JPS604869B2 - 洗剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗浄に際して被洗物に柔軟性を付与できる洗剤
組成物に関する。

衣類用の洗剤としては、アニオン界面活性剤とビルダ−
を粗合せたものが一般的であるが、このような洗剤を用
いて衣類、とりわけ綿肌着、おしめなどを洗濯した場合
には、乾燥被洗物がゴワゴワしてふっくらした感じに仕
上がらない。

また合成繊維製品の場合には、乾燥被洗物が静電気を帯
びやすくなる。周知の通り、衣類の帯電は着脱時の不快
感や汚れやすこの原因となる。従って、上記の如き類の
洗剤を用いて洗濯した衣類の帯電を防止し、これに良好
な風合を付与する目的で、洗濯の濯ぎ工程後に、カチオ
ン界面活性剤を主成分とする柔軟仕上げ剤で被洗物を処
理しているので現状である。この場合、柔軟仕上げ剤を
洗浄時に使用することはできない。柔軟仕上げ剤中のカ
チオン界面活性剤と洗剤中のアニオン界面活性剤とが反
応して沈澱物を生ずるばかりでなく、柔軟効果、洗浄力
乃至は起泡力が著しく損われるからである。これに対し
て、アニオン界面活性剤と反応しない／ニオン界面活性
剤、両性界面活性剤乃至は油性成分を洗剤成分に添加し
、洗濯時に良好な風合をも付与させることを意図した洗
剤組成物も幾つか提案されている。

しかし、上記の添加成分は布に対する吸着性が乏しいた
め柔軟効果も弱く、かなり多量に配合しても十分な効果
が得られない。またアニオン界面活性剤とカチオン界面
活性剤とを特定な粘土物質の介在の下に共存させた洗剤
組成物（袴開昭５０−３号及び同５０一４号参照）、あ
るいはカチオン界面活性剤を水雛溶性の固体有機物と混
合することによってアニオン界面活性剤との反応を抑え
た洗剤組成物（米国特許第３９３６５３７号参照）など
は、ある程度の柔軟効果を奏するものの、必ずしも満足
できる程ではない。本発明は衣類の洗濯時に充分なる柔
軟性を被洗物に付与できる洗剤組成物を提供せんとする
ものであって、特定なアニオン界面活性剤のアルカリ士
類金属塩と第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
とは、洗濯裕中で共存しても反応することが少なく、洗
浄効果も柔軟効果も実質的に携われることがないとの新
たな知見を発展させたものである。

すなわち、被洗物は水中で負に荷電することが知られて
いるが、カチオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を含
有する洗剤で洗濯を行なった場合、カチオン界面活性剤
は■アニオン界面活性剤との反応と■被洗物への吸着を
競争的に行なっていると考えられる。

従ってアニオン界面活性剤の対イオンがアルカリ金属で
あると、この活性剤は水に溶解すると同時に解離するた
め、前記■の反応が優先的に生起して不溶性塩を生成す
る。然るにアニオン界面活性剤の対イオンがアルカリ士
類金属塩であると、水中での解離が非常に少なくなり、
むしろ非イオン性の活性剤として挙動する結果、カチオ
ン界面活性剤は前記■の反応より■の吸着が優先するた
め、洗浄効果も柔軟効果も窺われないと考えられるので
ある。而して本発明に係る洗剤組成物は、スルホン酸基
又は硫酸ェステル基を有するアニオン界面活性剤のアル
カリ士類金属塩を５〜４の重量％含有し、さらに下記の
一般式で表わされる第四級アンモニウム塩型カチオン界
面活性剤を０．５〜１の重量％含有することを特徴とす
る。

ここでＲ，及びＲ２は炭素数１０〜２２のアルキル基又
はァルケニル基を、Ｒ３及びＲ４は炭素数１〜３のアル
キル基を、Ｘはハロゲン原子をそれぞれ示す。

本発明で使用可能なスルホン酸基又は硫酸ェステル基を
有するアニオン界面活性剤のアルカリ士頚金属塩を例示
すると、｛ａ）炭素数９〜１５のアルキル基を持つアル
キルベンゼンスルホン酸塩、‘Ｗ炭素数１０〜２０のＱ
ーオレフインスルホン酸塩、‘ｃ｝炭素数８〜２０のア
ルキル基を持つアルキル硫酸ェステル、｛ｄ）炭素数１
０〜１８のアルキル基を持ち、エチレンオキサィドの平
均付加モル数が１〜１０であるアルキルェーテル硫酸ェ
ステル、【ｅ炭素数１０〜２０のァルキル基を持つアル
カンスルホン酸塩、‘ｆ｝炭素数１１〜２２のＱ−スル
ホアルキルヱステルなどが挙げられる。

これらは単独で使用しても、また混合して使用しても差
支えない。上記したアニオン界面活性剤のアルカリ士類
金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩の何れかの形
で洗剤組成物に配合されるのが典型的であるが、洗剤組
成物の泡立ち性及び洗浄力の点で、マグネシウム塩の形
で用いるのが最も好ましい。本発明で使用される第四級
アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は、先の一般式か
らも明らかな通り、ジ低級アルキル型の第四級アンモニ
ウム塩であって、これ以外の第四級アンモニウム塩を使
用した場合には、充分なる柔軟効果を期待できない。

