JPS609028Y2 - サ−マル転写記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプリンタ、ファクシミリなどのサーマル転写記
録装置に関するものである。

サーマル転写記録には１．転写工程と、転写工程のイン
ク転写により密着されたインクフィルムと記録用紙を、
一定時間後にはがして転写記録を完了させるはがし工程
があり、このはがし工程の良否によって印字画質の優劣
が生じる性質がある。

しかしながら従来のサーマル転写記録装置では、第１図
に示されるように、インクフィルムト記録用紙をインク
転写による密着状態のまま取り出し、人の手によってイ
ンクフィルムをはがして記録用紙に転写記録を得るとい
うものであり、人の手によるはがし方向やはがし角度が
不均一であるため、印字画質が不安定になるという欠点
があった。

また、第２図で示されるようなはがし機構を有するもの
においても、インクフィルムと記録用紙のテンションを
常に同一に保つことが困難であるなどの理由により、転
写直後のインクずれや、正規のはがし工程以前での不都
合なインクフィルムと記録用紙のはがれが生ずるなどの
印字画質を劣化させる欠点があった。

本考案は従来の技術の欠点を徐去するために為されたも
のであり、本考案の目的は、インク転写により密着した
インクフィルムと記録用紙からインクフィルムを均一に
はがす機構を有するサーマル転写記録装置を提供するこ
とにある。

本考案によれば、インクフィルムと記録用紙をプラテン
の回転力による同一速度で送り出し、インクフィルムは
はがし部材と記録用紙送り部材の作用により、インクフ
ィルムと記録用紙のはがし角度を常に一定に保ち、−記
録用紙に良好な転写の印字画質を得ることができる。

次に第３図によって本考案の一実施例を詳細に説明する
。

第３図において符号１で示されるものはプラテンであり
矢印の方向に回転している。

前記プラテン１の円筒外周の一面に圧接するように設け
られたものはサーマルヘッド２であり、プラテン１と共
に転写部を構成している。

次に、前記転写部の出口側にサーマルヘッド２に隔てて
、プラテンに回転自在に圧接させられたものはインクフ
ィルムはがし部材のはがしローラ３であり、更に前記は
がしローラ３に続いて、プラテン１に回転自在に圧接さ
せられたものは記録用紙送り部材の送りローラ４である
。

次に薄いベース材にインクを塗布したインクフィルム５
は記録用紙６にインク面を接するように重ねられている
。

前記重ねられたインクフィルム５と記録用紙６は、イン
クフィルム４をサーマルヘッド２側に、一方の記録用紙
６をプラテン１側にしてプラテン１に巻回させられ、は
がしローラ３上でインクフィルム５と記録用紙６ははく
離されている。

はく離された一方のインクフィルム５は、はがしローラ
３を９０゜以上巻回して方向を転じ、巻取りリール７に
巻回し矢印の方向に巻取られるように構成されている。

はく離された他方の記録用紙６は、プラテン１と送りロ
ーラ４の間を経て送り出されるように構成されている。

以上のように転写記録部と、インクフィルムはがし部材
と、インクフィルム巻取り機構、および記録用紙送り部
材を備えた本考案によるサーマル転写記録装置の動作を
説明すると、まず、プラテン１が図示しないモータによ
って駆動され矢印の方向に回転する。

プラテン１の回転とサーマルヘッド２の押付圧が作用し
て、プラテン１とサーマルヘッド２間に介在するインク
フィルム５と記録用紙６には、摩擦推力が発生し転写部
から送り出される。

このとき、前記サーマルヘッド２に記録情報信号を入力
すると、サーマルヘッド２の発熱体が発熱して、インク
フィルム１に塗布されたインクが溶解し、記録用紙６上
に記録情報信号に対応したインクが転写される。

続いてサーマルヘッド２の発熱が終了すると、溶解して
いたインクは再び固まり、インクフィルム５と記録用紙
６は凝固したインクにより密着状態を威して転写記録部
から送り出される。

続いて密着状態の前記インクフィルム５と記録用紙６は
、はがしローラ３とプラテン１間に案内され、一方のイ
ンクフィルム５ははがしローラ３上を巻回し、他方の記
録用紙はプラテン１上を巻回するようにして、密着状態
をはく離される。

このとき、はがしローラ３は、プラテン１との摩擦推力
により転写記録部と同一速度で、インクフィルム５と記
録用紙６を送り出し、また、送りローラ４は、プラテン
１の摩擦推力により転写記録部と同一速度で、記録用紙
６を送り出し、更に、はがしローラ４の次に設けられた
巻取りレール７も、転写記録部と同一速度でインクフィ
ルム５を巻取っている。

本考案によるサーマル転写記録装置は、以上のような構
成と作動を備えているため、インクフィルムのインク転
写により密着状態で送り出されたインクフィルムと記録
用紙を、機械振動などの影響を受けることなくはがし工
程において一定速度と一定角度を常に保ちながらはがす
ことができる。

このためインクフィルムと記録用紙間の転写ずれ、不必
要なはがれ、あるいはインクフィルムや記録用紙のたる
み、しわを防止することができ、記録用紙に常に安定し
た転写記録を転写劣化なく、シかも容易に得ることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のサーマル転写記録装置を示す側面図、
第２図は、従来の他のサーマル転写記録装置を示す側面
図、第３図は本考案のサーマル転写記録装置の一実施例
を示す側面図である。 １はプラテン、２はサーマルヘッド、３ははがしローラ
、４は送りローラ、５はインクフィルム、６は記録用紙
、７は巻取りレールである。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）薄い部材の上に低い融点を持つインクを塗布した
   インクフィルムを、記録用紙に重ね合わせ、サーマルヘ
   ッドによって加熱し転写記録を得るものにおいて、サー
   マルヘッドとこれに圧接されるプラテンによって構成さ
   れる転写記録部と、前記転写記録部の送り出し側にイン
   クフィルムに接し記録用紙とインクフィルムをプラテン
   に圧接するように設けられたインクフィルムはがし部材
   と、前記インクフィルムはがし部材の次にあって記録用
   紙をプラテンに圧接するように設けられた記録用紙送り
   部材と、前記インクフィルムを巻取る機構とを有するサ
   ーマル転写記録装置。
2. （２）前記インクフィルムはがし部材が、回転すること
   を特徴とする実用新案登録請求範囲第１項記載のサーマ
   ル転写記録装置。
3. （３） 前記記録用紙送り部材が回転することを特徴
   とする実用新案登録請求範囲第１項記載のサーマル転写
   記録装置。