JPS604275Y2 - 磁気ヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁束収束型の磁気抵抗効果素子を使用した磁気
ヘッドの改良に関する。

従来、磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドとして種々の
ものがあるが、第１図に示すような記録媒体７からの信
号磁束を空隙部３で検出し、磁気抵抗効果素子５へ導く
磁束収束型磁気抵抗効果ヘッドが考えられる。

この種のヘッドは通常ガラス等の非磁性絶縁体の基板１
上に真空蒸着、電着あるいはスパッタリング等を用いＦ
ｅ−Ｎｉ合金、Ａ１−Ｆｅ−３ｉ合金などの強磁性薄板
２を形成しホトエツチング等の手段により所定のパター
ンが形成される。

パターンエツチングされた強磁性薄板２は第１図に示さ
れるように空隙部３を有する磁束収束コア部４、磁気抵
抗効果素子５、そして該素子部５に一定電流ｉを供給す
るための電流端子部６より一般に構成される。

このようなヘッドにおいては記録媒体７からの信号磁束
を効率よく磁気抵抗効果素子部５へ収束することが可能
で且つ該素子５中の磁束密度も一様で信号磁束を有効に
利用出来、従ってより広いダイナミックレンジから得ら
れる。

さらに耐摩耗性を実用上問題ないものが得られる。

又、−強磁性薄板２の厚みがトラック幅となるので、−
２μｍ〜２００Ａといった極めて狭いトラック幅を有す
るヘッド−も容易に実現することが可能である。

このようなヘッドを再生ヘッドとして使う事により、極
めて狭いトラック上の信号を再生することが出来、記録
媒体上の単位長さ当りのトラック数を著しく増加するこ
とが可能となり、記録面密度が大きく増加“される事が
期待できる。

しかしこのようにトラック幅が極度に狭くなり、トラッ
ク間ピッチが小さくなった場合は、所定のトラックから
の信号を検出すると同時に他のトラック、即ち隣接トラ
ックからの信号も再生するという大きな問題点がある。

すなわち、記録媒体７に記録されたトラック８，９．１
０があり、いまヘッドはトラック８上にあって信号を検
出する場合、ヘッドの再生出力波形にはトラック８から
の情報以外に隣接したトラック９，１０からの漏洩磁束
による情報が混入する。

この影響の度合はトラック上の記録波長に依存するが、
長波長はど影響の度合が著しい。

本考案はこのような欠点を改善するためのものである。

以下本考案の一実施例について図面とともに説明する。

なお第１図と共通する素子に同一番号を付して説明する
。

いま、わかり易くするため第１図で示した基板１は省略
している。

第２図に示すように本考案の基本構成は磁束収束型磁気
抵抗効果素子ヘッドの強磁性薄板２のトラック幅方向の
両側、且つ記録媒体７に当近接する側にＦｅ−Ｎｉ合金
、ＡＩ −Ｆｅ −３ｉ合金等の強磁性板１２．１３を
配置せしめることにある。

この場合強磁性板１２．１３と強磁性薄板２の間に非磁
性絶縁材（第２図では図示せず）が狭まれている。

強磁性板１２．１３の大きさについては幅Ｗは磁気抵抗
効果素子ヘッドのパターンによって適性値が決定される
が、通常コア幅Ｗと同等もしくは大きくとる。

長さＬはヘッドの用途とヘッド寸法との関係および製造
方法より決定される。

強磁性板１２．１３は強磁性薄板２と直角方向、即ち記
録媒体７と平行な状態で強磁性薄板を挾持するが、強磁
性薄板２と強磁性板１２．１３とのそれぞれの間隔は、
強磁性板１２．１３の強磁性薄板２のギャップ深さ方向
の位置、強磁性板１２，１３の厚みｔとの関連に伴う磁
束収束効果を考慮する必要がある。

即ちシールド効果を高めるためには出来るだけ該間隔を
小さくした方がよいが、近づけすぎるとギャップ部の磁
気レラクタンスが減少し、磁束収束効率が低下する。

次に、−強磁性板１２．１３（シールド層）の厚みｔに
ついては、強磁性薄板２のギャップ深さｄとの関連によ
り決定される。

すなわち、第２図に示されるように、強磁性板１２．１
３は、強磁性薄板２の磁気空隙の深さｄ以下の厚さにし
ている。

このようにシールド層としての強磁性板１２．１３の厚
みを磁気空隙の深さｄ以下の厚さにすると、隣接トラッ
クからの磁束をはじめとする外部雑音の影響をもつとも
受けやすい部分を効果的にシールドできるだけでなく、
希望するトラックからの信号磁束を効率よく強磁性薄板
２を通して磁気抵抗効果素子へ導くことができる。

