JPS605148Y2 - ミツシヨンの潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はギヤ式変速装置を内蔵するミッションケース内
の潤滑を有効にする為の考案である。

ギヤ式変速装置においては多数のギヤ連を設け、そのギ
ヤ連の選択により適当な回転及び変速速度を得るのであ
るが、このようなギヤ式変速装置の場合に特に焼きつき
等の故障の原因となるのが潤滑油の不足である。

特に耕うん機等の小形農業機械のミッションケースは構
造上の制限から細長いものが多く、細長いミッションを
立てて用いるので潤滑油は下半分に滞留しがちとなり、
上部の軸まで潤滑油がまわってニないという不具合が生
じるのである。

この結果軸や、それを受ける軸受が焼きついたり、ギヤ
同志のかみ合いが歯車の削り合いとなる事故につながっ
ていたのである。

これを防ぐ為には潤滑油を多く入れることであるが、多
すぎるとギヤの回転及びミッション内の温度の上昇によ
りブリーザ−装置から潤滑油が吹き出すことになり、ど
うしてもミッションケースに約半分かそれ以下までしか
入れられないのである。

ミッションケースを立てずに横にすればそれぞれのギヤ
への潤滑はうまくゆくが、耕うん機の場合その構造上か
らミッションケースを横にすることもできないのである
。

従来からこのようなミッションケース上部のギヤ上部の
ギヤに対する予備潤滑の方法として油樋や潤滑油掻き上
げ装置が設けられていたが、本件考案はこの油樋の特殊
な構造、用途、効果のものを提供するものである。

本件考案の目的は以上の通りであり、添付の実施例を示
す図面に基づいて本件考案の構成を説明すると。

第１図は本件考案の耕うん機の全体側面図。

第２図はミッションケース部のみを示した拡大図である
。

耕うん機はミッションケース２１を中心に構成されてお
り、ミッションケース前部下方より前フレーム２３を突
出し、該前フレーム２３にエンジン２４を載置する。

該エンジン２４からミッションケース上部の入力軸３ヘ
ベルトを架設し、該ベルトにベルトカバー２５を被覆し
ている。

ミッションケース２１の上部後方からハンドル２６を突
設し、ミッションケース２１の下方後方から耕うん装置
２７を設置する。

ミッションケース内の軸は８−１０本程度あり、第２図
に示す実施例においては上部に入力軸３を設け、この入
力軸にエンジンからの回転を入力し、二方向に動力伝達
方向を分けている。

一方は耕うん変速用であり、耕うん変速軸４、耕うん軸
５に至り、ここからミッション外へ突出し、耕うんケー
ス２８を経て耕うん装置２７に至る。

他方は走行変速用であり、主変速軸６、副変速軸７、ブ
レーキ軸８、操向クラッチ軸９を経て車軸１０に至る。

このようなミッション装置において第２図に示す如く潤
滑油は下から操向クラッチ軸のあたりまでしか入れられ
ておらず、それより上位の軸及びギヤには下方のギヤの
回転によるしぶきによって潤滑油を得るが、ギヤ連の回
転を伝わって上へ上ってくる潤滑油を得るかの２通りの
方法しかないのである。

第２図に示したような実施例の場合、上部に三本配置さ
れたギヤのうち特に左側の奥の入力軸３は下方に副変速
軸７、主変速軸６が位置するので飛沫による潤滑油の供
給が期待できないのである。

それに対して耕うん変速軸４、耕うん軸５は下方がやや
開放されているので飛沫が飛んできやすいのである。

本考案は特にこの入力軸３にギヤ連を伝ってくる潤滑油
及び僅かに飛んでくる飛沫の潤滑油を有効に伝える為の
考案である。

第３図はミッションケース２１の上部の断面図である。

１９はブリーザ−装置、１７は耕うん変速レバーである
。

耕うん変速レバー１７の回動により変速テコ２０が回動
し、シフター１１を移動させて、耕うん変速軸４上のギ
ヤを摺動させる。

１８はロータリーストップレバーであり、ロータリース
トップシフターを介して耕うん軸上のドッグクラッチを
切断し、は場端回行時ロータリー耕うん装置２７を持ち
上げると、ロータリーストップレバーを切っである場合
に耕うん爪の回転が止まるのである。

１５は主変速テコであり、主変速レバー２９の動きに従
かう。

該主変速テコ１５の動きにより主変速シフター１３を左
右動させ、主変速を行なう。

主変速テコ１５の上下動により副変速テコ１６が回動す
る。

この副変速テコ１６の回動が副変速シフター１４の左右
動となり、副変速軸７上の摺動ギヤを移動させ副変速を
行なう。

本考案の潤滑油だまり板１は前記の入力軸３、主変速軸
６、副変速軸７の三本の軸にわたってギヤに接近する状
態に固設されている。

入力軸３の回転はエンジン２４の回転によって決められ
逆回転することはないが、主変速軸６、副変速軸７は変
速次第で逆転することもありうる。

主変速軸６では後進、前進低、前進高の三段階の主変速
が行われるので３枚のギヤが嵌装されており、副変速軸
７上でも低・中・高の三段階の副変速が行われるので３
枚以上のギヤが嵌装されている。

