JPS608821Y2 - ポンプ汲上式液体保温容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、湯沸し保温ポット等のポンプ汲上式液体保温
容器に係り、更に詳しくは、ポンプ汲上式液体保温容器
においてポンプ装置の吐出口に設けられるシールパツキ
ンの構造に関するものである。

ポンプ汲上式液体保温容器の１例として第１図にポンプ
汲上式の湯沸し保温ポットが示されている。

第１図において、符号１は容器本体、２は容器本体１に
対して開閉自在とされた蓋体、３は容器本体１内の液容
器、４は液容器３内に収容される液体を加熱および保温
するためのヒータ、５は断熱材、６は液容器３への給液
口、７は蓋体２内に配設したポンプ装置であるベローズ
式のエアーポンプ、８はエアーポンプ７を押圧駆動する
ための押圧部材、９はエアーポンプ７の天板１０に設け
た吸入弁、１１はエアーポンプ７の底板１２に設けた吐
出口、１３は前記給液口６に密嵌した中栓、１４および
１５は中栓１３内に併設された通気路および通液路、１
６は液体汲上管、１７は液体注出管である。

この湯沸し保温ポットは、液容器３内に収容した液体を
ヒータ４で加熱および保温し、必要に応じて押圧部材８
の押圧操作によってエアーポンプ７を駆動させ、該エア
ーポンプ７からの加圧空気を液容器３内に吹き込んで、
該加圧空気によって液容器３内の液体を液体汲上管１６
および液体注出管１７を通して外部へ導出するように作
用する。

従って、蓋体２を閉塞した時に、エアーポンプ７の吐出
口１１と中栓１３の通気路１４とを気密保持しつつ連通
せしめるために、吐出口１１にシールパツキン１８が設
けられる。

ところが、従来のシールパツキン１８は、第２図図示の
如く、中栓１３上面との当接部に複数の襞１９．１９・
・を形成した形状とされていたため、蓋体閉塞時におけ
る圧接力によって第２図点線図示の如く外方に向かって
拡がる変形が生ずる。

該変形が原因となってシール保持力が低下するという問
題が生じていた。

本考案は、上記問題点に鑑み、シールパツキンの形状を
、変形しにくく且つ仮に変形してもシール保持力が低下
しないように構成して、ポンプ装置の吐出口におけるシ
ール性の向上を計ることを目的とするものであり、かか
る目的達成のため、ポンプ装置の吐出口に設けるシール
パツキンを、通気孔を有する中心筒部と該中心筒部の中
間部位からこれを囲繞しつつスカート状に下方に延びる
胴体部との一体成形品で構成するとともに、該胴体部の
下端縁を前記中心筒部より下方位置において内方に湾曲
せしめた構成を特徴とする。

以下第３図および第４図を参照して本考案の実施例にか
かるポンプ汲上式液体保温容器におけるシールパツキン
を説明する。

本実施例におけるポンプ汲上式液体保温容器としては、
湯沸し保温ポットが採用されており、その構造は第１図
に示す通りであって、既に説明済みなので、重複を避け
て説明を省略し、シールパツキン１８の構造についての
み説明す。

このシールパツキン１８は、第３図図示のように、通気
孔２０を有する中心筒部２１と該中心筒部２１の中間部
位からこれを囲繞しつつスカート状に下方に延びる胴体
部２２とをシリコンゴム等によって一体に成形して構成
されている。

又、胴体部２２の下端縁は、前記中心筒部２１より下方
位置で内方に湾曲せしめられている。

即ち、中心筒部２１下端と胴体部２２下端との間には、
適宜の段差りが形成されている。

更に、前記中心筒部２１上端には、鍔部２３が一体に突
設されており、該鍔部２３と胴体部２２との間に形成さ
れる環状溝２４に吐出口１１ （第１図参照）の口縁を
嵌着せしめるようにされている。

従って、蓋体２を閉塞する時には、シールパツキン１８
の胴体部２２下端が中栓１３上面にまず当接されて撓む
ことにより、エアーポンプ底板１２（第１図参照）と中
栓１３との間の寸法調整が可能となる。

そして、蓋体完全閉塞時には、中心筒部２１が中栓１３
上面に当接されて気密保持を行う（第４図参照）。

この時、胴体部２２は、その先端部が内側へ滑り込みつ
つ、中栓１３上面に圧接されることとなり、この部分で
も気密保持が行われる。

なお、本考案は、上記実施例の湯沸し保温ポットの他、
魔法瓶にも適用可能なことは勿論である。

続いて本考案のポンプ汲上式液体保温容器の効果を述べ
る。

本考案によれば、蓋体２側におけるポンプ装置７の吐出
口１１と容器本体１側における中栓１３の通気路１４と
の連通部の気密保持を行うシールパツキン１８を、通気
孔２０を有する中心筒部２１と該中心筒部２１の中間部
位からこれを囲繞しつつスカート状に下方に延びる胴体
部２２との一体成形品で構成するとともに、該胴体部２
２の下端縁を前記中心筒部２１より下方位置で内方に湾
曲せしめたので、胴体部２２の撓みで寸法調整しつつ中
心筒部２１で気密保持を行い得ることとなり、シール性
が向上するという実用的効果がある。

又、胴体部２２下端縁を中心筒部２１より下方で内方に
湾曲せしめたので、胴体部２２の変形方向が内向きとな
り、若干の変形が起きてもシール性がそこなわれないと
いう利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のポンプ汲上式液体保温容器である湯沸し
保温ポットの縦断面図、第２図は従来のポンプ汲上式液
体保温容器に使用されているシールパツキンの縦断面図
、第３図は本考案の実施例にかかるポンプ汲上式液体保
温容器に使用されるシールパツキンの縦断面図、第４図
は第３図のシールパツキンのシール状態を示す縦断面図
である。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・蓋体、７・・
・・・・ポンプ装置、１１・・・・・・吐出口、１３・
・・・・・中栓、１４・・・・・・通気路、１８・・・
・・・シールパツキン、２０・・・・・・通気孔、２１
・・・・・・中心筒部、２２・・・・・・胴体部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体１に対して開閉自在とされた蓋体２内にポンプ
   装置７を配設し、該ポンプ装置７の吐出口１１にシール
   パツキン１８を設けて、該シールパツキン１８によって
   蓋体２閉塞時に前記吐出口１１と容器本体１側の中栓１
   ３の通気路１４とを気密保持しつつ連通せしめ得るよう
   にしたポンプ汲上式液体保温容器において、前記シール
   パツキン１８はこれを通気孔２０を有する中心筒部２１
   と該中心筒部２１の中間部位からこれを囲繞しつつスカ
   ート状に下方に延びる胴体部２２との一体成形品で構成
   するとともに、該胴体部２２下端縁を前記中心筒部２１
   より下方位置において内方に湾曲せしめたことを特徴と
   するポンプ汲上式液体保温容器。