JPS6041918Y2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯槽内部に小物等の洗いをするための小室を
備えた洗濯機に関するもので、小物や薄物の衣類あるい
はデリケートな繊維よりなる衣類を損傷（いわゆる傷み
や縮み）を生ずることなく、美しく仕上げるための具体
構造に係るものである。

従来、ナイロン、ストッキング、ガーゼ、ハンカチ、毛
製品などいわゆる小物や薄物あるいはデリケートな繊維
に対しては、洗濯機によって洗濯しないことが通例であ
る。

それは、このような繊維品に対しては、洗濯水流が強す
ぎて、損傷即ち傷み、縮み、変形などを生じるからであ
る。

一般に、いわゆるパルセータ式洗濯機においては、洗浄
効果は大きいが、反面これら繊維品の損傷も大きく、こ
のため電動機の極数を変換して、パルセータの回転数を
下げて弱水流とし、前述のような衣類その他の繊維に対
して損傷を生じないようにしているが、元来パルセータ
式においては、繊維品のよじれが大きく、弱水流におい
ても、これら繊維品の損傷は免かれないので、従来の洗
濯機はデリケートな衣類等の洗濯には適さなかった。

また弱水流においては、厚物衣類や汚れのひどい衣類に
対して、洗浄効果が不十分なため、強水流で洗濯せねば
ならず、厚物や汚れのひどいものと薄物やデリケートな
ものの両者を同時に洗濯することは不可能であり、それ
らの点で不便であるという欠点があった。

本考案の目的は、小物やデリケートな衣類の洗濯を、よ
じれ等による損傷を生じることなく、シかも、厚物や汚
れのひどい衣類の洗濯と同時に行うにある。

そして、この目的を遠戚するために、本考案は洗濯槽内
部に、裏面に複数個所羽根を設けたパルセータを回転自
在に配設し、この配設部には凹所を設けて渦室とすると
ともにに、洗濯槽の一隅に小物入れ用の小室を形威し、
前記小室下部の小室中心部から隔たった位置には吐出ノ
ズルを設けるとともに前記渦室と前記吐出ノズルとを連
絡して流路を設け、前記パルセータの回転にともなって
生じる吐出ノズルからの吐出水によって前記小室内に回
転水流を生成するように構成したものであり、小室内に
投入した衣類は、パルセータの回転によって小室内に生
成する回転水流によって攪拌され、損傷を生じることな
く、シかも、効果的に洗浄できる。

しかも、この洗浄は、パルセータそのものの回転により
洗濯槽内に生じる水流で衣類を洗浄する動作と同時に行
える。

以下、本考案の実施例を添付図面に基づき説明する。

第１図および第２図は洗濯機の平面形状および縦断面形
状を示している。

図において、洗濯槽１の底部には、パルセータ２及び排
水孔３が設けられ、該パルセータ２は電動機（図示せず
）により回転する。

この回転は、一方向のみに回転させる場合、即ち渦巻水
流、及び一定時間毎に回転方向を変えて回転する場合、
即ち反転水流の何れをも行ない得るものである。

パルセータ２の裏面には複数個所羽根４を設け、前記洗
濯槽１の底部のパルセータ配設場所には、前記羽根４が
十分はまり込む深さを持った円形の凹所５が形成され、
これがパルセータ回転の際の渦室となっている。

そしてこの凹所５の外周面には吐出孔６を設けると共に
下面の中心部に近接して吸込孔７が設けられている。

そして、吐出孔６からは、吐出水ホース８を経て、後述
の小物洗い部９につながり、又吸込孔７は吸込ホース１
０を介して前記排水口３に連通ずる。

小物洗い部９は洗濯槽１の一隅に設けられ、小室１１．
この小室１１底部の小室１１中心部から隔たった位置に
開口した吐出ノズル１２、蓋１３等より戒り、ナイロン
ストッキング、ハンカチ、靴下などいわゆる小物を洗濯
するところであり、洗濯槽１と同時成形などによって形
成されている。

前記吐出ノズル１２は、吐出水ホース８を介して前記吐
出孔６に連通している。

なお、１４は外筐、１５は操作パネル、１６は排水ホー
ス、１７は排水弁、１６′は外部排水ホースであり、１
８は溢水ホースで、洗濯槽上部に設けた溢水孔（図示せ
ず）より連絡している。

