JPS6044277B2 - 複層金属被覆炭素粉体及びその焼結体 - Google Patents

複層金属被覆炭素粉体及びその焼結体

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JPS6044277B2
JPS6044277B2 JP52045145A JP4514577A JPS6044277B2 JP S6044277 B2 JPS6044277 B2 JP S6044277B2 JP 52045145 A JP52045145 A JP 52045145A JP 4514577 A JP4514577 A JP 4514577A JP S6044277 B2 JPS6044277 B2 JP S6044277B2
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metal
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治樹 佐藤
良雄 川澄
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Nippon Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粉末冶金材料としての金属被覆炭素質粉末及
びその焼結体に係る。
特に、金属黒鉛質ブラシとして有用な金属黒鉛粉体焼結
体、及びその成型素材たる金属黒鉛粉体に係り、更に詳
しくは、本発明は該成型素材として複層金属被覆炭素粉
体、及びその加圧成型焼結によつて成る複層金属被覆炭
素粉体焼結体を提供するものてある。 従来、摺動電極
(ブラシ)としてはその強度、導電性、摺動性、耐摩耗
性の観点から銅又は銅合金を金属成分とする金属黒鉛質
ブラシが公知である。これらの大部分は黒鉛粉末に金属
粉末を所定量添加混合して加圧成型後焼結して成るもの
であ るが、黒鉛粉末と金属粉末は互いに混合している
にすぎないので電気電導度が比較的小さく (比抵抗大
)十分満足な値に至つていない。しかし十分な電気伝導
度を得るために金属成分を増大すれば急激に摺滑性が減
少するという欠点を有する。 また、公知の金属黒鉛質
粉末としては、黒鉛を含む銅粉末を、硫酸銅溶液中に黒
鉛及び銅イオン析出媒剤(亜鉛)を添加することによつ
て製造可能とする報告例がある。しかしこの方法によつ
ては完全な銅又は銅合金の均一被覆は極めて困難であり
、析出状態は多量の粒状又は樹枝状の金属析出物を粒子
表面に有するものであつて、均一被覆とは言い難いもの
である。 なお上記方法はその他にも種々の困難を伴い
十数年以前から公知であつたにもか、)わらず工業的に
は実用化されていない。
このような理由から、今まて炭素質粉体に銅等の金属を
一様に被覆した金属被覆炭素粉体及びその焼結体は実用
化されていす、まして複層金属被覆炭素粉体はその報告
例’を見ない。このため摺動電極(ブラシ)は黒鉛粉と
銅粉を機械的に混合したもの(所謂混合方法によるもの
)を加圧成型し焼結して製造されていた。このため図3
に示す如くブラシの断面は銅部分が黒鉛によつて切断さ
れた状態となつていた。従つて銅量が30%前後のブラ
シの比抵抗は300μΩα前後と高い値しか得られなか
つた。本発明はこれに対し、銅又は銅合金を均一に被覆
析着させるに十分な程度の厚さをもつて炭素表面に形成
した貴金属薄層を有し、該貴金属薄層上に該貴金属薄層
よりも実質上十分に厚い前記銅又は銅合金の被覆層を有
することによつて、極めて均質かつ良好な銅又は銅合金
被覆層(以下銅等被覆層という)を有する複層金属被覆
炭素粉体を提供する。
更には得られた複層金属被覆炭素粉体を加圧成型し還元
性雰囲気下に加熱焼結して複層金属被覆炭素焼結体をも
提供するものである。
即ち、本発明は、該炭素粉体表面に、例えばパラジウム
から成る貴金属を極めて少量付着、せしめて薄層状化し
、その働きにより、銅又は銅合金の該表面への均一な付
着、被覆形成を可能にしたものである。本発明によれば
、従来不完全な状態において以外、製造され得なかつた
、炭素質粉体を核とした金属被覆粉体が極めて良好なコ
ントロールの下に種々の層厚さにおいて製造されうる。
ここに貴金属とは銅を除く、水素よりイオン化傾向の低
い金属をいう。前記貴金属薄層は、パラジウム、白金、
ロジウム、金、銀その他の貴金属の一以上、最も好まし
くはパラジウムから成り、銅又は銅合金を該貴金属薄層
の上に均一に被覆析着させるに十分な程度の厚さをもつ
て足りる。
該薄層は、極めて薄く、数オングストロームないし数十
オングストロームで足り、約5オングストロームのパラ
ジウム層の存在は本発明の目的を達するに十分である。
もちろんこれ以上の層厚を除外しない。例えば、実施,
例1に示す粒度分布の黒鉛粉末に対し0.04W/w%
のパラジウム被覆においては、約5Aの薄層が形成され
る。量的には、通常の黒鉛粉に対し、パラジウムは0.
