JPH11276771A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯兼脱水槽の上部開口縁に設けたバランサ
ーによって洗濯物の投入口が狭められることがなく、毛
布などの大物の洗濯物でも出し入れを容易に行うことが
でき、さらにバランサーの上面の汚れも隠すことができ
て体裁がよく、しかも脱水行程における搖動を防止する
機能が大きく低減することもない洗濯機を得る。 【解決手段】 外箱内に支持された水槽内に、上面を開
口した洗濯兼脱水槽４を回転自在に配設し、該洗濯兼脱
水槽４の開口縁にバランサー１６を設け、前記水槽の上
部開口縁に前記バランサー１６の上方に位置させて水槽
カバー１９を突設した洗濯機において、前記バランサー
１６の上部内縁を洗濯兼脱水槽４の内方に向かって下方
に傾斜する傾斜面１６ａに形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】例えば一槽式の全自動洗濯機は、図２に
も示すように外箱１内に防振装置３を介して洗濯液・濯
ぎ液を溜める水槽４を搖動自在に支持し、該水槽２内
に、脱水孔４ａを周壁面に穿設した洗濯兼脱水槽４を回
転自在に配設し、該洗濯兼脱水槽４の底面に回転自在に
回転翼５を配設している。図中、６は外箱１の上部に配
設し洗濯物出し入れ用の開口部７を設けたトップカバー
で、蓋８により開口部７の開閉を可能としている。ま
た、水槽２の上部開口には内周縁にそって水槽カバー１
９を水平に突設してある。

【０００３】９は水槽２の外側底部に配設され回転翼５
および洗濯兼脱水槽４の回転の駆動力を提供する駆動装
置であり、駆動力を発生させるモータ１０と、その駆動
力を滅速して伝達するモータプーリ１１とベルト１２で
連結している主軸プーリー１３と、ギアー装置１４と、
このギアー装置１４への駆動力を切り替えるクラッチ装
置１５とで構成される。

【０００４】１６は洗濯兼脱水槽４の上端部周縁に取り
付けられ、脱水工程における洗擢兼脱水槽４の振動を低
減させる内部に液体が注入してある中空リング状のバラ
ンサー、１７は回転翼５の底部と洗濯兼脱水槽４の上部
開口縁との間に形成される循環水路で、この循環水路１
７の上部は前記バランサー１６の下部に開口し、開口に
はリントフィルタ１８が取り付けてある。

【０００５】そして、洗濯開始時には蓋８を開き、開口
部７から水槽カバー１９の開口を介して洗濯兼脱水槽４
内に洗濯物を投入し、蓋８を閉じれば、予め設定した洗
濯内容に従って洗い、すすぎ、脱水の各行程が自動的に
進行する。

【０００６】脱水行程では洗濯兼脱水槽４と一体となっ
てバランサー１６が回転することで、洗濯兼脱水槽４内
の洗濯物の偏りなとが原因で洗濯兼脱水槽４が大きく偏
心して搖動しようとする動きをバランサー１６内の液体
が洗濯兼脱水槽４とは反対方向に移動することにより逓
減し、洗濯機全体が大きく振動することを防いでいる。

【０００７】ところで、バランサー１６は前記のように
脱水行程において洗濯兼脱水槽４の搖動を防ぐものであ
るが、従来のバランサー１６は図３に示すように断面形
状が長方形状であり、洗濯兼脱水槽４の内壁よりも槽内
方に大きく突出している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】洗濯兼脱水槽４の開口
縁にバランサー１６が配設されることから、洗濯兼脱水
槽４の開口の大きさはバランサー１６の内径により決定
されることになるが、従来のようにバランサー１６の断
面形状が長方形であると、バランサー１６の内径部分が
垂直面１６ｃとなり、開口幅はバランサー１６の上部と
下部とで同一幅となる。

【０００９】このため、洗濯物を出し入れするためのバ
ランサー１６の上部開口縁位置の洗濯物投入口の径が、
バランサー１６の下部の径と同じことになり、洗濯物投
入口にバランサー１６の上部が大きく突出することにな
り、洗濯物の出し入れが行いにくいことがある。特に、
毛布などの大物を洗濯するときは、洗濯兼脱水槽４の内
径よりもバランサー１６の内径の方が小さいことから、
出し入れが容易ではなく、洗濯物がバランサー１６の開
口縁箇所に引っ掛かることもある。

