JPS604838Y2 - ウエビング支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のシートベルト装置に用いて乗員拘束
用ウェビングを支持させるためのウェビング支持構造に
関する。

シートベルト装置では乗員拘束用ウェビングを適宜位置
で折り返して支持させるウェビング支持装置が用いられ
ている。

このウェビング支持装置はウェビングの残余部分を巻取
る巻取装置からウェビングの着脱時に使用するタングプ
レートまでの間のウェビングを支持するために広く用い
られている。

特にシートベルト装置を単一の連続ウェビングにより３
点式のシートベルト装置とする場合にはこのウェビング
支持装置を多く用いるようになっている。

ところが従来のウェビング支持装置はウェビングの中間
部が巻掛けられる支持部材を取付ボルトにより車体へ取
りつけるのみであるためウェビング支持部材が取付ボル
トの軸心回りに回転することは可能であっても取付ボル
トの軸直角線回りに回動することはほとんど不可能であ
り１、折り返されるウェビングが捩れるためウェビング
の支持部材に対する追従性が低下する。

このためウェビングが支持部材の開口内で片方に偏倚し
たウェビングが長手方向に移動する場合に支持部材の開
口との間に大きな摩擦抵抗を発生して巻取装置によるウ
ェビングの巻取りを不完全にすると共にウェビングの長
手方向に大きな引張力が作用した場合にはウェビングへ
局部的な応力集中を発生させる原因となっている。

本考案は上記事実を考慮し、支持部材を取付ボルトの軸
直角線回りに回動可能とさせることによりウェビングの
追従性を良好にしてウェビング長手方向の移動を円滑な
し、ウェビングに発生する局部的応力を解消させること
が可能なウェビング支持構造を提供することを目的とし
ている。

本考案に係るウェビング支持構造は支持部材の軸受孔を
を取付ボルトの外径よりも所定量大きく形成して両者間
に隙間を形成する寸法とし支持部材を一方向に曲面を向
けた曲げワッシャを介して取付ボルトに取付け、取付ボ
ルトの軸直角線図りに回動可能とさせる構造となってい
る。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１．２図において乗員拘束用の連続ウェビング、１０
は一端がアンカープレート１２を介して車両の床部材１
４へ係止されており、中間部はタングプレート１６及び
ウェビング支持装置２０で折り返された後に側壁２２に
おいてアンカープレート１２の直上部へ取りつけられた
巻取装置２４へ他端部が巻取られている。

この巻取装置２４は付勢力によりウェビング１０を巻取
るようになっているが、車両緊急時にはウェビング１０
の巻出しを瞬時に提止させる工う−ジエンシーロツキン
グリトラクターである。

前記タングプレート１６はウェビング１０をその長手方
向に移動可能に折り返していると共にアンカープレート
１２と乗員用シート２６を介して反対側の床部材１４か
ら立設されたバックル装置２８へ係合されている。

また前記ウェビング支持装置２０は巻取装置２４の上方
において側壁２２へ取りつけられてウェビング１０をタ
ングプレート１６と同様に折り返して支持しウェビング
１０が長手方向に移動可能となっている。

これによりタングプレート１６とアンカープレート１２
との間のウェビング１０は乗員３０の腰部へ装着され、
タングプレート１６とウェビング支持装置２０との間の
ウェビング１０は乗員の肩部へ装着されるようになって
いる。

また乗員は降車時にタングプレート１６をバックル装置
２８から離脱させれば容易にウェビングの装置解除状態
となることができるようになっている。

次にウェビング支持装置２０では第３、第４図に詳細に
示されるごとく段付取付ボルト３２が支持部材である支
持プレート３４を側壁２２へ取りつけるようになってい
る。

この取付ボルト３２は角頭部３６に続いて径方向に拡大
されたつば部３８が形成されており、このつば部３８に
は更にねじ山の直径よりも大径の段部４０が連続してい
る。

またこの取付ボルト３２を側壁２２へ螺着する場合には
、ばねのワッシャ４２、スペーサ４４及び段付スペーサ
４６が段部４０と側壁２２との間に挾持される構造とな
っている。

