JPS6129224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンの駆動によつて回転する回
転刃により地上の草等を刈り払らうための刈払機
に係るものである。一般にこの種の刈払機におい
ては、回転刃を回転自在に支持する支持体とエン
ジンとを連結する連結杆が設けられ、この連結杆
の内部を貫通して、エンジンの動力を回転刃に伝
達するための伝動軸が設けられている。従来、側
方向に傾斜する傾斜面上の草等を刈り払らうため
には、回転刃を側方に傾斜せしめる必要があり、
肩から懸吊しているエンジンをともに傾斜せしめ
て作業することは、作業がやりにくく、またエン
ジンを傾斜して保持することが困難であり、しか
もエンジンが傾斜せしめると、気化器が傾斜して
燃料の供給が不順となり、エンジンの回転が不調
となる欠点があつた。このため連結杆をエンジン
に回動自在に支持せしめて、エンジンは正常な姿
勢で懸吊、保持し、回転刃は連結杆とともに回動
傾斜せしめるよう設けられていた。しかるに、エ
ンジンと連結杆を回動自在に設けた場合には、エ
ンジン始動時に、刈払機を地上に置いて始動する
と、反動でエンジンが回動傾斜して危険であり、
しかもエンジンが不調となる欠点があつた。

本考案は連結杆の１端を支持体に固着し、他端
を、規制された回動範囲内においてエンジンに回
動自在に支持せしめて設けることにより、傾斜地
面における作業を円滑に行なわしめるとともに、
エンジン始動時におけるエンジンの回動を防ぎ、
円滑な始動を行なうことができ、しかも始動時の
危険を防止することができる刈払機を提供しよう
とするものである。

以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。

図において、１は回転刃３を回転自在に支持す
る支持体、５は支持体１とエンジン７とを連結す
る連結杆で、内部を貫通してエンジン７の動力を
回転刃３に伝達する伝動軸９が回転自在に設けら
れている。１１は連結杆５の外周に固着して設け
た握り部、１３，１３は連結杆に固着するハンド
ル１５に設けた握り部である。１７は支持体１に
折りたたみ自在に設けた支杆、１９，１９はエン
ジン７の下面に固着された燃料タンク２１の下面
に突出して設けた脚である。２３は肩掛バンド
で、下端はエンジン７のクラツチハウジング２５
にボルト２７，２７によつて固着されたアーム２
９に係止されている。

本実施例における要部について説明すれば、エ
ンジン７の駆動軸３１の端部に遠心クラツチ３３
が設けられている。３５は遠心クラツチ３３の外
周に近接して設けられたクラツチドラムで伝動軸
９の端部にねじ部３７により螺着されている。伝
動軸９は遠心クラツチ３３、クラツチドラム３５
を覆うクラツチハウジング２５の内径部にベアリ
ング３９を介して回転自在に軸支されている。４
１はクラツチハウジング２５をエンジン７のクラ
ンクケース４３に固着するボルトである。４５，
４７はベアリング３９の位置決め保持するための
スナツプリングである。伝動軸５はクラツチハウ
ジング２５の前方に突出する円筒部４９の内径部
に回動自在に嵌合し、内方への移動はスペーサー
５１を介してスナツプリング４５に係止され、外
方への移動は連結杆５に外周に係止するスナツプ
リング５３によりスベーサー５５を介して、円筒
部４９の内径部に設けた段部５７に係止してい
る。５９は連結杆５の外周にボルト６１により締
め付け固定された係合体で、１側面の突出して環
体６３が設けられている。環体６３の外周に突出
して設けた係合片６５は、円筒部４９の端部に設
けた嵌合孔６７に嵌合している。係合片６５は嵌
合孔６７の内径部に設けた係合片６９，６９と係
合し、連結杆５とクラツチハウジング２５との相
対的回動範囲を規制している。係合片６５，６９
の関係位置は、回転刃３、エンジン７が正規の姿
勢にある状態から、連結杆５の時計方向（作業者
から前方に視て）の回動を規制し、すなわち、エ
ンジン７の反時計方向の相対運動を規制し、連結
杆５の反時計方向の回動を自在とするよう形成さ
れている。７１は円筒部４９の端部に螺合するね
じハンドルで、連結杆５とクラツチハウジング２
５との相対回動運動を係脱自在に固定するもので
ある。７３は抜け止め用のスナツプリング、７５
はねじ回動に適宜の抵抗をあたえるための弾機で
ある。

以上の実施例において、作業者は肩掛バンド２
３を肩に掛けて刈払機を作業者の右側に懸吊し、
握り部１３，１３を両手で把持して、エンジン７
の駆動により回転する回転刃３によつて地表の草
等の刈り払らい作業を行なうものである。この場
合には、ねじハンドル７１は弛められて、先端が
連結杆５、環体６３から離脱した状態にある。地
表面が右上がりの傾斜面の場合には、握り部１
３，１３により連結杆５を反時計方向に回動せし
める。この場合環体６３が嵌合孔６７内を自在に
回動してエンジン７は正規の姿勢を保持してい
る。地表面が左上がりの傾斜面の場合には、作業
姿勢が悪く、作業がやりにくいので実際には、左
上がりの地表面の刈払い作業は行なわない。作業
開始時にエンジン７を始動するにあたつては、支
杆１７を起こして、地表に接地し、脚１９，１９
とともに刈払機を地表面に支持せしめ、左手で握
り部１１を把持し、右手でエンジン７のスタータ
ーハンドル（図示せず）を引いてエンジン７を始
動する。エンジン７が始動すると、駆動軸３１は
時計方向に回転し、反動によつてエンジン７が反
時計方向に回動しようとするが、この回動方向に
対しては、係合片６５が係合片６９に係止して回
動運動を規制しているので、エンジン７の回動は
防止される。作業の状況によつて、たとえば樹枝
の切り込み等の上向き作業を行なう際には、肩掛
バンド２３が弛む状態となつて、エンジン７は正
規の姿勢を保持することができなくなるので、ね
じハンドル７１を締め付けて第３図に示すごと
く、連結杆５を固定して、連結杆５とクラツチハ
ウジング２５との相対的回動運動を係止するもの
である。

本考案は請求の範囲は記載のとおりの構成であ
るから、傾斜地面における刈払作業を円滑に行な
うことができるとともに、エンジン始動の際に、
エンジンの回動を防いでエンジンの始動を容易と
し、またエンジンの転倒等の始動時の危険を防止
することができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。また、請求の範囲に示す符号は本考案の技
術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の斜視説明図、第２
図は要部の側断面図、第３図は第２図の−線
の正断面図、第４図は要部の正面図、第５図は同
側面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１……
支持体、３……回転刃、５……連結杆、７……エ
ンジン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転刃３を回転自在に支持する支持体１とエン
   ジン７とを連結する連結杆５を設け、前記連結杆
   ５の１端を前記支持体１に固着するとともに、他
   端を、規制された回動範囲内において前記エンジ
   ン７に回動自在に支持せしめて設けたことを特徴
   とする・刈払機。