【００１０】また、前記のようにバランサー１６の上部
が洗濯兼脱水槽４の内方に大きく突出するため、バラン
サー１６の上方に配設する水槽カバー１９でバランサー
１６の上面全体を覆いきれないことにもなり、バランサ
ー１６の上面に付着した洗剤などによる汚れが目に付
き、見栄えもよくない。

【００１１】かかる不都合を解消するにはバランサー１
６の内径を大きく形成すればよいが、このようにすると
バランサー１６の全体の容積が小さくなり、洗濯兼脱水
槽４の搖動を阻止する機能を十分に発揮できなくなるお
それがある。

【００１２】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、洗濯兼脱水槽の上部開口縁に設けたバランサーによ
って洗濯物の投入口が狭められることがなく、毛布など
の大物の洗濯物でも出し入れを容易に行うことができ、
さらにバランサーの上面の汚れも隠すことができて体裁
がよく、しかも脱水行程における搖動を防止する機能が
大きく低減することもない洗濯機を提供することにあ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第１に、外箱内に支持された水槽内に、上面
を開口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、該洗濯兼
脱水槽の開口縁にバランサーを設け、前記水槽の上部開
口縁に前記バランサーの上方に位置させて水槽カバーを
突設した洗濯機において、前記バランサーの上部内縁を
洗濯兼脱水槽の内方に向かって下方に傾斜する傾斜面に
形成したことにより、バランサーの上部内縁が洗濯兼脱
水槽の開口内方に突出せず、洗濯物の投入口の径が大き
くなり、洗濯物の出し入れが行いやすくなる。この場
合、バランサーの上部内縁が傾斜面に形成されるたけで
あるから、バランサー全体の容積は大きくは減少せず、
バランサーの機能が損なわれるおそれはない。

【００１４】第２に、傾斜面は、中央が傾斜にそって僅
かにへこむような曲面形状に形成したから、バランサー
の上方への突出感がさらに減少し、洗濯物の投入口がよ
り広く見える。よって、洗濯物の出し入れが行い易くな
る。

【００１５】第３に、傾斜面の上端部延長線上に水槽カ
バーの開口の内縁を位置させることにより、水槽カバー
の突出長を大きくせずにバランサーの上面を水槽カバー
で完全に覆うことができ、バランサー上面に付着した洗
剤汚れを水槽カバーで隠蔽でき見栄えのよいものとな
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図１は本発明の洗濯機の実施
の形態を示す腰部の縦断正面図で、本発明の洗濯機の全
体構造は図２について既に説明したとおりであるから、
ここでの詳細な説明は省略する。

【００１７】本発明の洗濯機も、外箱１内に支持された
水槽２内に、上面を開口した洗濯兼脱水槽４を回転自在
に配設し、該洗濯兼脱水槽４の開口縁にバランサー１６
を設け、前記水槽２の上部開口縁に前記バランサー１６
の上方に位置させて水槽カバー１９を突設したものであ
り、バランサー１６は中空のリング状に形成され、従来
と同様に外径が洗濯兼脱水槽４の外径に等しく、内径は
洗濯兼脱水槽４の内方に突出するような大きさに形成し
てある。

【００１８】かかる洗濯機において、バランサー１６の
構造として図１に示すようにその上部内縁を欠損するよ
うに洗濯兼脱水槽４の内方に向かって下方に傾斜する傾
斜面１６ａに形成した。この場合、傾斜面１６ａの形成
高さは、バランサー１６の全体の約２分の１の高さ位置
よりも少し高い位置から上方の部分に傾斜面１６ａを形
成する。

【００１９】そして、この傾斜面１６ａは、中央が傾斜
にそって僅かにへこむようなへこみ部１６ｂを有する曲
面形状とした。なお、かかる形状のバランサー１６の成
形は、該バランサー１６が中空のリング状で、複数（少
なくとも２つ）の部材を溶着などにより接合して形成す
るものであることから、図１に示すように上部部材と下
部部材との２つの部材を組み合わせて中空リング状に形
成する場合は、上部部材にのみ傾斜面１６ａを形成すれ
ばよいから、製造工程が特に複雑になることはない。

【００２０】さらに、このようなバランサー１６の上方
位置に配設する水槽カバー１９について、傾斜面１６ａ
の上端部延長線上に該水槽カバー１９の開口の内縁を位
置させるようにして、バランサー１６の上面をほぼ完全
に水槽カバー１９で覆う。

