JPS6045145B2 - マグネシア焼結体並びにその製造法 - Google Patents

マグネシア焼結体並びにその製造法

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JPS6045145B2
JPS6045145B2 JP53139271A JP13927178A JPS6045145B2 JP S6045145 B2 JPS6045145 B2 JP S6045145B2 JP 53139271 A JP53139271 A JP 53139271A JP 13927178 A JP13927178 A JP 13927178A JP S6045145 B2 JPS6045145 B2 JP S6045145B2
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隆生 福田
康生 鈴木
英和 滝
康義 小田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高い嵩密度と大きなペリクレーズ結晶を有
し、耐スラグ侵食性に秀れたマグネシア焼結体並びにそ
の製造法に関する。
マグネシア焼結体は、マグネシアクリンカーとして、
我国では年間数十万屯生産されているが、その大半が製
鋼炉用耐火物原料に用いられている。
近年の製鋼技術の進歩に伴い、製鋼温度は高温化する傾
向にあり、高温度でより高い耐スラグ侵食性を有する耐
火物原料(マグネシアクリンカー)が求められている。
本発明者らの研究によれば、マグネシア焼結体の結晶
粒子間隙に気孔が存在すれば、気孔を通じてスラグが浸
入し焼結体を崩壊させるので嵩密度が高いことが必要で
ある。
又マグネシアの含有率と耐スラグ侵食性の間にはかなり
密接な関係があり、化学的な侵食がマグネシア焼結体の
結晶粒子・の間隙のマトリックス(低融点物質相)の部
分を通して行われることが多いため、マグネシア焼結体
に含まれる不純物を主成分とするマトリックスを減らす
こと、即ちマグネシアの含有率を上げることが耐スラグ
侵食性を高める効果を有する。更」こ、純度を上げたマ
グネシア焼結体のペリクレーズ結晶粒径を大きくするこ
とによつて、侵食が著しく抑えられると思われる。なぜ
ならば結晶が小さい場合、スラグに接触すると結晶成長
が起こり、焼結体の構造の劣化を生じるが、結晶が十分
大きい場合はこの結晶成長は殆んど起こらないので、耐
スラグ性が向上すると考えられるからである。しかし一
般的に用いられるマグネシア焼結体は、原料に既に含ま
れる不純物により、又海水マグネシアに於ては原料及び
反応工程に由来する不純物により95〜98%程度のM
gO含有率である。
又最近MgO99%程度の高純度マグネシア焼結体も製
造されているが、その嵩密度は3.35g/Cll程度
であつて十分高い値とは云えない。これら従来のマグネ
シア焼結体では、製鋼炉の出鋼口、スラグラインなど、
機械的或いは化学的負担の大きい個所の使用に耐える耐
火物原料としては十分でない。このような要求に応えら
れるマグネシアとしては、電融マグネシアが有るが、こ
れはマグネシア焼結体を原料に多大の電力を消費して製
造されるので、非常に高価であつて、汎用の耐火物原料
として使用するには経済的に困難であり、安価でしかも
高性能な焼結マグネシアの開発が強く望まれている。
海水マグネシア或にはその他の原料マグネシアを焼成し
て、工業的に得られるマグネシア焼結体の嵩密度は通常
3.35g/al以下であり、この程度の嵩密度を得る
ため各種焼結助剤例えば、CaO,Fe2O3,SlO
2,TlO2,Cr2O3,ZrO2等を添加する.こ
とも多く、しかも1800〜2000℃高温度で焼成し
ている。
又、ペリクレーズ結晶のサイズは30〜50μが普通で
