JPS6046086B2 - ゴシユユ抽出液含有化粧料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ミカン科の植物「ゴシユユ」 ＥｖｏｄｉａｒｕｔａｅｃａｒｐａＢｅｎｔｈａｍ又は
ＥｖｏｄｉａｏｆｆｌｃｉｎａｌｉｓＤｏｄｅ（Ｒｕｔ
ａｃｅａｅ）の果実からの抽出液を含有する化粧料への
応用に関する。

ゴシユユは漢薬の一つで、古くから健胃、鎮痛、鎮痙薬
として用いられ、偏頭腺、消化不良、腹痛などに対して
、漢方薬の処方中に用いられてきたものてある。

ゴシユユ中に含まれる成分としては、これまでにアルカ
ロイド（ｅｖｏｄｉａｍｉｎｅ、ｎｌｔａｅｃａｒｐｉ
ｎｅなど）や、精油（ｅｖｏｄｅｎｅ９ｅｖｏｄｉｎｅ
など）が知られている。一方、最近の報告によれば、ゴ
シシユ中には、サイクリツクーＧＭＰ様の活性物質の存
在が確認され、サイクリツクＧＭＰ相当量で３０〜４０
０ｎｍｏｌｅ／ ｙ乾燥重合含有していることがわかつ
ている・・・・・・第１３回和漢薬シンポジウムＰ、９
６〜１００（１９８０）、Ｃｈｅｍ、ｐｈａｒｍ、Ｂｕ
ｌｌ、３０。ｐ、２４６〜２４８６（１９８２）。さら
に、ゴシユユの抽出物の外用剤などの皮膚科領域への応
用について調べてみると、「公開特許公報：昭５４−１
４５２９９」がある。

この公報による応用は、ゴシユユの局所末梢血管拡張作
用及び末稍血管増加による、毛根組織の活性化による、
発毛又は養毛料への応用が知られているが、この末梢血
管に対する主作用成分に関しては、ゴシユユ中に含まれ
ている、アルカロイドによることが、山田・・・・・・
岐阜医科大学紀要５、Ｐ、２６９（１９５７）、同紀要
５、Ｐ、２７８、同紀要６、Ｐ、３６０（１９５８）に
おいて報告されている。

本発明者らは、ゴシユユに含まれる薬理的作用及び含有
成分に注目し、これを皮膚化粧料に応用することを考え
、とくにサイクリツクーＧＭＰを高含有するエキスの製
法と共に、化粧料においては必須条件をなる、ゴシユユ
の有する特異臭の除去を解決するための簡便な抽出処理
法について検討を続けた結果、化粧料に用いて臭気がな
く、サイクリツクーＳＭＰを高含有したエキスを得るこ
とが出来た。

本発明によるゴシユユエキスはエタノールを含む液体で
、肌に塗布することにより、潤いを与え、つやを増し、
張りを与え、小じわを防ぐ効果Ｊが期待されるものであ
る。

又、化粧料では各種の植物エキスがすでに配合されてい
るが、これらの中には、経時的にエキス分の沈澱などの
発生がともなう様なことが有り、このために、処方上、
その安定性の配慮が必要で・あつたが、本発明によるゴ
シユユエキス（溶液）は、澱などの発生も認められない
ことから、製剤上も有利てある。

以下に実施例を示し、より具体的に述べる。

〔実施例 （１）〕ゴシユユのよく乾燥されたもの１０
０ｇをとり、無水エタノール５００ｍ１を加えて、４〜
５日間放置し、時々攪拌しながら浸漬する。

浸漬後は、これを吸引濾過して濾液を除去し、濾過残物
をビーカーにとり、これに無水エタノール５００ｍＬを
加えて、前記と同様な操作を、ゴシユユ特有の臭いが除
去されるまでくり返して行う。通常は、３回程度をくり
かえすことで脱臭化完了する。臭いが除去されたところ
の濾過残物に対して、水１０００ｍ１を加え、７０〜８
０℃の加温下で３〜４時間の浸漬を行い、終了したら濾
紙濾過（東洋濾紙ＮＯ．２による吸引濾過）を行い、さ
らに、東洋濾紙ＮＯ．ｌ３３ｌで吸引濾過により、その
濾液が約７００ｍ１得られる。この濾液をもとにケイソ
ウ土濾過をすると、濾液は澄明となる。化粧料には、こ
の濾液をそのまま用いてもよく、さらにポリオール系の
ブチレングリコールなどを加え、水で全体量を１０００
ｍ１にメスアップした後、精密濾過したものを、化粧料
に配合する。この精密濾過後のゴシユｌユ抽出液中には
、サイクリツクーＧＭＰが高含有していることが特徴で
ある。第１表には、実施例（１）をもとに得られたゴシ
ユユの抽出液と共に、実施例（１）を確立する間に検討
を加えて試作抽出液についても、含まれる主な成分につ
いて、一諸にしたが、精製における濾過速度についてみ
ると、エタノールの単独抽出、９０％エタノール抽出、
７０％エタノール抽出で得られた溶液は濾過速度が早く
、５０％エタノール抽出、３０％エタノール抽出、熱水
抽出の順で、濾過速度は遅くなり、また、抽出における
浸漬時間の関係をみると、エタノール又はエタノールと
水の混液中で抽出したものは３〜７日間の経過が必要で
あことがわかつた。

