JPS6050931B2 - 捨石均し船 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水中に据付けるケーソンなどの下部の基礎と
なる水中における捨石マウントの捨石及び捨石の均しを
機械的に迅速且つ精度良く施工することができる捨石均
し船に関するものである。

従来、水中に据付けるケーソンなどの下部の基礎とな
る水中における捨石マウントの捨石の均し作業は水中で
潜水夫が行なう作業に頼つて来たが、港湾工事が大型化
し、工事を急速に施工する必要があり、施工する場所も
水深の深い場所で行なう工事が増加して来たため、潜水
夫だけで均し作業を行なうことが困難となつて来たばか
りでなく、潜水夫の確保が困難となつて来ているため機
械的施工による捨石マウントの均しが必要となり、種々
の捨石均し船あるいは捨石均し装置が提”案あるいは製
作されているが、これらのものはいずれも次の如き欠点
を有していた。 従来、提案あるいは製作されている捨
石均し船あるいは捨石均し装置としては、通常の作業船
タイプの船に捨石均し装置が取り付けられたもの・と、
水底に着置される自動昇降台車に捨石均し装置が取り付
けられるか、あるいは捨石均し装置が半没水方式に取り
付けられ水底に着置されるものとがあるが、前者は水上
に浮いた状態で捨石の均し作業を施工するため、波浪、
潮流の影響により船体が動揺し、要求される均し精度の
厳しい条件下においては要求される均し精度が満足され
ない場合が多々生ずる欠点があつた。

また後者は均し機本体あるいはスパツトが水底に着置さ
れているため、波浪、潮流の影響を受けないが、装置が
大型化しまたこの装置を着置するのに使用する船体が大
型になり、経済性に問題があるなどの欠点があつた。本
発明はかかる欠点を解決したものであり、従来使用され
ている作業船方式の小型で経済性のある船体を使用し、
捨石均し装置がシュートから分離されて水底の捨石マウ
ント上に着置されるため、船体の動揺が捨石均し装置に
影響を及ぼさない構造となつていて、捨石の均しを機械
的に迅速且つ精度良く施工することができる捨石均し船
を提供するものである。

更に詳しくは、本発明は捨石を水底に投下するシュート
が装着されている船体と、該シュートから投下された捨
石を均すと共に捨石マウントを築造して所定の形状の捨
石マウントを形成せしめるパイプロハンマーが装着され
ていてシュートの下方にシュートから完全に分離されて
捨石マウントの上に着置される捨石均し装置とより成り
、該捨石均し装置と該船体とが船体の前部に設置された
ラダーガントリーの先端部を経て船体の前部に一端を連
結され船体上のウインチの作動で牽引材により船体との
連結部を中心にして上下するラダーの先端部に設けられ
た滑車を介して捨石均し装置．に取り付けられた牽引材
によつて連結されていることを特徴とする捨石均し船に
関するものである。

以下、図面により本発明に係る捨石均し船の実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図は本発明に係る捨石均し船の１実施例を示す側面
図、第２図は同平面図である。

図面中、１は箱型船の船体、２は船体１の後部に装着さ
れ水底に捨石を投下するために水中に垂直状に垂下して
いる伸縮自在の矩形のシュート、く３は船体１の後部に
１基あるいは複数基設置され船体１上のウインチの作動
によりワイヤーローブ、チェーンなどの牽引材４を介し
て吊り下げられたシュート２を上下せしめて所定の水深
の位置にシュート２の下端を設置するためのガントリー
、５はシュート２の下方にシュート２と分離されて捨石
マウント６の上に着置されている捨石均し装置である。

７は捨石均し装置５に１台あるいは複数台装着されシュ
ート２に供給されて落下する捨石の水底への投入及び均
しを円滑にすると共にケーソン据付時においてケーソン
の不等沈下が起こらないように捨石マウント６を充分に
転圧するためのパイプロハンマーであり、８は捨石均し
ノ装置５の前部に取り付けられた油圧あるいは空気圧駆
動により捨石均し装置５に設けられたゲート９を自在に
開閉せしめて捨石投入量を調整して捨石マウント６を所
定の基準均し面の高さに形成させるためのゲート駆動装
置である。１０は船体１・の前部に１基あるいは複数基
設置されたラダーガントリー、１１は一端を船体１の前
部に１基あるいは複数基連結され船体１との連結部を中
心にして上下するラダー、１２は一方の端部が船体１上
のウインチに連結されラダーガントリー１０の先・端部
を経て他方の端部がラダー１１に取り付けられてラダー
１１を吊り下げているワイヤーローブ、チェーンなどよ
り成る牽引材であり、船体１上のウインチの作動によつ
て牽引材１２を介してラダー１１が船体１との連結部を
中心にして上下するようになつている。