ある。以上に鑑み本発明者らは、高嵩密度化と大結晶化
の両方を満足するマグネシア焼結体を得る目的!で、不
純物の種類及びその量比の及ぼす影響について鋭意研究
をかさねているうちに、不純物特にCaOI:ニ.5I
O2の量比を適当範囲に定めた上で、結晶生長促進物質
としてZrO2を添加し、その添加量を特定範囲に調節
することにより、驚くべきこダとに、真密度(3.58
g/CTl)に近い3.45g/Cll以上の嵩密度で
、ペリクレーズ結晶サイズが100μ以上で、しかもM
gO純度98.6%以上のマグネシア焼結体を、通常の
低温焼成によつて、製造し得ることを見出し、しかも、
得られるマグネシア焼結体が極めて秀れた耐スラグ侵食
性を有することを確認し得て本発明をなすに至つた。
即ち、本発明は、B2O3含有率がMgOに対する重量
百分率で0.12%以下で、焼成物換算で(CaO+S
lO2)の含有率が0.5重量%以下、かつSlO2含
有率が0.04重量%以上で、CaO/SiO2モル比
が0.8以下で、かつZrO2の含有率を0.05重量
%以上とし、かつ(SlO2+ZrO2)/CaO重量
比を1.5以上に調製した水酸化マグネシウム又は仮焼
マグネシアを加圧成形して死焼することを特徴とするマ
グネシア焼結体の製造方法に関するものである。
この方法によつて、嵩密度が3.45g/Cll以上、
ペリクレーズ結晶のサイズが100μ以上のマグネ門シ
ア焼結体が得られる。かくて、本発明は、MgOの含有
率が98.6重量%以上、(CaO+SiO2)の含有
率0.5重量%以下、SlO2含有率が0.04重量%
以上で、CaO/SiO2モル比が0.8以下であり、
ZrO2含有率が0.05重量%以・上で、かつ(Si
O2+ZrO2)/CaQ重量比が1.5以上である組
成を有し、3.45g/d以上の嵩密度と100μ以上
の構成ペリクレーズ結晶サイズを有することを特徴とす
るマグネシア焼結体に関するものである。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明の方法においては、まず所定の成分組成をもつた
水酸化マグネシウム又は仮焼マグネシアを製造する。
この製造法には従来慣用の工業的方法、例えば、予めB
2O3を除去した海水と消石灰の飽和水溶液とを反応さ
せる方法、海水と精製した消石灰ミルク或いは軽焼ドロ
マイトミルクの反応によつて生成した水酸化マグネシウ
ムを仮焼し、Mgイオン溶液、塩酸水溶液等で洗滌する
方法、苦汁かん水等とNaOHを反応させる方法、或い
はMgCl2,MgNO3,MgSO4,MgCO3等
のマグネシウム塩を加熱分解する方法等が採用できる。
この原料である水酸化マグネシウム又は仮焼マグネシア
は、まずそのB2O3の含有量がコントロールされるこ
とが必要である。B2O3が過大に存在しない限り、焼
成中ペリクレーズ結晶の成長には余り影響しないが、B
2O3の存在は、焼成中の揮散により、特にCaOと共
存すると焼結に悪影響をもたらし、焼結の初期中期の段
階で大きな気孔を包含した構造を形成するため、高密度
焼結体の生成を阻害する。このような理由でB2O3含
量を低くすることが必要であるが、B2O3/MgOと
して0.1鍾量%(以下単に%で表わす)以下に抑えれ
ば、本発明で要求される嵩密度のマグネシア焼結体が得
られる。尚焼成前の原料に含まれるB,O3は、通常の
焼成方法によつて嵩密度3.45g/d以上に焼成すれ
ば、焼成体中には0.09%程度以下の含有率にまで揮
散除去される。次に、原料の水酸化マグネシウム又は仮
焼マグネシアは、その(CaO+SiO2)量をMgO
lO鍾量部に対し0.5重量部、更に好ましくは0.1
以下に調製する。
更にCaO/SiO2のモル比を0.8以下、好ましく
は0.5以下に調節する。又SiO2含有率を0.04
