JPS605778Y2 - 刈高自動昇降制御式刈取収穫機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取部の対地高さを対地押圧状態で検出する
センサーからの検出信号に基づいて刈取部を本機に対し
て自動的に昇降制御可能に構威しであるコンバインなど
の刈取収穫機に関する。

この種の刈高自動昇降制御式刈取収穫機においては、前
記センサーの接地圧を大に設定すると、湿田での刈取収
穫作業のように、刈取部を本機に対して高い位置に設定
した高刈り時において、センサーが泥中に沈降して誤検
出作動し易く、また、これとは逆にセンサーの接地圧を
小に設定すると、乾田での刈取収穫作業のように、刈取
部を本機に対して低い位置に設定した低刈り時において
、刈取部を昇降制御する必要のない局部的な凸部に対し
てもセンサーが敏感に検出作動する不都合があった。

本考案は、上述の実情に鑑み、何れの刈取り時において
も、センサーによる正確な検出結果に基づいて適正な刈
高さ制御を行なうことができるようにぜんとする点に目
的を有するものであって、官記したものにおいて、前記
刈取部が本機に対して高刈り側に設定されるほど、低刈
り側に設定される場合よりも前記センサーの接地圧を小
さくするように変更する機構を設けであることを特徴と
する。

これによって、湿田での刈取収穫作業のような高刈り時
には、センサーの接地圧を小にした状態で使用すること
により、センサーの泥中への沈降を防止した状態で地面
に適確に追従させることができ、また、乾田での刈取収
穫作業のような低刈り時においては、センサーの接地圧
を大にした状態に切換使用することにより、圃場の局部
的な凸部をセンサーにて押し潰し乍ら地面に適確に追従
させることができる。

従って、湿田、乾田といった圃場条件に対応して設定さ
れる高刈り時、低刈り時の何れのおいても、センサーに
よる正確な検出結果に基づいて適正な刈高さ制御を行な
い得るに至った。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はコンバインを示し、左右一対のクローラ式走行
装置１を有するフレーム２上に脱穀装置３を搭載してな
る本機Ａの前方に、引起し装置４、バリカン型の刈取装
置５ならびに、はぼ立姿勢で刈取られた殻稈を漸次横倒
し姿勢に姿勢変更し乍らフィードチェーン３Ａの始端部
に供給する縦搬送装置６等からなる刈取部Ｂを、前記縦
搬送装置６の搬送終端部近くの横軸芯１周りで昇降自在
に配備するとともに、この刈取部Ｂの対地高さを対地押
圧状態で検出するセンサー７からの検出信号に基づいて
刈取部Ｂを本機Ａに対して自動的に昇降制御する機構８
を設けている。

前記センサー７は次の如く構成されている。

即ち、第２図、第３図でも示すように、刈取部Ｂの分草
支持杆９に、その先端部はど広巾に構成された橋状の対
地接触部材１０を横軸芯周りで上下揺動自在に取付ける
とともに、この対地接触部材１０の支軸１０Ａに外嵌さ
れ、かつ、前記分草支持杆９側にボルト１２を介して固
定された扇状部材１３の、前記支軸１０Ａに固着された
作動片１０Ｂの両側脇には、対地接触部材１０が下方に
一定以上揺動したことを検出して、前記昇降制御機構８
に下降の制御信号を発するスイッチＳＷよと、対地接触
部材１０が上方に一定以上揺動したことを検出して、前
記昇降制御機構８に上昇制御信号を発するスイッチＳＷ
２とを設けている。

前記昇降制御機構１は、前記刈取部Ｂを前記の横軸芯１
周りで駆動昇降させるための油圧シリンダ１４を設け、
この油圧シリンダ１４への圧油供給路途中に、前記スイ
ッチＳＷ□、ＳＷ２に電気接続されたソレノイド１５Ａ
、１５Ｂを有する制御バルブ１５を介在し、以って、前
記対地接触部材１０の作動片１０Ｂが両スイッチＳＷ□
、ＳＷ２間の不惑帯に位置するまで、前記スイッチＳＷ
１又はＳＷ２の検出結果に基づいて刈取部Ｂを下降又は
上昇させることにより、刈高さを一定又はほぼ一定に保
持すべく構成している。

また、前記扇状部材１３を、前記支軸１０Ａ軸芯周りで
回動自在に構成するとともに、この扇状部材１３に、前
記支軸１０Ａ軸芯周りに適宜間隔を隔てて３つのボルト
挿通孔１６ａ、１６ｂ、１６ｃを穿設し、以って、前記
扇状部材１３の取付は位置を変更することにより、刈取
部Ｂを本機Ａに対して高い位置に設定した高刈り状態と
刈取部Ｂを本機Ａに対して低い位置に設定した低刈り状
態ならびに、刈取部Ｂをこれらの中間位置に設定′した
標準刈り状態とに切換え可能に構成している。

また、前記対地接触部材１０の支軸１０Ａと分草支持杆
９との間に、この対地接触部材１０を接地方向に移動付
勢するスプリング１１を介装し、このスプリング１１の
弾発力は、対地接触部材１０の支軸１０Ａ軸芯周りでの
回動にかかわらず、はぼ一定の支軸１０Ａ軸芯周りのモ
ーメントを生じさせるものである。

