JPH0220128Y2

JPH0220128Y2 -

Info

Publication number: JPH0220128Y2
Application number: JP1982022252U
Authority: JP
Priority date: 1982-02-19
Filing date: 1982-02-19
Publication date: 1990-06-01
Also published as: JPS58124159U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト
装置に用いられて車両緊急時にウエビングの長手
方向移動をロツクするウエビングロツク装置に関
する。

乗員拘束用ウエビングの長手方向中間部を挾持
して車両緊急時に乗員の拘束性能を向上するウエ
ビングロツク装置が提案されている。

このウエビングロツク装置はウエビング中間部
をロツクレバーの先端部へ巻掛けて案内し、車両
緊急時にはこのウエビングの張力増大によりロツ
クレバーを回動してウエビング中間部をロツクレ
バーで挾持するようになつている。従つてこのウ
エビングロツク装置では車両緊急時にウエビング
の長手方向移動を阻止して乗員拘束用ウエビング
の乗員へ装着されていない部分のウエビング伸
び、巻取装置への巻取部分の巻締り等によつて乗
員の拘束が不完全にならないように配慮してい
る。

ところがこの従来のウエビングロツク装置で
は、乗員拘束用ウエビングの中間部をロツクレバ
ーへ巻掛ける必要があるため、乗員拘束用ウエビ
ングの巻取装置から乗員拘束部への中間部分の軌
跡を大きく屈曲する必要があると共に、巻掛部と
ウエビングとの間の摩擦抵抗によつてウエビング
の長手方向移動に抵抗力が生じ、車両通常状態に
おけるウエビングの長手方向移動に円滑さを欠
き、巻取装置の巻取力を増大する必要がある等の
不具合を有している。

本考案は上記事実を考慮し、車両通常状態で乗
員拘束用ウエビングの中間部へ摩擦抵抗力を与え
ることがないウエビングロツク装置を得ることが
目的である。

本考案に係るウエビングロツク装置はロツク部
材を車両通常走行状態で乗員拘束用ウエビングの
中間部と離間状態で対峙させ、車両緊急時にはウ
エビングの張力を受けて第１位置から第２位置へ
移動するアンカー部材の駆動力でロツク部材を移
動させウエビング中間部をロツクするようになつ
ている。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１図に示される本実施例のシートベルト装置
ではシート１０へ着座した乗員１２が乗員拘束用
ウエビング１４を装着するようになつている。

このウエビング１４の一端はアンカープレート
１６を介して車体側壁１８の下部へ係止されてお
り、中間部はタングプレート２０、スルーリング
２２及びウエビングロツク装置２４を通過した後
に乗員拘束用ウエビング巻取装置２６へ層状に巻
取られている。この巻取装置２６は車体側壁１８
へ固定されており、乗員拘束用ウエビング１４を
付勢力で巻取ると共に、車両緊急時にはウエビン
グ１４の引出しを停止するイナーシヤーロツク機
構が内蔵されている。

タングプレート２０はウエビング１４の中間部
を挿通可能に案内すると共にバツクル装置２８へ
係合可能となつている。このバツクル装置２８は
シート１０を介してアンカープレート１６と反対
側の床部３０から立設されており、乗員は降車時
に図示しないレリーズボタンを押圧してタングプ
レート２０の係合を解除できるようになつてい
る。

ウエビングロツク装置２４は第２図に詳細に示
される如くフレーム３２の紙面直角方向両側部か
ら延長した一対の脚板３４がボルト３６で車体側
壁１８へ固着されている（但し第２図には手前側
の脚板３４の図示が省略されている）。

これらの脚板３４は互に平行とされており、ロ
ツク部材３８が取付けられている。このロツク部
材３８は固定ロツクメンバ４０と移動ロツクメン
バ４２とを有しており、固定ロツクメンバ４０は
その両端部（第２図紙面直角方向端部）から突出
した矩形突起４４がフレーム脚板３４へ穿設され
た矩形穴へ挿入することによりフレーム３２へ固
定されている。

一方移動ロツクメンバ４２は両端部から突出し
た矩形突起４６が脚板３４へ穿設された矩形長孔
４８内へ挿入されて固定ロツクメンバ４０に対し
て接離方向に移動可能となつている。