本発明の洗剤組成物は、液状、ペースト状、粒状など任
意の形態とることができる。

そして洗剤組成物を粉粒状とする場合には、カチオン界
面活性剤を別途造粒し、これをアニオン界面活性剤含有
粒状洗剤に混合してもよく、あるいはカチオン界面活性
剤を含むスラリーを調製し贋霧乾燥して粒状洗剤を得て
もよい。洗剤組成物の形態が液状であるか、べ−スト状
であるか、あるいは粒状であるかを問わず、本発明の洗
剤組成物はスルホン酸基又は硫酸ェステル基を有するア
ニオン界面活性剤と、先の一般式で表わされる第四級ア
ンモニウム塩型界面活性剤とを、それぞれ特定な量で含
有しなければならないが、この要件が満足される限り、
本発明の洗剤組成物には上記以外の界面活性剤及び洗剤
添加剤を配合することができる。

この場合の界面活性剤には、炭素数８〜１５のアルキル
基を持ち、エチレンオキサィドの平均付加モル数が５〜
１５であるアルコールェトキシート乃至はアルキルフェ
ノールェトキシレートなどのノニオン界面活性剤、アル
キルベタイン、アルキルスルホべタインなどの両性界面
活性剤が包含される。また配合可能な洗剤添加剤として
は、粒状洗剤にあっては蓮酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、オ
ルソ燐酸ナトリウム、アルミノシリケートなどの無機ビ
ルダー、ポリカルボン酸塩（例えば無水マレィン酸、ア
クリル酸の重合体の塩、これらの酸とオレフィンとの共
重合体の塩など）、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウムなどの有機ビルダー、ＥＤＴＡなどの有
機キレート剤の外、アンチケーキング剤、蟹光増白剤、
香料が挙げられる。また液状洗剤にあっては、エタノー
ル、尿素、ポリエチレングリコール、脂肪酸のモノ、ジ
又はトリェタノールアミド、安息香酸塩、クエン酸塩、
ノ、ジ又はトリェタノールアミンなどが挙げられる。進
んで実施例を示して本発明の効果を具体的に説明する。

実施例 次表に示す組成の各洗剤組成物を使用して下記の方法に
より各洗剤組成物の洗浄力と柔軟効果を評価した。

１１ 洗浄力試験 試布（６ｑ蟹綿ブロード）をワイシャツの衿に装着し、
２〜７日間着用して汚染後、取りはずしたものと２〜３
日間着用した肌シャツ（綿メリヤス）とを用意する。

次に汚染された謎布２０枚及び肌シャツと清浄線タオル
とを、洗剤濃度０．１３％、液溢２５℃、浴比３川音で
１０分間洗濯した後、３分間づつ２回すすぎ、洗浄前後
の汚垢布の反射率から洗剤の洗浄力を求めた。【２１
柔軟効果試験 洗浄力試験で用いた綿タオルを風乾後、判定者１０名選
び、触感により判定した。

判定は市販洗剤で洗浄後、市販柔軟仕上げ剤で処理した
ものを２点とし、市販洗剤のみで洗濯したものを０点と
し、その中間を１点とし、１０名の合計点で行なつた。
試験結果を洗剤組成と共に次表に示すが、各洗剤組成物
の洗浄力はＮｏ．２を除いて何れも合格点を与えること
ができるものであった。

失１ 平均炭素数１２のァルキルベンゼンスルホネート
×２ 平均炭素数１６．８のアルファオレフィソスルホ
ネート＊３ ポリオキンエチレン（Ｐ：３）ラワリルエ
ーテルサルフエート＊４ ジ水添牛脂ジメチルアンモニ
ゥムクロライド＊５ ステアリルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド×６ ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド上表から明らかな通り、本発明の洗剤組
成物に相当するＮＯ．３、４、６及び８の各洗剤は、被
洗物に対して良好な柔軟仕上げ効果を発揮するが、アニ
オン界面活性剤の対イオンがアルカリ金属であるＮｏ．
１、２、５及び７の各洗剤は、被洗物に満足な柔軟性を
付与することができない。

またＮｏ．玖 １０の各洗剤は、カチオン界面活性剤が
モノ長鎖アルキルアンモニウムクロラィドであるため、
被洗物に優れた柔軟性を与えることができない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スルホン酸基又は硫酸エステル基を有するアニオン
   界面活性剤のアルカリ土類金属塩を５〜４０重量％、一
   般式▲数式、化学式、表等があります▼ （ここでＲ＿１及びＲ＿２は炭素数１０〜２２のアルキ
   ル基又はアルケニル基、Ｒ＿３及びＲ＿４は炭素数１〜
   ３のアルキル基、Ｘはハロゲン原子を示す）で表わされ
   る第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を０．５
   〜１０重量％含有することを特徴とする洗剤組成物。 ２ アニオン界面活性剤のアルカリ土類金属塩がマグネ
   シウム塩である特許請求の範囲第１項記載の洗剤組成物
   。