JPS6043811B2 - 両持式のロ−ラ矯正機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は両持式ローラ矯正機において胴幅調整機構を備
えさせ、矯正反力の大なる高抗張力材のものおよび大形
サイズのものについても能率よくかつ精度も良好に矯正
する装置を提供するものである。

従来より広く用いられている矯正機に片持式のものがあ
る。

この片持式は軸受をローラの片側のみに配置し、形鋼の
生産形態が多品種少量であることにより発生する頻繁な
品種およびサイズの変更に伴なう迅速なロール組替の必
要性に対応するものとして発展し多く使用されてきた。
しかしながら片持式の矯正機においてはその構造上軸受
が片側にのみしか配置されないのでその欠点として負荷
耐力に限界があつた。

特に大形サイズの場合には矯正反力も増大するので片持
式における矯正主軸の撓みも大きくその状況は上ロール
を取り付けた主軸が先端を上部方向へ、そして下ロール
を取りつけた主軸はその先端を下側にして撓み、主軸が
相互に開いたようになる。

この結果材料は大きくねじられ、矯正後においても、ね
じりが残り、このため大形サイズの場合にはプレス作業
で修正する等が必要となり作業能力を著しく低下させて
いた。而して近年大形サイズのＨ形鋼の需要が高層建築
等にみられる建築、土木のスケールアップ化に伴ない益
々増加する傾向にありしたがつて圧延工場の精整ライン
におけるネックとなることが予測される。これらの欠点
のため片持式矯正機に変わり両持式ロール矯正機の実施
が試みられている。

そして発明者等においてはロール組替性の優れた両持式
のローラ矯正機を発明したが本発明においては旧来から
ある両持式ローラ矯正機にも実施可能な両持式矯正ロー
ラの胴幅調整機構を備えたロール矯正装置である。即ち
従来の両持式ローラ矯正機においてはＨ形鋼等のように
対称圧延材を矯正する際にその内幅に対応した組立ロー
ルを使用するがこのサイズが変わつた時にその内幅に対
応したロール胴幅をあらかじめセットされた組立ロール
と交換されていたがこの組替時間に２時間程度要してい
たものを本発明装置においてはこのようなサイズ替えに
際しローラ胴幅調整機構で内幅に応じてローラを移動さ
せロール組替えを不要とした両持式ロール矯正装置であ
る。

以下本発明の一実施例を図に従つて詳述する。

第１図は矯正ローラの断面図を示しているが、図におい
てチヨツク７，２７は両持式ローラ矯正機の主フレーム
に固定されている。そしてチヨツク７，２７に内蔵され
た外筒６，２６は各々、チヨツク７，２７に台形ネジ８
，２８で以つて固定されている。そして外筒６，２６に
コロガリ軸受５，２５が設けられ、さらに内筒３，２３
がそのコロガリ軸受５，２５によつて固定されている。
そして内筒３，２３の中に主軸４が挿入されており、こ
の主軸４上を内筒３，２３が移動するような構造となつ
ている。又この主軸４は両持式ローラ矯正機の主フレー
ムに固定されたチヨツク７，２７のカバー１０，３０に
取付けられたコロガリ軸受１１，３１で以つてチヨツク
へ固定されている。なお被駆動側のコロガリ軸受１１を
バネを介して固定し軸の熱膨張に対し逃げるようにして
いる。内筒３，２３に矯正ローラ２，２２をスペーサ４
０，４１，４４，４５でそのローラ胴幅に合わせて概略
調整してナット４２，４３て固定している。そして外筒
．２６には台形オネジ２８とギヤー２９が設けてあり、
台形オネジ２８はチヨツク２７の台形メネジ２８″と噛
合つている。又外筒２６のギヤー２９はチヨツク２７内
に設けられたピニオン３６と噛み合つている。このピニ
オン３６はチヨツク２７とカバー３０の軸受で支えられ
ておりその一端は油圧モータ３５に連設される。而して
ローラ２，２２の胴幅を変えるとき油圧モーター３５を
所定量回転させ、ピニオン３６を介して外筒２６を回す
。