これらのロツクメンバ４０，４２は移動ロツク
メンバ４２が固定ロツクメンバ４０から離間した
状態でこれらの間に乗員拘束用ウエビング１４を
自由に通過可能な間隙を形成してウエビングの中
間部と離間しているが、移動ロツクメンバ４２が
固定ロツクメンバ４０に接近すると両者間に乗員
拘束用ウエビング１４の中間部を挾持ロツクする
ようになつている。

これらのロツクメンバ４０，４２にはロツク状
態で乗員拘束用ウエビング１４との間の摩擦抵抗
を増大するために対応した波形突起が形成されて
いる。

移動ロツクメンバ４２にはその背面にブラケツ
ト５０が突出しておりこのブラケツト５０へ穿設
された長孔５２にはロツカアーム５４の一端へ突
出されたピン５６が挿入している。

このロツカアーム５４はその中間部が軸５８に
より脚板３４へ軸支されており、ピン５６と反対
側の端部には引張部材である連結ウエビング６０
の一端が係止されている。またこのロツカアーム
５４は脚板３４との間に保持手段としての引張コ
イルばね６２が掛渡されて第２図反時計方向に回
転付勢されている。この付勢力によつて移動ロツ
クメンバ４２は長孔４８内を固定ロツクメンバ４
０と離間する方向に最大量移動している。

連結ウエビング６０はその中間部が折返しリン
グ６４に形成された長孔６６を挿通して反転して
おり、先端部はスルーリング２２へ係止されてい
る。折返しリング６４はボルト６８で車体側壁１
８へ固着されており、連結ウエビング６０に生ず
る大きな張力を確実に支持するようになつてい
る。

スルーリング２２は金属性心材７０の外周へ合
成樹脂７２がモールドされた環状であり、一辺へ
乗員拘束用ウエビング１４が巻掛けて折返され、
他辺へ連結ウエビング６０が係止されている。

このスルーリング２２は乗員拘束用ウエビング
１４のシヨルダーアンカポイントを決定するアン
カ部材としての役目を有しており、車両通常状態
では第２図図示位置であるが、車両緊急時にウエ
ビング１４の張力が増大すると折返しリング６４
から離間する方向に移動し、連結ウエビング６０
を介してロツカアーム５４を引張コイルばね６２
の付勢力に抗して回動させるようになつている。

このように構成された本実施例では、乗員１２
がシート１０へ着座した後にタングプレート２０
をバツクル装置２８へ係合させれば第１図に示さ
れる如く乗員は３点式のシートベルト装着状態と
なることができる。すなわちウエビング１４はア
ンカープレート１６とタングプレート２０との間
がラツプウエビングとして、タングプレート２０
とスルーリング２２との間がシヨルダーウエビン
グとして作用するようになつている。

車両通常状態ではウエビング１４がロツク部材
３８と離間しているので長手方向へ円滑に移動可
能であり、巻取装置２６へのウエビング巻取、又
は引出しによつて自由に運転姿勢を変更すること
ができる。またこのようにウエビング１４がロツ
ク部材３８から長手方向移動抵抗力を設けること
がないので巻取装置２６の巻取付勢力（通常ぜん
まいばねが用いられる）は極めて小さくすること
ができて乗員への圧迫感を低減可能である。

車両が衝突等の緊急状態に陥いると、乗員１２
は車両前方へ急激に移動する。これと同時に巻取
装置２６内のイナーシヤーロツク機構がウエビン
グ１４の引出しを瞬時に停止させる。従つて第２
図矢印T₁，T₂で示される如く乗員拘束用ウエビ
ング１４には大きな張力が発生する。この張力に
よつてスルーリング２２は折返しリング６４から
離間する方向に張力Ｆを受けて移動する。

このため連結ウエビング６０の他端部はロツカ
アーム５４を回動させると共に移動ロツクメンバ
４２を固定ロツクメンバ４０へと接近させて両ロ
ツクメンバ４０，４２間に乗員拘束用ウエビング
１４の中間部を挾持ロツクする。

この結果乗員１２はロツク部材３８とアンカプ
レート１６との間が固定された乗員拘束用ウエビ
ング１４で拘束されるため極めて拘束性が高く安
全性が向上する。すなわちロツク部材３８と巻取
装置２６との間のウエビングの伸び、巻取装置２
６内のウエビングの巻締りが乗員の拘束性能に悪
影響を及ぼすことがない。

