JPS6071239A - 高強度を有するタイヤ補強用コ−ドの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）技術分野 本発明は、高強度を有するタイヤ補強用コードの製造方
法に関する。

（ロ）従来技術 一般に、タイヤ補強材料はスダレ織物の形態で用いられ
る。タイヤ補強材料はかかるスダレ織物の経糸を構成す
るものであって、通常複数本の糸を下馬及び上燃してな
る糸条からなる。このタイヤ補強用コードは処理コード
（以下、［ディップコード」という。）として、すなわ
ち、接着剤処理（以下、「ディップ」という。）により
ゴムとの接着性が付与された状態で用いられる。

タイヤ補強材料の中でもナイロン繊維は、優れた強力及
び耐久性、耐熱性などを有するために、負荷重量が大き
く、使用条件が苛酷な分野、即ち、トラック・バス用、
建設車輌用、航空機用などの大型タイヤに適用されてい
る。しかし、これらのタイヤは、乗用車用タイヤなどに
比較して、タイヤ１本当り、補強材料の使用量が即席に
多（多量のエネルギー、燃費を必要とする。

一方、最近の原燃料価格の高騰を反映して、省エネルギ
ー、省燃費への指向が強まっており、タイヤにおいても
補強材料の積層枚数の削減や補強材料の打込み本数の低
減によるタイヤ軽量化が強く要望されている。また、こ
のような軽量化に伴い、タイヤ走行中の発熱量低減に依
る耐疲労性の向上、タイヤ成型□工程における生産性向
上なども大いに期待されている。

そのためには、現在使用されているナイロン繊維よりも
更に強度の高いナイロン繊維が開発されなければならな
い。

一般に、高強度のナイロン繊維材料を得るには高重合度
のポリマーを紡糸し、次いで高倍率で延伸することが知
られている。しかし、この繊維をタイヤ補強材料として
使用した場合、ディソプ工程や、ゴムとの複合化を行な
う加硫工程で強力が低下する。更に、耐久性、耐衝撃性
などのタイヤ性能に影響するタフネス（荷重〜伸長曲線
の面積であるが、便宜上（破断強度）×（破断伸度）／
。

２でめられる。）が著しく小さくなる。

本発明者らは、ナイロン繊維自体の高強力化を色々と試
みた。しかしながら、たとえ高強力ナイロン繊維を用い
たタイヤ補強用ディップコードであっても、通常のディ
ップ方法によったものではタイヤの軽量化をはかれる程
強力レベルは上がらない。

そこで、更に研究を続けた結果、コードのディップにお
いて、特定の手段を採用することによりタイヤ性能を低
下させることなく、タイヤの軽量化をはかることが出来
′ることを見い出した。

まず、本発明者は、ディップコードに「しごき」などの
機械的な柔軟化に依りディップコードの破断強度が向上
する現象に着目した。従来、コードのディップは、良好
な接着性を保持することを目的として、コードを弛緩状
態若しくは極めて低い張力下で行なわれてきた。その結
果、接着剤はコード内部へ浸透し、コード外周部の繊維
単糸間に接着剤層を形成する。この接着剤層の最外層は
ゴム類との接着に有効に利用されるが、単糸間の多くの
接着剤はフィラメントの動きを強く拘束し、ディップコ
′−ドの硬さを増大する。即ち、このような方法により
得られるディップコードは、接着性のみを考慮する余り
、接着性に何ら寄与しない過剰な接着剤を含有している
と言える。これらの接着剤は、ディップコードの強力測
定時の引張に対応する繊維単糸の動きを抑止し、ディッ
プコード断面の不均一な歪みを増大し、強伸度特性を低
下させる。

（ハ）発明の目的 本発明の目的は、従来法により得られる接着レベルを保
持しつつディップコードの強伸度特性に悪影響を及ぼす
過剰な接着剤の使用を回避し、ディップコードの強度並
びにタフネスを向上せしめることのできるタイヤ補強用
コードの製造方法を提供するにある。

（ニ）発明の構成 本発明に係るタイヤ補強用コードの製造方法は、ナイロ
ン６及び／又はナイロン６６から成る繊維で構成された
タイヤ補強用コードを接着剤処理するに当り、予め、接
着剤処理するに先立って、緊張下で熱処理し次いで冷却
を施すことを特徴とする。