%以上才する。このようにB2O3,CaO,SiO2
について調製した水酸化マグネシウム又は仮焼マグネシ
アに、次いで又は同時に酸化ジルコニウムZrO2をM
gOに対し0.05%以上0.5%以下含有せしめる。
このZrO2添加量は、原料中のCaO,siO2の含
有量によつて調節し、SlO2+ZrO2/CaO重量
比1.5以−上、好ましくは2以上とし、かつ全体とし
てMgOが98.6%以下とならないように添加する。
このZrO2の添加には、極く微細に粉砕したZrO2
、或いは特に好ましくは、原料スラリーと混合した際に
加水分解して水酸化ジルコニウムを沈殿する水可溶性ジ
ルコニウム塩、例えば塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニ
ウム、硝酸ジルコニウムを用いることができる。このよ
うにして成分組成を調製した水酸化マグネシウム又は仮
焼マグネシアは、通常行われているマグネシア焼成方法
によつて焼成すれば良い。
即ち、加圧成形してペレットとし、これを1800℃の
焼成温度で2時間焼成すれば、3.45g/Cll以上
、特に好適な組成の場合は3.50g/Cll以上の嵩
密度で、100μ以上のペリクレーズ結晶サイズを持つ
たマグネシア焼結体が得られる。尚ZrO2を含まない
上記成分組成の原料を焼成した焼結体のペリクレーズ結
晶サイズは30〜50μで、焼成時間に更に長くしても
見るべき成長は起こらない。
かくて、前記組成成分と嵩密度、ペリクレーズ結晶サイ
ズを有する本発明のマグネシア焼結体が得られるが、焼
結体のSiO2含有率が0.04%以下の場合は嵩密度
が上り難く、又CaO含有率が高くなりすぎるとペリク
レーズ結晶の成長は次第に阻害され、(CaO+SiO
2)の量が0.5%より多くなるとZrO2を加えても
ペリクレーズ結晶の成長が困難となる。
(CaO+SlO2)の量は0.05〜0.5%とし、
CaO/SiO2モル比は0.8以下、好ましくは0.
5以下とするのが良い。これを0.8以上、更に1以上
とすると焼結初期段階で緻密化が進まずペリクレーズ結
晶のみ発達して高い嵩密度が得られない。ZrO2含有
率は、0.05%以下では本発明の効果が得られない。
しかし、含有率が過大にすぎると逆に結晶の成長が阻害
される傾向が生じるだけでなく、マグネシア焼結体中で
ZrO2の偏在が顕われ熱間での強度低下を起こす好ま
しくない現象が生じる。従つZrO2添加量の上限はM
gO純度98.6%を満足する範囲にとどめなければな
らない。そして、この範囲内でのSiO2,caOとの
関係で、(SlO2+ZrO2)/CaOの重量比が1
.5以上、特に2以上となるように添加するのが良い。
最終的に上記成分組成を有し、3.45g/Cd以上の
嵩密度を100μ以上のペリクレーズ結晶サイズを有し
、98.6%以上のMgO純度を有する本発明のマグネ
シア焼結体は、極めて秀れた耐スラグ侵食性を有し、製
鋼炉用耐火物原料として秀れたものである。
以下に本発明の製造実施例とスラグ侵食性試験例を示す
製造実施例 海水及び精製した消石灰ミルクを反応器に連続的に供給
し、B2O3の吸着量をコントロールするために反応液
PHを11.4〜11.9に調節して水酸化マグネシウ
ムを生成させ、濃集した沈殿の一部を反応器に循環させ
て沈降性、p過性の良好な水酸化マグネシウムを得た。
この水酸化マグネシウムを分級精製し、ろ過し900′
Cで仮焼して仮焼マグネシアとした。これを0.05r
r101/eのMgイオン水溶液中にMgO5Og/e
の濃度の投入し4時間撹拌した後1満間放置した。濃集
したスラリー1容に対し1熔の淡水で洗滌した。反応P
Hを変えることによりB2O3含有率の異なる水酸化マ
グネシウムをj調製した。これら水酸化マグネシウムを
原料とし組成を調整するたのCaO源としてCacO3
