JPS606049Y2 - クレ−ドルのブレ−キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クレードルのボビンホルダーに支持されたボ
ビンの回転を止めるブレーキ装置に関するものである。

給糸をボビンに巻取り中糸切れした場合やボビンが満巻
きになって給糸を切断した場合、クレードルを上方に回
動させてただ単にボビンをフリクションローラーから離
反させただけではボビンが容易に回転するために糸切れ
時にボビン側の糸端を引出して給糸側の糸端と結ぶ際に
ボビン側の糸が引出され過ぎてヒリが生じることがあり
、またボビン側の糸端が垂下ってフリクションローラー
に触れることにより巻込まれることがあった。

そこで、本考案は、クレードルを上方に回動させてボビ
ンをフリクションローラーから離反させた時、ボビンの
回転を止めるようにボビンホルダーに当接するブレーキ
片を設けたものである。

以下、本考案に係るクレードルのブレーキ装置を図面に
基づいて詳細に説明する。

第１図及び第２図に示すように、クレードル１は、コ字
形のベース２とコ字形のアーム３とからなり、ベース２
が第１シヤフト４を中心として回動可能に支持され、ボ
ビン５を挾持するボビンホルダー６．６がアーム３に回
転可能に設けられてあり、ボビン５はレバー７を操作す
ることによりボビンホルダー６．６間に着脱される。

上記ベース２を挾んでリング８，９が第１シヤフト４に
嵌着され、ボビン５がフリクションローラー１０に対向
するようにリング８，９がボルト１１で固定されると共
にベース２とリング９の間にスプリング１２が装着され
てあり、クレードル１は、スプリング１２の付勢力によ
り第１シヤフト４の軸方向へのがたつきが防止されてい
る。

上記アーム３の肉厚部１３にはロッド支持孔１４がアー
ム３の中心からずらして穿設してあり、ロッド支持孔１
４に摺動可能に挿通されたロッド１５の一端にはボビン
ホルダー６の周面に当接離反するブレーキ片１６が着脱
可能に螺着されると共に、ロッド１５の他端にはＬ字形
の係合片１７が設けられてあって、係合片１７と係合す
るピン１８が第１シヤフト４に嵌着したりング２０に偏
心して植設されている。

アーム３の肉厚部１３とブレーキ片１６間にスプリング
１９が装着されることによってブレーキ片１６はボビン
ホルダー６方向に付勢されている。

上記ロッド１５の係合片１７と係合するピン１８を植設
したリング２０は、第３図に実線Ａで示すようにボビン
５がフリクションローラー１０に圧接している時ブレー
キ片１６がボビンホルダー６の周面から離反し、また第
３図に２点鎖線Ｂで示すようにクレードル１か上方に回
動してボビン５がフリクションローラー１０から離反し
ている時ブレーキ片１６がボビンホルダー６の周面に当
接するようにボルト１１で第１シヤフト４に固定されて
いる。

ただし、上記スプリング１９の付勢力は、ブレーキ片１
６がボビンホルダー６の周面に当接してもボビン側の糸
端を強く引出した時やボビンホルダー６を手で回した時
、ボビンホルダー６即ちボビン５を回転することができ
る強さに調整されている。

上記ブレーキ片１６は、ボビンホルダー６の周面に当接
するようにしたがボビン５の周面端部に当接するように
しても差支えないし、アーム３の肉厚部１３にロッド支
持孔１４を穿設する代りにロッド１５を摺動可能に支持
する支持片をアーム３に設けることができ、またＬ字形
の係合片１７を円形リングとすることもできる。

なお、上記クレードル１の接圧装置として、第１シヤフ
ト４と平行な第２シヤフト２１に固定された接圧調節板
２２の曲面２３上を滑動あるいは転動するローラー２４
がクレードル１のベース２に延設されたフレート２５の
先端に取付けられ、接圧調節板２２の先端と第１シヤフ
ト４のリング２６間にスプリング２７が装着されている
。

上記構成を有するクレードルのブレーキ装置においてボ
ビン５をフリクションローラー１０に圧接して給糸を巻
取り中、糸切れが生じた場合図示しない糸切れ感知装置
が作動し、またボビン５が満巻きになった場合図示しな
いカッターによって給糸を切断するのと相前後して、ク
レードル１即ちボビン５か第３図に実線Ａで示す位置か
ら２点鎖線Ｂで示す位置まで上方に回動する。

この時、第１シヤフト４の軸心を中心としてボビンホル
ダー６が２点鎖線Ｃで示す軌跡をえかいて２点鎖線で示
す位置へ回動すると共に、係合片１７と係合するピン１
８がリング２０即ち第１シヤフト４の軸心から偏心して
いるのでブレーキ片１６が２点鎖線りで示す軌跡をえが
いて２点鎖線で示す位置へ回動することによってブレー
キ片１６がボビンホルダー６の周面に当接し、ボビンホ
ルダー６即ちボビン５の回転を止める。

ロッド１５およびブレーキ片１６はクレードル１と共に
一体的に回動するので、糸結びやボビン５の着脱の際に
ブレーキ片１６等が操作の邪魔になることがない。

このように本考案によれば、給糸をボビンに巻取り中糸
切れした場合やボビンが満巻きになって給糸を切断した
場合、クレードルを上方に回動させてボビンをフリクシ
ョンローラーから離反させた時にブレーキ片がボビンホ
ルダーに当接してボビンが回転することを防ぐことがで
きるので、ボビン側と糸端を結ぶ際にボビンが回転する
ことにより、ボビン側の糸が引出され過ぎてヒリが生じ
ることを防止することができ、また満巻きボビンの糸端
が垂下ってフリクションローラーに触れたとしてもフリ
クションローラーに巻込まれることを防止することがで
きる。

また、本考案の装置では電気やエアー等の手段を用いず
、極めて簡単な構成であるので多数の錘を有する繊維機
械に用いて経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はクレードルのブレーキ装置の平面図、第２図は
側面図、第３図は要部の動作説明図である。 １・・・・・・クレードル、５・・・・・・ボビン、６
・・・・・・ボビンホルダー、１０・・・・・・フリク
ションローラー １５・・・・・・ロッド、１６・・・
・・・ブレーキ片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボビンを支持するボビンホルダーを回転可能にクレード
   ルに設けると共にクレードルを回動可能に支持し、かつ
   先端にブレーキ片を有するロッドをクレードルに摺動自
   在に設け、ブレーキ片をボビンホルダーに対向させると
   共にロッドの基端部をクレードルの回動中心とは異なる
   位置に位置固定し、クレードルを回動させてボビンをフ
   リクションローラーから離反させたときブレーキ片がボ
   ビンホルダーに当接するようにしたことを特徴とするク
   レードルのブレーキ装置。