特に連結ウエビング６４には乗員拘束用ウエビ
ング１４に発生する張力T₁，T₂よりも大きな張
力Ｆが作用するため移動ロツクメンバ４２を大き
な力で固定ロツクメンバ４０へ押圧することがで
き、乗員拘束用ウエビングの長手方向移動を阻止
するロツク力が増大する。

次に第３図には本考案の第２実施例に係るロツ
ク部材が示されており、この実施例では移動ロツ
クメンバ７４がフレーム脚板３４へ穿設された長
孔７６に案内されて固定ロツクメンバ４０へ接近
するようになつている。

この長孔７６は移動ロツクメンバ７４を乗員拘
束用ウエビング１４の肉厚方向と所定角度θだけ
傾斜した方向に案内するので移動ロツクメンバ７
４と固定ロツクメンバ４０とでクサビ作用を生じ
させることができる。すなわちスルーリング方向
（第３図上方向）へ移動しようとする乗員拘束用
ウエビング１４の移動力は移動ロツクメンバ７４
をさらに強固に固定ロツクメンバ４０へ押圧する
力となつて作用するため乗員拘束用ウエビング１
４のロツクが確実となる。

なお上記実施例ではウエビングロツク装置がシ
ヨルダーウエビングと巻取装置との間のウエビン
グをロツクする構成について説明したが、本考案
はシヨルダーウエビングの中間部及びラツプウエ
ビングの中間及びその他のウエビング中間部をロ
ツクさせるように構成することも可能である。ま
た３点式シートベルト以外のシートベルトにも適
用可能であることは言うまでもない。

さらに車両通常状態でロツク部材３８を乗員拘
束用ウエビング中間部と離間状態に保持する保持
手段は上記実施例の引張コイルばねに限らず、他
の弾性体又はこれ以外の保持手段、例えば所定値
以上の力を受けて永久変形するせん断ピン等の変
形部材等を適用可能である。またさらにロツク部
材３８は移動ロツク部材を長孔により案内する構
造に限らず、他の案内構造も適用可能であり、固
定ロツクメンバと移動ロツクメンバを用いる構造
に限らず一対の移動ロツクメンバを用いる構成と
することもできる。連結ウエビング６０に代えて
ワイヤ等の他の長手部材を使用できる。

以上説明した如く本考案に係るウエビングロツ
ク装置は車両通常状態では乗員拘束用ウエビング
の中間部と離間するが、車両緊急時にウエビング
中間部を挾持ロツクするロツク部材を設けたので
車両通常状態ではウエビングの長手方向を円滑に
保持し、車両緊急時にはウエビング中間部を確実
にロツク固定することができると共に、車両緊急
時にロツク部材と乗員拘束用ウエビング巻取装置
との間のウエビングの伸びによつて、乗員の拘束
性能が低下することを防止できる優れた効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウエビングロツク装置の
第１実施例が適用されたシートベルト装置を示す
車両前方から見た正面図、第２図は主要部の断面
図、第３図は本考案の第２実施例を示す第２図に
相当する断面図である。１４……ウエビング、２２……スルーリング、
２４……ウエビングロツク装置、３８……ロツク
部材、４０，４２……ロツクメンバ、６０……連
結ウエビング、６２……引張コイルばね、６４…
…折返しリング、７４……移動ロツクメンバ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

車体へ取付けられた折返しリングに中間部が係
合された引張部材と、この引張部材の一方の端部
に固着されたアンカー部材と、このアンカー部材
を車両通常状態で第１位置へ保持し車両緊急時に
乗員拘束用ウエビングの張力の増大によつて第２
位置へ移動可能とする保持手段と、前記引張部材
の他方の端部に連結され車両通常状態で乗員拘束
用ウエビング巻取装置と前記アンカ部材との間に
おいて乗員拘束用ウエビングと離間状態で対峙し
車両緊急時には前記乗員拘束用ウエビングに作用
する張力が前記アンカー部材を第２位置へ移動す
ることによる引張部材の引張力によつて前記乗員
拘束用ウエビングを挟持するロツク部材と、を有
するウエビングロツク装置。