JPS6050408B2 - 背負い式刈払機の原動機固定、解除装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、背負い式刈払機において背負い枠に回転自
在に搭載される原動機の固定、解除装置に関するもので
ある。

かかる背負い式刈払機では、原動機が背負い枠により
作業者の背中に背負われる関係で、原動機は背負い枠に
対して回転自在に搭載され、伝動系に屈曲自在なフレキ
シブル杆部が用いられている。

そのため、作業時の準備段階で原動機を搭載す る背
負い枠を地上に置いてその原動機をます始動し、次いで
背負い枠により原動機を背負うことになるが、この場合
に原動機が回転自在の状態のままであると、始動時スタ
ータノブを引くとき原動機を動かないように押えながら
作業しなければならず、作業性が悪く、且つ原動機と共
に刈入も一諸に振り廻わされることがあつて危い。

始動後原動機を背負う場合に原動機が作業時には種々の
方向に姿勢を変えて取扱われるのに伴い、原動機が回転
して背負い難く、更にこのとき原動機の荷重がその回転
支持部に傾いて作用し、このとき回転させたのではガタ
が生じたり、または破損する等の問題を生じる。 そこ
で、原動機始動時及び背負う際には原動機を固定保持す
る必要があり、且つ背負つた後は原動機が作業者の背に
位置して、取扱うことが困難になるので、簡単な操作で
その固定を解除することが望ましい。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも・ので
、原動機からクラッチハウジングが背負い枠側方に突出
していて、このクラッチハウジングが原動機回転により
背負い枠に当るようになる点に着目し、クラッチハウジ
ングと背負い枠との係合で原動機を固定し、背負つた後
は作業者の側部に・近接して位置するフレキシブル杆部
をつかんでクラッチハウジングを回転範囲最終端側に若
干引き戻すだけの盲作業により原動機の固定を容易に解
除するようにした背負い式刈払機の原動機固定、解除装
置を提供するものである。

以下、図面を参照し本発明の実施例について具体的に説
明する。

まず、第１図ないし第３図において本発明による背負い
式刈払機の全体の概略を説明すると、符号１は背負い枠
であり、側面視略Ｌ字形を成すフレーム２の起立部２ａ
に背当て３とバンド４が取付けられて背負うようになつ
ている。水平部２ｂ上には原動機５が搭載されて、この
原動機５から遠心クラッチを内装するクラッチハウジン
グ６が背負い枠１の一側に突出し、その他側に原動機５
のスタータノブ５ａが始動時ハウジング６を背負い枠１
の起立部２ａの一側から遠ざける方向に引くような関係
で取付けられる。符号７は長尺の操作杆であり、金属製
の剛体杆部７ａにホルダ８によりフレキシブル杆部７ｂ
が連結されて成り、フレキシブル杆部７ｂの基端側がク
ラッチハウジング６に結合される。剛体杆部７ａの先端
にはギヤケース９と共に刈刃１０が、又、所定個所には
ハンドル１１とグリップ１「とが、そのグリップ１「の
直前にはスロットルレバー１２がそれぞれ取付けられ、
刈刃１０はギヤケース９、操作杆７内の伝動系、クラッ
チハウジング６内の遠心クラッチを介して原動機５に連
結構成され、スロットルレバー１２もワイヤ等により原
動機５にその回転数を変化するように接続してある。第
４図と第５図において、背負い枠１の原動機５搭載部に
ついて詳記すると、背負い枠フレーム２の水平部２ｂが
平面視略Ｕ字形を成し、この水平部２ｂの、起立部２ａ
と反対側端部の３ケ所に．おいて支持板１３が内側に水
平に突設され、この支持板１３上に防振用のゴムクッシ
ョン１４を介して三角形の取付け台１５がボルト、ナッ
トの締結具１６により固着される。

