JPS6053674B2 - 塗布方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塗布方法、特に、塗布型磁気記録媒体における
改良された塗布方法に関するものである。

本発明で言う塗布型磁気記録媒体とは、非磁性かつ可撓
性の帯状支持体（以下、「ウェブ」と称する。

）を所定の走行路に沿つて連続的に移送させながら、該
ウェブの表面に目的に応じた塗布液を所望する厚さに塗
着、乾燥して成り、イオンブレーティング、スパッタリ
ング、真空蒸着等の方式による、所謂、非塗布型磁気記
録媒体とはその製造プロセスを著しく異にするものであ
る。−゛′ Ｌ、゛−゛１−Ｊ＄フ、、″ユー±’ れ
Ａヨｉ記録媒体の大部分は、依然として前記塗
布型のものが多く生産、販売され、それらは一般にグラ
ビヤ、リバースロール、ドクターブレード、エクストル
ージヨン、等の塗布方式によつて製造されていた。しカ
ルながら、前述した従来の各塗布方式は、増産等の要請
によりその塗布速度を大幅に上昇させることが困難であ
つた。

塗布速度の高速化を困難にしている要因は、主として、
前記支持体の厚さが極めて薄いこと）、各塗布液の内、
特に、強磁性層用の塗布液が電磁変換特性に大きな影響
を与える揺変性、所謂、チキソトロピツクな性質を有し
ていること、等が挙げられる。

ウェブバスが比較的複雑に構成されている塗布方式では
、薄手の前記ウェブを高速度で走行させると、前記ウェ
ブに異常な片寄り、折れ、シワ、切断、等のトラブルが
発生し易かつた。

又、前記強磁性層用の塗布液の流路に停滞個所・が比較
的多く構成されている塗布方式ては、前記揺変性による
異常な粘度上昇や凝集が発生し易く、その結果、前記強
磁性層の電磁変換特性、等が大きく変動することがあつ
た。

か）る難点の解消を図るため、特願昭５４−・ ９３５
４５号に改良された塗布方法が提案されている。

その塗布方法は、第１図〜第３図に示したように、一種
のエクストルージヨンとドクターブレードの組合せ方式
に属するものであり、高速で連続走行するウェブ４がバ
ッキングロール７を通過するとき磁性層塗布液３が塗布
される。

この塗布液３はエクストルーダー１の液溜め１０に供給
された後、上方のスリット２から所定の速度をもつて吐
出される。塗布された前記ウェブ４は下流側に設けられ
たドクターバッキング七−ル８を通過するときに該ロー
ル８に対向して設けられたドクターブレード９によつて
余剰の塗布液３が掻き落とされる。前記バッキングロー
ル７とドクターバッキングロール８の間には塗膜を平滑
化するためのスムーザー１１ａが設けられ、同様に前記
ドクターバッキング冶−ル８の下流側においてもスムー
ザー１１ｂが配設され、前記ドクターブレード９により
計量された塗膜が平滑化されたものである。なお、前記
エクストルーダー１の内部は、第２図及び第３図に示し
たように、前記スリット２の下方と連通しかつ該スリッ
ト２と略平行するように通常１５〜２０７０７７！の直
径Ｄを有した円筒状の液溜め１０が透設されている。

又、前記液溜め１０は、その一方端に取付けた給液ノズ
ル１２を通して、その内部に前記塗布液３を一旦充満さ
せた後、前記スリット２を通して前記塗布液３を層状に
排出するために、その他方端を閉止板１３により密閉化
し、前記給液ノズル１２よソー定流量で供給されて来る
前記塗布液３を全て前記スリット２から排出するように
構成されている。この塗布方式によつて、１２０ｒＴ１
／Ｍｌｎ以上の高速塗布が可能になつたが、しかし、前
記強磁性層用の塗布液における揺変性と前記液溜め１０
への給液流量の関係について更に検討、改良すべき余地
が残されていた。

例えば、前記ドクターブレード９による掻き落し量を減
少させて掻き落し液の回収に伴う凝集等のトラブルの発
生を抑制したり、あるいは前記ドクターブレード９を除
去して周辺装置のコンパクト化を図るため、前記液溜め
１０への給液流量を絞つて行くと、前記給液ノズル１２
寄りのスリット２から排出された前記塗布液３は前記ウ
ェブ４の幅方向に色ムラが発生する一方、前記閉止板１
３寄りのスリット２から排出された前記塗布液３は前記
ウェブ４の幅方向に分布する縦スジが発生し易くなつた
。前述した色ムラや縦スジは、何れも強磁性層の電磁変
換特性を損うものであること、特に雑音の発生要因にな
ることが確認された。