ここに段付スペーサ４６とボルトの段部４０との外径は
互いに同一とされており、この段部４０の外径部及びス
ペーサ４４の外径部に支持プレート３４の軸受孔４８が
被嵌されるようになっている。

ここに軸受孔４８の内径は段部４０および段付スペーサ
４６の外径よりも大きく形成されて両者間に隙間を有し
ており、この隙間に第５図に示されるごとくウェビング
支持装置２０を平面的に見た場合支持プレート３４が取
付ボルト３２の軸直角線である垂線の回りに３０’程度
回動して軸受孔４８が段部４０及びスペーサ４６の外形
に接触してその回動を閉止される寸法となっている。

また取付ボルト３２のつば部３８と支持プレート３４と
の間及び支持プレート３４との段付スペーサ４６のつば
部５０との間には曲げワッシャ５２．５４が挿入されて
いる。

この曲げワッシャ５２は支持プレート３４をつば部５０
方向へ、曲げワッシャ５４は支持プレート３４をつば部
３８方向へ付勢するようになっており、これらの付勢力
により支持プレート３４がつば部３Ｂ、５０の中間部に
配置されて支持プレート３４が取付ボルト３２の軸線と
直角方向に、すなわち第５図実線状態を保持させるよう
になっている。

前記支持プレート３４は、第３図に示されるごとく、リ
ング５６の一辺を、固着しており、このリング５６の、
他辺には、ウェビング１０が巻掛けられて折返されるよ
うになっている。

上記のごとく構成された本考案の実施例においては、支
持プレート３４が第２．５図に示されるごとく回動可能
であるので巻取装置２４から支持装置２０を経てタング
プレート１６へ至るウェビング１０が極めて正常にリン
グ５６で折返され、第５図実線にて示されるごとくウェ
ビング１０の長手方向中心線が異常に屈曲されることは
なく、このためウェビング１０がリング５６の片方（第
３図紙面直角手前方向及び第５図図示状態）に偏倚され
ることがないのでウェビング１０と、リング５６との間
の摩擦抵抗が増大されることはなく巻取装置２４は常に
確実にウェビング１０を巻取ることが可能である。

またウェビング１０がリング５６の片方へ偏倚されるこ
とがないので車両緊急時等にウェビング１０の長手方向
に大きな張力が作用した場合にはウェビングの巾方向全
域に亘ってその張力をリング５６へ伝達させることが可
能であり、ウェビング１０の一部に応力が集中すること
がなくウェビング１０が大きな張力を支持できる。

以上説明したごとく本考案にかかるウェビング支持構造
は支持部材を取付ボルトの軸直角線図りに回動可能とさ
せたのでウェビングは支持部材へ確実に追従してウェビ
ングの移動を円滑とし巻取装置へウェビングを確実に巻
取可能とさせると共に、ウェビングが支持部材の一方へ
偏倚することがないのでウェビングの大きな張力を確実
に支持させることが可能となる優れた効果を有する。

なお、本考案は上記各実施例に示された適用位置に限ら
ず、シートベルト装置の如何なる部分へも必要に応じて
取付可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウェビング支持構造の第１実施例
を示す正面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１
図の一部拡大断面図、第４図は第３図の断面図、第５図
は第３図の平面図である。 １０・・・・・・連続ウェビング、２０・・・・・・ウ
ェビング支持装置、３２・・・・・・取付ボルト、３４
・・・・・・支持プレート、４８・・・・・・軸受孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗員拘束用ウェビングの中間部が巻掛けられる支持部材
   と、この支持部材の軸受孔を貫通すると共に車両へ取り
   つけられ軸心回りに支持部材を回動自在とする取付ボル
   トと、該取付ボルトが貫通し、前記支持部材を挾んで保
   持する一対の曲げワッシャと、を有し、前記一対の曲げ
   ワッシャはその曲面を一方向に向けて配置し、前記軸受
   孔は取付ボルトの外径との間に隙間を形成して支持部材
   を取付ボルトの軸直角線回りに回動可能と七、〜たこと
   を特徴とするウェビング支持構造。