JPS6234548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱水槽内で注水すすぎを行ない、又一
方では送風しながら脱水して脱水率を向上させた
脱水機に関する。

この種の脱水機では注水状態を目視できるよう
にするために内蓋を透明材料にて形成すると共
に、外蓋の開口に透明なカバーを設けている。し
かし、このカバーは外蓋上面から盛り上るように
設けてあるので、洗濯中に外蓋上にカゴなどの洗
濯用具を乗せた時に傷がつきやすく、透明度が低
下して注水状態を目視しにくくなる。又、送風し
ながら脱水するには、機内の湿つた或いは臭いを
含んだ空気を吸引するよりもより低湿度で無臭の
外気を吸引した方が効果的であり、斯る点から外
気の吸気孔は内蓋及び外蓋に設けられる。

カバーが傷つきやすいと云う欠点は、カバーを
外蓋上面から凹ませることによりある程度取除く
ことができる。しかし、そうすると、カバーが内
蓋上面にほとんど重合し、注水すすぎの際に水し
ぶきが吸気孔から外蓋上方まで飛散することがあ
り、目視中に顔に水がかかることになる。

本考案は上述の点に鑑み成されたものであり、
外気の吸引を促進する一方、注水時の目視を可能
と成し、外蓋のカバーの傷つきを妨げ、更に注水
時の水しぶきが外蓋上方にまでは出にくくするこ
とを目的とする。即ち、外蓋のカバーに凹ませる
と共に内蓋の中央部には凹所を形成し、よつてカ
バーと凹所間に所定の間隔Ｌを維持し、カバー及
び凹所に外気の吸気孔を形成した脱水機である。
従つて、脱水槽の回転時には吸気孔から外気を脱
水槽内に流入させることができ、注水すすぎの際
にはカバー及び凹所を介して注水状態を目視で
き、カバーが凹んでいるのに傷つきにくく、更に
カバーと凹所間に所定の間隔を維持したので脱水
槽から飛散した水を段階的にしや断して外蓋上方
に飛び出るのを妨げることができる。

以下、実施例を図面に基づいて説明すると、１
は二槽式洗濯機の洗濯槽に並設された遠心型の脱
水機で、洗濯槽と一体に樹脂成型された受槽２内
にモーター駆動による脱水槽３を配設し、受槽２
の上部に上面板４を取付けると共に上面板４の衣
類出入口５を脱水槽３の上部開口６に近接対向さ
せ、この衣類出入口５及び上部開口６の上方には
内蓋７及び外蓋８を配設してある。９…は脱水槽
３の周壁に形成した脱水孔、１０はバランスリン
グ、１１は受槽２の上部を洗濯槽内に連通させる
連通孔、１２はコントロールボツクスである。

又、１３は上面板４の後部下面から脱水槽３の
上部開口６の一側寄りに向けられた注水口で、注
水すすぎを行なう際に連続的に或いは必要に応じ
て断続的にすすぎ水を上部開口６に注水する。

１４は脱水槽３の内底部中央に着脱可能に立設
された多角筒状のポールで、周壁には通孔１５…
を、頂端には入口１６を夫々形成し、又下部外周
壁には必要に応じて遠心羽根（図示せず）を設け
る。

ここで、上記内蓋７は透明樹脂にて一体成型さ
れており、同時に衣類出入口５及び上部開口６に
対向する中央部に円形の凹所１７を形成し、更に
この凹所１７にはリブで連結された同心円状の多
数の吸気孔１８…を形成している。

又、上記外蓋８は凹所１７に対する中央部に開
口１９を形成し、この開口１９に透明な椀状のカ
バー２０を取付けている。又、このカバー２０は
硬質材料で形成され、そこには放射状の吸気孔２
１…を形成している。尚、凹所１７の上面とカバ
ー２０の下面との間には従来の内、外蓋間の間隔
と同程度の間隔Ｌが設けてある。又、この間隔Ｌ
を介して吸気孔１８…と２１…が対向することに
成るが、夫々別形状にしてあるので上下方向で完
全に合致する部分は非常に少くなつている。

２２，２３は上記開口１９及びカバー２０の周
縁で、垂下させてあり、内蓋７の上面に３mm程度
の小さなギヤツプｔを置いて対向し、ほとんどシ
ール状態にしている。

２４は脱水槽３の上部開口６に嵌着された柔軟
性のある押え蓋で、中央に小径の丸孔２５を設け
てポール頂端に対向させ且つその孔周辺を載置
し、中央の周囲に小羽根と穴から成る軸流フアン
２６を形成し、このフアン外周に通水孔２７…を
放射状に形成している。そして、軸流フアン２６
の内外周部を高い（深い）リブで縁取り、通水孔
２７…の周囲を低い（浅い）リブで縁取つてい
る。