このモーメントとつり合うモーメントを生じさせる対地
接触部材１０に作用する対地接触力は、その作用位置が
支軸１０Ａ軸芯から遠ざかるほど小さくなる。

従って、前記の高刈り時には対地接触部材１０の巾広部
分１０ａを接地させ、かつ、低刈り時には対地接触部材
の巾狭部分１０ｂを接地させるべく構成しておけば、前
記刈取部Ｂが本機Ａに対して高刈り側に設定されるほど
、低刈り側に設定される場合よりも対地接触力は小さく
なり、かつ、巾広部分１０ａに作用するので、センサー
の接地圧は更に小さくすることができ、以って、前記の
刈取り形態の変更に伴なう刈取部Ｂの昇降に連動して、
前記の高刈り時にセンサー７の接地圧を小にした第１状
態と、低刈り時にセンサー７の接地圧を大にした第２状
態ならびに、標準刈り時にセンサー７の接地圧を中にし
た第３状態とに自動的に切換える機構１７を構成してい
る。

以上、上記した実施例は、主として、一定のモーメント
を生じさせる対地接触力をその作用位置を変更すること
により変更して、接地圧を変えるものである。

第４図は他の実施例を示し、前記センサー７の対地接触
部材１０の支軸１０Ａに、この支軸１０Ａ周りに設けた
一つの出力側接触端子２１と４つの入力側接触端子１８
ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄとを択一的に通電状態に切
換えることが可能な部材２２を設け、前記入力側接触端
子１８ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄと制御バルブ１５の
ソレノイド１５Ａ、１５Ｂとの間に３系統の電気回路１
９Ａ、１９Ｂ、１９Ｃを構成するとともに、これら電気
回路１９Ａ、１９Ｂ、１９Ｃ中に３つの手動スイッチ２
０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃを介装し、以って、前記スイッチ
２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃの選択操作により、第１接触端
子１８ａと第２接触端子１８ｂとを使用して、刈取部Ｂ
を本機Ａに対して低い位置に設定した低刈り状態と、第
３接触端子１８ｃと第４接触端子１８ｄとを使用して、
刈取部Ｂを本機Ａに対して高い位置に設定した高刈り状
態ならびに、第２接触端子１８ｂと第３接触端子１８ｃ
とを使用して、刈取部Ｂを前記の中間位置に設定した標
準刈り状態とに切換え可能に構成している。

また、前記センサー７の対地接触部材１０を接地方向に
移動付勢するスプリング１１の弾発力の作用位置を支軸
１０Ａ軸芯から比較的離れた箇所に置き、対地接触部材
１０の支軸１０Ａ軸芯回りの変位に対して、前記弾発力
を大きく変化させるようにしたもので、刈取部が本機に
対して高刈り側に設定されるほど、低刈り側に設定され
る場合よりも弾発力が小さくなり、従って支軸１０Ａの
軸芯回りのモーメントが小となり、このモーメントとつ
り合うモーメントを生じさせる対地接触力を小さくする
ことができて、接地圧を小にすることができる。

以って、前記の高刈り時にセンサー７の接地圧を小にし
た第１状態と、低刈り時にセンサー７の接地圧を大にし
た第２状態ならびに、標準刈り時にセンサー７の接地圧
を中にした第３状態とに切換使用可能にする機構１７を
構成している。

上記した通り、第４図に示す実施例は、主として、スプ
リング１１の弾発力を刈高さの変更と連係して変更する
ことにより、接地圧を変えるものである。

第５図は他の実施例を示し、左右の分草支持杆９．９に
、刈取部Ｂを本機Ａに対して高い位置に設定した高刈り
時に、刈取部Ｂの対地高さを対地押圧状態で検出する第
１センサー７と、刈取部Ｂを本機Ａに対して低い位置に
設定した低刈り時に、刈取部Ｂの対地高さを対地押圧状
態で検出する第２センサー７′とを設けている。

また、前記第１センサー７の対地接触部材１０を接地方
向に移動付勢するスプリング１１のばね定数を、前記第
２センサー７′の対地接触部材１０を接地方向に移動付
勢するスプリング１１のそれよりも小に構成するととも
に、前記第１センサー７の対地接触部材１０の接地面積
を第２センサー７′の対地接触部材１０のそれよりも大
に構成し、以って、前記の高刈り時に第１センサー７の
接地圧を小にした第１状態と、低刈り時に第２センサー
７′の接地圧を大にした第２状態とに切換使用可能にす
る機構１７を構成している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈高自動昇降制御式刈取収穫機の実
施例を示し、第１図はコンバイン前部の側面図、第２図
は要部の制御系統図、第３図は要部の縦断面図、第４図
、第５図は、夫々性の実施例を示す要部の制御系統図と
要部の斜視図である。 ７・・・・・・センサー １７・・・・・・機構、Ｂ
・・・・・・刈取部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取部Ｂの対地高さを対地押圧状態で検出するセンサー
   ７からの検出信号に基づいて刈取部Ｂを本機に対して自
   動的に昇降制御可能に構威しである刈取収穫機において
   、前記刈取部Ｂが本機に対して高刈り側に設定されるほ
   ど、低刈り側に設定される場合よりも前記センサー７の
   接地圧を小さくするように変更する機構１７を設けであ
   る刈取自動昇降制御式刈取収穫機。