005W/w%以上好ましくは0.014W/w%以上
であるが、粒度分布表面性状.等によつて多少変化する
。該貴金属は銅又は銅合金の鍍金に先立つて炭素質粒子
表面に形成され、銅等の鍍金をセメンテーシヨンによる
場合には、少くとも析出した銅等との間に置換反応を生
じないもの、即ち銅等によつて酸化されないことであ・
ることを要する。ここにセメンテーシヨンとは、液中に
溶解している目的金属を置換析出させるために、イオン
化傾向の大きい別の金属を添加する方法をいう。銅等の
鍍金被覆は、この炭素表面に形成した貴金属薄層の助け
を借りて行われる。
該鍍金は、公知の電気鍍金、化学鍍金又はセメンテーシ
ヨンによつて行うことができる。特に電極ブラシ焼結体
の素材としての金属被覆黒鉛粉の鍍金は、セメンテーシ
ヨンが好ましい。即ち、銅被覆の場合、銅イオンを含む
溶液、例えば硫酸銅水溶液中において、該銅イオンを、
適当な還元媒剤添加により、該貴金属薄層上に還元析出
(セメンテーシヨン)゛して行うことができる。この反
応は前記貴金属が炭素粉体表面に均一に存在することに
よつて、炭素表面全体に亘り均一に行われるので、極め
て均一な銅被覆層が形成可能である。銅イオンを含む母
液としては、硫酸、リン酸、塩酸等があり、硫酸溶液が
好ましい。また、銅合金としては銅を主成分とした銅一
鉛合金(鉛0.1〜13w/w%程度)、銅一錫、銅−
アンチモン等及びこれらの混合合金の形成が可能である
例えば銅一鉛合金の形成は、銅イオンを含む水溶液中に
おいて、亜鉛一鉛合金粉末を還元媒体として可能である
。前記金属黒鉛質ブラシにおいて鉛を一定程度含むこと
は、対摩耗性において有効であり、本発明はそのような
場合にも適用可能である。他の方法としては、銅イオン
と共に従たる合金成分イオンを含む溶液から、セメンテ
ーシヨンさせることも可能である。
但し、銅よりも卑なる金属のイオンに対しては、銅が優
勢に析出するのでこの場合には上述の如く銅を主成分と
した合金層が形成される。但しこの場合には、析出金属
よりも大なるイオン化傾向を有する還元媒剤を用いる必
要があり、還元媒剤が該水溶液中にイオン化して溶け込
むと同時に、銅イオン等は電子を得て前記パラジウム被
覆した炭素表面上に析出する。硫酸銅水溶液からの銅イ
オンの還元析出のためには、銅よりもイオン化傾向の大
なる金属粉を還元媒体に用いる。即ち、それは汎そ亜鉛
から鉛までの間のイオン化傾向を有するものでよく、例
えば、好ましくは鉄粉、又は亜鉛粉末である。また上記
金属の合金、上記金属とそれ以外の金属との合金粉末も
当然使用可能である。また、本発明は、第一層たる貴金
属薄層上に第二層として、銅又は銅合金層の形成を可能
にしたが、同様の原理に基き、該第二層上に銅、銅合金
又は他の金属もしくは他の合金層を形成することも当然
に可能とする。
複層合属被覆とはこの意義をいい単に二層にとどまらな
い。一度び金属被覆された炭素質粒子表面に、更に同種
又は他種の金属(又は合金)鍍金を施すことは本発明に
基き特別な困難なく実施しうる。セメンテーシヨンによ
る鍍金の場合、夫々の析出金属に適したイオン化傾向を
有する還元媒剤を用いることは当然である。第一の貴金
属薄層は、好ましくは貴金属イオンを含む水溶液に炭素
粉を浸漬、混合又はスプレーして乾燥し、炭素が酸化し
ないように加熱することにより得ることができる。
この加熱により、該金属塩を分解し金属被覆とする。か
くて炭素表面に極めて薄い貴金属被覆を得る。例えばパ
ラジウムの場合には、パラジウム塩として塩化パラジウ
ム、硝酸パラジウム、硝酸アンミンパラジウム等の水溶
液を用いることができ、その分解温度以上に好ましくは
還元性雰囲気下に加熱する。加熱温度は硝酸パラジウム
のとき150〜600℃好ましくは400′Cて数分〜
1時間程度加熱する。次に、本発明の有するもう一つの
成果について述べる。
前述の複層金属被覆炭素粉体の製造の一終極目的はこの
焼結により、良好な電極ブラシを得ることにある。本発
明に係る複層金属被覆炭素粉体は、完全に金属被覆され
ており、従つて極めて容易に焼結できる。焼結は銅、又
は銅合金の金属成分に応じて、夫々適当な焼結温度にお
いて、好ましくは還元性雰囲気下において行う。該焼結
温度は通常銅被覆に対しては300〜800′C、好ま
しくは600〜800゜Cてあり、銅一鉛等の銅合金被
覆に対してはこれより低目の温度範囲が好ましい。焼結
に際しては特別のバインダーは要しないが焼結体の目的
とする性質に応じ公知のバイングー又は融剤等を添加、
又は被覆して焼結することは当然本発明の範囲に含まれ
る。この焼結体は、実施例2に示す焼結体の電子顕微鏡
観察により明瞭にその構成が認められる。
即ち該焼結体の断面は、極めて均一厚さの銅皮膜が黒鉛
粒子をとり囲み、金属皮膜のみが連続して形成され、黒
鉛粒子はブレスに基く部分的破断箇所を除いて独立粒子
として認められる。これを図式的に示せば図2に示す通