次に作用効果を述べる。

洗濯に際し、厚物や汚れの甚だしいものは、洗濯槽１内
に入れてパルセータ２の攪拌により、従来のようにして
洗濯するが、ナイロンストッキング、ハンカチ、毛製品
などは、小物洗い部９の小室１１に入れる。

洗濯中、パルセータ２の裏面に設けた羽根４の遠心ポン
プ作用によって、凹所５の外周部で圧力が高くなり、中
心部で低くなる。

その結果吸込孔７より水を吸込し、吐出孔６より水を吐
出する。

そして、その水は吐出ホース８を経て吐出ノズル１２よ
り前記小室１１内に吐出され、該小室１１内に弱い一種
の循環水流をつくる。

その状態を示しているのが第３図及び第４図である。

これらのなかで、イ図はパルセータ裏面、および凹所５
を、０図は小物洗い部９の内部平面図、へ図は０図のＡ
−Ａ断面図を示している。

第３図は吐出孔６及び吐出ノズル１２が夫々１個所の場
合の実施例で、小室１１内底部に中心から隔たった位置
に吐出ノズル１２を設けることにより、この小室１１内
の水流は矢印１９で示すように、小室内で弱い対流とな
る。

この場合吐出口６は凹所５からほぼ法線方向に出るよう
に形成されている。

また他の実施例として、第４図に示すものは、吐出孔を
２個所６及び６′の如く距離をおいて平行して設け、小
室１１内の吐出ノズルも適当に距離をおいて２個所設け
て１２．１２’の如くしている。

この場合、パルセータ２が矢印２０の如く右回転の時は
小室内で矢印２２の如き水流を起し、又矢印２１の如く
左回転の時は小室内で矢印２３の如き水流を生ぜしめる
ものである。

従って、小室内の水流はいわゆる反転水流となり、よじ
れがなくなり、よりデリケートな洗濯に適するのである
。

以上のように本考案においては、洗濯槽の一隅に小物洗
い用の小室を設け、パルセータの回転により発生する水
流を前記小室へ導いてこの小室内に微弱な水流を生成さ
せ、これによって、前述のような薄物、小物やデリケー
トな繊維よりなる衣類を洗濯するものであり、衣類のい
たみ、よじれが殆んどなく、従来の洗濯機の欠点を除去
すると共に、厚物や汚れの甚だしいものは、従来のよう
に洗濯機で同時に洗濯できるものであるので、極めて実
用効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における洗濯機の平面図、第２
図は同縦断面図、第３図及び第４図は同作用、動作の説
明図であり、イはパルセータ近傍の水平断面図、口は小
室近傍の水平断面図、ハは口のＡ−Ａ線断面図である。 １・・・・・・洗濯槽、２・・・・・・パルセータ、８
・・・・・・排水孔、４・・・・・・羽根、５・・・・
・・凹所、６・・・・・・吐出孔、７・・・・・・吸込
孔、８・・・・・・吐出ホース、９・・・・・・小物洗
い部、１０・・・・・・吸込ホース、１１・・・・・・
小室、１２゜１２′・・・・・・吐出ノズル、１３・・
・・・・蓋、１４・・・・・・外筐、１５・・・・・・
操作パネル、１６・・・・・・排水ホース、１６′・・
・・・・外部排水ホース、１７・・・・・・排水弁、１
８・・・・・・溢水ホース、１９・・・・・・対流、２
０・・・・・・右回転方向、２１・・・・・・左回転方
向、２２・・・・・・右回転２０の時の水流、２３・・
・・・・左回転２１の時の水流。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽内部に、裏面に複数個所羽根を設けたパルセータ
   を回転自在に配設し、この配設部には凹所を設けて渦室
   とするとともに、洗濯槽の一隅に小物入れ用の小室を形
   威し、前記小室底部の小室中心部から隔たった位置には
   吐出ノズルを設けるとともに前記渦室と前記吐出ノズル
   とを連絡して流路を設け、前記パルセータの回転にとも
   なって生じる吐出ノズルからの吐出水によって、前記小
   室内に回転水流を生成するように構成した洗濯機。