JPS6041712B2 - 金属容器内外面処理方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属容器内外面の処理液による処理方法及び
装置に係り、特に被処理容器を水平軸周りに回転せしめ
、該回転動により処理液の容器内部への注入、充填、容
器内部からの排出及び容器全体の処理液中への浸漬、処
理液中からの引き上げを行わしめ、容器の回転でこれの
内外面処理を完了するようにした金属容器内外面処理方
法及ひ装置に関する。

金属部品に塗装を施す場合、塗料の付着を良好にする
ために金属部品に付着した油分の除去、所謂脱脂処理等
による素材表面の浄化、素材表面粗度の拡大化等の前処
理が必要である。

斯る前処理としては、一般に金属部品表面をリン酸塩水
溶液等の処理液と接触せしめる方法が知られている。
金属容器、特に自動二輪車用、或は自動車用燃料タンク
の如き箱形密閉容器の処理液による内外面処理は従来デ
イピング方式、コンベアデイピング方式等種々の方法に
て行われている。デイピング方式は第４図にその工程を
示す如く、箱形液槽５０内にリン酸塩水溶液５１を満た
し、該液槽５０内に被処理容器Ｗを浸漬せしめ、容器開
口部Ｗ、を介して容器Ｗ内部に水溶液を充填し、その後
容器を揺動、或は振動させて容器内外表面を接液処理し
、次に該容器Ｗを水溶液５１より引き上げ、開口部Ｗ、
を下にして容器Ｗ内部の水溶液を排出して容器Ｗの内外
面処理を終了するものである。

又上記コンベアデイピング方式は、第５図に示す如く処
理液１０１が満たされた処理槽１００をライン中に設け
、該処理槽１００上方をコンベア１０２のハンガ゛−１
０３・・・にて吊り下げられた被処理容器Ｗ・・・を前
記処理液１０１中に浸漬、接液処理しつつ移動せしめ、
最後に容器Ｗ・・・中に充填された処理液を排出して容
器内外面処理を終了するものである。しかしながら、以
上の両方式にては被処理容器を処理液中に浸漬した場合
、特に複雑な形状を有する容器にあつては、容器内部に
空気溜り部が形成され、容器内部全表面に亘つて処理液
が接触せず、完全な表面処理を期待することができない
。

又デイピング方式によれば、被処理容器を揺動、振動せ
しめる装置が大型化、複雑化する上、その処理能力も劣
るという問題があり、他方コンベアデイピング方式によ
れば、前述した作業方法からも明らかな如く、その作業
スペースが拡大化し、設備レイアウト上不利であるとい
う問題がある。本発明者等は、金属容器、特に自動二輪
車用、或は自動車用燃料タンクの如き箱形密閉容器の処
理液による内外面処理における上記した問題に鑑み、こ
れを有効に解決すべく本発明を成したものてある。本発
明の目的とする処は、被処理容器を水平軸周りに回転せ
しめ、該回転動により容器全体の処理液中への浸漬及び
処理液中からの引き上げを行わしめ、容器の一回転でも
つてこれの外面処理を完了する金属容器の外面処理方法
及び該外面処理．と同時に前記容器の回転動により処理
液の容器内部への注入、充填及び容器内部からの排出を
行わしめ、容器の一回転でもつてこれの内外面処理を同
時に行わしめ、表面処理の完全、且つ確実な実施化、作
業の簡易化、効率化等を図り得る金属容器内外面処理方
法を提供するにある。

又本発明の目的とする処は、上記金属容器内外面処理方
法を具体的に実施し得、しかも複数の金属容器の内外面
処理が同時、且つ連続して行なえ、処理作業の簡易化、
効率化、処理能力の向上・等を図り得る金属容器内外面
処理装置を提供するにある。

以下にます本発明に係る内外面処理装置の一実施例を添
付図面に基づいて説明し、次に本処理装置に基づいて装
置の作用説明を含みながら本発明に係る処理方法の具体
的一実施例を説明する。

