ締結手段を採用すればよい。

上記作動ユニットＡに於いて、傾斜円盤１の後面周部は
ボール３０を介してホッパーフレーム２の底板４に支持
されている。

このボール３０は第３図示の如く、円盤１周頂点の近傍
に設けられた上部ボール３０ａと、下部の左右両側のｌ
対の下部ボール３０ｂ、３０ｂとから構成される。

これら上部及び下部ボール３０ａ、３０ｂ、３０ｂを構
成する何れのボール３０も、第１〜２図示の如く、ホッ
パーフレーム２の底板４に螺挿された螺杆２９の先端に
回転自在に支持され、該螺杆２９により円盤１の後面に
進退調整自在に接支されている。

上記実施例に基く構成によれば、傾斜円盤型コイン送出
機を組付構成するには、動カニニットＢの傾斜部２０の
前面２０ａ上に作動ユニットＡの底板４をボス６がモー
タ軸２２に嵌入するよう重合固定すれば良い。

また分解に際しては、底板４と傾斜部２０との接合部分
のみを取外せば良く、このように分解組立が極めて簡単
容易であり、作動ユニットＡと動カニニットＢの何れの
取替えも簡単である。

而して傾斜円盤型コイン送出機の作動については、従来
と同様ホッパー１０より送出される３４７０群が円盤１
の下部表面に滞留した状態で、モータ１８の駆動により
円盤１を第３図矢印Ｓ方向に回転すると、コインＤはコ
イン送出爪１６により掻き上げられ、コイン整列溝１５
内の各送出爪１６，１６間に順次整列されてコイン送出
口１２の方へ送られ、該送出口１２より送出シュート１
３に放出される。

こ点に関し、円盤１の傾斜角度が所定のものに設定され
ていない場合は、前記コイン送出爪１６によるコインＤ
の掻き上げを良好に行ない得ないのであるが、傾斜円盤
１の周部を３点にて支持する上記ボール３０ａ。

３０ｂ、３０ｂの螺杆２９を底板４に進退させることに
より、該円盤１を所定傾斜角度に自在に調整することが
でき、常に送出爪１６によるコイン掻き上げを最適の状
態に調整設定しておくことができる。

また傾斜円盤１の下部表面に作用する３４７０群の荷重
は、下部ボール３０ｂ、３０ｂにより確実に支承され、
ボス６を支持するボールベアリング７が保護されると共
に、円盤１が回転されたときの局部を軸方向に揺動する
所謂面振れを生じることなく、送出爪２６の係止による
コイン送出しを常に好適に得ることができる。

本考案は以上のように構成した結果、螺杆２９を介して
円盤１の後面に進退自在に接支するボール３０により円
盤１の傾斜角度を所定角度に正確に設定することができ
るものであるから、常に円盤１によるコインの良好な掻
き上げが期待でき、所謂空送りを生じることはない。

しかもこの傾斜角度調整に際しては、ボール３０が上記
配置関係に設置された３個のボール３０ａ、３０ｂ、３
０ｂから構成されるそのであるから、この３点に於ける
調整により円盤１を自在に傾斜することができ、所定傾
斜角度に正確にセットすることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案１実施例の組立て状態を示す断面図、第
２図は同分解状態を示す断面図、第３図は同組立て状態
を示す平面図である。 １・・・・・・傾斜円盤、２・・・・・・ホッパーフレ
ーム、４・・・・・・底板、６・・・・・・ボス、７・
・・・・・ボールベアリング、１６・・・・・・コイン
送出爪、１８・・・・・・モータ、２９・・・・・・螺
杆、３０・・・・・・ボール、Ｏａ・・曲上部ボール、
３０ｂ・・・・・・下部ボール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表面にコイン送出爪１６を設けた傾斜円盤１と、前記円
   盤１を内装支持する椀状のホッパーフレーム２と、前記
   円盤１を回転駆動するモータ１８とを具備したものに於
   いて； 前記傾斜円盤１が、該円盤１の後面中央部に突出したボ
   ス６をボールベアリング７を介してホッパーフレーム２
   の底板４に回転自在に支持されると共に、該円盤１の後
   面周部をボール３０を介してホッパーフレーム２の底板
   ４に支持されて戒り； 前記ボールは、円盤１の上部の中央と下部の左右両側の
   ３カ所に配置され、何れのボール３０ａ、３０ｂ、３０
   ｂもホッパーフレーム２の底板４に螺杆２９を介して支
   持されると共に、該螺杆２９を介して円盤１の後面に進
   退自在に接支されて成ることを特徴とする傾斜円盤型コ
   イン送出機。