一方、含有する成分からは、第１表に示すごとく、５０
％エタノールを含む水溶液で抽出することにより、各種
成分も全体的に高く含まれることがわかつた。さらに、
抽出後における液体の臭いの点では、熱水でもエタノー
ル又はエタノールと水の混液を用いて抽出したものでも
、これをさらに濾過して澄明な液となした後も、ゴシユ
ユ特有の強い臭が残り、さらには経時的に澱の発生が出
て、化粧材への添加は好ましくなかつた。

この特有の臭いの除去は、その後の検討で、澱の発生と
の関連が深く、又、発生した澱が油溶性物質であること
がわかり、極性有機溶媒好ましくは、エタノールを用い
、ゴシユユに対し５倍量加え、３〜７日、好ましくは４
〜５日間放置し、時々攪拌しながら抽出して除去する方
法をくり返すことを、前処理操作に採用することでほと
んど除去されることがわかつた。そして、実施例（１）
に示すごとく、次の操作として、水を加え、７０〜８０
℃で３〜５時の抽出に入り、吸引濾過を行うことにより
、濾過もスムーズになり、澱の発生もなくなり、化粧料
への配合を可能に出来たわけである。ただし、これによ
つて、アルカロイドは完全に除去されている。したがつ
て、本発明による抽出液では、直後的なコリン作動性は
示さず、末稍血管の拡張又は、毛根刺激作用→発毛促進
効果について期特出来ない。このことについては、前述
した山田による、ゴシユユ中のアルカロイドの薬理作用
の報告からも理解さよう。第２表は、実施例（１）及び
試作抽出液中のアルカロイドの、定性試験における結果
についてみたものである。

第２表中１は、エボジアミン、ルテカルピンなどのアル
カロイドの沈澱反応。２は、インドール系アルカロイド
に対する、呈色反応。

〔安全性〕実施例（１）で得た抽出液は、経口毒性もな
く、又、皮膚一次刺激性、光毒性などの動物実験におい
て何ら異状な認められなかつた。

ただし、極性有機溶媒として、７０％エタノール・水溶
液やメタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル
、ｎ−ヘキサン、石油エーテル、アセトン、ブタノール
などにより抽出した溶液を、減圧下で有機溶媒を完全に
除去させて、固形物となした工キズで．は、皮膚一次刺
激性が認められる場合があつた。原因物質としては不明
であるも、アルカロイドの定性反応試験で、強く陽極反
応を示したものに認められたことから、ゴシユユ中のア
ルカロイド又は油溶性成分に由来した物質によるのでは
ないか一と推定している。一方、われわれの経験では、
皮膚一次刺激作用を強く示す植物工キズや、その他の化
合物では、逆に毛根刺激作用→発毛促進効果をもつたも
のが多く、何らかの相関性があると考えている。しかし
、化粧料への配合においては、皮膚一次刺激作用につい
ては皆無であることが望ましく、実施例（１）により得
られた抽出液は、使用上も有利であることがわかつた。

次に、本発明によるゴシユユ抽出液の化粧料への配合に
ついて、参考処方例を示す。

〔参考例１〕 ：クリーム 実施例１によつて得たゴシユユ抽出液・・・５．０％ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル ・・・・２．５ラ
ノリンアルコール ・・３．０セタ
ノール ・・３．０ミツロ
ウ ・・７．０流動パラ
フィン ・・８．０モノステア
リン酸グリセリン ・・・・３．５ロメ胚芽油
・ ・・３．０ミリスチン酸
オクチルドデシルー・・ ・・・・１３．０セシレン
・・２．０ホウ砂・
・・１．０防腐剤・・・・
・・・・適量香料・・・・
〃精製水をもつて、全量
を１００％とする。

〔参考例 （２）〕 実施例（１）によつて得たゴシユユ抽出液・・・８．０
％流動パラフィン・・ ・・・・１３
．０％ラノリン ・・・・
４．５オレイン酸・ ・・・・
３．５トリエタノールアミン ・・１
．０イソプロピルミリステート ・・４．
０防腐剤・・ ・・・・適
量香料・・・・ 〃精製水
をもつて、全量を１００％とする。

〔参考例３〕 ：ローシヨン 実施例（１）につて得たゴシユユ抽出液・・・・・・１
０．０％エタノール ０６．
０乳酸・ ・・・・０．１クエン酸・
・・・・０．３グリセリン
・・３．０防腐剤・・・・
．．．．適量香料・・・・
〃精製水をもつて、全量
を１００％とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例（１）で得られたゴシユユ抽出液の紫
外部吸収スペクトルのパターン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ゴシュユに対して、エタノールを加えて、繰り返し
   抽出することにより、特異臭を除去した後、水を加えて
   加温下７０−８０℃で３〜４時間の攪拌抽出を行い、吸
   引濾過して得られたゴシュユ抽出液含有化粧料。