第１図は本処理装置の要部破断正面図、第２図は同側面
図、第３図は取付治具下部に設けられた弁機構を説明す
るための同治具下部破断側面図てある。図中１は回転体
であり、該回転体１は断面正１２角形の多角柱状に形成
された内部２及び外筒３で二重構造に構成され、内部中
心に一致して軸方向フには回転軸４が貫通し、該回転軸
４外周から前記内筒２の多角内面２ａ・・・には夫々バ
イブ材５・・・，６・・・が互いに平行に対を成して、
且つ回転軸４内部に形成された通孔７，８と内・外筒２
，３間に形成される空間部９を連通すべく放射状に固着
さ】れ、これらバイブ材５・・・，６・・・にて内・外
筒２，３は回転軸４に対して支持されている。

斯る回転体１はその回転軸４の両端部４ａ，４ｂが支持
台１０，１０に対して水平に支承され、回動自在に支持
されており、該回転体１はモータ】１１にてモータ１１
と減速機１２間に張設されたベルト１３、減速機１２、
減速機１２の回転軸端部に嵌着された小歯車１４及びこ
の小歯車１４と噛合し、回転軸４に嵌着された大歯車１
５を介して減速、トルク増幅されつつ所定回転速度にて
駆動される。

又回転体１の前記空間部９内にはリン酸塩水溶液等の処
理液１６が空間部９の略中間高さ位置まで満たされてい
る。一方、回転体１の外周の各多角面３ａ・・・上には
被処理容器Ｗ・・・を取付支持するための取付治具１７
・・・がそれら下端部に形成されたシリンダ部１８・・
が回転体１内に前記空間部９内に臨む如くして固定され
ている。

該取付治具１７の前記シリンダ部１８内には第３図に示
す如くスライド弁１９が嵌装され、これ１９の側壁外周
には複数個の通孔２０・・・がシリンダ部内室１８ａと
空間部９とを連通すべく形成されており、該シリンダ部
１８上方には回転体１外部とシリンダ部内室１８ａとを
連通すべく中央部に通孔２１ａを縦通して成る固定部２
１が一体成形されている。又固定部２１外周には容器固
定用レバー２２を揺動自在に枢着して成る支持部材２３
を嵌着しており、該支持部材２３の固定部２１に形成さ
れた前記通孔２１ａ上方部には第３図にその詳細を示す
如く被処理容器Ｗの開口部Ｗ１外周を嵌合保持するため
の円形溝２３ａが形成されている。尚上記レバー２２は
スプリング等の弾発手段を介して常時反時計方向に弾発
付勢されている。斯る回転体１の外周に複数個の取付治
具１７・・を設けて成る回転装置の回転体１下方には第
１図及び第２図に示す如く液槽２４が配置せられ、該液
槽２４内には前記回転体１の略下半分が浸漬する如く処
理液２５が満たされている。

尚この処理液２５は回転体１内の空間部９内の前記処理
液１６と同種、或は異種の何れのものてもよい。２６は
内部に回転体１の空間部９内に注入した処理液１６と同
一処理液を満たした別設タンクであり、該タンク２６は
液供給管２７を介して、第２図に示す如く例えば回転体
１の回転軸４内部に形成された一方の通孔７に接続され
、従つてタンク内部と回転体１の空間部９とは連通して
いる。

尚前記液供給管２７のタンク２６近傍には液ポンプ２８
が介設されている。他方の通孔８は液回収管２９に接続
せしめられ、該液回収管２９端部２９ａはタンク２６上
方に開口している。次に本発明装置による容器内外面の
処理作業を説明しながら、本発明に係る容器外面処理方
法及ひ容器内外面処理方法の具体的実施例について言及
する。

まず回転体１をモータ１１にて反時計方向（図中矢印方
向）に回転させつつ、作業者はＡ位置にて被処理容器Ｗ
をその開口部Ｗ１を取付治具１７の前記円形溝２３ａ内
に嵌合しつつ固定用レバー２２にて取付治具１７に順次
挾圧保持する。