１３は一方の端部が船体１上のウインチに連結されたラ
ダーガントリー１０の先端部を経て他方の端部がラダー
１１の先端部に設けられている滑車を介して捨石マウン
ト６上の捨石均し装置５に取り付けられ船体１と捨石均
し装置５とを連結しているワイヤーローブ、チェーンな
どより成る牽引材であり、捨石均し装置５と船体１に設
置されたウインチとがラダーガントリー１０とラダー１
１とを介して牽引材１３により連結されているので、ラ
ダー１１を上下せしめて牽引材１３を牽引することによ
り牽引材１３の牽引角度及び高さを自由に調整すること
ができ、ラダー１１が２基以上設けられている場合には
それぞれ単独に上下自在に牽引材１２を巻上げあるいは
巻戻すことができるので、捨石均し装置５の位置を迅速
且つ円滑に所定のレベルに調整することができる。

１４は船体１の前部及び後部に設置されワイヤローブ１
５を介して船体１を前方向あるいは後方向に移動せしめ
る操船ウインチ、１６は操縦室及び作業員の居住室であ
り、１７は係船時あるいは回航時に船体１の上に捨石均
し装置５を仮に置くための捨石均し装置仮置場である。

本発明に係る捨石均し船は上記の如く、カット船から水
底に捨石を投下するシュート２が装着されている船体と
、シュート２から投下された捨石を均すと共に捨石マウ
ント６を築造して所定の形状の捨石マウント６を形成せ
しめるパイプロハンマー７が装着されてシュート２の下
方にシュート２から完全に分離されて捨石マウント６の
上に着置される捨石均し装置５とより成り、捨石均し装
置５は船体１の前部に設置されたラダーガントリー１０
の先端部を経て他方の端部が船体１の前部に一端を連結
されているラダー１１の先端部に設けられている滑車を
介して取り付けられている牽引材１３によつて船体１上
のウインチに連結され、ラダー１１は船体１の前部に設
置されたラダーガントリー１０の先端部を経て牽引材１
２により船体１上のウインチに連結されているので、ラ
ダー１１をウインチの駆動によつて上下させることによ
つて牽引材１３による牽引高さ及び角度を自由に調整で
きるため、捨石均し装置５の牽引を円滑にでき、しかも
捨石均し装置５がシュート２から完全に分離されている
ので、波浪による船体１の動揺が捨石均し装置５に影響
を全く与えない構造となつている。かかる構造より成る
本発明に係る捨石均し船で投下した捨石を捨石マウント
６に形成せしめるには、船体１上のウインチを操作して
牽引材４を介してシュート２を上下せしめてシュート２
の下端の所定の水深の位置になる如くして、基準均し面
の高さに築造した捨石マウント６の上に捨石均し装置５
を着置させてから、捨石均し装置５のゲート９をゲート
駆動装置８を駆動させて開放してバイブローハンマー７
を作動させると共に、船体１上のウインチを操作して牽
引材１３て捨石均し装置５を牽引しながらカット船から
捨石をホッパーに投下してシュート２を経て水底に投下
させるのであり、捨石均し装置５は下端が牽引材４によ
つて所定の水深に位置しているシュート２の下方に着置
してあるので、落下して来た捨石を均すと共に捨石マウ
ント６を密に築造してケーソン据付時においてケーソン
の不等沈下が起こらないように捨石マウント６を充分に
転圧する。

その間においてゲート駆動装置８を駆動させてゲート９
の開度を調整して捨石投入量を調整して所定の基準均し
面の高さに捨石マウント６を形成させるのである。この
場合、捨石マウント６の基準均し面のレベルを高くする
ような場合には、捨石均し装置５のゲート９の開度を小
さくして船体１の前部に一端を連結されているラダー１
１を牽引材１２を介して船体１上のウインチで巻き上げ
て船体１との連結部を中心にして上昇せしめて捨石均し
装置５を牽引材１３で上の方向に牽引する状態にして捨
石均し装置５を牽引するのである。