取付け台１５の略中心にはボス部１５ａが上方に突出し
て形成され、Ｊこのボス部１５ａ内に軸受１８が収容さ
れており、原動機５を載置する三角形の固形板１７の略
中心に垂設した回転軸１７ａが上記軸受１８に回転自在
に組付けられ、これにより原動機５は自由に水平回転し
、この原動機５からの背負い枠１を４介して作業者に伝
達する振動がゴムクッション１４等により軽減される。
また、取付け台ボス部１５ａの周囲にはトルクスプリン
グ１９が装着され、その一端は取付け台１５側に係止さ
れるのに対し、他端は自由にされてこの自由端１９ａに
係合可能に固定板１７に切起し２０が突設される。そし
て、背負い枠１の側方に突出する原動機５のクラッチハ
ウジング６を起立部２ａの一側に近づけた場合の所定の
範囲で、トルクスプリング１９の自由端１９ａと切起し
２０が係合して固定板１７にスプリングカを付与するよ
うになつている。次いで第６図ないし第８図において、
クラッチハウジング６とフレキシブル杆部７ｂとの連結
部川こついて詳記すると、クラッチハウジング６内には
遠心クラッチが収容され、この遠心クラッチのドラム２
１のボス部２１ａが軸受２２で支持されている。またハ
ウジング６には操作杆７のフレキシブル杆部７ｂにおけ
る筒状アウタ２３の一端に・被着される保護筒２４が回
転自在に嵌込まれ、且つその保護筒２４はロックピン２
５により回転を妨げないように抜止めされ、筒状アウタ
２３内に移動可能に挿入されている屈曲可能な伝動手段
のインナ２６の端部の連接杆２７がドラム２１のボ・ス
部２１ａに回転方向に一体で軸方向に移動可能に差込ま
れている。そして、原動機回転数の上昇により遠心クラ
ッチが入ると、ドラム２１、そのボス部２１ａ１連接杆
２７、インナ２６が回転して動力を刈刃側に伝達し、こ
のときフレキシブル杆部７ｂの屈曲に応じてインナ２６
及び連接杆２７が適宜軸方向に移動するのである。また
このようなりラッチハウジング６のドラム２１近傍には
ドラムロック装置２８が設けられており、この装置２８
はドラム２１側に切起し２９が突設され、切起し２９の
回転軌跡と一致する位置のハウジング６側頂部に筒体３
０が一体的に形成されて、この筒体３０内にロックスラ
イダ３１が切起し２９に向つて移動及び回動すべく挿入
される。

ロックスライダ３１の先端部３１ａは切起し２９内側に
入り込み得る厚さと、その切起し２９に確実に係合する
長さを有するように切欠かれ、ロックスライダ３１の途
中に係合ピン３２が垂直に取付けられ、これに対して筒
体３０側上部にその係合ピン３２と係合しながら案内す
る案内溝３３が筒体３０の一側に切り込んで鉤形に形成
される。ロックスライダ３１にはそれを操作する把手３
４が取付けられ、更に軸方向と回転方向の戻し用のスプ
リング３５，３６が付勢されている。また、把手３４に
はフック３７が突設され、これに対して背負い枠側の起
立部２ａのハウジング６に近い部位において、フック３
７がロックスライダ３１の操作で倒れた場合の同じ高さ
位置に他のフック３８が取付けられ、これらのフック３
７，３８はロックスライダ３１をロック位置に操作した
とき係合するようにしてある。本発明はこのように構成
されているから、作業前の準備段階でドラムロック装置
２８の把手３４によりロックスライダ３１を係合ピン３
２と案内溝３３で案内してまず軸方向に移動し、次いで
筒体３０の一側方に１１４回転すると、第９図Ａ，ｂの
ような過程を経てロックスライダ３１の先端部３１ａが
ドラム２１の切起し２９と係合しそのドラム２１の回転
をロックするような状態になる。

そしてこの場合の最終のロック位置でロックスライダ３
１と一体的なフック３７が、スプリング３５，３６に抗
して第８図の二点鎖線のようにハウジング６の一側に略
水平に突出するのである。一方、このようなドラムロッ
ク装置２８の動作と共に、またはそれに先立つて背負い
枠１に回転自在な原動機５を回しながら第１０図ａのよ
うにクラッチハウジング６を起立部２ａの一端に近づけ
る。すると、原動機５の回転に伴いそれと一体的な固定
板１７の切起し２０が第１０図ａの二点鎖線の位置でト
ルクスプリング１９の自由端１９ａに係合して、ハウジ
ング６が起立部２ａの一側に近づく程スプリング１９の
スプリングカが効くようになる。ここでフック３７を上
述のように略水平に倒した状態で同図ａの回転範囲最終
端より同図ｂのようにスプリング１９の戻り作用で若干
戻し、フック３７をフック３８に係合することて、原動
機５は背負い枠１に一体的に固定され、しかもスプリン
グ１９によるフック３７，３８の係合が振動、背負い枠
１の持運び等で解けることなく保持される。こうして準
備が整つたところで原動機５をそのスタータノブ５ａを
引いて始動するが、この場合にスタータノブ５ａを引く
方向はクラッチハウジング６を起立部２ａの一側から遠
ざける方向であるから、フック３７，３８の係合解説が
防止され、原動機５を押えなくとも背負い枠１を倒れな
いように支えるだけで始動に専念することができる。