【００２１】以上のように構成することで、バランサー
１６の上部内縁が洗濯兼脱水槽４の開口内方に突出せ
ず、洗濯物の投入口の径が大きくなり、洗濯物の出し入
れが行いやすくなり、特に毛布などの大物の洗濯物を投
入する際に、洗濯物がバランサー１６の開口縁に引っ掛
かることもなく、洗濯兼脱水槽４内に押入れやすくな
る。

【００２２】また、傾斜面１６ａは、中央が傾斜にそっ
て僅かにへこむようなへこみ部１６ｂによる曲面形状に
形成したから、バランサー１６の上方への突出感がさら
に減少し、洗濯物の投入口がより広く見える。よって、
洗濯物の出し入れがより行い易くなる。

【００２３】そして、バランサー１６の全体形状として
は一部が欠損されるようなものとなるが、上部内縁が傾
斜面１６ａに形成されるだけであるから、バランサー１
６全体の容積は大きくは減少せず、バランサー１６の機
能が損なわれるおそれはない。

【００２４】さらに、傾斜面１６ａの上端部延長線上に
水槽カバー１９の開口の内縁を位置させることにより、
水槽カバー１９の突出長を大きくせずにバランサー１６
の上面を水槽カバー１９で完全に覆うことができ、バラ
ンサー１６上面に付着した洗剤汚れを水槽カバー１９で
隠蔽できる。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように本発明の洗濯機は、第
１に、外箱内に支持された水槽内に、上面を開口した洗
濯兼脱水槽を回転自在に配設し、該洗濯兼脱水槽の開口
縁にバランサーを設け、前記水槽の上部開口縁に前記バ
ランサーの上方に位置させて水槽カバーを突設した洗濯
機において、前記バランサーの上部内縁を洗濯兼脱水槽
の内方に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成したこと
により、バランサーの上部内縁が洗濯兼脱水槽の開口内
方に突出せず、洗濯物の投入口の径が大きくなり、洗濯
物の出し入れが行いやすくなる。この場合、バランサー
の上部内縁が傾斜面に形成されるたけであるから、バラ
ンサー全体の容積は大きくは減少せず、バランサーの機
能が損なわれるおそれはない。

【００２６】第２に、傾斜面は、中央が傾斜にそって僅
かにへこむような曲面形状に形成したから、バランサー
の上方や内方への突出感がさらに減少し、洗濯物の投入
口がより広く見える。よって、洗濯物の出し入れがさら
に行い易くなる。

【００２７】第３に、傾斜面の上端部延長線上に水槽カ
バーの開口の内縁を位置させることにより、水槽カバー
の突出長を大きくせずにバランサーの上面を水槽カバー
で完全に覆うことができ、バランサー上面に付着した洗
剤汚れを水槽カバーで隠蔽でき見栄えのよいものとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の洗濯機の実施形態を示す要部であるバ
ランサー部分の縦断正面図である。

【図２】洗濯機の全体構造図である。

【図３】従来の洗濯機のバランサー部分の縦断正面図で
ある。

【符号の説明】 １…外箱、 ２…水槽、 ３…防
振装置、４…洗濯兼脱水槽、 ４ａ…脱水孔、
５…回転翼、６…トップカバー、 ７…開口部、
８…蓋、９…駆動装置、 １０…モー
タ、 １１…モータプーリ、１２…ベルト、
１３…主軸プーリー、 １４…ギアー装置、１５…
クラッチ装置、 １６…バランサー、 １６ａ…傾斜
面、１６ｂ…へこみ部、 １６ｃ…垂直面、 １
７…循環水路、１８…リントフィルタ、１９…水槽カバ
ー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外箱内に支持された水槽内に、上面を開
   口した洗濯兼脱水槽を回転自在に配設し、該洗濯兼脱水
   槽の開口縁にバランサーを設け、前記水槽の上部開口縁
   に前記バランサーの上方に位置させて水槽カバーを突設
   した洗濯機において、前記バランサーの上部内縁を洗濯
   兼脱水槽の内方に向かって下方に傾斜する傾斜面に形成
   したことを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】 傾斜面は、中央が傾斜にそって僅かにへ
   こむような曲面形状であることを特徴とする請求項１記
   載の洗濯機。
3. 【請求項３】 傾斜面の上端部延長線上に水槽カバーの
   開口の内縁を位置させることを特徴とする請求項１また
   は請求項２に記載の洗濯機。