また基準均し面のレベルを低くするような場合には、捨
石均し装置５のゲート９の開度を大きくして牽引材１２
を巻戻してラダー１１を下降させ捨石均し装置５を下の
方向に牽引する状態にして捨石均し装置５を牽引するの
である。また捨石マウント６の左右の高低を修正する場
合には、捨石均し装置５のゲート９の左右の開度を調整
したり、複数基のラダー１１が設けられているときは左
右のラダー１１の上げ高さ及び角度を変化させることに
よつて基準均し面の修正を行なうことができる。このよ
うに本発明に係る捨石均し船はカット船より捨石がシュ
ート２内に投入されている船体１を操船ウインチ１４に
よつて前方向に移動させながら捨石の均しを行なうこと
により、捨石マウント６を迅速且つ正確に形成させるこ
とができ、捨石マウント６を形成させる捨石均し装置５
はシュート２と完全に分離され牽引材１３で船体１と連
ノ結された構造となつているので、船体１の動揺が捨石
均し装置５に影響を与えるようなことはない。

以上詳述した如く、本発明に係る捨石均し船は捨石を投
下するシュート２と投下した捨石を均し７て捨石マウン
ト６を形成させる捨石均し装置５とが完全に分離され、
捨石均し装置５は船体１の前部に設置されたライダ−ガ
ントリー１０を介して牽引材１３で船体１上のウインチ
に連結され、ウインチの操作でラダー１１を介して牽引
材１３で捨石均し装置５の牽引方向を上下・左右に調整
てきるので、捨石の均しを均一に行なつてケーソンの不
等沈下が起こらない所定の均し面高さを有する捨石マウ
ント６を迅速且つ精度良く機械的に築造することができ
る優れた利点を有しており、また捨石均し装置５が船体
１に装着されたシュート２と完全に分離されているので
、波浪、潮流の影響で船体１が動揺しても船体１の動揺
が捨石均し装置５に影響されることなく捨石の均し及び
捨石マウント６の築造を円滑に行なうことができ、しか
も船体１には従来使用されている作業船方式の小型で経
済性のある船体１を使用することが可能であり、またシ
ュート２が伸縮自在で捨石均し装置５と分離されている
ので水深に応じて迅速にその位置を調整できるなどの種
々の優れた利点を有しており、その工業的価値は大きな
ものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る捨石均し船の１実施例を示す側面
図、第２図は同平面図である。 １・・・・・・船体、２・・・・・・シュート、３・・
・・・・ガントリー、４・・・・・・牽引材、５・・・
・・・捨石均し装置、６・・・捨石マウント、７・・・
・・・バィプロハンマー、８・・・ゲート駆動装置、９
・・・・・・ゲート、１０・・・・ラダーガントリー、
１１・・・・・ラダー、１２，１３・・・・・・牽引材
、１４・・・・・・操船ウインチ、１５・・・・ワイヤ
ーローブ、１６・・・・・・操縦室及び居住室、１７・
・・・・・捨石均し装置仮置場。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 捨石を水底に投下するシュート２が装着されている
   船体１と、該シュート２から投下された捨石を均すと共
   に捨石マウンド６を築造して所定の形状の捨石マウンド
   ６を形成せしめるバイブロハンマー７が装着されていて
   シュート２の下方にシュート２から完全に分離されて捨
   石マウンド６の上に着置される捨石均し装置５とより成
   り、該捨石均し装置５と該船体１とが船体１の前部に設
   置されたラダーガントリー１０の先端部を経て船体１の
   前部に一端を連結され船体１上のウインチを作動で牽引
   材１３により船体１との連結部を中心にして上下するラ
   ダー１１の先端部に設けられた滑車を介して捨石均し装
   置５に取り付けられた牽引材１３によつて連結されてい
   ることを特徴とする捨石均し船。 ２ シュート２が船体１の後部に伸縮自在で且つ船体１
   の後部に設置されたウインチの作動で牽引材４を介して
   上下する如く装着されている特許請求の範囲第１項記載
   の捨石均し船。 ３ 捨石均し装置５にバイブロハンマー７が１台装着さ
   れている特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の捨石
   均し船。 ４ 捨石均し装置５にバイブロハンマー７が複数台装着
   されている特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の捨
   石均し船。 ５ 捨石均し装置５に捨石の投下量を調整するゲート９
   及びゲート９を開閉させるゲート駆動装置８が取り付け
   られている特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項に記載の捨石均し船。