原動機始動後は背負い枠１により原動機５を背負い操作
杆７のハンドル１１とグリップ１「とを握つて作業の態
勢に入るが、この場合に作業者の側方近傍個所に位置す
るフレキシブル杆部７ｂをつかんで第１０図ｃのように
回転範囲最終端の方にハウジング６を引き寄せる。

すると、フック３７がフック３８から脱すると同時に同
図ｃの二点鎖線のようにスプリング３６の戻し作用で自
動復帰してフック３７，３８の係合が外れ、原動機５の
固定が解除されて回転自在になり、このときドラムロッ
ク装置２８は、ロックスライダ３１がスプリング３５の
戻り作用で自動復することによりドラム２１のロックが
解除されるのである。そこで、スロットルレバー１２の
操作により原動機回転数を上げると、遠心クラッチが入
つてクラッチドラム２１以後刈刃１０迄動力を伝達して
それが回転し、フレキシブル杆部７ｂを屈曲すると共に
原動機５を水平回転しながら操作杆７で刈刃１０を左右
に振ることで、刈払い作業が行われる。以上説明したよ
うに本発明によると、背負い枠１に回転自在に支持され
ている原動機５は始動及び背負う場合に背負い枠側に固
定されるので、安全且つ確実に始動し、背負うことがで
きる。

また背負つた後には作業者の側方近傍に位置して容易に
見ることができると共に扱い得るフレキシブル杆部７ｂ
の引き操作で原動機５の固定解除を行うことができて、
操作性が良い。原動機５と背負い枠１相互の間に設けた
トルクスプリング１９で原動機５固定時、振動や搬送移
動等で固定が解除し・たりせす固定した状態に保持し、
更に原動機５は堅牢な背負い枠側に固定されることで、
固定が確実且つ強固に行われる。尚、上記実施例ては原
動機５側の係合部材としてドラムロック装置２８に装着
されたフック３７・を用いているが、本発明はこのよう
なドラムロック装置２８兼用の実施例に限定されるもの
でないことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す背負い式刈払）機全体
の側面図、第２図は背負い枠及び原動機の部分の他方の
側面図、第３図は背負い枠の平面図、第４図は背負い枠
の原動機搭載部を拡大して示す平面図、第５図は第４図
の■−■断面図、第６図はドラムロック装置の部分を一
部断面して示す平面図、第７図は第６図の縦断面図、第
８図は第７図の側面図、第９図Ａ，ｂはドラムロック装
置の動作状態の説明図、第１０図ａないしｃは原動機側
の動作状態の説明図である。 １・・・・・・背負い枠、５・・・・・・原動機、６・
・・・・・クラッチハウジング、７・・・・・・操作杆
、７ｂ・・・・・・フレキシブル杆部、１０・・・・・
・刈刃、１９，３６・・・・・スプリング、３７・・・
・・３８・・・・・・フック。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 背負い枠に原動機を回転自在に搭載し、該原動機に
   クラッチハウジングを突出し、該クラッチハウジングに
   フレキシブル杆部の一端を連結する背負い式刈払機にお
   いて、上記クラッチハウジングの回転範囲最終端近傍で
   のみ戻しスプリング力が効くように、上記背負い枠及び
   原動機相互の間にトルクスプリングを介設し、上記クラ
   ッチハウジング側に戻し用のスプリングを有して回転可
   能なフックを設け、これに対して上記背負い枠側に上記
   フックを回転操作した状態で係合する他のフックを設け
   、上記クラッチハウジングを回転範囲最終端から若干戻
   つた位置で両者のフックを係合することで上記原動機を
   背負い枠に固定し、上記クラッチハウジングをフック係
   合位置より回転範囲最終端側に若干回動することで該フ
   ックの係合を自動的に解くように構成したことを特徴と
   する背負い式刈払機の原動機固定、解除装置。