逆に磁気空隙の深さｄよりも厚いシールド層を配置する
と、トラック間隔が非常に狭いことからシールド層が強
磁性薄板２に近接しているため、シールド層への信号磁
束のもれが無視できない大きさとなり、再生時の磁気効
率（すなわち磁気記録媒体からの信号磁束のうち磁気抵
抗効果素子に導かれる磁束の割合）が悪くなる。

第３図に本考案の具体例を示す。

第３図ａはヘッドの断面図、第３図すはその正面図であ
る。

基板としてその一部がフェライト、Ｆｅ −Ｎｉ合金、
ＡＩ −Ｆｅ−３ｉ合金等のシールド板となる強磁性材
１７で他部はガラス等の非磁性材１８より構成されたも
のを用い、その上部にＳｉＯやＳｉＯ□等の非磁性絶縁
板１９を設け、その上にＦｅ−Ｎｉ合金、Ａ１−Ｆｅ−
３ｉ合金等の強磁性薄板２で第１図および第２図に示し
たパターンの磁束収束型磁気抵抗効果ヘッドを蒸着およ
びホトエツチング等の手段により、前記強磁性材１７と
前記非磁性材１８の境界２５がギャップ深さの上端に略
々達するような位置に形威し、一方前記基板と略同様の
構成をしたもの、即ち強磁性材２２と非磁性材２３とか
らなるものの上にＳｉＯあるいは５ｉＯ８等の非磁性絶
縁板２４を有する保持板を用意し、この保持板の強磁性
材２２と非磁性材２３の境界２６が前記基板の強磁性材
１７と非磁性材１８の境界２５と一致するように、該保
持板を基板に接着させ、強磁性材１７．２２が２０〜５
０μｍ程度残るように且つ強磁性薄板２の記録媒体に接
する側の端部が現われるように、Ａ−Ａ’面まで切削し
研磨する。

このような構成により、強磁性材１７．２２を強磁性薄
板２のトラック巾方向の両側に近接することが可能とな
り、シールド効果を得ることが出来る。

この構成では強磁性材１７．２２が埋めこまれた状態に
なるため、強磁性薄板２は記録媒体と充分接触すること
が可能となりスペーシングロスは小さくおさえることが
出来る。

以上のように、本考案の磁気ヘッドは、磁気空隙部を有
する磁束収束コアと、前記磁束収束コアが配置される面
と同一面に配置された磁気抵抗効果素子とを磁気ヘッド
において、前記磁束収束コアのトラック幅方向の両側に
、前記磁束収束コアに近接して前記磁気空隙の深さ以下
の厚さを有する強磁性材よりなるシールド層を前記磁気
ヘッドと直角方向に設けたものであるため、磁気収束コ
アと対向するシールド層の面積が小さく、従つて、磁気
収束コアを流れる信号磁束がシールド層に漏洩して磁気
抵抗効果素子へ流れる信号磁束を減少させることなく、
すなわち磁気効率を低下させることなく、良好なシール
ド効果が望めるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は新規な磁束収束型磁気抵抗効果ヘッドの構成国
、第２図は本考案の一実施例の磁束収束型磁気抵抗効果
ヘッドの基本構成図、第３図ａは本考案の一実施例の断
面図、ｂは同正面図である。 １・・・・・・基板、２・・・・・・強磁性薄板、３・
・・・・・磁気空隙、５・・・・・・磁気抵抗効果素子
、１８．２３・・・・・・非磁性材、１７，２２・・・
・・・強磁性材、１９，２４・・・・・・非磁性絶縁板
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気空隙部を有する磁束収束コアと、前記磁束収束コア
   が配置される面と同一面に配置された磁気抵抗効果素子
   とを有する磁気ヘッドにおいて、前記磁束収束コアのト
   ラック幅方向の両側に、前記磁束収束コアに近接して前
   記磁気空隙の深さ以下の厚さを有する強磁性材よりなる
   シールド層を前記磁気ヘッドと直角方向に設けたことを
   特徴とする磁気ヘッド。