（ボ）実施態様 本発明方法の主眼は、コードが、ディップ時の弛緩状態
においてもつフィラメント間隙が増大し難い様にするた
め、ディップ以前に、予め、緊張下で熱処理し次いで冷
却を施し、過剰な接着剤がフィラメント間隙（コード内
部）へ浸透しにくくするものである。

本発明においては、緊張下において熱処理するとは、少
なくとも２％以上、好ましくは３％〜１０％の伸長下、
且つ１６０℃以上、好ましくは１８０℃以上の温度で、
１０秒以上、好ましくは２０秒以上熱処理することを意
味する。熱処理効果を高めるため、熱処理に先立ち、コ
ード物性に悪影響を及ぼすことのない物質、例えば、水
、スチームなどを付与しても良い。又、熱処理の手段は
、熱風。

過熱スチーム、加熱ロール、赤外線加熱、誘電加熱、な
ど通常使用されているもので良い。

冷却は、熱処理に引続いて連続的に、出来るだけ短時間
例えば１分以内、好ましくは４０秒以内に行なう必要が
ある。即ち、冷却は、熱処理に依り得られた緊密なコー
ド構造を固定し、不動のものとする上に必須欠（べから
ざる工程であり、冷却を省略した場合には、本発明の目
的とするコード物性の改善を果すことが出来ない。従っ
て、冷却は、緊張下で行なうことが肝要で、出来れば熱
処理と同じ伸長下で行なうのが好ましく、熱処理効果が
弛緩状態でも保持出来る程度の温度、例えば、５０〜６
０℃、好ましくは室温附近にすれば良い。

又、冷却の手段は、冷風、冷ロールなどの積極冷却が好
ましいが、室温での放置、暴露などの消極冷却などでも
よく、特に限定するものではない。

本発明において、熱処理及び冷却とディップは、連続し
て行なっても良いし、熱処理及び冷却した後、一旦コー
ドを巻取り、次いでディップしても良い。

本発明方法を、第１図に示すディップコード処理装置に
基いて説明する。

１は撚りを施したコードの送り出し装置、２゜３は接着
剤などの浸漬装置、４，６及び７は張力制御装置、５は
張力制御装置兼冷却装置、２′。

３′は絞液装置、８はディップコードの巻取り装置を示
す。９及び９′は第１ゾーン、１０は第２ゾーン、１１
は第３ゾーンである。第１ゾーンの張力は４又は２′と
５の間、第２ゾーンの張力は５又は３′と６の間、第３
ゾーンの張力は６と７の間で加えられる。９′及び１１
は冷却ゾーンも兼ねることが出来る。

下撚及び上撚を施して得られたコードを、第１図におい
て、４と５の間で張力を加え、９で熱処理し、次いで９
′及び／又は５で冷却する。更に３で接着剤に浸漬し、
１０で乾燥し、１１で接着剤のキユアリングを行なう。

本発明の対象となるナイロンはナイロン６及び／又はナ
イロン６６から成る。かかるナイロンとしては、例えば
、ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン６／６６共重合
体、ナイ５０ン６／ナイロン６６混合体などが挙げられ
る。また、ナイロン６および／またはナイロン６６は、
他のアミド形成可能な化合物、例えば、脂肪族ジカルボ
ン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン、芳香族ジ
アミンなどから導かれる単位を少量含むものであっても
良い。

又本発明は、高重合度ポリマーから得られる高強度糸、
例えば原糸強度１０ｇ／ｄ以上の原糸に適用すると一層
効果的である。

更に、本発明方法における被処理コードは、通常のナイ
ロンタイヤコード用原糸に含有されている添加剤、例え
ば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、
増粘剤、等を含んでも良い。

コードのディップに使用される接着剤としては、例えば
、多価フェノールとホルマリン縮合物にゴムラテックス
を添加した、いわゆるｒＲＦ／　Ｌ　Ｊがあるが、特に
これに限定されるものではなく、ディップコードの調製
に従来から常用されるものの中から適宜選定したものを
用いれば良い。

又、ＲＦ／Ｌは老化防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、増
粘剤、消泡剤、柔軟剤、平滑剤、顔料、カーボンブラッ
ク、などの添加剤を含有しても良い。

ディップ法としては、通常、浸漬法が多く用いられるが
、特にこれに限定されるものではなく、コーティング法
、スプレー法など、ディップコードの調製に従来から常
用される他の方法を用いることもできる。

