JPS609804Y2 - 定着装置における剥離爪機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はたとえば複写機の定着装置において、ヒートロ
ーラに密着した転写紙を剥離させる剥離爪機構に関する
。

たとえば複写機の定着装置において、ヒートローラに密
着した用紙を剥離させる従来の剥離爪機構は第１図およ
び第２図に示すようなものが用いられている。

すなわち、中心部に熱源１を有するヒートローラ２には
押圧ローラ３が当接して設けられ、上記ヒートローラ２
の外周面に沿って矢示方向から送られてきた現像剤の転
写紙（図示しない）は上記押圧ローラ３によりヒートロ
ーラ２側へ押圧力を受けながら上記熱源１からの熱をう
けて定着が行なわれる。

しかして、上記ヒートローラ２により定着させられた転
写紙をヒートローラ２から剥離させる剥離爪機構は支持
シャフト４にコ字形支持部材５の両袖部５ａを貫通させ
て回動自在に支持するとともに上記支持部材５の下面に
剥離爪６を螺着して構成されるもので、上記剥離爪６の
先端部は前記ヒートローラ２の外周面と常時接触するよ
うコイルスプリング７により付勢しておかれるようにな
っている。

なお、８は上記剥離爪６を支持部材５に螺着するための
取付ねじである。

しかしながら、上記剥離爪機構はたとえば、剥離爪６の
先端部が摩耗して交換を必要とする場合、その都度取付
ねじ８を支持部材４から取りはずさなければならないた
め作業性が極めて悪いばかりでなく、第３図に示すよう
に各部品の精度上、ヒートローラ２に対して剥離爪６が
或角度θだけ傾斜し、片当りの状態となった場合（第３
図参照）、ヒートローラ２に密着した転写紙が片当りし
ている剥離爪６の先端に引っ掛って詰りの原因となる不
都合を有していた。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とす
るところは剥離爪によって生ずる用紙の詰り現象を防止
し得るとともに剥離爪の交換も容易に行なうことができ
る定着装置における剥離爪機構を提供しようとするもの
である。

以下、本考案を第４図乃至第６図に示す一実施例にもと
づいて説明する。

第４図乃至第６図において、１１は支持シャフト４に一
端を挿通せしめた回動自在の保持部材で、この保持部材
１１の先端部１２は円柱状にして、先端に膨形部１２ａ
が一体形成され、かつ軸方向にすり割り１３が設けられ
て弾力性を付与せしめるようになっている。

一方、１５は上記保持部材１１の先端部１２に挿着する
剥離爪で、この剥離爪１５の挿入方向には断面凸形の孔
１６が穿設されていて剥離爪１５を上記保持部材１１の
先端部１２に挿入して、段差１４にて係止せしめること
により上記先端部１２の膨形部１２ａは孔１６の径大部
分１６ａにはまり込んで固定されるとともに先端部１２
のまわりを自由回転し得るように構成されている。

また、２は図示しない現像済の用紙を定着させるヒート
ローラで、上記剥離爪１５の先端は前記支持シャフト４
に挿通せるコイルスプリング７により前記保持部材１１
を介して常時上記ヒートローラ２の外周面を圧接するよ
うになっている。

なお、第５図に示す３は上記ヒートローラ２に当接して
回転する押圧ローラである。

このように本考案の剥離爪機構は支持シャフト４を貫通
せる保持部材１１の先端部１２に剥離爪１５を挿入する
ことにより膨形部１２ａは圧縮されながら孔１６を通過
し、径大部分１６ａにおいて解放させられる。

すなわち、保持部材１１の先端部１２に一体形成された
膨形部１２ａが孔１６の径大部分１６ａにはまり込んで
位置決めされるとともに剥離爪１５は先端部１２のまわ
りを自由回転することができる。

一方、前記保持部材１１はコイルスプリング７により支
持シャフト４を中心とし、常に矢印で示す時計方向に付
勢されているため保持部材１１の先端部１２に挿着せる
剥離爪１５はヒートローラ２の外周面を圧接する。

したがって、上記剥離爪１５がヒートローラ２の外周面
を圧接したとき、片当りの状態となる場合でも剥離爪１
５自体が保持部材１１の先端部１２を中心として直ちに
自由回転するため剥離爪１５の先端はヒートローラ２の
外周面を一様に圧接することが可能となる。

また、上記剥離爪１５は先端が摩耗した場合でも容易に
新品と交換することができるものである。

以上説明したように本考案によればヒートローラ側に付
勢された保持部材の先端部に剥離爪を着脱自在に挿入し
得、かつ上記保持部材の先端部を中心として自由回転で
きるように構成したため、ヒートローラの外周面に沿っ
て摺接する上記剥離爪の先端は片当りすることなく全面
接触させることができる。

したがって、上記ヒートローラの外周面に沿って密着せ
る転写紙はヒートローラと剥離爪との間に詰り現象を生
ぜしめることなく確実に剥離させることができ、かつ上
記剥離爪の交換も容易に行なえるなどの優れた効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の定着装置における剥離爪機構の縦断正面
図、第２図は従来の剥離爪機構を示す斜視図、第３図は
各部品の精度ばらつき上、剥離爪がヒートローラに対し
て傾斜した状態を示す概略平面図、第４図は本考案の一
実施例を示す定着装置における剥離爪機構の平面図、第
５図は剥離爪機構の縦断正面図、第６図は剥離爪機構を
構成する剥離爪が保持部材から引き抜かれる状態を示す
平面図である。 ２・・・・・・ヒートローラ、１１・・・・・・保持部
材、１５・・・・・・剥離爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒートローラから転写紙を剥離させるための剥離爪機構
   において、前記ヒートローラの軸方向に沿って延在する
   シャフトと、このシャフトのまわりを回動するように枢
   支される保持部材と、この保持部材の先端部に挿着され
   る剥離爪とを有し、剥離爪には孔が穿設されこの孔に前
   記保持部材の先端部を嵌合することにより剥離爪は保持
   部材のまわりを回動可能に枢支され、かつ剥離爪は保持
   部材に対してその長手方向に脱着可能となるように保持
   部材の先端部に係合していることを特徴とする定着装置
   における剥離爪機構。