斯くしてＡ位置にて取付支持された１個の容器．Ｗに着
目し、該容器Ｗがその一回転とともに如何にして外面処
理を施されるかを以下に述べる。第１図は実際は多数（
正確には１２個）の容器Ｗ・・・が回転体１の外周に取
付支持され、連続的にその内外面処理が施されている状
態を示している．が、今説明の便宜上第１図は、前記１
個の容器Ｗのその内外面処理工程における各工程（各時
間）毎の位置関係を示しているものと仮定し、この仮定
のもとに容器の外面処理方法を述べる。Ａ位置にて前述
の如くして取付支持された容器，Ｗは、その反時計方向
の回動とともに徐々に下降し、Ｃ位置にて容器Ｗ全体は
液槽２４内の処理液２５中への浸漬を開始し、この浸漬
状態は容器Ｗが更に回動し、真下Ｄ位置を経てＥ位置に
達するまで保持され、この間の浸漬で容器Ｗの全外表面
は処理液２５と接触し、接液処理される。容器ＷがＥ位
置を過ぎると処理液２５から引き出され、更なる回動に
より再びＡ位置に復帰する間、容器外表面に付着した処
理液は滴下して、容器Ｗの外面処理はその一回転ととも
に完了する。実際の作業においては第１図に示す如く回
転体１の外周面に複数の被処理容器Ｗ・・・を取付支持
し、該回転体１を回転させつつ作業者はＡ位置にｌて前
述の如のその一回転動とともに外面処理を終えた容器ｗ
を取外し、別の末処理容器を取付支持することにより、
金属容器の外面処理を連続的に実施でき、その作業効率
を大幅に向上せしめることができるとともに、処理の完
全、且つ確実な実施、作業の簡易化、作業スペースの縮
小化等が図れる。

以上金属容器の外面処理方法を述べたが、本方法の原理
を要約すれば次の如くである。

即ち （１）被処理容器の水平軸周りの回転動に伴う上下変位
動及び該変位動による処理液中への浸漬、処理液からの
引き上げ、容器表面に付着した処理液の重力による自由
滴下。

（２）処理液の流動性を利用した容器の回転動に無関係
な液位の一定保持。

次に上述した外面処理と同時に内面処理を施す金属容器
内外面処理方法について述べる。

尚外面処理方法については前述したのでここでは内面処
理方法についてのみ述べる。第１図は前記外面処理方法
において述べたと同様に、Ａ位置にて取付支持した被処
理容器Ｗの内外面処理工程における各工程（各時間）毎
の位置関係を示すものと再び仮定し、この図に基づいて
容器内面処理方法を説明する。

前述の如くして被処理容器ＷがＡ位置にて回転体１外周
面に取付支持されるが、この時取付治具１７の下部シリ
ンダ部１８内に嵌装されたスライド弁１９は、第３図の
如き開状態となり、容器Ｗ内部と回転体１の空間部とは
通孔２１ａ，２０・・・を介して互いに連通しており、
容器Ｗ取付前にはスライド弁１９は閉状態、即ちスライ
ド弁１９の上端面１９ａと取付治具１７の固定部下端面
２１ｂとが密着し、空間部９内に注入された処理液１６
の外部流出を防止している。

この時のスライド弁１９の作動手段は空気圧、油圧等を
作動源とする任意のものが採用される。前記Ａ位置に取
付支持された容器Ｗは、その反時計方向（図中矢印方向
）の回動とともに徐々に下降し、略水平位置Ｂに達した
時、取付治具１７のシリンダ部１８は、回転体１内の空
間部９に注入された処理液１６中への浸漬を開始し、更
なる容器Ｗの回動に伴つて容器Ｗ内へは処理液１６が第
３図に示す通孔２０・・・，２１ａを介して容器Ｗ内の
空気を排除しつつ注入され、容器Ｗが真下Ｄに位置した
時に容器Ｗ内へは処理液１６が充填され、容器内全表面
が処理液１６と接触し、ここに完全なる内面処理が開始
される。

尚容器Ｗ内から排出される前記空気は処理液１６との比
重の差異に基づいて処理液１６中を浮上し、空間部９の
上半部９ａに溜まる。更なる回転により容器Ｗは上昇し
、再び略水平位置Ｆに達するまては容器Ｗ内へは処理液
１６が依然充填されたままて、回転動に伴い内部の処理
液は攪拌され、均一なる内面処理が施される。容器Ｗが
前記略水平位置Ｆを過ぎて上昇すると、取付治具１７の
シリンダ部１８は処理液１６中から引き上げられ、容器
Ｗ内に充填されていた処理液は通孔２１ａ，２０・・・
を介して重力により自由落下して容器外に排出され、こ
れと同時に容器Ｗ内へは同通孔２０・・・，２１ａを介
して空気が充填される。斯くして容器が最上位Ｇに位置
した時、容器Ｗ内の処理液は完全に排出され、容器Ｗが
再びＡに位置した時、作業者により該処理済容器が回転
体１より取付され、ここに容器Ｗの一回転でもつてこれ
の内面処理が極めて容易、確実、且つ迅速に終了する。
実際の作業においては、第１図に示す如く回転体１の外
周に多数の容器Ｗ・・・を取付支持してこれらＷ・・・
を回転せしめることにより、作業者は前述の如くして内
面処理された容器ＷをＡ位置にて取．外すと同様に、未
処理容器を取付支持することにより、内面処理作業を連
続して行うことができ、これの作業能率を大幅に向上せ
しめることができる。