注水すすぎの際には脱水槽３を連続的に或いは
断続的に回転し、注水口１３からは水を連続的に
或いは回転中断中に押え蓋２４の側に送る。衣類
Ｗは回転初期に遠心力によつて外方に押しやら
れ、しかもポール１４があるので、中心部を含め
て衣類の膜を作ることがなく、中央部分には空胴
ができる。水は押え蓋２４上に一度貯溜した後に
リブをオーバーフローして各通水孔２７…からほ
ぼ均一に流下し、そのまま衣類Ｗの上部に浸入
し、又ポール１４を伝つて流下して衣類Ｗの下部
にも浸入する。そして水は衣類Ｗを通過して洗剤
を希釈し、脱水孔９…から出ていく。この注水状
態は凹所１７及びカバー２０を介して外蓋８上方
から目視できる。又、注水中に押え蓋２４から上
方に躍ねる水はまず凹所１７の下面で一度押えら
れ、更にそこの吸気孔１８…を通過しても間隔Ｌ
内で飛散する力をほとんど失ない、カバー２０の
吸気孔２１…から上方に出ることは極めて少い。
更に、吸気孔１８…と２１…がほとんど合致しな
いので、凹所下面とカバー下面に当らずに両吸気
孔１８…，２１…を直接抜け出ることはほとんど
ないのである。

最終脱水する際には注水を中止して脱水槽３を
連続的に回転させる。すると、軸流フアン２６に
よつて内、外蓋７，８の吸気孔１８…，２１…か
ら外気を吸込んで脱水槽３内に流下させる。この
空気流、即ち風は衣類Ｗの空胴を通つて更に流下
でき、一方では遠心力を受けているので、衣類Ｗ
を通過して脱水孔９…から出る。そして、この通
過中に衣類Ｗから水分を蒸発させて脱水率を向上
させている。受槽２内の風は連通孔１１から洗濯
槽に出て放出される。一方、ポール１４自身と遠
心羽根も遠心フアンとして機能し、丸孔２５及び
入口１６から外気を吸引して通孔１５…から衣類
Ｗに向けて放出するこの洗濯、脱水中にカゴ等の
洗濯用具を外蓋８上に乗せた場合、カバー２０よ
り大きいものはカバー２０上面に当りにくく、こ
のカバー２０を傷つけることが極めて少い。

ギヤツプｔはそのシール効果によつて内、外蓋
７，８間から機内の空気を吸引するのを極めて少
くし、同時に外気を上方から真直ぐ下方に吸込み
やすくしている。又、梱包時には従来は内、外蓋
７，８間にがたつきを防ぐために弾性材を介挿し
ていたが、本実施例ではギヤツプｔが極めて小さ
いので両蓋７，８間のがたつきはほとんど無くな
り、弾性材を省略できる。

尚、カバー２０は外蓋８とは別体なので傷がつ
きにくい任意の硬質材料で作ることができるが、
不本意にも傷がついて透明度が著しく低下した場
合は別体であることから新しいカバーと交換す
る。

以上のように本考案による脱水機は、外蓋のカ
バーの傷つきを妨げ、注水時にはその状態を目視
でき、この時の水しぶきが外蓋上方にまで出るの
を抑制でき、更に新鮮外気を効果的に吸引できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による脱水機の開蓋時の斜視
図、第２図は閉蓋時の側断面図、第３図は要部断
面図である。 ３……脱水槽、６……上部開口、７……内蓋、
８……外蓋、１３……注水口、１４……ポール、
１７……凹所、１８……吸気孔、１９……開口、
２０……カバー、２１……吸気孔、２６……軸流
フアン、Ｌ……間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱水槽内にすすぎ水を注水して注水すすぎし、
   一方では外気を吸引しつつ脱水するものに於い
   て、上記脱水槽の上部に内蓋と外蓋を配設し、上
   記内蓋を透明材料から形成すると共に、上記脱水
   槽の上部開口に対向する中央部には凹所を形成
   し、上記外蓋の中央部に開口を設けると共に、こ
   の開口には上記凹所に向けて凹んだ透明なカバー
   を取付け、上記凹所及びカバーに上記脱水槽の上
   部開口に連通する吸気孔を形成したことを特徴と
   する脱水機。