入力軸３も主変速軸６上の３枚のギヤと噛合するギヤが
必要となるので３枚以上のギヤが嵌装されている。

そして、それぞれの水平軸である入力軸３、主変速軸６
、副変速軸７上のそれぞれの３枚以上のギヤに潤滑油が
十分に回る必要があり、本件考案の潤滑油だまり板１は
、各軸３゜６．７の各複数のギヤの全てに近接する長さ
と幅に構成している。

又、３本の軸の各ギヤの回転外周の一部に近接して沿う
べく円弧とし、それが３本の軸上のギヤにわたって近接
するので結果的に側面視で波をうった波形となっている
。

また、各軸上の変速ギヤの径はそれぞれ異っているので
あり、それぞれに近接する必要がある。

しかし、各ギヤは変速を容易にする為に順に小径から大
径に変化しているので、このギヤの外径の並びに沿うよ
うに平面視で順次傾斜させている。

即ち、幅広に構成しているだけではなく手前から向う側
へかけて傾斜しており、ギヤの並びに合致させているの
である。

又、少し後退した位置にある主変速軸にも潤滑油が至る
ように、潤滑油だまり板１は中央部が突出している。

潤滑油だまり板１はその取付片２が立設されており、こ
の取付片２にボルト２２を挿通してミッションケース２
１の内壁に固設している。

第４図は潤滑油だまり板の後面図、 第５図は潤滑油だまり板の側面図である。

潤滑油だまり板１の右端部１ａから左端部１ｂに至るに
つれて徐々に傾斜している。

潤滑油は下方の車軸１０、操向クラッチ軸９、ブレーキ
軸８上のギヤの回転によって副変速軸７のギヤにも送ら
れ、副変速軸７上のギヤの外周について回っている潤滑
油が潤滑油だまり板に掻きとられて付着する。

この潤滑油が潤滑油だまり板１上を上へ押しやられて入
力軸３上のギヤの外周に付着されることになるのである
。

また下方のギヤで飛ばされた飛沫もミッションケース壁
でなく、それぞれのギヤの外周先端にある潤滑油だまり
板で受は止められ止められ付着するので有効に利用でき
るのである。

以上のように本件考案は、潤滑油面より上方の上下位置
に、水平方向の軸を２本以上配置し、該水平方向の軸に
２枚以上のギヤを嵌装したミッションケースにおいて、
該複数本の軸上の複数枚のギヤの全てに近接する長さと
幅を持つ潤滑油だまり板をミッションケース壁から突設
し、該潤滑油だまり板を平面視にて、軸上のギヤの外径
の並びに合致させるべく傾斜させ、側面視で各軸上のギ
ヤの回転外周の一部に沿うべく波形としたので、潤滑油
面より上方に露出した各水平軸と、軸上の複数のギヤ連
は、下からの潤滑油飛まつに頼らざるを得ないのが普通
であるが、本件考案の如く構成することにより潤滑油だ
まり板に飛まつを付着させ油滴化してこれをギヤの回転
により持ち上るので、各軸上の各歯車にも確実に潤滑油
を至らしめることができ、変速の為に３枚、４枚と一本
の軸上に嵌装されている場合にも潤滑油だまり板の幅を
広くし、それを各変速歯車の外径に沿って合致させるこ
とにより、複数の軸上の各複数のギヤの各ギヤ毎にそれ
ぞれ油滴を至らしめることができ、焼きつきの少ないミ
ッション装置とすることができたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は耕うん機全体の側面図。 第２図はミッションケースのみの拡大図。 第３図はミッションケースの上部の断面図。 第４図は潤滑油だまり板の後面図。 第５図は同じく側面図である。１・・・・・・潤滑油だ
まり板、２・・・・・・取付片、３・・・・・・入力軸
、４・・・・・・耕うん変速軸、５・・・・・・耕うん
軸、６・・・・・・主変速軸、７・・・・・・副変速軸
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 潤滑油面より上方の上下位置に、水平方向の軸を２本以
   上配置し、該水平方向の軸に２枚以上のギヤを嵌装した
   ミッションケースにおいて、該複数本の軸上の複数枚の
   ギヤの全てに近接する長さと幅をもつ潤滑油だまり板を
   ミッションケース壁から突設腰該潤滑油だまり板を平面
   視にて、軸上のギヤの外径の並びに合致させるべく傾斜
   させ、側面視で各軸上のギヤの回転外周の一部に沿うべ
   く波形としたことを特徴とするミッションの潤滑装置。