又、ディップ時にコードにストレッチ例えば３％以上の
伸長を与える方法や、ディップ直前に水を付与するなど
の方法を併用した方が好ましい。

（へ）発明の効果 以上の如き本発明方法によれば、従来品と同等の接着レ
ベルを維持したまま、ナイロン６及び／又はナイロン６
６から成るディップコードの強伸度特性を著しく改善し
、タイヤの軽量化、耐久性、耐衝撃性なども向上せしめ
ることができる。

（ト）実施例 以下、本発明を実施例について具体的に説明する。実施
例中、「蟻酸相対粘度」とは、９０％蟻酸のポリマー濃
度８．４重量％溶液、「硫酸相対粘度」とは、９５．５
％硫酸のポリマー濃度１．０重量％溶液の、各２５℃に
おける溶液相対粘度である。

ｒ接着力Ｊとは、ゴムブロックからディップコードを引
抜く時に所要な力であり、ディップコードを厚さ５ｆｉ
のカーカス用ゴムシートではさみ、埋込み長さｌ　ｃｍ
の金型内にて加硫する。加硫条件は１５０℃×３０分、
ゲージ圧３５ｋｇ／ａｄである。加硫後得られたゴムブ
ロックからディップコードを引抜き、接着強力とした。

破断強力、破断伸度の測定は、全てＪＩＳ　Ｌ４０１７
に準じて行なった 実施例１゜ 蟻酸相対粘度３２．０を有するナイロン６６のチップを
２１０℃、窒素雰囲気下で重合して得た、蟻酸相対粘度
８８．０の高重合度ポリマーを、３００℃にて、０．２
５ｍｍφ×２１０個の紡口から紡出し、３５０℃の加熱
筒を通過せしめた後、冷却し紡糸油剤を付与した。引続
き、各８０℃、２１Ｏ℃、２２０℃、２４５℃の温度を
有する第１〜第４ネルソンローラーにて３段階で延伸熱
セントを行ない、１６００ｍ／分の速度で巻き取った。

延伸比は６．０５であった。得られた原糸は、１２６０
　Ｄ　／２１０ｆであり、蟻酸相対粘度８０．５、強度
１０．５　ｇ　／　Ｄ、伸度２１．５％であった。

２本の該原糸に、別々に下撚（２方向）を３９回／ｃ１
１１加え、２本を引き揃え更に上１！（Ｓ方向）を３９
回／ｃＩＩ１７ＩｉＩえ、１２６０Ｄ／２の糸条を作成
Ｌｆ。次いで、第１図のディップコード製造装置にて熱
処理、冷却及びディップした。第１ゾーンのうち９の温
度２２５℃２時間１００秒、９′は加熱せず、冷却ゾー
ンとして使用し時間５０秒、更に５でコードを室温近く
迄冷却した。９及び９′の伸長率は７．５％であった。

次いで、３にてＲＦ／Ｌに浸漬し、第２ゾーンの温度１
５０℃、伸長率１．１％１時間５０秒、第３ゾーンの温
度２１５℃、伸長率−２，０％２時間５０秒の条件で行
なった。得られたディップコードの特性を第１表に示す
。

実施例２゜ 実施例１に基づき、蟻酸相対粘度８１．７　、強度１０
．４　ｇ／Ｄ　、伸度２０．９％を有するナイロン６６
１８９０　Ｄ／３１２ｆの原糸を得た。該原糸に、下撚
、上撚各３２回／１０ｃｍの撚りを加え、１８９０　Ｄ
／２の糸条とし、次いで第１図のディップコード製造装
置にて、熱セット及び冷却後、一旦巻取り、再び前記装
置にてディップした。先ず、コードを２で水に浸漬し、
第１ゾーン９及び９′の温度１５０℃２時間１２０秒、
伸長率５．６％、第２ゾーンの温度２３０℃２時間４０
秒、伸長率１．２％、第３ゾーンは冷却ゾーンとし、時
間４０秒、伸長率１．２％で熱処理並びに冷却し、８で
一旦捲き取った。次いで、コードを再び１に固定し、２
でＲＦ／Ｌに浸漬し、第１ゾーン（９及び９′）の温度
１５０℃、伸長率１．５％２時間９０秒、第２ゾーンの
温度２２０″Ｃ１伸長率０．８％２時間３０秒、第３ゾ
ーンの温度２２０℃、伸長率−２，６％２時間３０秒の
条件でディップした。得られたディップコードの特性を
第１表に示す。