又、前記縦スジの消去を図るために、前記給液流量を増
して行くと、前記閉止板１３寄りのスリット２から押出
された前記塗布液３の縦スジは確゛かに消去されるが、
前記色ムラの発生領域が前記給液ノズル１２近傍にとＳ
゛まらず、前記閉止板１３の方向に拡張する傾向も確認
された。

本発明者等は、前記色ムラや縦スジの発生原因について
種々実験、解析を重ねた結果、前記液溜め１０内の長手
方向の流速が前記揺変性を大きく支配していること、具
体的には、比較的流速が大なる前記給液ノズル１２近傍
の塗布液３は剪断作用を受けて粘度が下り易く、色ムラ
の発生原因となり、又、流速が略零まで下る前記閉止板
１３近傍の塗布液３は凝集し易く、縦スジの発生原因と
なるものと判断された。

そこで、前述した色ムラど縦スジが発生しない塗布液の
供給方法及び手段について鋭意研究、試作をくり返し、
本発明方法を実用化するに至つた。本発明の目的は、前
述した従来方法の欠点を除去し、かつ給液、塗布、メタ
リング及びスムージング手段の複雑化を抑制することが
可能な塗布方法を提供することである。

本発明のか）る目的は、可撓性帯状支持体を連続的に移
送せしめながら、該支持体の表面に塗布液をエクストル
ーダーから排出せしめることにより前記塗布液の塗膜を
形成する塗布方法において、前記エクストルーダーの液
溜めに前記塗布液を前記支持体に塗着せしめる量よりも
多く供給するとともに、該塗布液の一部を前記液溜めの
給液位置から前記支持体の幅方向に最も離れた位置又は
その近傍より流出せしめることを特徴とする塗布方法に
より達成される。

以下、添付した図面に基づいて、本発明方法の実施態様
を説明する。

第４図及び第５図は本発明方法を実施するための装置の
要部であるエクストルダーを示すものである。

このエクストルーダー４０は、前述した従来工クストル
ーダー１と比べ、排液ノズル４１以外は同等の構成を採
るのて、両者の共通部は第１図〜第３図と同じ番号をも
つて説明する。

前記バッキングロール７により支持されて一定速度で移
送される前記支持体４の表面に対し、下方より僅少の間
隙（通常、２〜１５０瓢）をもつて前記エクストルーダ
ー４０のスリット２の先端部を垂直に対向させると）も
に、前記支持体４の表面に対する塗着量Ｑ１よりも多い
供給量Ｑ。

をもつて、前記給液ノズル１２から前記塗布液３を前記
液溜め１０内に連続して圧送すると、該塗布液３は前記
液溜め１０内全域に充満した後、その液圧分布が前記支
持体４の幅方向にほＳ゛均一化されながら、その一部は
前記給液ノズル１２から前記支持体４の幅方向に最も離
れた位置即ち前記液溜め１０の他方端に取付けた排液ノ
ズル４１から器外に流出する。その流出量Ｑ２は、前記
塗着量Ｑ１に影響を及ぼさないように前記排液ノズル４
１の開度を調節する必要がある。

前記液溜り１０内の他の塗布液３は、前記排液ノズル４
１の排液作用により前記液溜り１０内の如何なる個所に
おいても停滞することなく前記支持体４の幅方向に移動
し、しかる後、通常、０．０３〜２藺の開口幅を有する
前記スリット２を通つて前記支持体４の表面に薄膜状に
塗着する。

なお、前記縦スジが発生し易い塗布液については、前記
供給椙Ｑ。

を多くするか又は前記液溜め１０の代表径Ｄを小さくす
ることが好ましいが、前記色ムラが発生し易い塗布液に
ついては、前述したものと逆の調節を行うことが好まし
い。何れにせよ、前記排液ノズル４１における排液量Ｑ
２は、前記塗着量Ｑ１に大きな変動を与えない範囲で、
前記供給量Ｑ。と関連させて調節する必要がある。以上
、記述した方法により前記支持体４の表面に塗着した前
記塗布液の薄膜は、前記液溜り１０内において過度な移
動速度や停滞を与えられることなく前記スリット２から
排出されたものであるので、前述した如き品質上有害な
縦スジや色ムラの発生が抑制される。

