JPS604725Y2 - 曲がり合板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、家具や楽器等に使用する曲がり合板に係り
、特に内部単板の繊維木目の凹凸や曲げ成形特の繊維折
れが外側の化粧板表面に現われるのを防止するようにし
た曲がり合板に関するものである。

家具や楽器等１１例えばアップライトピアノの鍵盤蓋に
おいては、曲がった状態で仕上げられた部分があり、そ
の多くは合板で作られている。

従来このような曲がり合板は第１図に示すように、折曲
げることによって生じた２つの面の直交線の方向とほぼ
平行な木理方向（図面の矢印で示す）を有する厚単板Ａ
と上記方向とほぼ直角な木理方向を有する薄単板Ｂとを
交互に重ね、更にその両面に化粧板Ｃを重ね合わせて曲
がった状態に積層接着したものであった。

そして、これら単板の厚さを外側と内側とで異ならせる
などの工夫を凝らして、経年変化によるねじれや反りの
発生を防止している。

しかし、従来の何れの曲がり合板においても、化粧板直
下の単板は上記曲げ方向とほぼ直角な木理方向を有する
ものとなっており、従って、曲げ成形特あるいは経年変
化により、この単板の繊維木目の凹凸や繊維の折れによ
る凹凸が化粧板表面に現われて著しく美観を損うことに
なり、特に曲げの曲率が小さい場合や化粧板が薄い場合
にはこの現象が著しく、実用には不適格な欠陥品が多く
なる。

この考案は上記の問題を解消すべくなされたもので、曲
げ部の美観を損うことがなく、曲げ成形を容易に行なえ
、かつ経年変化の少ない曲がり合板を提供するものであ
る。

以下、この考案の実施例について図面を参照しながら説
明する。

第２図に示すように、この考案の曲がり合板は、折曲げ
ることによって生じた２つの面の直交線の方向とほぼ平
行な木理方向を有する厚単板Ａ（例えば２〜３７７ＥＩ
Ｘの板厚）と上記方向とほぼ直角な木理方向を有する薄
単板Ｂ（例えば１．５ｍｍ程度の板厚）とを交互に重ね
、この両面に上記方向とほぼ平行な木理方向を有する薄
単板Ｄ（例えば０．４〜１．５ｍｍの板厚）を重ね、更
にこの両面に化粧板Ｃを重ね合せ、厚単板Ａ１薄単板Ｂ
１薄単板Ｄ１化粧板Ｃを同時に曲がった状態に積層接着
して形成したものである。

なお、第２図では薄単板りの内側がこれと木理方向の異
なる薄単板Ｂとなっているが、必要によつては第３図の
ように薄単板りの内側をこれと木理方向のの等しい厚単
板Ａとしても良い。

また、曲がり合板の外側あるいは内側のどちらか一面の
外観が問題とならない場合には、その面についての構成
はどのように実施されても良い。

以上説明したように、この考案の曲がり合板においては
、化粧板の直下に位置する薄単板の木理方向を、合板を
折曲げすることによって生じた２つの面の直交線の方向
とほぼ平行にしていあるから、たとえ小さな曲率半径で
曲げ成形しても、曲げ方向と平行な木理方向の単板は極
めて曲がり易く（折曲げることによって生じた２つの面
の直交線の方向と直角な木理方向の単板に比べ曲げ成形
に必要とする力は１／１０〜１１２０で良い）、またそ
の繊維には大きな張力が働かないので極めて折れにくい
。

従って、従来の曲がり合板に比べて、曲がり部分の化粧
板面に薄単板の繊維木目や繊維折れによる凹凸が現われ
ることが少なく、例えば０．１〜０．６１ａ程度の極め
て薄い化粧板を使用しても長期間その美観が保たれる。

また、複数枚の化粧板を接合した、ピアノ鍵盤蓋の如く
幅広状に形成した場合、その接合線（通常ハギ線と称さ
れている）が塗装表面に現われないなどの効果を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の曲がり合板の説明図、第２図および第３
図はそれぞれこの考案に係る曲がり合板の説明図である
。 Ａ・・・・・・厚単板、Ｂ・・・・・・薄単板、Ｃ・・
・・・・化粧板、Ｄ・・・・・・薄単板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲げることによって生じた２つの面の直交線の方向と
   ほぼ平行な木理方向を有する厚単板と、上記方向とほぼ
   直角な木理方向を有する薄単板と、化粧板とを重ね合わ
   せて、曲がった状態に同時に積層接着するものにおいて
   、更に上記化粧板の直下に上記方向とほぼ平行な木理方
   向を有する薄単板を介在させたことを特徴とする曲がり
   合板。