比較例１゜ 実施例２において、熱セット及び冷却を行なわず、ディ
ップのみ行なった。２でＲＦ／Ｌに浸漬し、次いで第１
ゾーン（９及び９′）の温度１５０”ｃ。

伸長率６．７％２時間１２０秒、第２ゾーンの温度２３
０℃、伸長率１．２％２時間４０秒、第３ゾーンの温度
２３０℃、伸長率−２，６％１時間４０秒でディップし
た。得られたディップコードの特性を第１表に示す。

従来法によりディップしたコードは、強度レベルが低く
、破断伸度及びタフネスが小さい。

比較例２゜ 実施例１において、９′及び５での冷却を行なわずに、
熱セント、ディップのみ行なった。得られたディップコ
ードの特性を第１表に示す。冷却を行なわない場合には
、強度及びタフネスの向上が不十分である。

実施例３゜ 硫酸相対粘度３．８を有するナイロン６の高重合度チッ
プを、２８０℃にて０．２５ｕφ×２８０の紡口から紡
出し、未延伸の状態で巻取った。次いで、延撚機にて、
延伸比５．２５、延伸プレート温度１９０℃にて延伸を
施した。得られた原糸は、１６８０　Ｄ　／２ＢＯｆで
あり、強度１０．２ｇ／Ｄ、伸度２３．６％であった。

該原糸に下撚、上撚各３４回／１０ｃｍの撚りを加え、
１６８０　Ｄ　／’２のコードとし、実施例１に準じて
、熱セット、冷却及びディップを行なった。第１ゾーン
のうち９の温度２１０℃１時間１００秒、９′は加熱せ
ず冷却ゾーンとして使用し、５０秒間冷却し、水冷にて
５でコードを室温近く迄冷却した。

９及び９′の伸長率８．３％であった。次いで、３にて
ＲＦ／Ｌに浸漬し、第２ゾーンの温度１５０℃。

伸長率２．０％１時間５０秒、第３ゾーンの温度２００
℃、伸長率−２，９％１時間５０秒の条件で行なった。

得−られたディップコードの特性を第１表に示す。

実施例４゜ 実施例１において、＠酸相対粘度８８．０のナイロン６
６の高重合度ポリマー９０重量部と、硫酸相対粘度３．
４のナイロン６のポリマー１０重量部の混合物を紡出し
、１２６０　Ｄ　／Ｊ１０ｆの原糸を得た。糸の物性は
、強度１０．２　ｇ／Ｄ　、伸度２２．１％であった。

実施例１に準じて、熱セット、冷却及びディップを行な
った。得られたディップコードの特性を第１表に示す。

比較例３゜ 実施例１において、蟻酸相対粘度６４．０の中重合度ポ
リマーにて、１２６０　Ｄ　／２１Ｏｆの原糸を得た。

強度９．４　ｇ／Ｄ　、伸度２０．７％であった。実施
例１に基づいて、熱セット、冷却及びディップ（１）；
並びに比較例１に基づいてディップ（２）を行なった。

得られたディップコードの特性を第１表に示す。

第１表に示す如く、本発明に係る方法が、高重合ポリマ
ーから成る繊維で構成されるコードにのみ有効であるこ
とは即席に驚くべきことであり、本発明によって、該コ
ードの特性が更に改善されることが明らかである。

第１表に示す如く、本発明方法によれば優れた強伸度特
性と、従来法と同等の接着力を有するディップコードが
得られ、ひいては、タイヤの軽量化とタイヤ特性維持と
いう２つの課題を併せ解決することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明方法の実施に用いられるディップコー
ド処理装置である。 図中の参照数字は次のとおり。 １；　コード送り出し装置、 ２．３；　接着剤液浸漬装置、 ２’、３’、絞液兼張力制御装置、 ４．６，７’、張力制御装置、 ５；　張力制御装置兼冷却装置、 ８；　ディップコード巻取装置、 ９；　第１ゾーン、 ９′；　第１ゾーン兼冷却ゾーン、 ｌＯ；　第２ゾーン、 １１；　第３ゾーン兼冷却ゾーン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ナイロン６及び／又はナイロン６６から成る繊維で構成
   されたタイヤ補強用コードを接着剤処理するに当り、予
   め、接着剤処理に先立って、緊張下で熱処理し次いで冷
   却を施すことを特徴とする高強度を有するタイヤ補強用
   コードの製造方法。