又、前記排液ピ９。

を前記塗着量Ｑ１が変化するように（特に、減少するよ
うに）意図的に調節することにより、塗着以降のメタリ
ングあるいはスムージング工程を簡略化又は全廃するこ
とも可能である。第６図は他の実施態様を示したものて
ある。

第６図におけるエクストルーダー６０は、第４図及び第
５図におけるエクストルーダー４０と比べ、給液ノズル
６２の位置と液溜り６１の形状が若干異なるものである
。このエクストルーダー６０は前記給液ノズル６２がほ
Ｓ゛中央に位置した、所謂、中央供給方式型であり、前
述した片側供給方式のエクストルーダー４０よりも前記
縦スジや色ムラが発生し難いものであるが、前記塗布液
３の物性によつて、前記舟底型の液溜り６１の両端部近
傍と中央部で前述した電磁変換特性のバラツキをもたら
す縦スジや色ムラの発生が認められる。

そこで、前記液溜り６１の両端部に夫々排液ノズル６３
，６４を取付け、前述した如く塗布液３の一部を流出せ
しめることにより、幅方向に均一な品質の塗膜を得るこ
とができる。

なお、前記排液ノズル４１，６３，６４は前記液溜り１
０，６１の端部に限らず、その近傍のエクストルーダー
プロツクに流路を透設し、前記端部は前記閉止板１３に
より密閉しても良い。

又、必要に応じ前記エクストルーダー４０，６０を垂直
下向きに前記支持体４に対向せしめることも可能である
。更に、前記エクストルーダー４０，６０はそのスリッ
ト２の先端部を前記バッキングローラー７から離れた位
置にある前記支持体４の表面に直接・接触するように対
設し、塗着した前記塗布液３の液圧により前記支持体４
を前記スリット２の先端部から若干離脱せしめるような
塗布も可能である。

又、本発明方法は前記磁性塗布液に限らず、前・記支持
体の幅方向により均一な品質を有することが望まれる塗
布液に対し充分適用し得ることは明らかであろう。

次に、実施例及び比較例により本発明方法の新規な効果
を一層明確にする。

ノ〔比較例〕 第１表に示す組成の各成分をボールミルに入れて十分に
混合分散させたのち、エポキシ樹脂（エポキシ当量５０
０）を３唾量部を加えて均一に混合分散させて磁性塗布
液とした。

こうして得られた磁性塗布液の平衡粘度を島津製作所製
の島津レオメータＲＭ−１により測定したところ剪断速
度が１（ト）Ｅｃ−１においては８ｐ０ｉｓｅ、又５０
（ト）Ｅｃ−１においては１ｐ０ｉｓｅを示した。

上記磁性塗布液を第１図〜第３図に示される塗布装置を
用いて第２表に示す条件でポリエチレンテレフタレート
フィルム支持体に塗布した。その結果は第３表の通りで
あつた。〔実施例〕 比較例と同じ液組成を第４図〜第６図に示されている塗
布装置を用い、第２表の条件に従つて塗７布した。

その結果は、第３表の通りであつた。以上、記述した結
果から前記液溜りより前記塗布液を流出せしめることを
特徴とする本発明塗布方法は磁気記録媒体の面質を幅方
向にわたりより向上かつ均一化させ、再生出力を安定化
することに格段の効果を奏することが明確になつた。な
お、試料ＮＯ．、実施例−４はエクストルーダーによる
塗布以降のドクタリングを省略したものであるが、その
場合も極めて良好な結果が得られていることは、塗布工
程の簡略化が可能てあることを示している。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図は夫々従来装置の要部を示す
略図、第４図、第５図、第６図は夫々本発明方法を実施
するための装置の要部を示す略図である。 １，４０及び６０はエクストルーダー、２はスリフト、
１０及び６１は液溜り、１２及び６２は供給ノズル、４
１，６３及び６４は排液ノズルでる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続的に移動している可撓性帯状支持体の表面に対
   向せしめたスリット先端部から塗布液を連続的に排出す
   ることにより前記支持体の表面に前記塗布液の薄膜を層
   設する塗布方法において、前記スリットに連通するエク
   ストルーダーの液溜りに前記塗布液を前記支持体上の塗
   着量よりも多く供給するとゝもに、前記液溜り内の塗布
   液の一部を前記液溜りの給液位置から前記支持体の幅方
   向に最も離れた位置又はその近傍より前記スリットを介
   さずに流出せしめることを特徴とする塗布方法。