りである。前述の如くこのような明瞭な被覆形成は公知
報告例では見られす、金属層の厚み、分布は全く不均一
てあり、更に多数の銅(又は銅合金)粒子の介在が認め
られるので、本発明との相異が明らかである。このよう
な構造の結果以下に示す特性が顕われる。
即ちこの焼結により得られる、本発明に係る金属黒鉛ブ
ラシど公知技術によるものと対比すると表1に示す如く
、本発明においては、より高い炭素量(69%)におい
てより高い電気電導度(より低い比抵抗57μΩCm)
を示し、曲げ強度は100k9/d以上で所要値を充た
している。これに対して従来法(混合法)においては、
より低い炭素量(65%)において、より低い電気電導
度(より高い比抵抗330μΩd)を示す(曲げ強度は
180k9/dと高い)。従つて本発明によればより低
い銅組成において良好な焼結体がえられるので、摺滑性
も当然秀れたものとなる。以下に本発明の実施例を記す
実施例1 20ダに硝酸パラジウム水溶液20mL(パラジウム2
.8m9含有)を混合し、磁製皿上において大気中で4
00゜C、30分加熱処理してパラジウム薄層を形成し
た。
このパラジウム処理した黒鉛粉を、銅イオン10ダを含
み、硫酸濃度200y/eの硫酸銅一硫酸溶液11.5
TrL1(室温)中に入れて攪拌し、還元鉄粉4.75
yを分割して添加した。更に攪拌を続け、自然の温度上
昇に委ねつつ、銅を該パラジウム薄層で被覆した黒鉛粉
表面上にセメンテーシヨンにより析出せしめた。反応終
了後、固液分離し、スラリーに再度上記の鍍銅処理を施
した。生成スラリーを分離水洗し、更にニカワ濃度0.
5f1/eの水溶液でニカワ被覆を施し70〜80゜C
において減圧乾燥して、複層金属被覆炭素粉体を得゛た
。そのパラジウム薄層厚は5八、銅層厚は平均7μとな
つた。本発明による前記黒鉛粉末の断面構造の図式図を
図1に示す。実施例2 実施例1において得た銅一パラジウム被覆黒鉛粉体を金
型5×5×3−リ入れて4t/dでブレス成型した後、
750℃に還元性雰囲気下において1時間大気圧下にお
いて焼結処理してパラジウムー銅複層被覆黒鉛粉末焼結
体を得た。
その断面構造を図式的に図2に示す。この焼結体の特性
は表1に示す。実施例3 実施例1と同様にして、黒鉛に対しパラジウム0.02
5W/w%の被覆を行い、以後実施例2と同様の方法で
焼結した。
その結果を表1に示す。この結果得られた材料の特性は
、曲げ強度150k9/d比抵抗52μΩCml硬度(
シヨア)19であつた。即ち参考例の比抵抗330μΩ
礪に比べはるかに小さい良好な特性が得られた。参考例 実施例1と同一粉末を用い、CU35%残部黒鉛粉末と
して、混合法により、実施例2と同一条件で加圧成型し
更に焼結して得られた焼結体の特性を同じく表1に示す
これはCu成分が実施例2,3よりも高いにも拘らず、
その比抵抗は逆に実施例2,3よりもはるかに高く、好
ましくない。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係る複層金属被覆炭素粉体粒子の断面構
造を図式的に示すものである。 1は炭素質粒子、2は銅又は銅を主成分とする銅合金被
覆層、3は貴金属薄層を示す。 図2は本発明に係る複層金属被覆炭素粉体焼結体の断面
構造を図式的に示す。符号は図1と同1じ。図3は従来
法(混合法)による金属黒鉛質電極ブラシ(焼結体)の
断面を図式的に示す。1は黒鉛粒子、2は銅粒子を示す

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 銅又は銅合金を均一に被覆析着させるに十分な程度
    の厚さをもつて炭素表面に形成した貴金属薄層と、該貴
    金属薄層を被覆しかつ該貴金属薄層よりも実質上十分に
    厚い銅又は銅を主成分とする銅合金層とを有する複層金
    属被覆炭素粉体。 2 銅又は銅合金を均一に被覆析着させるに十分な程度
    の厚さをもつて炭素表面に形成した貴金属薄層と、該貴
    金属薄層を被覆しかつ該貴金属薄層よりも実質上十分に
    厚い銅又は銅を主成分とする銅合金層とを有する複層金
    属被覆炭素粉体を加圧成型し、還元性雰囲気下に加熱焼
    結して成る複層金属被覆炭素粉体焼結体。
JP52045145A 1977-04-21 1977-04-21 複層金属被覆炭素粉体及びその焼結体 Expired JPS6044277B2 (ja)

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JPS53130707A JPS53130707A (en) 1978-11-15
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH025108U (ja) * 1988-06-18 1990-01-12

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