この時外筒２６はハウジ・ングに固定されたチヨツク２
７と台形ネジ２８，２『で結合しているため、外筒２６
はチヨツク２７に対し軸方向へ動く。従つて内筒２３も
軸方向へ動き、その結果矯正ローラ２２が動く。第１図
口でＳで示す長さは軸方向調整長である。なお本説明で
は途中より第１図の右側（駆動側）についてのみ説明し
たが、左側（被駆動側）についても同様構成で操作もま
た同じである。このようにして左右の矯正ローラ２，２
２を単独に軸方向へ動かすことが出来ローラ胴幅の調整
が容易に実施できる。

第１図の場合はローラ胴幅調整量をそれ程大きくとつて
おらず、サイズ替えに際してはスペーサＪ４Ｏ，４ｌ，
４４，４５を半割りにして、これを入れ換えることによ
り矯正ローラ２，２２を軸方向へ動かして対応させる。

第２図、第３図に示すものは、このローラ胴幅調整量を
大きくしてサイズ替えに対し、この胴幅調整機構で実施
し、ロール組替が不必要な場合である。第２図はＨ４５
Ｏ〜６５０のサイズについて第３図はＨ２５Ｏ〜４５０
のサイズについて対応できるものを示し、第２図と第３
図は内筒２３のみ異なつたものて他は全て同様である。

而して第１図により本発明の作動例の説明を更に進めれ
ば主軸４の右端（駆動側）にユニバーサル・スピンドル
で接続して主軸４を回転させる。

動力の伝達は、スピンドルから主軸４そしてキー２４を
介して内筒３，２３へそれからキー１８，３８を介して
矯正ローラ２，２２へ伝達される。そしてロール２，２
２を組替える時には主軸４の両端に設けられた半割りリ
ング１４，３４とネジ１２，１３あるいは３２，３３を
はずすことによリチヨツク７，２７に内筒３，２３を組
み込んだ状態のものがはずされその後矯正ロールが組み
替えられるものである。以上のようにＨ形鋼などのよう
に対称形状の鋼の矯正においてサイズ替えに際し、従来
のようにロールを組替えることなく又ローラ胴幅の微調
整についても従来のように矯正ローラの両端のネジを特
殊スパナとハンマで緩めて微調整し又締めるような非能
率的な作業をなくし、本発明の調整機構によればロール
組替もある程度不要となり、かつローラ胴幅微調整も容
易となり矯正作業を著しく向上させることが出来るよう
になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本発明装置の一部断面を示す側面図。 第１図叫ま本発明装置の一部詳細断面図。第２図〜第３
図はそれぞれサイズの異なる装置の一部断面を示す側面
図。図中、２，２２は矯正ローラ、３，２３は内筒、４
は主軸、５，２５はコロガリ軸受、６，２６は外筒、７
，２７はチヨツク、８，２８は台形ネジ、１０，３０は
チヨツクカバー、１１，３１はコロガリ軸受、１２，１
３，３２，３３はネジ、１４，３４は半割リング、２９
はギヤー、１５，３５は油圧モータ、３６はピニオン、
４０，４１，４４，４５はスペーサー、４２，４３はナ
ット、１８，３８はキー、２８は台形ネジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両持式ローラ矯正機において、 矯正機の主フレームに固定したチヨツク７、２７内方と
   ネジで結合された外筒６、２６にコロガリ軸受５、２５
   および内筒３、２３を取り付け該内筒３、２３の外周に
   矯正ローラ２、２２をとりつけ、かつ内周に主軸４を挿
   入し、内筒３、２３を主軸４の軸方向へ移動可能にし主
   軸４をコロガリ軸受１１、３１でチヨツク７、２７に固
   定し、外筒６、２６を回してネジ８、２８により軸方向
   へ往復させてローラ胴幅を調整することを特徴とする両
   持式のローラ矯正機。