JPS6058349B2 - Ｐｃ鋼材の緊張工法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ポストテンション方式によるＰＣ鋼材の緊
張工法およびこの工法に使用する緊張装置に関するもの
である。

ＰＣストランド、ＰＣ鋼線等のＰＣ鋼材の緊張方法は現
在まで数多くの方式が開発されている。

これらは例えばフレシネ方式、ＢＢＲＶ方式、ＶＳＬ方
式や油圧ジャッキ内にくさび定着機構を備えたス・’ト
ロングホールドと呼ばれる方式等であるが、この中でＰ
Ｃ鋼材をくさびで定着する方式として現在わが国で一般
に採用されているのはフレシネ方式、ＶＳＬ方式および
ストロングホールド方式である。このうち、フルシネ方
式およびＶＳＬ方式は定着方式が簡単で作業性は良いが
、アンカーヘッドのくさびを押し込むための油圧押込装
置が付いていないので、緊張後くさびの引き込まれによ
つて定着荷重が減少し、またそのコントロールに多少の
難がある。

これに対してストロングホールド方式はジャッキ機構が
複雑で、ジャッキ重量も重く、作業時に常に注意を払う
必要がある。

しかし、くさびの油圧押込装置が付いているので定着荷
重のコントロールが容易であると同時に、くさびの引込
みを考慮して無理なオーバーストレツシングを与える必
要がない。また緊張を与えるときのプリングヘツドがジ
ャッキ内に入つているので、ＰＣストランドの全長を短
かくすることができる等の利点がある。この発明はこれ
らを考えた上で、実用的に最も有効な施工方法およびそ
の装置を新たに開発すべくなされたものである。

以下この発明を図示した実施例に基づいて説明する。

まず装置について説明すると、プリングヘツド１４は油
圧ジャッキ本体Ａの後端外部に設けられており、支圧板
１と油圧ジャッキ本体Ａとの間にはジャッキ本体Ａと分
離独立したくさび圧入装置Ｂが設置されている。

ＰＣストランド３，４等のＰＣ鋼材はプリングヘツド１
４にくさび１５によつて固定され、油圧ジャッキ本体Ａ
の操作によりプリングヘツド１４が後退し、緊張力が導
入される。図中１１は緊張用油圧送り口、１２は戻し油
圧送り口を示す。くさび圧入装置Ｂには定着用くさび５
，６をアンカーヘッド７，８に圧入するための押込板１
０が内蔵され、押込板用油圧送り口１３から油圧を送る
ことによりくさび５，６を圧入して行く。

しかし、くさび押込板１０はくさび圧入装置Ｂ内に内蔵
したスプリング９に支持されているため、非圧入時には
アンカーヘッド１，８と押込板１０との間に所定の間隙
ａが保たれている。なお図面は中心線の上下で異なる実
施例を示したもので、上半分は直径１２．７Ｔｒｎ（１
）ＰＣストランドを緊張する場合の実施例、下半分は直
径１７．８ｗｎのＰＣストランドを緊張する場合の実施
例である。

緊張時のプリングヘツド１４の位置をジャッキ本体Ａの
外部に設けることによつてジャッキの構造を簡単にする
と同時に補修が容易にできるようにしたのは従来多く見
られる工法を踏襲したものである。定着のキーポイント
であるアンカーヘッド７，８と定着用くさび５，６周辺
の技術に関して、こ−の発明ではアンカーヘッド７，８
と押込板１０との間の間隔ａはスプリング９によつて緊
張中はくさび５，６が自由に解放されて、なおかつくさ
び５，６とＰＣストランド３，４がせらないようにする
ための間隔が確保されている。

そして所要緊！張荷重でＰＣストランド３，４を緊張し
た状態で、押込板１０をアンカーヘッド７，８側へ動か
し、くさび５，６をアンカーヘッド７，８に押込んでＰ
Ｃストランド３，４を定着する。ストロングホールドエ
法を除く従来の方式では壬アイカーヘツド７，８と押込
板１０との間隔ａはＰＣストランドの径にもよるが３．
５７ｍ〜７程度で、径が太くなるに従つてａの数値は大
きくなる。

特に最近、ＰＣストランドの径の大いもの、例えば直径
１７．８顛、１９．３？、２０．３？、２１．８顛等が
−４般的に使用されはじめており、くさびとＰＣストラ
ンドがせらないためには、ａの値をさらに大きくとる必
要がある。この場合、現場作業で常に問題となるのが、
くさび６の食い込み量である。

すなわちａの値が大きければ大きいほど、当然くさびの
食い込み量は大きく、従つてせつかく緊張されたＰＣス
トランドはこのくさびの食い込みと同時に戻つてしまい
、緊張力が減少してしまうことになる。そのた）め太径
のＰＣストランドの緊張の技術的管理はＰＣケーブルが
短い場合、一時的な過緊張を許してもできないのが現状
であつた。そこで、緊張中はａの値を大きくしておき、
緊張荷重をさげる直前に押込板１０を押し込む方式・が
最近できており、これがストロングホールドエ法、ＣＣ
Ｌ工法等その他の工法において使用されてきている。

しかし、いずれも油圧機構をジャッキ本体内に入れてい
るため、ジャッキ本体の構造が複雑となると同時にジャ
ッキ本体が大型化して作業性に難点があり、また故障の
場合の修理が困難てある。これに対しこの発明のように
ジャッキ本体と定着くさびの圧入機構を分離すれば、ジ
ャッキ本体は一般的に使用されている普通のセンターホ
ールジャッキを使用することができるので、セットとし
て考えた場合の経済性は非常によく、大幅なコストダウ
ンとなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示す縦断面図で上半分は直径
１２．７顛のＰＣストランドを緊張する場合の実施例、
下半分は直径１７．８７ｍ（：Ｉ）ＰＣストランドを緊
張する場合の実施例である。 Ａ・・・・・・ジャッキ本体、Ｂ・・・・・・くさび圧
入装置、１・・・・・・支圧板、２・・・・・・仮支圧
板、３，４・・・・・・ＰＣストランド、５，６・・・
・・・定着用くさび、７，８・・・・・・アンカーヘッ
ド、９・・・・・スプリング、１０・・押込板、１１・
・・・・・緊張用油圧送り口、１２・・・・・・戻し油
圧送り口、１５・・・・・・押込板用油圧送リロ、１４
・・・・・・プリングヘツド、１５・・・・・プリング
ヘツド用くさび。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 緊張中はスプリングによつて、押込ピストンを支持
   しておき、くさび押込板に荷重が作用しないようにして
   おき、アンカーヘッドと押込板に所定の間隙を与え、緊
   張終了時に押込板油圧系路よりの油圧により押込みピス
   トンが作動し、これによつて押込板がアンカーヘッド側
   へ移動しくさびを押し込みＰＣ鋼材をアンカーヘッドに
   定着するくさび圧入装置をジャッキ本体と分離した独立
   機構として緊張定着するＰＣ鋼材の緊張工法。 ２ ＰＣ鋼材を把持し緊張するためのプリングヘツドが
   油圧ジャッキ本体の後端外部に設けてあり、くさびをア
   ンカーヘッドに圧入するためのくさび押込板を内蔵し、
   前記油圧ジャッキ本体とは分離独立して構成されるくさ
   び圧入装置が前記油圧ジャッキ本体の前端に設置され、
   前記くさび押込板はくさび圧入装置内に内蔵したスプリ
   ングで支持され、非圧入時にはアンカーヘッドとくさび
   押込板間に所定の間隙を生ずるよう構成したことを特徴
   とするＰＣ鋼材の緊張装置。