尚回転体１内の処理液の補充、濃度の制御、交，換等は
第１図及び第２図に示す如く、液ポンプ２８を駆動して
処理液の回転体１の空間部９と別設タンク２６間の循環
を図ることにより行われる。

又スライド弁１９の開閉制御により容器内に充填された
処理液の排出時期を処理液１６の回転体１内の液位に無
関係に任意に設定することも可能である。以上容器内面
の処理方法について述べたが、本処理方法の原理を要約
すると次の如くである。

即ち、（１）容器の回転動による容器開口部の姿勢変化
、該容器の上下変位、該上下変位に基づく処理液の重力
による注入、充填及ひ自由落下による排出。

（２）処理液の流動性を利用した回転体の回転動に無関
係な液位の一定保持。

（３）空気と処理液間の比重の差異に基づく空気の容器
外排出と処理液の容器内への注入、充填。

以上述べた内面処理方法と前述した外面処理方法を組み
合せて両方法を同時に実施すれば、これが即ち本発明の
金属容器内外面処理方法の実施となる。以上の説明から
明らかな如く本発明方法によれば、被処理容器を水平軸
回りに回転動せしめ、該回転動による容器の上下変位動
、重力等を利用して容器全体の処理液中への浸漬、同液
からの引き上げ、処理液の容器内部への注入、充填及び
同液の容器内部からの排出を行わしめ、容器の１回転で
これの内外面処理を行うようにしたため、容器内外全表
面が接液し、極めて完全、且つ確実な内外面処理が迅速
に実施できるとともに、処理作業の簡易化、効率化を図
ることがてきる。

又本発明装置によれば、水平軸周りに回転する回転体外
周に複数個の容器を取付支持し、回転体の回転動により
各容器の内外面処理作業が順次に、連続して行える構成
としたため、上記方法を具体的に実施できるとともに、
処理作業の効率化、作業スペースの縮小化、処理能力の
大幅向上等を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は内外面
処理装置の要部破断正面図、第２図は同側面図、第３図
は取付治具下部の拡大破断側面図、第４図及び第５図は
従来の処理作業を説明するための図である。 尚図面中１は回転体、１１はモータ、１２は減速機、１
６，２５は処理液、１７は取付治具、１８は取付治具シ
リンダ部、１９はスライド部、２４は液槽、２６は別設
タンク、２８は液ポンプ、Ａ，Ｂ・・・・・・Ｇは容器
の各処理工程における関係位置、Ｗは被処理容器である
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転体の内部に空間部を残して処理液を満たすとと
   もに、被処理金属容器をその内部が回転体の内部と連通
   するように回転体の外周に取付け、この状態で回転体を
   水平軸周りに回転させることで、被処理金属容器を回転
   体の下方に設置した処理液槽内に浸漬せしめ、これと併
   行して、回転体内部の処理液の液面よりも下方位置まで
   被処理金属容器が回転した際に回転体内部の処理液を自
   重によつて被処理金属容器内に注入充填せしめるととも
   に、回転体内部の処理液の液面よりも上方位置まで被処
   理金属容器が回転した際に被処理金属容器内の処理液を
   回転体内部に自重によつて排出するようにしたことを特
   徴とする金属容器内外面処理方法。 ２ 水平軸周りに回動自在に支持され、内部に処理液を
   空間部を残して注入して成る回転体の外周に該回転体内
   部と連通する通孔を有し、被処理金属容器をその内部が
   前記通孔を介して回転体内部に連通すべく取付支持する
   ための取付治具を複数個設けて成る回転装置と、該回転
   装置下部に位置し、内部に処理液を満たして成る液槽と
   から構成され、前記回転装置の略下半部が前記液槽内の
   処理液中に浸漬するようにしたことを特徴とする金属容
   器内外面処理装置。