,slO2源としてSlO2水ゾル、ZrO2源として
ZrOcI2●8H20及び15μ以下に粉砕した酸化
ジルコニウムを用いた。尚原料の組成を示すCaO/M
gO,SiO2/MgO等の数値はMgOlOOに対す
る重量割合を示す。組成調整した原料は淵過乾燥し90
0℃電気炉で1時間仮焼し、30gの仮焼マグネシアを
30悶φ金型で1000k9/Cllの圧力で形成し、
酸素−プロパン炉で1800℃2時間の焼成を行つた。
焼結体の嵩密度、顕微鏡写真からフルマン法によつて測
定したペリクレーズ結晶の平均サイズ及び化学分析値を
第1表に示す。第1表に於て試料番号1〜5は本発明で
の適正組成での製造例であり、試料番号6〜11は本発
明のものでない参考例であつて、嵩密度が上らないかも
しくはペリクレーズ結晶成長が十分でない例である。
耐スラグ侵食性試験例 試料番号1の試料及び試料番号10の試料及び市販高級
品マグネシアクリンカーから1辺7T0nの各試料片を
切り出し、CaO−SiO2−Fe2O3三成分系のF
e2O333%を含むCaO/SiO2モル比3に調製
した1600℃溶融スラグ中に試料片を投入して5時間
保持した後取出した。
試料片の中央で2分割し、その断面を研磨して顕微鏡観
察した。その写真を第1図、第2図、第3図に示す。こ
の試験例で明らかなように、本発明によるマグネシア焼
結体は、溶融スラグと接触してもその構造に全く変化が
なく、これに対し参考例試料及び市販高級品はスラグ接
触面でペリクレーズの異状成長及びこれにもとずく構造
の変化がみられた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の試料NO.2の耐スラグ侵食試験の顕
微鏡写真、第2図は本発明外の試料NO.lOの耐スラ
グ侵食試験の顕微鏡写真、第3図は市販高級品の耐スラ
グ侵食試験の顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 MgOの含有率が98.6重量%以上、(CaO+
    SiO_2)の含有量が0.5重量%以下、SiO_2
    含有率が0.04重量%以上で、CaO/SiO_2モ
    ル比が0.8以下であり、ZrO_2含有率が0.05
    重量%以上で、かつ(SiO_2+ZrO_2)/Ca
    O重量比が1.5以上である成分組成を有し、3.45
    g/cm^3以上の嵩密度と100μ以上のサイズの構
    成ペリクレーズ結晶を有することを特徴とするマグネシ
    ア焼結体。 2 CaO/SiO_2モル比が0.5以下、(SiO
    _2+ZrO_2)/CaO重量比が2以上である特許
    請求の範囲第1項記載のマグネシア焼結体。 3 MgOに対するB_2O_3の重量百分率が0.1
    2%以下で、焼成物換算で、(CaO+SiO_2)の
    含有率が0.5重量%以下で、かつSiO_2含有率が
    0.04重量%以上で、CaO/SiO_2モル比が0
    .8以下で、かつZrO_2の含有率を0.05重量%
    以上とし、かつ(SiO_2+ZrO_2)/CaO重
    量比を1.5以上に調製した水酸化マグネシウム又は仮
    焼マグネシアを加圧成形して死焼して嵩密度が3.45
    g/cm^3以上で、構成ペリクレーズ結晶の大きさが
    100μ以上であるマグネシア焼結体を得ることを特徴
    とするマグネシア焼結体の製造方法。 4 焼成物換算で、CaO/SiO_2モル比が0.5
    以下で(SiO_2+ZrO_2)/CaO重量比が2
    以上である特許請求の範囲第3項記載のマグネシア焼結
    体の製造方法。
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