JPS6055587B2 - バイメタル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加工性及び接合性が良好であり作動応力が大き
な高感度なバイメタルに関する。

従来、高域度はバイメタルとしては、高膨張側材料をマ
ンガン基合金（例えば銅１８％−ニッケル１０％−マン
ガン残部）で構成し、低膨張側材料をアッパー（ニッケ
ル３６％一鉄残部）で構成したものが用いられている。

この高域度なバイメタルを構成する高膨張側材料は充分
高い熱膨張係数を有するものであるが、しカルながら加
工性が充分でなく耐食性も悪いうえに防錆のためのメッ
キが難カルく、加えてバイメタルに接点及び端子等を接
合する場合にも、ロー付接合が容易でなかつた。さらに
この材料は縦弾性係数が小さいために作動応力が大きく
とれず限られた用途にしか使用できない等の難点があつ
た。本発明は加工性及び接合性が良好で、メッキが可能
であり、かつ作動応力の大きな材料にて高膨張側を構成
した高域度なバイメタルを提供することを目的とする。

すなわち本発明バイメタルは、高膨張側は重量％でマン
ガン１５〜３０％、残部が実質的に鉄でなる合金で構成
し、低膨張側は前記合金より熱膨張係数の小なる合金で
構成したことを特徴とする。

本発明バイメタルの高膨張側合金においてマンガン（Ｍ
ｎ）は熱膨張係数を大きくするために必要でその量が１
５％未満ではその効果が十分でなく３０％を越えるど熱
膨張係数が小さくなるのでこの範囲内とした。本発明バ
イメタルの低膨張側合金は、上記した高膨張側合金より
熱膨張係数の小なるもので構成すれば本発明の効果を奏
するが、特に実用的な高域度なバイメタルとするには、
ニッケル（Ｎｉ）３６％、鉄残部でなる合金にて構成す
ればよい。

二”ツケルは熱膨張係数を小さくするために必要でその
量が３６％未満ではその効果が十分でなく５０％を越え
るど熱膨張係数が大きくなるのでこの範囲内とした。な
お付随不純物として各々の合金に混入する炭素（Ｃ）、
硫黄（Ｓ）、燐（Ｐ）等の不純物および溶解時に脱酸剤
として添加されたアルミニウム（Ａ１）、けい素（Ｓｉ
）等は、１％以下であることが望ましい。

以下本発明の実施例を比較例と共に説明する。

第１表に示した組成の合金を高周波誘導溶解炉によりそ
れぞれ溶製し、試料を調製した。次いでこれらの試料に
ついて室温から２００Ｃまでの温度変化に対する熱膨張
係数を求め、その結果を第１表に組成比と共に示す。第
１表より明らかなように本発明に係る高膨張側材料であ
る試料２〜４は従来使用されている試料６と比較して熱
膨張係数が大きいことが判る。

試料７、８は低膨張側材料を示す。また第２表に示した
合金の組合せで、高膨張側合金ど低膨張側合金との板厚
比が１：１となるよ．うに熱間圧延にて接着し、後後冷
間圧延、焼鈍等の慣用手段によつて１ｗ！ｔ厚のバイメ
タルを得、それぞれ試験片を作成した。

これらの試料について加工性を比較するとともにわん曲
定数および縦弾性係数を求めた。

その結果を第２表に試料の組合せと共に示す。

第２表より明らかなように本発明に係るバイメタル（試
料１１〜１３）はわん曲定数および縦弾性係ｚ数共に比
較例である高感度バイメタル（試料１４）より大きく、
高感度で作動応力を大きくとることができる。その上加
工性に優れている。更に本発明バイメタルに防錆のため
のメッキを施こし、あるいは本発明バイメタルの高膨張
側に接点及び端子等をロー付接合を施こしたところ、比
較例のものでは困難であつたのに対し、容易に実施をす
ることができた。以上述べた如く本発明バイメタルは従
来のものに比べわん曲定数、縦弾性係数が大きく、更に
加工性および接合性も良く、例えば家電製品の温度制御
や各種工業用機器の安定装置用等に極めて効果的に使用
できる。

なお、例えば電気抵抗低減等の特性改善ために中間層あ
るいは表面層としてニッケル、銅等の合金板を合わせ板
として使用することは適宜容易になし得ることで本発明
の範囲に属する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高膨張側は重量％でマンガン１５〜３０％、残部が
   実質的に鉄でなる合金で構成し、低膨張側は、重量％で
   ニッケル３６〜５０％、残部が実質的に鉄でなる合金で
   構成したことを特徴とする高作動応力を有するバイメタ
   ル。